2024年は石川県の能登半島を2つの自然災害が襲い、最初の大震災から1年が経過しようとする現在も当時の生活や景観が取り戻されていない。いつかまたあののどかな雰囲気を楽しみながらサイクリングしたい。2020年5月に実際に訪れたときのレポートを再掲(一部現地宿泊状況などを修正)。
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能登島にはおいしいものと温泉宿がある
北陸新幹線の開業によって日帰りあるいは1泊2日で能登半島サイクリングを楽しめる時代になった。今回は2日間の日程を組み、輪島と能登島をそれぞれ巡った。新幹線はあっという間に到着してしまうが、半島はけっこう走りごたえがあるという。
今回のサイクリング計画を立てたとき、能登半島の拠点となる金沢と最北端との距離を見てがく然。片道の距離が200km以上あって、とうてい2日では走りきれない。そこで半島のちょうど中央にある七尾市の和倉温泉を宿泊地として、輪島までの往復と能登島をめぐる2コースを採用した。
七尾湾に浮かぶ能登島は、小学生のころによく手書きした日本地図でも書き入れたほどの存在感がある。それでいて一度も訪れたことのない島だった。現在、半島とは2つの橋で結ばれ、クルマや自転車のみならずランナーや散歩をする人でも訪問することができる。地図で見る限りはそれほど大きくない島なので、足慣らしのためにちょうどいいと考えていた。
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ところが実際に走ってみるとアップダウンに富む一周道路はボディブローのように体力を消耗させる。風もそれなりにキツいのでさらに輪をかけて消耗する。
それでも交通量は少なく、しかもときおり眼前に飛び込んでくる港町は静かで落ち着いていて、日常の喧噪を忘れさせてくれるのに十分だ。黒い屋根瓦と日本海の風雨に耐えてきた板壁がとても風情がある。先を急ぐ旅でもないので、橋の途中の歩道や小船が浮かぶ浜辺に自転車を駐めてスマホ撮影ばかり。
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自転車は健康維持に役立つ。今回の2日間は結局、輪島往復が105km、能登島が70kmのロングライドとなった。1日最長で6時間も有酸素運動をこなしているのだから、走り終わった後のビールもうまいわけだ。
ちなみに105kmを走った際は2500キロカロリーをその運動だけで消費した。先日走ったハーフマラソンは1500カロリーで、翌日は筋肉痛で歩けなくなったのだが、サイクリングは身体にダメージを与えないスポーツなので翌日も足腰が痛むことはなし。熟年層にはいい運動であることが証明された。
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能登島は縄文時代から人が住み、漁業を中心とした生活が営まれたところ。外周道路を一周すると72km。アップダウンがあるのでサイクリングするには健脚向きとなる。四方にそれぞれの美しさを持った海が広がり、じつに気持ちがいい。新鮮な海の幸をランチで味わうことができたし、その当時は温泉宿もあった。
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北陸新幹線を使えば日帰りでも7時間は滞在できる
東京駅を北陸新幹線の一番列車となる6時16分発「かがやき501号」に乗り、終点の金沢で「特急能登かがり火1号」に乗り換えると午前9時54分に和倉温泉に着く。
帰路は18時43分に和倉温泉を出発すれば、首都圏なら自宅最寄り駅の終電に間に合うはずだ。つまり日帰りでも7時間は能登半島でサイクリングできる。往復の特急料金を含めて3万円ほど。
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途中のパンクなどトラブルを想定して、早めにゴールする計画を立てるのがいい。宿泊派なら自転車を大型段ボールに入れて、宅配便で宿に送ってしまうとラクチン。往復で6000円ほどだ。
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2020年の訪問時の拠点とした和倉温泉、メインの目的地とした輪島市は現在も復興途上にあり、当時のように気軽に訪問するのはまだ時間がかかりそうだ。それでも生活を支える地域経済がかつてのように戻ることを期待し、サイクリストとしてはその日を待望している。
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