松本佑太、竹内遼、川口うらら所属のフカヤレーシング始動

MTBチーム、フカヤレーシングの2020シーズンは新戦力として川口うららが加わり、松本佑太、竹内遼とともに東京五輪イヤーを戦っていく。チームのキックオフパーティーを兼ねた新体制発表会が1月24日に愛知県名古屋市で、同25日に東京都で開催された。

フカヤレーシングの松本佑太、川口うらら、竹内遼

チームは2019年に松本と竹内が結成。若手選手が世界を舞台に戦っていく環境づくりを目指し、五輪メダルの獲得を最終目標と掲げる。メインスポンサーは名古屋を拠点とする自転車関連商品卸業のフカヤ(旧深谷産業)。1年目の2019シーズンは全日本マウンテンバイク選手権のU23クロスカントリーで竹内が3位、またクロスカントリー・エリミネーター種目で松本が3位になった。

フカヤレーシングの松本佑太

2020シーズンは竹内がエリートクラスとなり、日本のトップカテゴリーで戦っていく。そして若手男子選手2人に加えて、ジュニア時代はマウンテンバイクとロードレースで全日本チームに抜てきされた川口を獲得。日本体育大1年生で、カテゴリーはU23クラス。マウンテンバイクでは同チームのジャージを着用して活動していく。

フカヤレーシングの竹内遼

チームマネジメントも担当する松本は、「世界と戦える選手だなと川口選手に声をかけました」とチーム加入のいきさつを紹介。
「目標を聞いたときに、『世界チャンピオンになる』という力強い言葉が返ってきた。素質もあるのでこれはいけるなという予感があり、常に上を向いている姿勢も評価できた」

フカヤレーシングの川口うらら

アジアマウンテンバイク選手権ではジュニアクラスで2017年と2018年を連覇。一時はオーバートレーニングによって慢性疲労から調子を落としていたが、2019年に復調の兆しを見せ、2020東京五輪マウンテンバイク会場で行われたテスト大会にも出場した。

「精神的な面で一番成長できた。自分としてはこういう(不振の)1年もレベルアップのためには必要だったかな。もともと東京五輪ではなくて、世界選手権で10番台になることを目標としてやってきました。その中でもし東京五輪のチャンスがつかめたら」

今後は海外での参戦を増やし、将来をしっかりと見すえて着実にステップアップしていきたいという。

フカヤのオリジナルブランド、ギザロをレーシングチームが使用する

●フカヤレーシングのホームページ

松田瑞生が大阪国際女子マラソンV…東京五輪代表に前進

ダイハツの松田瑞生(24)が大阪国際女子マラソンを2時間21分47秒で優勝。マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)1位の前田穂南(23=天満屋)、同2位の鈴木亜由子(28=日本郵政グループ)が東京五輪女子マラソン代表に内定しているが、最後の3枠目を争う最有力候補に躍り出た。

松田瑞生(ダイハツ)。左が前田穂南(天満屋)、松田の後方が鈴木亜由子(日本郵政グループ)、鈴木の右がた小原怜(天満屋)

MGCで4位となった松田は、2時間22分22秒の五輪代表基準設定タイムを日本勢1位で切ることが至上命令。この日はスタート直後からペースメーカーらに並びかけるようにハイペースで先頭集団のトップをひた走り、最後は独走で設定タイム超えを果たした。3月の名古屋ウィメンズで松田の優勝タイム2時間21分47秒を切る選手がいなければ松田が代表となる。

松田瑞生(ダイハツ)は2019年9月のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)で4位

MGC3位の小原怜(29=天満屋)は、大阪と名古屋で設定タイムを越える日本選手がいなければ3枠目の代表選手に内定したが、17km過ぎに遅れて2時間28分12秒の13位。代表の有力候補は松田にさらわれた。福士加代子(37=ワコール)は25km過ぎで棄権した。

2019年9月のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)を走る(右から)松田瑞生(ダイハツ)、前田穂南(天満屋)、小原怜(天満屋)

●大阪国際女子マラソンのホームページ

ギルマイがアミッサボンゴ第6ステージで大会2勝目

1月20日にアフリカ中部のガボンで開幕した7日間のステージレース、トロピカル・アミッサボンゴ(UCIアフリカツアー2.1)。26日に開催されたポートジャンティルでの第6ステージは集団ゴールスプリントの展開に持ち込まれ、NIPPOデルコ・ワンプロバンスの完璧なアシストを受けた19歳のエリトリア選手ビニアム・ギルマイが勝利。第3ステージに続く今大会区間2勝目をマークした。

ギルマイがアミッサボンゴでステージ2勝目 ©La Tropical Amissa Bongo 2020

第6ステージはガボン共和国第二の都市であり、西側のギニア湾に突き出た場所に位置する湾港都市であるポートジャンティルで開催された。選手たちは滞在する首都のリーブルビルから小型飛行機でレース会場まで移動。その複雑な移動からスタート時間が30分ほど遅れたものの、10.6kmの周回コースを12周回する127.2kmの平坦ステージは無事にスタートが切られた。

アミッサボンゴ第5ステージで先頭牽引に加わる岡篤志 ©La Tropical Amissa Bongo 2020

序盤からレースはアクティブに動き、一時別府史之を含む集団が先行するシーンも。アタックの攻防を繰り返しながらレースは進み、中盤からNIPPOデルコ・ワンプロバンスは、ギルマイのスプリントによる勝利をめざして、リーダーチームであるエリトリアナショナルチームとともに集団をうまくコントロール。終盤には岡篤志がアタックに反応し4名で先行し、岡は単独になっても残り3kmまで逃げ続ける。そのおかげでチームはレースを優位に進めることができ、最後は狙いどおりに集団ゴールスプリントの展開に持ち込み、チームメートの完璧なアシストを受けたギルマイがややリードを奪う形で勝利。チームワークに支えられ、才能豊かな19歳は早くも今季2勝目を挙げ、第5ステージを終えて首位に立ったポイント賞争いでも、最終ステージを残してライバルたちを引き離す結果になった。

ビニアム・ギルマイのコメント
第3ステージのときと同じように、チームメート全員が自分のために献身的に走ってくれた。彼らの力がなければ勝てなかったことは明らか。ラスト300mを切るまでリードアウトを受け、そこから全力でスプリントを仕掛けた。再び勝てたことを本当にうれしく思う。チーム全員に感謝している。明日の最終ステージもチーム一丸となり、区間優勝、そしてポイント賞ジャージを守るために全力を尽くしたい。
チームワークで勝ち取った勝利を祝してレース後に記念撮影 ©NIPPO DELKO One Provence
水谷監督のコメント
今日もビニアム一本でスプリントで狙う作戦。もちろん前半はいつものようにアタック合戦になったが、エリトリアとルーベのコントロールで様子をみた。自分たちは脚を使わず、半分くらい消化。その後はエリトリアも疲れてきたので、自分たちもコントロールに参加して、逃げを1、2分差におさめた。最後の最後はスプリントになったが、終盤残り2周くらいで岡篤志が4名の逃げに乗った。そのおかげで自分たちは脚を残すことができた。ラスト3kmで岡を吸収、そこから自分たちで列車を組み、残り200mまでうまく持ち込んで、ビニアムがもがいて優勝というパーフェクトな展開だった。本当によかった。ビニアムは今大会で一番強いスプリンターであると確信しているが、勝つということはチームワークのおかげ。そのことを自分はとてもうれしく思っている。また明日のステージも頑張っていきたい。

●トロピカル・アミッサボンゴのホームページ