トラックパーティーにキナンの雨乞竜己と中西健児が参戦

トラックパーティー2018インオータム サイクルエンターテイメントイズ(NIPPO presents TRACK PARTY 2018 in AUTUMN 〜CYCLE ENTERTAINMENT IZU〜)にキナンサイクリングから雨乞竜己と中西健児が出場。大会初日となる土曜日のレースでは、雨乞・中西ペアで初めて挑んだマディソン種目でDNFとなり、エリミネーション種目では雨乞が14位、中西が8位となった。

トラックパーティー2018 イン オータム -サイクルエンターテイメント イズ- DAY 1 ©︎KINAN Cycling Team / Kensaku SAKAI

トラックパーティーは2020年東京オリンピック・パラリンピック自転車競技の開催地となる伊豆ベロドロームを舞台に、2017年に日本初の屋内フェス型サイクルイベントとしてスタートしている。2018年春に2回目の開催を経て、今回で3回目の開催となる。国内外の一流選手を集めたトラックレースをメインに、ダンスショーやDJイベントが会場を盛り上げ、屋外ではファミリーフードフェスや子供向け体験イベントなどのアトラクションコンテンツが充実。

メインとなるトラックレースではケイリン・マディソン・エリミネーションと初心者でも分かりやすい種目が選ばれていて、近年注目を浴びているチームパシュート種目も加えられて、トラック競技の初心者や家族連れでも楽しめるサイクルイベントとなっている。またトラック内のインフィールドエリアにはお酒や食事を楽しみながら間近でレースを観戦でき、出場選手とも交流できるVIPエリアが設置されるなど、海外のトラックイベントと同じ雰囲気を体験することもできる。

10月13日(土)と14日(日)の2日間で開催されるトラックパーティーに、キナンからは雨乞と中西の2名が参戦。2人1組で選手交代を繰り返しながらポイント周回での獲得ポイントを争うマディソンと、各周回の最後尾選手がレースを離脱し、最後に残った選手が勝者となるエリミネーションに出場した。

秋の訪れを感じさせる冷たい風が吹く初日ではあったが、会場内はレースの開始を待つ観客の熱気で半袖でも汗ばむほど。屋外のフードエリアでは「まぐろ解体ショー」が行われるなど、待ち時間も飽きさせない工夫がされていた。一方、屋内のイベントはVIPエリアの観戦者を対象にした「バンクウォーク」からスタート。アテンダントを務める選手たちの説明を受けながら観客がバンクを半周し終わると、続いてトラックパーティーの開始を告げるダンスショー。ちょうどそのころ、キナンの2人も会場へ。初めてのトラックパーティーに少し緊張気味の笑顔を見せた。そして出場選手全員による「オープニングラン」が始まると、雨乞と中西も大きなコールとともにバンク内に登場。プロの競輪選手や女子選手達は観客に笑顔で手を振りながら周回していくが、2人は少しはにかみながらの走りとなった。

2人が挑む最初のレースはマディソン。1周250mのトラックを60周回(15km)するこの種目は、10周回毎にポイント周回が設定され、フィニッシュラインの通過順位によって与えられるポイントの合計獲得数で順位が決まる。またこの種目は2名でペアを作るチーム戦となっており、走行中に選手交代をしながらレースを進めていく。ブリヂストンサイクリングや、トラックを主戦場とするCS Slingerといった国内有力勢に加え、海外からもこの大会のマディソン2連覇中のオーストラリアン・サイクリング・アカデミーやアメリカナショナルチームなどが集結し、ハイレベルの戦いに。トラックパーティー初参戦かつ初めてのマディソン種目に挑むキナン勢2人がどのように戦うか期待が高まる中でスタートが切られた。

レースは序盤から優勝候補筆頭のオーストラリアン・サイクリング・アカデミーとブリヂストンサイクリングが先行し、キナンは集団後方で展開していく。最初のポイント周回までに他チームが選手交代を繰り返していく中、キナンも選手交代にトライする。マディソンの選手交代は基本的にはレース中の選手が交代選手にタッチすれば成立するが、通常はレース中の選手が交代選手の手をつかんで前方へ放り投げる形で交代していく。これにより交代選手は自分の力以上に加速する事が可能となりレース集団のペースも上がっていく。キナンの2名はタイミングが合わずに交代に失敗するシーンがあり、また放り投げの加速がなかなか上がらない状況で徐々にメイン集団から取り残されてしまい、1回また1回とレース集団にラップされてしまう。結果としてはラップ回数が規定数を超えた段階でレースから除外され、初めてのマディソン挑戦はDNFとなった。

