アダム・イェーツが逆転サヨナラでツアー・オブ・オマーン総合優勝

ツール・ド・フランスを運営するA.S.O.の主催大会、ツアー・オブ・オマーンは最終日となる2月14日、山岳のグリーンマウンテンにゴールする第5ステージが行われ、15秒遅れの総合8位につけていたUAEエミレーツのアダム・イェーツ(英国)が単独になってゴール。総合成績でも1位になって優勝した。

アダム・イェーツがツアー・オブ・オマーン総合優勝 ©A.S.O. Oman Cycling Association/Thomas-Maheux

イェーツは前日まで首位だったチームメートのフィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド)を牽引していたが、総合成績で逆転を仕掛けたスーダル・クイックステップのヤン・ヒルトの走りにたまらずフィッシャーブラックが脱落。これを見てイェーツがヒルトを追いかけ、ゴール手前で加速してステージ優勝。後続を突き放したことで総合成績でも逆転した。

ツアー・オブ・オマーン第5ステージ ©A.S.O. Oman Cycling Association/Pauline-Ballet
ツアー・オブ・オマーン第5ステージ ©A.S.O. Oman Cycling Association/Pauline-Ballet
ツアー・オブ・オマーン第5ステージ ©A.S.O. Oman Cycling Association/Pauline-Ballet
ツアー・オブ・オマーン第5ステージ ©A.S.O. Oman Cycling Association/Thomas-Maheux
アダム・イェーツがツアー・オブ・オマーン総合優勝 ©A.S.O. Oman Cycling Association/Thomas-Maheux

自然災害でコース変更のオマーンでカピオが第4ステージ優勝

ツール・ド・フランスを運営するA.S.O.の主催大会、ツアー・オブ・オマーンは2月13日、中東のオマーンで第4ステージが行われ、アルケアB&Bホテルズのアモリー・カピオ(ベルギー)がゴール勝負を制して優勝。この日は自然災害の影響でコースが短縮されたが、第5ステージもコースを変えて行われる。

アモリー・カピオがツアー・オブ・オマーン第4ステージ優勝 ©A.S.O. Oman Cycling Association/Thomas-Maheux

日本から参加するJCL TEAM UKYOはスプリンターのペゼンティがゴールスプリント勝負に加わって7位。

ツアー・オブ・オマーン第4ステージ ©A.S.O. Oman Cycling Association/Pauline-Ballet
ツアー・オブ・オマーン第4ステージ ©A.S.O. Oman Cycling Association/Pauline-Ballet
ツアー・オブ・オマーン第4ステージ ©A.S.O. Oman Cycling Association/Thomas-Maheux
ツアー・オブ・オマーン第4ステージ ©A.S.O. Oman Cycling Association/Pauline-Ballet

ツアー・オブ・オマーン第3ステージは崩落による距離短縮

ツール・ド・フランスを運営するA.S.O.の主催大会、ツアー・オブ・オマーンは2月12日、中東のオマーンで第3ステージが行われたが、前日の大雨の影響でコースの一部が崩落し、急きょ約90kmのルートを短縮した76kmのコースレイアウトで行われた。第4ステージも悪天候によりコース短縮が発表されている。

ツアー・オブ・オマーン第3ステージでマニエ(左)が優勝、ランパーティ(中央)が首位になった ©A.S.O. Oman Cycling Association/Thomas-Maheux

第3ステージはゴール勝負となり、スーダル・クイックステップのポール・マニエ(フランス)が優勝。区間2位に入ったチームメートのルーク・ランパーティ(米国)がボーナスタイムを獲得して首位に立った。

ツアー・オブ・オマーン第3ステージ ©A.S.O. Oman Cycling Association/Thomas-Maheux

JCL TEAM UKYOはスプリンターのペゼンティがゴールスプリント勝負に加わったが、16位。

JCL TEAM UKYOのボアロ監督は「リザルトにはつながらなかったが、僕たちがトップチーム相手にチャレンジする姿勢は最も重要なこと。今日もそのシーンが見られたことに価値を感じている。残り2ステージ、厳しいステージになると思うが僕らなら乗り越えられる」とコメント。

ツアー・オブ・オマーン第3ステージ ©A.S.O. Oman Cycling Association/Thomas-Maheux
ツアー・オブ・オマーン第3ステージ ©A.S.O. Oman Cycling Association/Thomas-Maheux
ツアー・オブ・オマーン第3ステージ ©A.S.O. Oman Cycling Association/Pauline-Ballet

