冬場にシクロクロスで鍛えた選手はツール・ド・フランスでも強い

自転車を使った障害物競走、シクロクロスがシーズン真っ盛り。どんなに外気温が低くても体がしっかりと温まる冬場の自転車競技は、この時期の欧州が主戦場。全14戦のワールドカップシリーズが週末ごとに開催されている。12月11日にアイルランドのダブリンで行われた第9戦では、ワウト・ファンアールト(28)=ベルギー=がアクシデントを乗り越えて優勝した。

シクロクロスW杯第9戦を制したファンアールト ©Kristof Ramon / Red Bull Content Pool

不屈のベルギー魂でファンアールトがアクシデント克服

シケインと呼ばれる立板を飛び越えるセクション、激坂、階段、砂場など変化に富んだコースが設定される。これが自転車を使ったクロスカントリーレース、シクロクロスの舞台設定だ。エリート男子1時間、女子40分と競技時間こそ短いが、想像以上にハードで、あっという間に汗がしたたり落ちるほどの激しい運動量である。

12月24日に行われたワールドカップもファンアールトがピドコックを抑えて優勝した RedBull Content Pool // Kristof Ramon / Red Bull Content Pool

緯度の高い欧州は冬になると日本よりも冷え込みが厳しい。そんな時期に「待ってました」とばかりに開催されるスポーツだ。夜の寒さで凍結した牧草地は太陽の上昇とともに泥地獄となり、選手たちの行く手を阻む。泥づまりで動かなくなった自転車は、ピットでの交換が認められる。選手をサポートするメカニックは、渡された泥だらけの自転車を素早く水洗いして次の交換に備える。

過酷な自然環境に強いと言われるベルギーやオランダ勢が強さを発揮する。第9戦で勝利したファンアールトはロードチームのユンボ・ビスマに所属し、2022年7月のツール・ド・フランスでは区間3勝、首位のマイヨジョーヌを4日間着用、そしてエースのビンゲゴーを鉄壁アシストして総合優勝に導いた。

シケインを走るピドコック。手前で自転車から飛び降り、クリアしてすぐに飛び乗る ©Twila Federica Muzzi / Red Bull Content Pool

今回の第9戦ではレース途中、ファンアールトは立ち往生を余儀なくされた。他選手をアシストするメカニックが不注意で落としたボロ布が変速機に絡まったのだ。ピットまで逆走で戻って自転車を交換し、先行していたトップに追いつき追い抜くとそのまま独走で優勝した。

「これがシクロクロスだよ。ゴールまで何が起こるかわからない。想像以上にハードなレースだったよ」

泥だらけの顔を拭い、新しいジャージーに着替えて登場した表彰台に、ファンアールトはアクシデントの原因となったボロ布を両手で広げながら不運をアピール。それでも「ダブリンの観客に熱いバトルを楽しんでもらえてよかった」と笑顔を見せた。

砂地獄を走るファンアールト ©Kristof Ramon / Red Bull Content Pool

現在開催中のシリーズは10月9日に開幕し、2023年1月22日の最終戦まで行われる。2月5日にはシーズン総決算として世界選手権がオランダのホーヘルハイデで開催される。第8戦ベルギー・アントワープで勝ったマチュー・ファンデルプール(オランダ)は2021ツール・ド・フランスでマイヨジョーヌを6日間着用した若手選手。世界選手権連覇に挑むトム・ピドコック(英国)は2022ツール・ド・フランス最難関のラルプデュエズで独走優勝している。冬場にハードレースで鍛え上げた選手たちは夏にも強いのだ。

シクロクロス専用バイクの特徴は

世界チャンピオンの虹色ジャージーを着用するピドコック ©Twila Federica Muzzi / Red Bull Content Pool

シクロクロスで使用する自転車はドロップハンドル装備のロードレース用とほぼ同じ。泥沼や砂地で埋まらないように極太タイヤを選択。車輪軸につけられたディスクブレーキは泥に干渉しにくいので有利になる。自転車を担ぐこともあるのでボトルは装備せず、給水なしで走り抜く。