なお、6回のポイント周回のうち4回を先頭で通過したオーストラリアン・サイクリング・アカデミーが合計45ポイントを獲得する圧巻の走りで優勝し、この大会3連覇を達成。レース後、残念そうな表情を見せた雨乞・中西の両選手ではあったが、翌日の同種目に向けた課題も見えていた様子で、次への期待が膨らんだ。

続いて両選手はエリミネーション種目に出場。36周回(9km)で行われたこの種目は、2周回ごとに最後尾の選手がレースから除外(エリミネート)、最後に残った選手が勝者となる。

序盤、屈強なトラック選手たちが集団前方を占める中で雨乞と中西の2人は集団中ほどから後方の位置で周回を重ねていく。手練の選手の中には、意識的に集団後方に位置して体力を温存しつつ、エリミネート周回のみ前方へと上がる動きを見せるが、経験の少ない2人にとって集団後方は危険な位置取り。危ない場面が続く中でレース開始から早々のタイミングで雨乞がエリミネートされる。残る中西はなんとか粘りつつ周回を重ねるが、周回を追うごとに経験の差が出た印象。トラック競技でオランダのナショナルチャンピオンに輝いた経験もあるレイモンド・クレダー(チームUKYO)とともに集団最後尾に位置した中西だったが、先行するレイモンド選手のチェックもあり、ポジショニングに苦戦。そのままエリミネート周回を迎え、レースを離脱することとなった。

レースはオーストラリアン・サイクリング・アカデミーのキーランド・オブライエンが優勝し、先に行われたマディソンと合わせて初日2冠。チームメートのリー・ハワードも2位となり、オーストラリア勢が上位を占めた。最終結果は、中西が8位、雨乞が14位。

初参戦のトラックパーティー初日を終えたキナンの2人。特に雨乞にとってはピストバイクでの初レース。それが国内だけでなく海外の強豪選手との手合わせとなり、悔しい結果になってしまったが、第2日に向けた課題を2人の間で共有しつつ帰路についた。(Report:酒井健作、Edit:福光俊介)

雨乞竜己

雨乞竜己のコメント
初めてのトラックレースで、ピストバイクも3、4回乗っただけでレースに参加させてもらったのですが、かなり刺激的であり、怖くもあった。マディソンの選手交代も他の選手が入り乱れる状態で怖かったところもあり、1回はパスしてしまった場面もあった。エリミネーションは位置取りが利く競技なので、個人的に好きな競技なのですが、今日は悔しい結果に終わってしまった。マディソンについては、今日のレースで競技特性をつかむことができ、同時に反省点も見えたので、その部分を改善して次に臨みたいと思う。

中西健児

中西健児のコメント
マディソンは前日の公式練習を含めて3回の練習で本番に挑んだ。今日のレースではDNFとなってしまったが、反省点は見えているので明日は1周でも多く走って完走を目指したいと思う。エリミネーションでは、エリミネート周回でレイモンド選手に終始チェックされて、あれはもう嫌でしたね(笑)。自らまずい展開にしてしまった。明日のエリミネーションではリベンジしたい。

ヨネックス製ラケットを手にチームプレゼンに登場…ジャパンカップ参戦のキナン

アジア最大級のワンデーレース「ジャパンカップサイクルロードレース」が10月19日のイベントで幕を開けた。この大会に3年連続で出場するキナンサイクリングは、宇都宮市街地で行われたチームプレゼンテーションに臨み、多くのファンからの歓声と拍手を受けた。

ヨネックス製バドミントンラケットでシャトルを飛ばすキナン勢 ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

UCI(国際自転車競技連合)公認の国際レースとしては、アジア最上位のHCクラスにカテゴライズされるこの大会。開催地・栃木県宇都宮市の各所にてレースや関連イベントが3日間にわたって行われる。

実質の大会初日にあたる19日は、市内中心部のオリオンスクエアでチームプレゼンテーションが開催された。ライトアップされたステージに、キナンは翌日のクリテリウム、翌々日のロードレースにそれぞれ臨む計7選手が登壇。会場に詰めかけた多くの観衆から歓声と拍手を受けた。

