2019年の台風被災で全面通行止めとなっていた鎌倉ハイキングコースは、4月1日からメインルートとして人気がある葛原岡・大仏コースだけ通行再開の目処が立った。一方で、天園コース、浄智寺〜葛原岡は依然通行止め。祇園山コースは被害がひどく見込みが立っていない。通行止めのロープをくぐって侵入する人があとを絶たず、本人が危険なだけではなく復旧作業に支障が生じている。
市内のハイキングコースを管理している鎌倉市は、2019年12月の市議会定例会で1000万円の補正予算を計上。これまで明確にされてこなかったハイキングコースの土地所有者を割り出し、許可を得ての復旧・補修作業が行われていた。
災害から半年が経過すると、通行止めの立て看板やロープが風雨によって外れたか、あるいは人為的に切られたか、通行止めにも関わらずコースを往来する人が増えてきた。
鎌倉市観光協会のホームページには、「3月16日現在、ハイキングコースの一部通行再開に向け、葛原岡神社から大仏坂間の復旧作業を行っています。全面通行禁止とお知らせしていますが、侵入される方が後を絶たず、作業に支障をきたしています。復旧が想定よりも遅れる可能性がある上、大変危険ですので、通行禁止にご理解ご協力をお願いいたします」と掲載されている。
復旧の目途は
【祇園山】
大規模ながけ崩れや倒木により復旧の目途が立たず
【葛原岡・大仏】
葛原岡~大仏…2020年3月中に復旧予定
葛原岡~浄智寺…2020年6月に復旧予定
【天園】
今泉台4丁目~天園、今泉台6丁目公園~覚園寺…2020年6月に復旧予定
天園~瑞泉寺…2020年度以降に復旧予定
ハイキングコースはあじさいの咲く6月までにその他のコースも開通にこぎ着けたいというが、新型コロナウイルスによる影響も観光都市の鎌倉に暗い影を落としている。3月27日には松尾崇市長が「新型コロナウイルス感染拡大を抑えるために鎌倉観光はしばらく控えてほしい」とホームページで訴えている。鎌倉がもとのにぎわいを取り戻すのはもうしばらく先のことだ。
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