山本哲央が今季2勝目…KINAN AACA CUP 2020

KINAN Cycling Teamがホストを務める東海地区のロードレースシリーズ「KINAN AACA CUP」は10月31日に2020年シーズンの第10戦を開催。岐阜県海津市・国営木曽三川公園 長良川サービスセンター内の平坦コースでレースが行われ、最上位クラスの1-1カテゴリーは14選手による逃げ切りに。最後はスプリントで山本哲央(チームさわこ)が勝利。今季のシリーズ2勝目を挙げている。

山本哲央(チームさわこ)が寺田吉騎(磐田北OB)を抑えて優勝 ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

新型コロナウイルスによるパンデミックで、イレギュラーなシーズンとなった2020年。このシリーズ戦も例外ではなく、これまでに日程や会場の変更、無観客開催などの措置を講じながら、おおよそ月1回のペースでレースを実施してきた。そうしたなかで、今節は有観客での開催へ。参加選手・関係者による健康状態の申告はもちろんのこと、観戦に関しても各自ソーシャルディスタンスを図りながらレースを楽しんでもらえるよう主催者側による配慮がなされた。

選手のレベルやスキルに応じて分けられるレースは計4クラス。最上位の1-1カテゴリーには、開催地域である東海地区の有力選手にとどまらず、今回は国内トップチームからも参戦。すでに公式戦シーズンは終わったものの、例年より少なかったレース機会を埋めていくべく、60人近い選手がスタートラインへ。ホストのKINAN Cycling Teamからは、山本元喜、椿大志、山本大喜、福田真平、トマ・ルバ、新城雄大の6選手が出走した。

迎えたレースは、2周目を後半までに山本と寺田吉騎(磐田北OB)が先行を開始。数周回リードしたのち集団へと戻されるが、レースを活性化させるには十分な動き。この2選手が集団へと戻ってからは散発的にアタックとキャッチを繰り返しながら、速いペースで序盤戦が進行。8周目には5人が先行したが、ここも大きなリードを奪うまでには至らず、少し置いて集団が追いついている。

この日の勝負にも関係することになる大きなアクションとなったのが12周目。11人が飛び出すと、そのまま逃げの態勢へ。KINAN勢では椿と新城がジョイン。集団が止まったこともあり、あっという間に1分近いタイム差に広がる。

ただ、集団内にこの状況を嫌う選手が多かったこともあり、追走ムードが高まる。約20秒差まで迫ったところで、4人ずつの追走パックが2つ形成され、先頭の11人に迫る。数周回追いかけた末に、18周目に第1追走グループが前を走っていた選手たちに合流。先頭グループでの選手の脱落が発生していたこともあり、入れ替わりによって14人が先行。結果的に、このメンバーが最後まで逃げ続ける形になった。

優勝争いへと移っていた14選手は、山本、寺田、川崎嘉久、古閑祥三(ともにNerebani)、岡本隼(愛三工業レーシング)、塚本一樹(Yamanakako Cycling Team)、小嶋渓円、大久保陣(ともに宇都宮ブリッツェン)、小山智也(Hincapie LEOMO p/b BMC)、水野貴行(稲城フィッツ)、吉田圭吾(京都産業大学)、森崎英登(Team ORCA)、そしてKINAN勢から椿と新城。

快調に飛ばしていた先頭グループだが、残り5周を切ったあたりからは牽制気味に。ときおりアタックがかかるが、いずれも決定打に欠く。結局、14人のグループのままで最終周回の鐘を聞くことに。そのままスプリント勝負にゆだねられた。

最終コーナーを目前に始まったスプリントは、真っ先にホームストレートへと突入した山本がトップを守ってそのままフィニッシュ。最後はスプリント力に加えて、先頭グループ内でのポジショニングも大きく反映される結果になった。これで山本は第4戦に続く2勝目を挙げている。

異例となったシーズンへの思いをレースにぶつけるべく、熱い走りを見せる選手たち。そんな姿を見られるのは、残りあと1戦となった。最終の第11戦は、11月28日に愛知県新城市・鬼久保ふれあい広場を舞台に開催される。エントリーは11月9日開始となっている。

KINAN AACA CUP 2020 第10戦 1-1カテゴリー結果
1 山本哲央(チームさわこ)
2 寺田吉騎(磐田北OB)
3 川崎嘉久(Nerebani)
4 森崎英登(Team ORCA)
5 椿大志(KINAN Cycling Team)

KINAN AACA CUP 2020 ポイントランキング(第10戦終了時)
1 山本大喜(KINAN Cycling Team) 1280pts
2 山本哲央(Yamanakako Cyclisme Formation/チームさわこ) 1024pts
3 椿大志(KINAN Cycling Team) 928pts
4 津田悠義(EQADS) 640pts
5 石原悠希(Hincapie LEOMO P/b BMC) 576pts
5 小山智也(Hincapie LEOMO P/b BMC) 576pts

●キナンのホームページ

ゴデュ初優勝、ログリッチ0秒差首位守る…ブエルタ・ア・エスパーニャ

第75回ブエルタ・ア・エスパーニャは10月31日、ビジャビシオサ〜アルトデラファラポナ間の170kmで第11ステージが行われ、グルパマFDJのダビ・ゴデュ(フランス)がゴール手前200mからスパートしてメジャー初優勝を飾った。総合優勝では首位プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)がその座を守った。

ダビ・ゴデュがステージ優勝 ©PHOTOGOMEZSPORT2020

2連続の超難関ステージの初日は、序盤に形成された7人の第1集団に加わったゴデュ(フランス)がゴール手前で抜け出して優勝した。

「ハロウィーンだから絶叫したわけじゃない。困難なシーズンはうまくいかなくて、ようやくホッとできたからだ」とゴデュ。
「ツール・ド・フランスでもいい走りができなくて、やる気を維持するためにこの大会に臨んだ。ゴール前は逆風だったが、スプリント力はあるので自信があった」

新人賞のエンリク・マス ©PHOTOGOMEZSPORT2020

総合優勝をかけてタイム差なしの大接戦を演じるログリッチと2位リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアス)は、5つの峠を越えたこの日もタイム差なしでゴール。これまでの着順の合計でログリッチが首位を守った。

マイヨロホのログリッチ ©PHOTOGOMEZSPORT2020
山岳賞のギヨーム・マルタン ©PHOTOGOMEZSPORT2020

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)
マイヨベルデ(ポイント賞)プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)
マイヨルナレス(山岳賞)ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス)
□マイヨブランコ(新人賞)エンリク・マス(スペイン、モビスター)

マイヨロホを守ったログリッチ ©PHOTOGOMEZSPORT2020

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2020ブエルタ・ア・エスパーニャ出場176選手

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