年々出場チームがステージで見せるパフォーマンスのクオリティが上がっている、この大会のプレゼンテーション。キナンも負けじとあの手この手でアピール。メインスポンサー「キナン」が建設機械レンタルを扱っていることにちなみ、ミニチュア版の重機を持ち込んだり、バイクサプライヤーの「YONEX」をアピールすべく、同社製バドミントンラケットで選手サイン入りシャトルを飛ばすといった形でファンの心をひきつけた。

極めつけは表情や立ち姿、ライドフォームまでそっくりと言われる山本元喜と大喜の兄弟が、それぞれのジャージを逆に着用。元喜のロード日本チャンピオンジャージを大喜が着て、元喜がオリジナルジャージで登壇すると、ステージから客席まで総ツッコミ。

その後改めて、日本チャンピオンジャージ姿となった山本元喜がマイクを取り、ジャージに恥じない力強い走りをすることを多くのファンの前で誓った。

大会はいよいよ競技がスタート。21日に行われるUCI公認レースに先立ち、20日はさまざまなカテゴリーでレースが行われる。キナンは、宇都宮市大通り周回コースで実施されるジャパンカップクリテリウムに臨む。38.25kmで争われるスピードレースにチームは、山本元喜、山本大喜、サルバドール・グアルディオラ、トマ・ルバ、中島康晴、新城雄大の6選手がエントリー。セレモニーやパレードののち、午後3時40分にスタートを迎える。また、午前中には本戦のコースとなる宇都宮市森林公園周辺のコースでオープニング・フリーランに選手たちが顔見せ。一般サイクリストとコースをめぐりながら、ファンサービスを行う予定となっている。

ジャパンカップサイクルロードレース出場選手
山本元喜(Genki YAMAMOTO)
マルコス・ガルシア(Marcos GARCIA)※ロードレースのみ
山本大喜(Masaki YAMAMOTO)
サルバドール・グアルディオラ(Salvador GUARDIOLA)
トマ・ルバ(Thomas LEBAS)
中島康晴(Yasuharu NAKAJIMA)※クリテリウムのみ
新城雄大(Yudai ARASHIRO)

●帯同スタッフ
ゼネラルマネージャー 加藤康則(Yasunori KATO)
スポーツディレクター 石田哲也(Tetsuya ISHIDA)
マッサー 安見正行(Masayuki AMI)
メカニック 中山直紀(Naoki NAKAYAMA)
メカニック 横井利明(Toshiaki YOKOI)
メディアオフィサー 福光俊介(Syunsuke FUKUMITSU)
アドバイザー 鈴木新史(Shinji SUZUKI)

●レーススケジュール
10月20日 午後3時40分スタート ジャパンカップクリテリウム 38.25km
10月21日 午前10時スタート ジャパンカップサイクルロードレース(UCIアジアツアー1.HC) 144.2km

キャノンデールが日本未発売だったマウンテンバイク5モデルを期間限定発売

キャノンデール・ジャパンは、日本国内未発売のマウンテンバイク5モデルを期間限定で発売する。MTBワールドカップで勝利を獲得しているモデルを含む充実のラインアップ。新型Lefty Ocho搭載のバイクや、乗車したままジオメトリーを可変できるGemini Shockを採用した最新レーシングバイクをシーンに合わせて選べる。11月30日までの期間限定で全国のキャノンデール正規販売代理店で注文を受け付ける。

Jekyll 1 27.5
Model Year 2019 – USA Model

Jekyll 1 27.5 サイズ:S, M, L, XL カラー:Tangerine 98万円(税別)

フローモードで下りを駆け抜け、そして楽に上ることができるエンデューロレースで表彰台に立つためのマストアイテム。

Trigger 1
Model Year 2019 – USA Model

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Trigger 1 98万円(税別)

どんな上りでも、どんな下りでも。どんなトレイルでも、1日中走り続ける壮大なトレイルに挑む大切な日のために存在する。

Scalpel-Si World Cup
Model Year 2019 – USA Model

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Scalpel-Si World Cup サイズ:S, M, L, XL カラー:Volt 120万円(税別)

この世で最も軽く、最も高剛性なフレーム構造。XCマラソン世界チャンピオンエンリケ・アヴァンチーニ(ブラジル)が操るマシン。

Scalpel-Si Carbon 1
Model Year 2019 – USA Model

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Scalpel-Si Carbon 1 88万円(税別)

