アデュー戸田…ボート第100回全日本は海の森水上競技場

2022年5月12日から15日まで行われる第100回全日本選手権の競技会場が海の森水上競技場(東京都江東区)になった。日本ボート協会が2021年12月17日に開催した理事会で決定した。

強豪大学や実業団の艇庫が並ぶ戸田ボート場

2020年に創立100周年を迎えた同協会は、2021年11月に「日本ボート協会2020ビジョン」を発表した。ビジョンでは「2020東京オリンピック・パラリンピックのレガシーを活用する」としていて、このビジョンに沿って第100回という記念大会を行うことにした。

1964東京五輪の会場だった戸田漕艇場は現在の国際大会を開催する基準に満たないことから、2020東京は新設された海の森水上競技場で行なわれた

協会は、2022年度以降の国内外の大会も海の森水上競技場で開催していくとともに、選手権大会開催だけではなく、日本代表候補選手の選手選考や、普及のための市民レガッタ開催などビジョンに沿って行動していくという。

●日本ボート協会のホームページ

五輪開催可否にぶれず集中したい…ボート冨田千愛

ボート女子軽量級ダブルスカルで東京五輪代表となった関西電力の冨田千愛(とみたちあき)が5月14日、リモート会見に応じ、コロナ禍での揺れ動く心境と五輪への思いを語った。軽量級ダブルスカルでは大石綾美(アイリスオーヤマ)とペアを組むが、2016年リオデジャネイロ五輪に続くペアとなる。

冨田千愛。2019年世界選手権では日本女子ボート界初の快挙である2位に

選考から外れたクルーを思って喜びは封印

鳥取県出身。明大大学院卒。現在は福井県に活動拠点を置いての選手活動。女子軽量級シングルスカルの第一人者でもあり、2019年世界選手権では日本女子ボート界初の快挙である2位に入った。ただし軽量級のこの種目は五輪になく、もう1人とペアを組んでダブルスカルにエントリーする必要がある。

今回の代表選手選考はかなり複雑だった。

5年前はアジア予選で勝てば代表になれたが、今回は勝つだけではなく、日本の4クルーの中で「上位進出が期待できる」というパーセンテージによって2クルーが選考されるという条件だった。

5月5日から7日まで海の森水上競技場で行われるアジア・オセアニア大陸予選で、大石と冨田は女子軽量級ダブルスカルで優勝し、最終日のレース終了後に開催された日本ボート協会選考委員会が行われ、男子シングルスカルとともに女子軽量級ダブルスカルが東京五輪に派遣されることになる。

「アンチドーピングの検査が長くなってしまい、会場に戻ったときに大石選手に決まったと耳打ちされました。でも4クルーのうち2クルーしか五輪代表となれなかったので、他の2クルーのことを考えてあまり喜ぶのは失礼だなと思ました」

選考から外れたのは男子軽量級ダブルスカルの西村光生(アイリスオーヤマ)と古田直輝(NTT東日本)、女子シングルスカルの米川志保(トヨタ自動車)だったが、世界最終予選が5月15日から17日までスイスのルツェルンで開催されここで2位以上に入ると東京五輪出場権が与えられる。

「コロナ禍で苦労してきた全員がチームという思いが私にはあって、みんなで五輪に出場したいという気持ちも強いです」と冨田。

女子軽量級シングルスカルの冨田千愛(写真は準決勝のもの)

五輪をやる・やらないは選手としてはどうすることもできない

初参加のリオ五輪はどんなものかわからなかったので、がむしゃらになるしかなかったという。そして今回の東京五輪は1年延期になり、依然としてコロナ感染拡大も収束の兆しが見えず、「うれしいというだけの気持ちではありません」という。

苦しい時代が続いた。「どうなるのかなと思っていました」という。

「いまはスポーツをやっている場合ではないのかもという気持ちもありました。(五輪へのアプローチとなる)予選会さえできるかわからない状況でした。五輪をやる・やらないは選手としてはどうすることもできないので、五輪に出るという気持ちを抑え、レースに勝つことに集中していました」

目標は五輪ではなく、とにかく目の前にあることに淡々と集中していたという。

17日からスイスのワールドカップへ。2019年の世界選手権が最後の国際大会だったので、じつに2年ぶりの海外有力勢との対決となる。

「出場選手は五輪のセミファイナルに進出できる実力者ばかりなので、そこでどれだけ戦えるか、次の課題が見えてくる。東京五輪では決勝進出が目標です」

リオ五輪が終わって調子を落としていたときに福井県に活動拠点を移した。嶺南と言われる県の西部に住み、三方五湖で練習を積んでいる。

「湖だけど海水も混ざっていて、かなり荒れたコンディションになる」

東京五輪のボート会場である海の森水上競技場もいわゆる海上コースで、潮に流されたりする。それを修正しながらのレースになることが想定され、同様のコンディションで対応する力をつけていきたいという。

「福井県の食べものと言えばへしこが有名です。あまり食べたことがなくて、おいしくないよといわれていたけど、私は口に合いました。もともと鳥取なので海のものは慣れていたんだけど、こちらもおいしいものばかりです」