増田成幸がツアー・オブ・オマーン第2ステージで140kmエスケープ

ツール・ド・フランスを運営するA.S.O.の主催大会、ツアー・オブ・オマーンは2月11日、中東のオマーンで第2ステージが行われ、JCL TEAM UKYOの増田成幸が他の2選手とアタック。残り8kmで吸収されたが、約140kmにわたってレースを支配して存在感を見せつけた。

増田成幸がツアー・オブ・オマーン第2ステージでアタック ©A.S.O. Oman Cycling Association/Pauline-Ballet

レースは残り500mで抜け出したUAEエミレーツのフィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド)が優勝。総合成績でもフィッシャーブラックが首位に躍り出た。

ツアー・オブ・オマーン第2ステージ ©A.S.O. Oman Cycling Association/Pauline-Ballet

「昨晩の作戦通りエスケープにトライした。きつく長い1日だったが、練習してきたコンディションがいい方向にあることも感じられた」と増田。

JCL TEAM UKYOの帯同シェフ
山本大喜 ©JCL TEAM UKYO
ツアー・オブ・オマーン第2ステージ ©A.S.O. Oman Cycling Association/Pauline-Ballet
ツアー・オブ・オマーン第2ステージ ©A.S.O. Oman Cycling Association/Pauline-Ballet
JCL TEAM UKYOも走る ©A.S.O. Oman Cycling Association/Thomas-Maheux
ツアー・オブ・オマーン第2ステージ ©A.S.O. Oman Cycling Association/Pauline-Ballet
ツアー・オブ・オマーン第2ステージ ©A.S.O. Oman Cycling Association/Pauline-Ballet
ツアー・オブ・オマーン第2ステージ ©A.S.O. Oman Cycling Association/Pauline-Ballet
UAEエミレーツのフィン・フィッシャーブラックがツアー・オブ・オマーン第2ステージ優勝 ©A.S.O. Oman Cycling Association/Pauline-Ballet
ツアー・オブ・オマーン第2ステージ ©A.S.O. Oman Cycling Association/Thomas-Maheux

ツアー・オブ・オマーン第1ステージはユアンV…JCL TEAM UKYOも参戦

ツール・ド・フランスを運営するA.S.O.の主催大会、ツアー・オブ・オマーンが2月10日、中東のオマーンで開幕。第1ステージはスプリンターのカレブ・ユアン(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)がゴール勝負を制して優勝。総合成績でも首位になった。

ユアンがツアー・オブ・オマーン第1ステージ優勝 ©A.S.O. Oman Cycling Association Thomas Maheux

JCL TEAM UKYOは増田成幸、山本大喜、石橋学、ネイサン・アール、ジョバンニ・カルボーニ、マッテオ・マルチェッリ、トーマス・ベゼンティが出場。スプリンターのマルチェッリがゴール勝負に加わったが、8位でゴール。ペゼンティ、カルボーニ、山本も同タイムでゴールし初日を終えた。

ツアー・オブ・オマーン第1ステージ ©A.S.O. Oman Cycling Association Pauline Ballet

「ゴール前に風で右に寄るのをうまくさばいて最前列で戦いたかったが、悔しいけど前を奪えなかった。僕のために動いてくれたチームメイトに感謝している」とマルチェッリ。

JCL TEAM UKYO
ツアー・オブ・オマーン第1ステージ ©A.S.O. Oman Cycling Association Thomas Maheux
ツアー・オブ・オマーン第1ステージ ©A.S.O. Oman Cycling Association Thomas Maheux
JCL TEAM UKYO

●ツアー・オブ・オマーンのホームページ

石橋アタック、山本と小石がUCIポイント獲得…ツアー・オブ・オマーン

中東を舞台とした5日間のステージレース、ツアー・オブ・オマーンは最終日となる2月15日に第5ステージが行われ、JCL TEAM UKYOの山本大喜が6分07秒遅れの総合32位、小石祐馬が。7分57秒遅れの総合38位でフィニッシュした。

ツアー・オブ・オマーン第5ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet

ツアー・オブ・オマーン第5ステージ。山脈の麓をスタートし、標高500m前後をアップダウンを繰り返す152.5km。ゴールまでの5.7kmは10%超えのクライムが続くレイアウト。JCL TEAM UKYOは第4ステージを終えてトップから2分4秒遅れの総合29位に山本。