この世で最も軽く、最も高剛性なフレーム構造。ラフでスーパーテクニカルな現代のXCレースのための究極のレーシングバイク。

F-Si World Cup
Model Year 2019 – USA Model

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F-Si World Cup サイズ:S, M, L, XL カラー:Jet Black  115万円(税別)

誰も経験したことがないスピードで駆けおり、爆発的なペダリングで登りきる。ライダーの限界を引き上げる究極のクロスカントリーバイク。

ロードバイク専用の輪行ボックスSBCON(エスビーコン)が広島でお披露目会

ロードバイク専用の輪行ボックスSBCON(エスビーコン)を手がけるS-WORKSは10月10日、JALとせとうち観光推進機構とともに開発した自転車輸送用の受託手荷物専用ボックス「SBCON」の実物を中国経済産業局が主催するサクラプロジェクトの関連イベント「自転車分解不要! 航空機専用ボックス(SBCON)お披露目会」で展示した。

福山観光旅行の漆川治樹常務取締役に「SBCON」の説明を行うS-WORKSの坂本潤CEO

中国経済産業局やJR西日本、瀬戸内サイメディアなど、関心のあるサイクリストや事業者は実物を目の前に今後、中国地域でどのように「SBCON」を活用していけるかを議論した。

広島県には世界中からサイクリストが訪れる「しまなみ海道」のスタート地点ともいうべき「尾道」がある。また、島根県を通って日本海に続くやまなみ街道のスタート地点でもあるだけに、参加者たちは「自転車」や「サイクリング」というキーワードにとても敏感で理解を持っている。

会場には開発者とともに、「SBCON」を製造した梱包資材メーカーの下手将人氏(大昌)も来場。下手氏は「弊社61年の歴史の中で最も難しい案件。特にピン止めや角度をつける作業は数mm単位の調整が必要でした。何度も修正して試してを繰り返し現在も、最新バイクが発売されると随時、調整を行っています。当初、発表したSBCONからさらに進化しました」と製造の難しさを語った。

サイクリストの聖地広島でSBCONのお披露目会

また、堀啓二氏(RIDE)は今後の「SBCON」の活用について「高級ロードでのサイクリングだけでなく、セレブリティ向けに備品も全てレンタルで一流品のものを用意するサービスも展開していいのではないか」と提案。

会場では2018年の8月に開催された「SBCON」の試験運用を目的とした「しまなみモニターツアー」に関しても話題に。多くのメディア陣が取材に訪れ、広島でも羽田空港から「SBCON」に愛車をのせて飛行機輪行し松山空港に降り立ったサイクリストたちがしまなみ海道を走る様子が放映された。広島に拠点を置く各関係者は一層、しまなみ海道に意識を持ち、日本全国、世界各国からたくさんのサイクリストが訪れてほしいと期待を寄せていた。

ボックスは機体下部の荷物室にフィットする形状をしている

「SBCON」の主なターゲットと今後
S-WORKSでは8月、ランダムで選んだサイクリスト60人に自転車輪行に関するアンケート調査を行った。そのアンケートでは「SBCON」の目標でもある「自宅から旅行・イベント滞在先など全工程での自転車運搬」はどんな人が望んでいるかも調査した。希望するサイクリストは60人中30人。その30人の中で21人が遠隔地のライドやイベントに参加する頻度が2カ月~1年以上の間隔がある。30人のうち21人が40万円以上のロードバイクを所有。うち13人が80万円~200万円以上のロードバイクユーザー。21人が自転車歴10年以上のベテランサイクリストという結果だった。
この他のさまざまな結果を踏まえ「SBCON」を利用する主なターゲット層は100万円前後のロードバイクを所有し、かつロードの楽しさを知っている人となると予想している。
「DHハンドルやディスクホイール、エアロバイクなど、ほとんどのサイズ、形状のロードバイクを入れられるようにさらに改良を重ねた。トライアスリート向けにも遠隔地のイベント輸送サービスの充実ができるよう各機関と連携していきたい」と開発者は今後の展開を語る。

今回のお披露目会での意見やアンケートの結果を踏まえ、S-WORKSでは「自慢の愛車で日本の遠隔地にある素晴らしい場所を走ってみたいというサイクリスト・トライアスリートの願いをかなえられるようSBCONの進化と普及に一層、取り組んでいきたい」と語っている。