自転車10大ニュースは自転車安全利用や取り締まり強化が上位に

自転車活用推進研究会が選んだ「自転車10大ニュース」が12月26日に発表された。トップニュースは「警視庁が15年ぶりに自転車利用安全五則を決定」。

①警察庁が15年ぶりに自転車利用安全五則を改定。より具体的な内容に進化…128ポイント
②全国で自転車の取り締まりを強化。東京都でも10月31日から強化が始まる…118ポイント
③全国でサイクルトレイン増える。期間限定ではなく通年営業する路線も増加…96ポイント
④自転車保険の義務化を決定する自治体が増える。全国平均で加入率6割超え…82ポイント
⑤11月23日レインボーライド開催。倍率398倍というプレミアムチケットに……67ポイント
⑥AppleマップやYahoo! マップ上で自転車による経路検索が利用可能となる…66ポイント
⑦警察庁が良好な自転車交通秩序に向けた総合対策の更なる推進の通達を出す…64ポイント
⑧シマノが自転車博物館を大仙公園内から堺東駅付近へ移転して新築オープン…44ポイント
⑨4年ぶりにサイクリングしまなみが開催され、約7000人が多島美を楽しむ……39ポイント
⑩ツール・ド・フランスへ向けてJCL日本国籍ロードレースの新チームが始動…37ポイント

2022年に起きた自転車関連ニュースから28本を同理事会で選び、オンライン投票で10本に絞った。警察庁が15年ぶりに自転車安全利用五則を改定し、おざなりになっていた取り締まりの強化を進めていくことが最大の関心事に。

中止していたイベントも感染対策を講じて再開が相次ぎ、ようやく集まれるようになった。自転車を電車やバスに積載する方法が多様化して定期運行されるようになってきた。自転車保険を義務化する自治体が増えたことや高額賠償事例が周知されたことから全国で加入者が6割を超え、「たかが自転車」と思われていた時代が過ぎゆくことを実感する。

●自転車活用推進研究会のホームページ

八村塁が自らデザインしたキャノンデールバイクを母校バスケ部に寄贈

キャノンデール・ジャパンと2年間のパートナーシップ契約を締結しているプロバスケットプレイヤー八村塁(はちむらるい)が、キャノンデールデザインチームとともに自らがデザインしたクロスバイク『Quick 3 Rui Edition』を母校「奥田中学校」の後輩へ寄贈した。

八村は、コロナ禍で思うように練習ができなかった中学校生活のことを聞き、恩師坂本コーチに後輩へのプレゼントを提案。自転車がもたらす素晴らしさをみんなと分かち合いたいと語る八村の思いを母校バスケットボール部後輩に託すかたちで夢が実現した。

奥田中の後輩は「今までこんなに軽いバイクに乗ったことがない。とても新鮮な気持ち」とコメント。

「このバイクに乗って来年の春には、富山県外までサイクリングをしてみたい。八村先輩からプレゼントされた自転車を大切に乗り続けていきたいと思います。春になったら高校に乗っていきます。八村先輩、ありがとうございます」

●キャノンデールのホームページ

悪魔おじさんから日本に「メリークリスマス!」

赤い悪魔の衣装でツール・ド・フランスの沿道に出現し、手製のヤリを持って選手たちを応援する通称悪魔おじさん、本名ディーター・ゼンフトさんが、ドイツの自宅から「メリークリスマス!」のメッセージを送ってくれた。

悪魔おじさんから日本に「メリークリスマス!」

悪魔おじさん、いったいナニモノ? 意外と高尚な来日目的とは

2022ツール・ド・フランス第13ステージに悪魔おじさん出現 ©A.S.O. Aurélien Vialatte

ツール・ド・フランスの沿道で悪魔にふんして応援し続ける名物人間、悪魔おじさん。国籍はドイツ人で、毎年趣向を凝らした「変わり種自転車」を作って沿道に持ち込んでくる。その程度の情報は日本でも知られているが、いったいどんなひとなの?