ツアー・オブ・オマーン第5ステージ ©A.S.O. Thomas Maheux

最終日となるこの日、最後の山での走りが総合成績に大きな影響を与えることもあり、終盤 に至るまでの山本のポジションを守ることを最優先に考えた作戦でスタートに並んだ。

レースはスタートして間もなく、石橋学を含めた7名のエスケープが形成された。一気に2分のタイムギャップが開く。これはこのグループに総合を脅かす順位の選手がいないこと、コース後半に2度のスプリント賞が設置されていることもあり、僅差で総合優勝を争うリーダーチームとしては逃げを前半に容認して後半勝負に持ち込みたい思惑によるものだ。

石橋学がツアー・オブ・オマーン第5ステージでアタック ©A.S.O. Pauline Ballet

こうして3分以上の差がつかないように続いたコントロールは終盤まで続くことになる。石橋を送り込んでいるJCL TEAM UKYOはこれで有利な状況となる。プロトン内で終盤に備え、補給やいいポジションをキープして山本をフォローした。

残り20km、エスケープグループは人数を減らし5名となるが、石橋も粘る。いよいよレースは終盤、コースは山岳へと進路を変え、6kmで600m登るヒルクライムに入った。麓で1分を切っていた差は途端に縮み、レースは振出しに戻った。

ツアー・オブ・オマーン第5ステージでリーダージャージを着るマッテオ・ヨルゲンソン ©A.S.O. Thomas Maheux

そして、総合上位のエース級の選手たちがレースの最前線に現れる。一気に14名に絞られたグループからも、さらに4名がスパートしたことで崩壊。ハイペースの厳しい登りにバラバラになり、各々の力が登りのポジションとなる。山本、小石も30位~40位のポジションで必死にペダルを踏み続ける。

そして、勝負は総合トップのモビスターのマッテオ・ヨルゲンソンと総合3位のマウリ・ファンセベナント(スーダル・クイックステップ)の一騎打ちに。10%強の登坂を駆け抜けトップでゴールに現れたのはファンセベナント。ゴールのボーナスタイムであわや逆転という展開だったが、ヨルゲンソンがゼロ秒差で後ろに付き切り、1秒差という僅差で総合リーダーの座を守った。

ツアー・オブ・オマーン第5ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet

第3ステージ同様、続々とゴールに辿り着いた選手たちがバタバタと倒れていくなかに小石が現れた。順位はトップから3分43秒差の37位、そして山本もゴール、苦しみに空を仰ぎ力を出しつくした様子だった。

しばらくしてアシストを終えたメンバーたちに続き、この日130km以上逃げ続けた石橋もゴール。UCI 2-PROクラスのステージレースで全員完走を果たした。小石の好走の結果、総合40位以内に加算されるUCIポイントを2名が獲得し、JCL TEAM UKYOの今回の一つの目標を達成する結果となった。

ツアー・オブ・オマーン第5ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet

全5ステージ 830kmのレースは1秒差で総合優勝が決まる熾烈な戦いとなった。サウジツアー、ツアー・オブ・オマーンを経験し確実に成長を遂げた選手たち。これから本格化するレースシーズンに大きな刺激を与えてくれた中東遠征となった。

ジェオフリー・ブシャール。ツアー・オブ・オマーン第5ステージ ©A.S.O. Thomas Maheux

「1戦1戦チームらしくなってきました。今日もみんなが守ってくれて、 最後もいい位置で山に入れました。日に日によくなる自分のコンディションに大きな期待を賭けて挑みましたが少し順位を落としてしまいました。小石が近くにいてくれたのは心強かったです。この力を次の レースにぶつけていきたいです」(山本)

小石祐馬。ツアー・オブ・オマーン第5ステージ ©JCL TEAM UKYO

「サウジツアーの不調から徐々に調子も上げてこれました。この経験を来年のこのレースに向けてまた準備し、いい結果を目指していきたいです」(小石)

山本大喜。ツアー・オブ・オマーン第5ステージ ©JCL TEAM UKYO

「石橋の逃げはチームに有利な状況を作ってくれました。僕らコン チネンタルチームの戦い方をしっかりと大会に表現できたと思います。 厳しいレースの中で小石と山本がUCIポイントを獲得したことは大きな価値があると思っています」(清水裕輔監督)

ツアー・オブ・オマーンを戦ったJCL TEAM UKYO ©JCL TEAM UKYO