ティレーノ〜アドリアティコにトーマス、ログリッチェら参戦

7日間のステージレース、ティレーノ〜アドリアティコが3月13日から19日まで開始され、スカイのゲラント・トーマス(英国)、バーレーン・メリダのビンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)、ユンボ・ヴィスマのプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア)らが参戦する。前回覇者のミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド)は欠場し、スカイのエースはトーマスとなる。

ティレーノ〜アドリアティコに参戦する有力選手。左からログリッチェ、トーマス、ニーバリ、アラフィリップ、デュムラン ©LaPresse/Fabio Ferrari

イタリア半島の西側に位置するティレニア海から東側のアドリア海へとイタリアを横断するシーズン序盤の重要なステージレース。第1ステージはチームタイムトライアル、第3、6ステージは起伏がち、第2、4、5ステージが山岳、第7ステージは個人タイムトライアルなどバリエーションに富んだコース設定。グランツールで活躍する世界トップクラスのオールラウンダーやヒルクライマーの活躍が期待されている。

大会は54回目。主催者はジロ・デ・イタリアと同じRCS。参加23チーム。1チームは7人編成で161選手がスタートする。

左から山岳賞のマリアヴェルデ、ポイント賞のマリアアランシオーネ、総合成績のマリアアッズーラ、新人賞のマリアビアンカ © LaPresse/Fabio Ferrari
開幕地のリードディカマイオーレで ©Gian Mattia D’Alberto / lapresse
スカイのゲラント・トーマス(英国) ©Gian Mattia D’Alberto / lapresse

チームTTの戦力アップに期待

ゲラント・トーマスのコメント
「昨年のこの大会も調整して臨んだが、さらにコンディションを高めてスタート台に立つことができた。チームタイムトライアルで強さを見せることができると思うが、今年は5、6チームに勝つチャンスがあると思う。トラック世界選手権の個人パーシュートで勝った実績のあるフィリッポ・ガンナが最後にメンバー入りしてくれたので心強い」

サンウェブのトム・デュムラン(オランダ) ©Gian Mattia D’Alberto / lapresse

UAEツアーの負傷から回復

トム・デュムランのコメント
「UAEツアーでの落車から回復するためにちょっと時間を要したが、気分をリラックスさせて、現在はこのティレーノ〜アドリアティコのために戦う準備ができている。今年のコースでは長い上りはないが、マルケ州は自転車で走るにはかなりキツい。そこでレースをするのをボクは大好きだ。UAEツアーではユンボ・ヴィスマが非常に強かった。彼らは同じメンバーでここにいるが、ボクたちもチームタイムトライアルに強いメンバーをそろえているので、優勝する自信はある」

バーレーン・メリダのビンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)

チームTTの結果で総合優勝がねらえるか分かる

ビンチェンツォ・ニーバリのコメント
「チームタイムトライアルでいい結果が残せるようにそのアプローチをはかっている。2つのタイムトライアルがあって、それがどちらも総合優勝に重要となっている。初日のタイムトライアルの結果により、チームの目的である総合成績がねらえるかが分かると思う」

ユンボ・ヴィスマのプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア)

UAEツアーの疲れは取れて準備万端

プリモシュ・ログリッチェのコメント
「UAEツアーで素晴らしいスタートを切ることができた。チームは本当に強かった。リーダージャージを守るのはとても難しかったので、その後しっかりと休む必要があった。現在はチーム全体としてティレーノ〜アドリアティコのための準備が整った。とても楽しみにしている」

ドゥークニンク・クイックステップのジュリアン・アラフィリップ(フランス)

ストラーデビアンケ以来の好調を維持

ジュリアン・アラフィリップのコメント
「ティレーノ〜アドリアティコに参加するのは初めてで、本当に楽しみだ。ストラーデビアンケで勝利することができ、コンディションがいいことを把握している。チームタイムトライアルは非常に重要。チームはエリア・ヴィヴィアーニとボクでいくつかのステージをねらっていく。第1ステージが終わったあとに総合成績で上位がねらえるかを確認してみる」

©Gian Mattia D’Alberto / lapresse

2020東京五輪まで500日…各競技のピクトグラム発表

東京2020組織委員会は2020年の東京五輪開幕まで残り500日となった3月12日、東京2020オリンピックスポーツピクトグラムを発表した。全33競技50種類のオリンピックスポーツピクトグラムを制作。

