KINAN Racing Teamは2025シーズンを今季から1名減の11選手でレース活動を行う。アンテルマルシェ・ワンティ所属のレイン・タラマエ(エストニア)、JCL TEAM UKYO所属のネイサン・アール(オーストラリア)、さいたま佐渡サンブレイブの宇賀隆貴(東京都出身)、日本大の新宮颯太(宮城県出身)、ブリヂストンサイクリングの橋本英也(岐阜県出身)が新たに加入。6選手が来季への契約を更改した。
東海地区のロードレースシリーズ「iRC Tire Presents KINAN AACA CUP」の2023年シーズン最終戦となる第10戦が12月9日、岐阜県海津市・国営木曽三川公園長良川サービスセンター特設コースで開催された。メインレースの1-1カテゴリーは5.1km×20周・102kmで競われ、KINAN Racing Teamの選手たちを中心にレースを展開。終盤に生まれた逃げ集団から山本元喜が勝利。
シリーズは4つのカテゴリーとキッズカテゴリーのレースで構成され、ステップアップ方式で競技力を向上できるイベント。最上級カテゴリーである1-1クラスにはKINAN Racing Teamより宮崎泰史、津田悠義、山本元喜、トマ・ルバ、そして、年間ランキングトップの孫崎大樹の5名が参加した。この日は各カテゴリーの勝者を決めるだけでなく、拮抗する年間ランキングにも決着がつくため、実力者が集う激しいレースとなった。
スタートが切られると、KINAN Racing Teamは積極的に前で展開する。宮﨑、津田、山本は数秒飛び出す場面もあり、集団に揺さぶりをかける。高活性の集団はなかなか逃げを容認せず、集団一つのまま、レース中盤に差し掛かかった。
和歌山県南部の太地半島をめぐるツール・ド・熊野第2ステージで、レース半ばに集団から飛び出したKINAN Racing Teamの山本元喜とトマ・ルバが奇襲に成功。2人逃げを完遂させ、ワンツーフィニッシュを達成した。ステージ優勝は山本、2位がトマとなり、先着した山本はポイント賞に。総合優勝は岡篤志(JCL TEAM UKYO)。
さらに、次の周回ではトマが再び集団から飛び出して、すぐに山本に合流。ここから2人逃げが始まった。この周回を終える頃にはタイム差を30秒ほどまで広げ、そのままリード拡大を図る。メイン集団ではリーダーチームのJCL TEAM UKYOがコントロールを本格化させ、散発する追走の動きを摘み取っていく。また、集団待機のドリュー・モレ、ライアン・カバナ、新城雄大も集団前方を固めて他チームに追撃ムード構築を許さない。
山本とトマは30~40秒のリードを保ったまま終盤へ。そのペースが衰えることはなく、いよいよ最終周回へ。個人総合争いに関係しない2人の逃げとあって、JCL TEAM UKYOも集団をまとめる方向に。逃げ切りが現実的になってきた両選手は最後まで脚を緩めることなく、ハイペースで突き進んだ。
KINAN Racing Teamはこのレースの直前まで群馬県内でのトレーニングキャンプを行い、選手・チームそれぞれの強化とコンディションアップに努めてきた。先々に待つ目標レースを見据え、今節は仕上がりを確かめる意味合いも込められた。出走は、孫崎、山本元喜、白川幸希、トマ・ルバ、新城雄大、津田悠義、畑中勇介の7人。
第4ステージまでを終えて、KINAN Racing Teamはドリュー・モレがチーム最上位の個人総合5位。同4位・6位の選手とそれぞれ僅差であることから、上位フィニッシュにかけてはまだまだ気が抜けない状況。今大会は体調不良者がプロトン内で続出しているが、KINANメンバーも例外ではなく、ここまでにリタイアしている2選手に加えて、スプリントで魅せてきた孫崎大樹が大事をとって最終ステージを回避することに。
安全圏でレースを進めてきたKINANメンバーだが、個人総合上位をきっちり占めたいドリューは少しずつ前方へ。激しい位置取り争いも冷静に対処し、スプリンター陣が争う後ろを押さえてハイスピードレースを走り切った。同じくトマ・ルバ、山本元喜もステージを完了。KINAN Racing Teamは3選手の完走で、今大会を終えることとなった。
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