冬の冷たい風や雪から守るベビーアイテムはモンベルという選択肢がいい

日本随一のアウトドア総合ブランド、モンベルはベビーアイテムも充実している。暖かく速乾性に優れた中綿素材を封入したカバーオールは、寒い季節の外出や雪遊びに最適。日差しのある暖かい日なら、着心地のよいフリースジャケットもアウターとして活躍。子育て世代にモンベルという手段もいいかも。

クリマプラス200 ジャケット Baby’s 70-90 ©モンベル

寒さ知らずのベビーアイテムは色違いもサイズもいっぱい

寒い季節も元気に外で遊ぶ子どもたちをサポートするモンベル。子どものためのウエア&ギアもかなり充実している。冬の低山ハイキングや雪遊び、キャンプの基本コーディネートやベビーアイテムなど、モンベルでは子どもたちが冬もアクティブに遊ぶのに最適な装備を用意している。

クリマプラス200 ジャケット Baby’s 70-90

クリマプラス200 ジャケット Baby’s 70-90 ©モンベル

中厚手のフリース地を使用した軽く暖かなアイテム。直接肌に触れる襟の縁巻き部分には優しい肌触りのシャミースを当てている。フロント部はスナップボタンで脱ぎ着させやすくなっている。

3カラー。3サイズ。3520円(税込)

ネージュダウン パーカ Baby’s 80-90

ネージュダウン パーカ Baby’s 80-90 ©モンベル

良質なダウンをたっぷりと封入し、高い保温性と軽やかな着心地を両立したダウンパーカです。一着で二通りの色が楽しめるリバーシブル仕様です。フードは着脱可能で、シーンに合わせてパーカとジャケットを使い分けできます。

3カラー。2サイズ。8800円(税込)

パウダー カバーオール Baby’s 80-90

パウダー カバーオール Baby’s 80-90 ©モンベル

防水透湿性に優れ、寒い時期のお出かけや雪遊びに適した中綿入りのカバーオール。表地に防水透湿性素材、中綿には暖かく速乾性に優れたエクセロフトを封入。襟元からすそまで両開きのジッパーが付いている脱ぎ着させやすい仕様で、裾から開閉することでブーツの上にも簡単にかぶせられる。フードは、顔周りの両サイドにゴムで伸縮性を持たせた仕様で、雪や冷たい風の侵入を防ぐ。汚れたら家庭で洗濯可能。完全防水ではない。

3カラー。2サイズ。1万780円(税込)

ワッチキャップ Baby’s

ワッチキャップ Baby’s ©モンベル

ウールを混紡した暖かな生地を使用した、かわいらしいデザインのキャップ。手洗いによる洗濯が可能。天頂部にポンポンをあしらっている。

3カラー。1サイズ。2090円(税込)

ポケッタブル ベビーキャリア

ポケッタブル ベビーキャリア ©モンベル

軽量・コンパクトに収納でき、携行に便利なポケッタブル仕様のベビーキャリア。「抱っこ」と「おんぶ」の2通りの使い方ができ、荷重をウエストで支える疲れにくい設計。通気性に優れる素材を使用し、ベビーが蒸れにくくなっている。ハイキングやお出かけなどで、歩き疲れた子供の抱っこに最適。汚れたら洗濯機で丸洗いできる。

3カラー。1サイズ。6490円(税込)

パウダーブーツ Baby’s 13-15

パウダーブーツ Baby’s 13-15 ©モンベル

雪遊びに最適な、軽くて暖かいウインターブーツ。足入れ部が大きく開くので脱ぎ履きがしやすく、2本のベルクロテープで簡単にフィット感の調節が行える。内側にはふかふかとした暖かいフリース素材を使用し、一体成形のボトムが雪や水の浸入を防ぐ。ボトムより上の部分は防水性を備えていない。

3カラー。サイズは13〜23。5500円(税込)

クリマプラス100 プリント ベビーポーラーブランケット 50-70

クリマプラス100 プリント ベビーポーラーブランケット 50-70 ©モンベル

薄手でストレッチ性に優れたクリマプラス100を使用したカバーオール。寒い時期のお出掛けに最適。2本のフロントジッパーで簡単に脱ぎ着させることができ、股下のスナップボタンを全開すればおむつ替えも簡単。

2カラー。1サイズ。6820円(税込)

トレールアクション パンツ Baby’s 80-90

トレールアクション パンツ Baby’s 80-90 ©モンベル

薄手ながらも暖かく、抜群のストレッチ性を備えた高機能フリースを使用したパンツ。遊び着やリラックスウエアとして幅広いシーンで着用できる。

2カラー。2サイズ。3190円(税込)

