パリ〜ニース第5ステージでコーイが2勝目…プラップが首位堅持

フランスで開催される8日間のステージレース、パリ〜ニースは3月7日に第5ステージが行われ、ユンボ・リースアバイクのオラフ・コーイ(オランダ)が第1ステージに続いて優勝した。

コーイがパリ〜ニース第5ステージで優勝 ©A.S.O. Billy Ceusters

総合成績ではジェイコ・アルウラーのルーク・プラップ(オーストラリア)が首位を守った。

パリ〜ニース第5ステージ ©A.S.O. Billy Ceusters
パリ〜ニース第5ステージで果敢な走りを見せるピエール・ラトゥール ©A.S.O. Billy Ceusters
ジェイコ・アルウラーのルーク・プラップ(オーストラリア)が首位堅持 ©A.S.O. Billy Ceusters

ブイトラゴがパリ〜ニース第4ステージ優勝…首位はプラップ

フランスで開催される8日間のステージレース、パリ〜ニースは3月6日に第4ステージが行われ、バーレーン・ビクトリアスのサンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア)が独走で優勝した。

サンティアゴ・ブイトラゴがパリ〜ニース第4ステージで優勝 ©A.S.O. Billy Ceusters

10秒遅れの区間2位に入ったジェイコ・アルウラーのルーク・プラップ(オーストラリア)が首位に立った。総合2位は13秒遅れでブイトラゴ。

ルーク・プラップがパリ〜ニース第4ステージで首位に立った ©A.S.O. Billy Ceusters
パリ〜ニース第4ステージ ©A.S.O. Billy Ceusters

パリ〜ニース、ティレーノ~アドリアティコが相次いで開幕

2024ロードシーズンが3月になって本格化した。フランスのパリ〜ニースが3月3日から10日まで、イタリアのティレーノ~アドリアティコが3月4日から10日まで熱戦が繰り広げられる。どちらも中規模のステージレース。5月のジロ・デ・イタリアや夏のツール・ド・フランスで総合優勝をねらう実力選手も参加している。

2024パリ〜ニース第1ステージ ©A.S.O. Billy Ceusters

ビスマ・リースアバイクはティレーノ~アドリアティコにヨナス・ビンゲゴー(デンマーク)を出場させた。ボーラ・ハンスグローエは同レースでジャイ・ヒンドレー(オーストラリア)を走らせた。

アユソがティレーノ~アドリアティコ第1ステージ優勝 ©Fabio Ferrari/LaPresse

またボーラ・ハンスグローエは今季から獲得したプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)をパリ〜ニースに起用。同レースにはレムコ・エベネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)も参加し、シーズン序盤の足慣らしとする。

フィリッポ・ガンナは1秒遅れの2位 ©Fabio Ferrari/LaPresse
フアン・アユソ ©LaPresse
オラフ・コーイが2024パリ〜ニース第1ステージ優勝 ©A.S.O. Billy Ceusters
ボーラ・ハンスグローエのプリモシュ・ログリッチ ©A.S.O. Billy Ceusters
ジャイ・ヒンドレー ©Gian Mattia D’Alberto / LaPresse

スロベニア勢台頭、そしてUCIがロシアに制裁、ウクライナ救済

中央ヨーロッパのスロベニア選手が、春開催の中規模ステージレース2大会で総合優勝をともに果たした。3月6日から13日までフランスで行われたパリ〜ニースでユンボ・ビスマのプリモシュ・ログリッチが、同7日から13日までイタリアで行われたティレーノ~アドリアティコでUAEエミレーツのタデイ・ポガチャルが勝った。かつては西欧が強かったが、現在は東へ。勢力図はいつから変わったのか。

第57回ティレーノ~アドリアティコで総合優勝したポガチャル ©LaPresse

勢力図はヨーロッパ西側から次第に東へ

北京冬季五輪開催中にスロベニアがスキージャンプ競技の強豪国であることが日本のスポーツファンの間で話題になった。アルプス山脈をいだく国土だけにかねてからウインタースポーツが盛んで、持久力のある選手も多い。実際にログリッチはジュニア時代にジャンプ競技のスロベニア代表で、転向組の1人だ。そのためJ SPORTSを視聴するような自転車ファンなら同国がジャンプ強豪国であることは承知だ。

パリ近郊から地中海岸のニースを目指すパリ〜ニース。別名は「太陽へのルート」 © A.S.O. Alex Broadway

ログリッチは、「今回のボクは最強ではなく、チームメートのワウト・ファンアールトに援護された」と優勝後にコメント。ベルギーのファンアールトは世界ランキング3位のトップ選手で、ツール・ド・フランスでどちらがエースに起用されるかという質問には明言を避けた。

一方のポガチャルは、「ツール・ド・フランスで連覇した昨年と同じような体調でシーズンインできた」とすでに7月のツール・ド・フランス3連覇を見据える。

パリ〜ニース初日はユンボ・ビスマ勢が3位まで独占。優勝したクリストフ・ラポルトを中央に、左がファンアールト、右がログリッチ © A.S.O. Alex Broadway

そのきっかけは1990年、ベルリンの壁崩壊から

20世紀はじめから行われている自転車レース。当初は自転車文化があり、メーカーが多かったフランスやイタリアが強豪国。すぐにベルギーやオランダなど移動手段としても自転車を愛用する国が追った。第二次大戦以降は暑さと、小柄な体格を生かして上りに強いスペインも参戦。同様の強さを持つコロンビア勢が欧州以外から乗り込むと、1980年代には国際放送でその存在を知った米国やオーストラリア選手がやってきた。