2020東京五輪のピクトグラム(フリータイプ)

スポーツピクトグラムは、それぞれの競技を正確に表すと同時に、コミュニケーションツールとして情報を伝える大切な役割がある。また、開催期間のみならず、後年にわたって人々の記憶の中に東京2020オリンピックを印象づけるものだ。

東京2020オリンピックスポーツピクトグラムは、1964年の東京オリンピックで生まれたスポーツピクトグラムの考え方を継承するだけでなく、さらに発展させ、躍動するアスリートの動きを魅力的に引き出すデザインとなっている。グラフィックデザイナーである廣村正彰らで編成される開発チームが、全33競技50種類のオリンピックスポーツピクトグラムを制作した。

2020東京五輪のピクトグラム(フレームタイプ)

東京 2020 オリンピックスポーツピクトグラムのコンセプト

東京1964オリンピック競技大会のスポーツピクトグラムは、世界中の人々が言語を問わず誰でも理解ができるように、「情報伝達」という点を重視して作られた。東京2020オリンピックのピクトグラムは、その情報伝達という考え方を継承するだけでなく、さらに発展させ、躍動するアスリー トの動きを魅力的に引き出す設計で開発された。これにより、大会競技を彩る装飾としての機能もかなえるピクトグラムが誕生した。
“Innovation from Harmony”という東京2020のブランドプロミスに基づき、1964年のピクトグラムを先人へのリスペクトともに継承・進化させ、新しい時代の革新的なピクトグラムとなっている。

東京2020オリンピックスポーツピクトグラムの展開

東京2020オリンピックピクトグラムは2種類で展開される。一つは、ピクトグラム単体で表現される「フリータイプ」。もう一つは東京2020エンブレムをイメージする“円型”の中におさめられた「フレームタイプ」。フリータイプは、主にポスター、チケット、ライセンス商品などに用いられる。また、フレームタイプは地図表記、サイン類、ガイドブック、Webサイトなどで競技に関する情報伝達のために用いられる。

また、東京2020スポーツピクトグラムは、大会ブランドの一貫性を大切にするため、エンブレムブルーを基本カラーとしている。加えて、東京2020大会の大会ルックに用いられる、紅(くれな い)、藍(あい)、桜(さくら)、藤(ふじ)、松葉(まつば)のコアグラフィックスカラーをサブカラ ーとして設定している。

自転車競技は5種類。これはロードレース

東京2020公式ライセンス商品の発売

東京2020オリンピックスポーツピクトグラムの展開例の一つとして、公式ライセンス商品が挙げられる。3月12日より東京2020オフィシャルショップ各店舗と東京2020オフィシャルオンラインショップなどでスポーツピクトグラムを活用した第一弾の商品を発売。Tシャツは3500円(税別)。

グラフィックデザイナーの廣村正彰が制作

東京2020オリンピックスポーツピクトグラム開発チームデザイナー、廣村正彰

廣村正彰(ひろむら まさあき)
1988年に田中一光デザイン室を経て、廣村デザイン 事務所設立。グラフィックデザインを中心に、美術館 や商業、教育施設などの CI(コーポレートアイデン ティティ)、VI(ビジュアルアイデンティディ)計画、 サインデザインを手がけている。多摩美術大学客員教授、一般社団法人ジャパンクリエイティブ代表理事。近著『デザインからデザインまで』(ADP)他。

■ 代表的な仕事(受賞歴含む)
日本科学未来館 横須賀美術館 9hナインアワーズ、すみだ水族館、東京ステーシ ョンギャラリー そごう・西武、ロフトのアートディレクションなど。主な受賞歴:N.Y.ADC 9th International Annual Exhibition 銀賞、KU/KAN 賞、毎日デザイン賞受賞、グッドデザイン賞金賞、SDAサインデザイン大賞など

廣村正彰のコメント
東京2020オリンピックスポーツピクトグラム開発チームデザイナー
「今回、東京2020スポーツピクトグラムのデザインに携われることになり大変光栄です。1964年の東京大会で日本のデザイン界の先駆者たちが生み出してくれたレガシーを出発点に、躍動するアスリートの美しさを各競技のスポーツピクトグラムに表現させていただきました。その完成には実に2年近い年月がかけられており、多くの関係者の思いが込められています。この東京2020スポーツピクトグラムが、大会前から各競技への期待を膨らませ、東京2020大会本番を彩ってくれることを願っております。