ティボー・ピノがイル・ロンバルディアでニーバリを振り切って優勝

グルパマFDJのティボー・ピノ(フランス)が10月13日にイタリアのベルガモ〜コモ間の241kmで行われた第112回イル・ロンバルディアで優勝した。2位は32秒差でバーレーン・メリダのビンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)。

ティボー・ピノがビンチェンツォ・ニーバリを突き放しにかかる © LaPresse – Fabio Ferrari

「モニュメントと呼ばれる有名レースの中で、このイル・ロンバルディアが一番ステキだ。ずっと優勝したいと思っていた。今は絶好調だけど、とりわけニーバリに勝ったのだから特別だ。ソルマーロでニーバリがアタックしてくれた。これに反応できたのが勝因だ」とピノ。

アルカンシエルのアレハンドロ・バルベルデがスタートラインに立つ © LaPresse -GM D’Alberto
サイクリストを祀ったマドンナデルギザロ教会の横を通過する © LaPresse – Fabio Ferrari

フランス勢の優勝は通算12回目で、ベルギーと並んだ。最多優勝国は地元イタリアで69勝。

ピノはミラノ〜トリノと合わせたダブルタイトルを1週間で獲得。2002年にイタリアのミケーレ・バルトリが達成して以来の快挙。

激しく攻め合うビンチェンツォ・ニーバリとティボー・ピノ © LaPresse – Fabio Ferrari
ティボー・ピノがイル・ロンバルディアで優勝 © Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

おおいたいこいの道クリテリウムは中島康晴が4位…優勝は黒枝咲哉

おおいたいこいの道クリテリウムが10月13日に大分市で開催され、キナンサイクリングの中島康晴が4位になった。大分駅前に設けられた1kmのサーキットを30周回して争われたレースで、中島自身が目標としていた表彰台にはあと一歩及ばなかったが、選手間の連携やそれぞれのコンディションのよさを確認。翌日に控えるロードレースへ向けて、好材料の多いクリテリウムとなった。

おおいたいこいの道クリテリウムは黒枝咲哉(シマノ)が優勝。その右が中島康晴 ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

同大会は国際ロードレースイベント「OITAサイクルフェス!!!2018」内で実施され、国内外の20チームから94選手がエントリー。市街地でのスピード決戦に、キナンからは中島のほか、山本元喜、山本大喜、トマ・ルバ、新城雄大の5人が出走。ここまで順調な調整を行ってきた選手たちがそろい、上位進出を目指した。

大会名の通り、おおいたいこいの道を舞台に設定された1周1kmのコースは、平坦である一方でコーナーの連続。好結果をねらううえでのカギとなるのは、いかに集団内でいいポジションを確保できるか。スピードはもとより、バイクコントロールといったテクニックも要求されるレースといえる。

午後0時5分にスタートが切られると、主要選手たちが一団となったままレースは進行。ハイペースに対応できなくなった選手が徐々に脱落していくが、目立った逃げは生まれず、スプリント勝負をねらうチームが中心となってプロトンを統率。キナン勢もトラブルには細心の注意を払いながら、好ポジションをキープして周回をこなしていった。

レースが進んでいくと、10周回以降、5周おきに設定されるスプリント賞をねらった動きが活性化。キナン勢も山本元が15周回でのスプリント賞を視野にスピードを上げたが、わずかに及ばず。また、25周回でのスプリント賞には山本大が挑み、タイヤ1つ分の差で獲得ならず。しかし、その後も山本大は仕掛け続け、メイン集団と数メートルの差が開いたのを見てアタックを試みた。

山本大のアクションには多くの選手が反応したため、アタック成功とはいかなかったが、最終盤に向けてペースアップのきっかけとなった。キナン勢はルバが集団先頭に出る場面があるなど、各選手が連携して中島のポジションを整えていく。そして、山本元と新城が中島を集団前方へと引き上げて最終周回を迎えた。