サーマラップ ベスト Baby’s 80-90

サーマラップ ベスト Baby’s 80-90 ©モンベル

保温性と速乾性に優れた化繊綿を使用したアクティブなベスト。一着で二通りの色とデザインが楽しめるリバーシブル仕様。家庭でも手軽に洗濯可能。秋口から春先にかけてのハイキングやキャンプ、寒い時季にも外で遊び回る子どもたちに適している。

2カラー。2サイズ。4620円(税込)

ベビーキャリア

ベビーキャリア ©モンベル

生後9カ月くらいから3歳くらい(身長約90cm)までの子供を背負うことが可能な自立式・軽量キャリア。転落を防止するハーネスやパッドを備え、子供の安全性を確保。座部の表面にはソフトな肌触りの3Dメッシュ、内部には通気性に優れたスポンジを使用し、快適性を高めている。

性別や体格を問わず、お父さんとお母さんで共用できる背面長の調節システムや、子供を乗せやすいフルオープン仕様など、使い勝手を高める機能を搭載。行動しながら水分補給が可能なトレールウォーターパック(別売)が装着可能。

2カラー。2万4640円(税込)

ポケッタブル ベビーキャリア ウォーマー

ポケッタブル ベビーキャリア ウォーマー ©モンベル

ポケッタブル ベビーキャリアなどの抱っこ紐に取り付けて使用する化繊綿入り保温カバー。保温性・速乾性に優れたエクセロフトを使用し、家庭で手軽に洗濯できる。子供の足先までカバーする立体パターン。表地には、はっ水加工を施している。小雨程度なら難なくはじき、汚れも付きにくくなっている。クリップを使用してベビーカーにも取り付けることもできる。フードはない。抱っこ紐やベビーカーの形状、サイズによっては装着できない場合もある。

1カラー。5390円(税込)

ポケッタブル ベビーキャリア レインカバー

ポケッタブル ベビーキャリア レインカバー ©モンベル

ポケッタブル ベビーキャリアなどの抱っこ紐に取り付ける、防水生地を使用したレインカバー。雨の日のお出かけだけでなく、ウインドブレーカーとしても使用できる。クリップを使用して、ベビーカーにも取り付けできる。フードはない。抱っこ紐やベビーカーの形状、サイズによっては装着できない場合もある。

1カラー。2640円(税込)

●モンベルのホームページ

コルナゴバイクをキナンレーシングが2023年シーズンから使用

KINAN Racing Teamが2023年から、アキボウのサポートを受けてコルナゴ社のバイクフレームを使用し、国内外のレースを走っていくことになった。

コルナゴバイク

タデイ・ポガチャルも愛用するイタリアブランド

「1954年の創業以来、勝つためのレースバイクを作り続けた創業者エルネスト・コルナゴは、常にレース現場に出向き、これまでに250のプロチーム、4000を超えるプロサイクリストの活躍を支えてきました」とアキボウ。

「数多くの世界選選手権、オリンピック、ワールドツアーレース、クラシックレースでの勝利を収めてきたことで、今やイタリアを代表するトップブランドとして君臨しています。

しかしながら、ツール・ド・フランスだけはなかなか手中に収めることができませんでした。創業から66年の2020年にUAEチームエミレーツ所属のタディ・ポガチャル選手がコルナゴ V3-RS を駆って見事優勝し、翌2021年も優勝して2連覇を達成しました。ポガチャル選手にスーパーバイクと言わしめたコルナゴバイクは選手のパフォーマンスを最大限に発揮するためのレースバイクブランドです」

12月17日のキックオフ会でコルナゴバイクの使用を発表

ビッグレースでの活躍により世界規模で人気が高まっているコルナゴファミリーの一員となることは、KINAN Racing Teamにとってこのうえない喜びだという。サポートのアキボウ、さらにはコルナゴ社との連携を日々強化し、レースをはじめとするチーム活動が一層充実するよう努めていきたいという。

2023年のシーズンインから当面はV3-RSフレームを使用する。12月17日に行った「KINAN Racing Team Kickoff Meeting 2022-2023」でコルナゴ社バイクフレームの使用を発表し、会場内はファン・関係者からの驚きと喜びの声があがった。

「多方面へと広がる反響をモチベーションに、チームは“勝つためのバイク”とともに新たなシーズンへと向かっていきます」と同チーム。

●コルナゴの日本語ホームページ