パリ〜ニース第4ステージのタイムトライアルでファンアールトがトップタイム、首位に躍り出た © A.S.O. Alex Broadway

東欧勢がやってきたのは1990年のベルリンの壁崩壊がきっかけだった。1991年末のソ連崩壊がそれに拍車をかけた。1997年にヤン・ウルリッヒが初めてドイツ勢としてツール・ド・フランスで総合優勝するが、旧東独出身だ。さらにポーランド、スロバキア選手が世界選手権を制覇する。

現在、中央欧州のスロベニアや東欧諸国出身選手が台頭しているが、レースの舞台は100年以上前から西欧であることに変わりはない。伝統レースとしてのテイストを残しつつ、出場選手が国際的になった。

パリ〜ニース第5ステージでファンアールトに代わって首位となったログリッチがそのまま総合優勝した © A.S.O. Alex Broadway

UCI世界ランキング(3月22日時点)
●個人
1 タデイ・ポガチャル(スロベニア)
2 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア)
3 ワウト・ファンアールト(ベルギー)
●国別
1 ベルギー
2 スロベニア
3 イタリア
20 資格停止=ロシア
27 ウクライナ
35 資格停止=ベラルーシ
38 日本

イタリア半島の西に広がるティレニア海沿岸から東のアドリア海を目指すティレーノ~アドリアティコ ©Fabio Ferrari – LaPresse

自転車連合はウクライナ全面支援、ロシアに制裁

世界の自転車レースを統括するUCI(国際自転車競技連合)がウクライナに侵攻したロシアと、それを支持するベラルーシを厳しく非難。国際オリンピック委員会の裁定を自転車レースにも適用した。これにより両国のナショナルチームは海外活動禁止。両国に国籍を置くチーム、開催される大会は登録取り消しとなった。他国チームと契約する両国選手はそのまま活動できるが、ナショナルチャンピオンジャージーははく奪された。

一方でレース参加する両国選手へのリスペクトを主催者や観客に求めた。UCIの拠点となるスイスにウクライナ出身選手を招き、トレーニングセンターでの強化育成を開始。全面的に支援していく。

ログリッチがまさかの落車でパリ〜ニース栄冠を失う

「ルート・オ・ソレイユ=太陽への道」という愛称を持つ8日間のステージレース、パリ〜ニースは最終日となる3月14日に第8ステージが行われ、マイヨジョーヌを着るユンボ・ビスマのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)が落車などにより3分08秒遅れ、首位を陥落。52秒遅れの総合2位だったボーラ・ハンスグローエのマキシミリアン・シャフマン(ドイツ)が総合優勝した。

パリ〜ニース第8ステージで落車して負傷しながら走るログリッチ ©A.S.O. Fabien Boukla

この日は距離92kmと短いレースだったが、マイヨジョーヌを着るログリッチはスタート後22kmで落車。いったんはメイン集団に追いついたが、残り25kmで再び落車して遅れると、シャフマンらのいる集団には追いつくことができなかった。

ログリッチが3分以上遅れてゴールした ©A.S.O. Fabien Boukla

「こんなふうな結果になるのは複雑な心境だ。ボクがスタート後の上りでパンクしたけど、だれも待ってはくれなかった。ログリッチの最初の落車のときは彼が集団に復帰するのを待った」とシャフマン。

「2度目の落車のときは、すでに逃げている選手らが前にいたのでチームはそれを追いかける必要があった。こんな勝ち方はあまりいいものではない」

パリ〜ニース第8ステージ ©A.S.O. Fabien Boukla
パリ〜ニース第8ステージのゴール勝負 ©A.S.O. Fabien Boukla
パリ〜ニースで総合優勝したシャフマン ©A.S.O. Fabien Boukla
パリ〜ニースのポイント賞はログリッチだったが、負傷によりチーム監督がジャージを受け取った ©A.S.O. Fabien Boukla

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●パリ〜ニースのホームページ

ログリッチ3勝目でパリ〜ニース総合優勝に王手

「ルート・オ・ソレイユ=太陽への道」という愛称を持つ8日間のステージレース、パリ〜ニースは3月13日に第7ステージが行われ、マイヨジョーヌを着るユンボ・ビスマのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)が、第4、第6ステージに続く区間3勝目を挙げた。総合成績でも首位を守った。

パリ〜ニース第7ステージでペースメークするユンボ・ビスマチーム ©A.S.O. Fabien Boukla

「どうしそれをやらないんだ? ボクは自問自答しながら走った。ステージ優勝のチャンスがあるのなら勝ちに行かなくちゃと思った。とても短いステージだったが、最後は苦しかった。それでも1位でフィニッシュできてうれしい」とログリッチ。

「レースはまだ終わっていない。次の戦いがあって、次のチャレンジが待っている。厳しい戦いになるだろうが、チームメートはとてもよく走ってくれている。走ることの喜びを感じている」

2021パリ〜ニース第7ステージ ©A.S.O. Fabien Boukla
ログリッチ(中央)。パリ〜ニース第7ステージ ©A.S.O. Fabien Boukla
2021パリ〜ニース第7ステージのティシュー・ベノート(DSM) ©A.S.O. Fabien Boukla
ログリッチがパリ〜ニース第7ステージで区間3勝目 ©A.S.O. Fabien Boukla

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●パリ〜ニースのホームページ