先頭から6番手のポジションを確保し、残り距離を減らしていく中島。好位置をキープしたまま最終コーナーを抜け、最後の直線へ。多くのピュアスプリンターに交じって勝負した中島は、4位でフィニッシュラインを通過。その後、役目を果たしたほかの4選手もトラブルなくレースを終えている。

表彰台へはわずかに届かなかったものの、各選手が調子のよさと連携面での充実さを実感。タフな戦いが必至となる翌日のロードレースへ収穫を得ている。また、この日はタイヤサプライヤーであるIRCタイヤ(井上ゴム工業)出展ブースの一角をチームピットとして使用。翌日の「おおいたアーバンクラシック」でもIRCタイヤブースでレースまでの待機やファンサービスなどを行う予定となっている。

翌14日は、同じく大分市の大分スポーツ公園周辺で「おおいたアーバンクラシック」が開催される。こちらは2018年からUCI公認となり、アジアツアー1.2クラスにカテゴライズされる。1周10kmのコースは、中盤まではなだらかな上りが続き、その後いったん下って再び登坂するアップダウンに富んだレイアウト。特に周回最終盤での約1kmの上りは勝負を左右する可能性が高い。15周回・150kmのレースはサバイバルになるものと予想される。キナンはクリテリウムと同じ5人で出走。UCIポイント獲得とともに国内開催レースでのタイトルをねらってレースに挑むこととなる。

おおいたいこいの道クリテリウム(30km)結果
1 黒枝咲哉(シマノレーシングチーム) 40分59秒
2 サミュエル・ウェルスフォード(オーストラリア、オーストラリアン・サイクリング・アカデミー・ライド・サンシャイン・コースト) +0秒
3 ダミアーノ・チーマ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ)
4 中島康晴(KINAN Cycling Team)
5 黒枝士揮(愛三工業レーシングチーム)
6 アイラン・フェルナンデス(スペイン、マトリックスパワータグ)
32 新城雄大(KINAN Cycling Team)
46 山本元喜(KINAN Cycling Team) +45秒
49 山本大喜(KINAN Cycling Team)
50 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +1分13秒

中島康晴のコメント
コースがテクニカルなので、前方のポジションをキープして走ることを心がけた。みんなが集団を引いてくれたおかげで、最後までいい位置で走り続けることができた。最終局面は、マークしていた選手の後ろを確保して、最後のコーナーをクリアしたが、スプリンターとの勝負で接触しかけてしまい、思い通りの加速とはいかなかった。イン側から上がっていくことをイメージしていたが、アウト側のライン取りをせざるを得ず、結果として悔しいものになってしまった。
チームとしては結果をポジティブにとらえたい。上りに強いメンバーをそろえていながら、クリテリウムでも終始集団前方をキープして戦うことができたあたりは、チーム力が充実していることを表していると思う。明日は今日以上の結果を残したい。

ZENARD-EX(ゼナードEX)がジャパンカップで初披露…Kabuto史上最高の冷感性能

Kabuto史上最高の冷感性能に加え、新採用のBOAフィットシステムにより極上のフィット感を実現した「ZENARD-EX(ゼナードEX)」が、2018年10月20日(土)から開催される2018ジャパンカップサイクルロードレースのKabutoブースで初披露される。2019年春に発売予定。3万2000円(税別)。

カブトのゼナードEX

Kabutoがサイクルヘルメットに必要と考える3つの性能を特化させ、用途に応じた最高のパフォーマンスを提供するカブトコンセプト。「空力性能を極めたAERO-R1(エアロR1)」、「軽さを極めたFLAIR(フレアー)」、そして「冷感性能を極めたフラッグシップモデルZENARD(ゼナード)」。そのZENARDがさらなる進化を遂げ「ZENARD-EX(ゼナードEX)」として新たに誕生した。

「ZENARD-EX」は、Kabuto史上最高の冷感性能を発揮するためのエアフローに加え、極上のフィット感を実現するため、数々のテクノロジーを採用。”ULTRA COOL”に”ULTRA FIT”の機能がアップグレードされたニューフラッグシップモデル。

KBF-1アジャスター。上下4段階の高さ調整可能

極上なフィット感を実現する新たなテクノロジー
●Boaフィットシステム採用「KBF-1」アジャスター
頭部のフィットにきめ細かな調整と均一な締め付けを可能にする”Boaフィットシステム”を搭載した、新採用の「KBF-1アジャスター」を開発。アジャスターは上下4段階の高さ調整を可能とし、快適なフィット感を実現。

●エアチャンネルプレート内蔵のインナーパッド
「ZENARD-EX」では、額部分と頭頂部にエアをスムーズに流すための”エアチャンネルプレート”をインナーパッドに内蔵することで、ZENRADの優れたエアフローによる冷却効果はそのままに、極上のフィッティングを実現。

●目への汗の浸入を防ぐ、「ウルトラスウェットパッド」
「ZENARD-EX」のインナーパッドには、標準装備の「ノーマルインナーパッドセット(7mm厚)」に加えて、集中力を阻害する要因となる、額から目への汗の浸入を防ぎ、効率よく額の左右へ誘導するフローティング構造の「ウルトラスウェットパッド」を同梱。

ZENARDを継承する冷感性能
冷感性能を向上すべく、エアの流れを徹底追求したZENARDが持つテクノロジーは、ニューフラッグシップモデル「ZENARD-EX」でも継承している。

大開口エアインレット

●フレッシュエアを取り込むメイン大開口エアインレット
ヘルメットの前方に位置する空気をヘルメット内部に取り込むエアインレットの開口面積を大きくとり、エア導入率を高めている。また額部分の開口を大きく設けて、積極的なエアフローを確立している。

●軽量かつ高剛性の”レインフォースメント・ブリッジ” & “ダブルレイヤードシェル”構造
大きなエアインテーク確保と同時に剛性を高めるための”レインフォースメント・ブリッジ”と発泡ライナー部分を、シャープなエッジを立たせたシェルパーツ部と、大きな面を持つシェルパーツ部で重ね覆う”ダブルレイヤードシェル構造”を採用。これにより衝撃吸収性能と軽量化を高次元で両立。

絞り込まれたテール部のフォルムが前傾フォームでの空気抵抗を低減

●絞り込まれたテール部のフォルムが前傾フォームでの空気抵抗を低減
ZENARDの象徴とも言えるテール部分を絞り込んだ形状は、前傾フォーム時などに、ヘルメット表面への空気抵抗の軽減を可能としている。

青山学院大山岳部はホワイトウェーブ撤退…ヒマラヤ未踏峰挑戦

ヒマラヤにある未踏峰「ホワイトウェーブ」に挑戦していた青山学院大体育会山岳部は、10月15日登頂を目標に登攀活動を進めていたが、危険なクレバスにはばまれ、遠征残日数と隊員の安全を考慮して同10日に退却の決断をした。目指していたのは人類未踏峰で、ネパール東部カンチェンジュンガ山群にあって、標高は6960m。2018年9月から現地入りし、約50日間の登山活動をしていた。

5人の登攀部隊は頂上アタックに向けてルート工作を進めてきたが、C1、C2から東稜基部に向けて氷壁、ヒドゥンクレバスが連続している状態で、最終的に山岳部監督でもある村上正幸隊長と2人の高所ポーターで挑んだが、突破するには極めて困難で危険と判断し、撤退をを決めた。

現在、登攀部隊はベースキャンプに無事帰還している。

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●青山学院大山岳部のブログ

●青山学院大山岳部のホワイトウェーブ挑戦に関するこれまでのニュース

ユースオリンピック競技大会のBMXフリースタイル・パーク混合で大霜優馬・丹野夏波が3位

アルゼンチンのブエノスアイレスで開催されている第3回ユースオリンピック競技大会で、自転車のBMXフリースタイル・パーク混合で日本の大霜優馬(神奈川)・丹野夏波(神奈川・白鵬女子高)ペアが3位になった。1位はアルゼンチン、2位はドイツ。

第3回ユースオリンピック競技大会のBMXフリースタイル・パーク混合で3位になった丹野夏波(左)と大霜優馬

丹野夏波のコメント
今は大会を終えてホッとした気持ちと、本当にうれしい気持ちでいっぱい。走りに関しては、決勝1本目で目標としていたベストの走りができ、得点も予選を含めても自身の最高得点を出すことができたので満足している。緊張もあったが、それを上回ってこのオリンピックシステムで行われる大会の雰囲気を楽しめ、メダル獲得までワクワクの毎日だった。
メインの競技種目はBMXレースであり、今大会フリースタイル・パーク種目で学んだ技術、大会でのパフォーマンス発揮や、会場の雰囲気、そしてメダル獲得まで体感できたことは、プラスにつなげることができ今後に活かしたい。

大霜優馬のコメント
今までの大会参戦で味わったことのないうれしさを感じている。決勝では直前の丹野選手の結果から、気持ち的にも余裕を持って挑むことができた。高難度の技は少なめの組み合わせであったが、事前に仕上げたルーティーンをミスなくこすことだけに集中し、今回の結果へとつなげることができた。
国際大会での決勝経験はなく、結果やメダルをねらいに行く大会ははじめてだったが、練習日、予選と日を追うごとに気持ちに余裕が生まれ、決勝では観客の声援を聞き力へと変えられた。東京オリンピックに向けても、通常のワールドカップなどでは採用されない少人数での対戦形式などを経験できたことやメダルを獲得したことで、より一層目標に対するイメージがわいた。今後のパフォーマンス向上にしっかりとつなげていきたい。

第3回ユースオリンピック競技大会のBMXフリースタイル・パーク混合で日本チームは3位

三瓶将廣チームリーダーのコメント
BMXフリースタイル・パークがオリンピック形式で行われる大会ははじめてであり、選手にとっても初の大舞台であったことから、未知数の部分が多く戦略面など手探り状態な中、練習ではセクションの攻略とルーティーンの組み立てにフォーカスした。
女子の丹野は、BMXレース種目で培ったバイクコントロールを活かして大きなジャンプやスピード感のあるラインを選択することができ、全てのランにおいて安定した走りで予選から決勝まで終始3位をキープ。1カ月半という短期間で種目に順応できたことを高く評価したい。
男子の大霜も、オリンピックという場の雰囲気に飲まれることなく、自分の力へと変え、ミスなく着実にポイントを稼いだことは素晴らしかった。
BMXフリースタイル・パークのオリンピックデビューである記念すべき大会でメダルを獲得できたこと、ユースオリンピックでの自転車競技初のメダル獲得、そして東京オリンピックから新種目として加わる他種目に続いてメダルを獲得できたことは、選手にとっても競技にとってもプラスとなった。

「生まれてくる子はビクトリアに決めた」ソンニ・コルブレッリがグランピエモンテで優勝

バーレーン・メリダのソンニ・コルブレッリ(イタリア)が10月11日にイタリア北部で開催された第102回グランピエモンテでゴールスプリントを制して優勝した。距離は191km。8カ月前に開幕戦となるドバイツアーで勝利を挙げた同選手は、それ以来となる勝利で今シーズンを締めくくった。

ソンニ・コルブレッリがグランピエモンテを制した © LaPresse – Ferrari / Alpozzi

「ドバイで1勝し、このレースを勝利で締めくくることは期待できなかった。でも雨のレースは得意だ。最後のゴールスプリントは集団の中で道が開けたので思いっきり行った。スリップスないことが重要だった」とコルブレッリ。
「今シーズンは2位ばかりだったけど、最高の形でシーズンを締めくくることができてホッとしている。あと10日ほどで女のコが生まれる予定だけど、ビクトリア(勝利)と名づけることにするよ」

グランピエモンテを制したソンニ・コルブレッリ © LaPresse – Ferrari / Alpozzi
グランピエモンテ © LaPresse – Ferrari / Alpozzi