住み始めたときは、方言が関西弁に似たところがあって怖かったという。

「自動車教習所で私が鈍くさいこともあったんですけど、結構怒られました。でも福井の人たちは本当は優しく、みな家族のように接してくれます」

●日本ボート協会のホームページ

大石綾美、冨田千愛、荒川龍太が東京五輪ボート代表に

日本ボート協会は5月7日、東京五輪代表として女子軽量級ダブルスカルの大石綾美(アイリスオーヤマ)と冨田千愛(関西電力)、男子シングルスカルの荒川龍太(NTT東日本)を選出した。東京パラリンピックのPR1女子シングルスカルで市川友美(湖猿Rowing Team)を代表選手として選考した。

冨田千愛が日本勢女子として初めての表彰台。2019世界選手権軽量級女子シングルスカルで銀メダル

7日まで、五輪パラ会場となる海の森水上競技場で行われたアジアオセアニア大陸予選で、日本チームはパラリンピック予選のPR1女子シングルスカル、オリンピック予選の男女軽量級ダブルスカル、男女シングルスカルの計5種目で優勝した。

東京パラリンピックは今回の大陸予選で優勝することが出場権獲得の条件で、優勝した市川がそのままパラ代表選手に決まった。

一方、東京五輪は優勝したクルーが2種目以上あった場合、最大で2種目を日本ボート協会が選択する必要があり、レース終了後に海の森水上競技場で日本ボート協会選考委員会が行われ、女子軽量級ダブルスカル、男子シングルスカルを選択した。

世界最終予選が5月15日から17日までスイスのルツェルンで開催され、男子軽量級ダブルスカルの西村光生(アイリスオーヤマ)と古田直輝(NTT東日本)、女子シングルスカルの米川志保(トヨタ自動車)が派遣された。世界最終予選で2位以上に入ると東京五輪出場権が与えられる。

●日本ボート協会のホームページ

大石綾美・冨田千愛が東京五輪をかけた大陸予選へ

東京五輪アジア・オセアニア大陸予選のクルー決定レースが3月3日に行われ、女子軽量級ダブルスカルで大石綾美(アイリスオーヤマ)・冨田千愛(関西電力)クルーが上田佳奈子(明治安田生命)・山領夏実(デンソー)クルーに先着。大石・冨田クルーが大陸予選代表に決定した。

5月5日から7日まで海の森水上競技場で行われるアジア・オセアニア大陸予選で五輪出場権を獲得すれば、この2人が東京五輪代表選手となる。

男子軽量級ダブルスカルは、シングルスカル評価レースで1位・2位だった宮浦真之(NTT東日本)・武田匡弘(関西電力)クルーが3位・4位だった西村光生(アイリスオーヤマ)・古田直輝(NTT東日本)クルーに敗北。この結果、3月4日と5日に組み合わせを変えて選考を行う。男子はすべての組み合わせのダブルスカルで3本漕いだタイムを合計し、タイムが速かった上位2名が代表クルーとなる。

体重制限のないオープンクラスの種目であるシングルスカルでは、男子が荒川龍太(NTT東日本)、女子が米川志保(トヨタ自動車)がともに2月24日から25 日に行われたシングルスカル評価レーストップタイムを記録し、アジア・オセアニア大陸予選の代表に決まっている。

●日本ボート協会のホームページ

男子は仙台大、女子は早稲田大優勝…ボート全日本大学選手権

ボートの第47回全日本大学選手権が10月22日から25日まで埼玉県戸田市の戸田ボートコースで開催された。最終日には12種目の決勝が行われた。

男子シングルスカルの福井康

全日本大学選手権は男女総合優勝を争うもので、各種目の1位は5点、2位は3点、3位は2点、4位が1点を獲得。男子総合優勝は2種目で1位となった仙台大学で、2年連続2回目の優勝。女子総合優勝は3種目で1位となった早稲田大学で3年連続17回目の優勝。

大会は無観客で行い、例年同時開催していたオックスフォード盾レガッタを中止して約400人減、全日本大学選手権も参加者を2割減の約800人で行われた。

【女子シングルスカル】
1着 早稲田大学 8分11秒60 S 茂内さくら 秋田高校
2着 金沢大学 8分14秒29 S 柿島麗 七尾高校
3着 日本体育大学 8分21秒41 S 荒井千奈 横浜商業高校
4着 同志社大学 8分31秒97 S 山本百華 下関西高校

女子シングルスカルの茂内さくら

【男子シングルスカル】
1着 仙台大学 7分12秒58 S 福井康 洲本実業高校
2着 富山国際大学 7分20秒14 S 松本開成 網走桂陽高校
3着 松江工業高等専門学校 7分22秒42 S 小野田空羽
4着 日本体育大学 7分27秒81 S 日田駿 熊本学園大学付属高校

男子シングルスカルの福井康

【女子舵手なしペア】
1着 立命館大学 7分45秒30
S 福原萌意 廿日市高校
B 西彩里佐 今治南高等学校
2着 早稲田大学  7分55秒57
S 大崎未稀 美方高校
B 郡磨璃 文京学院大学女子高校
3着 日本体育大学 7分56秒04
S 小松原杏 舘林女子高校
B 中山彩花 天竜高校
4着 一橋大学 8分00秒41
S 崎山英理子 お茶の水女子付属高校
B 飯島佐和子 都立国立高校
5着 富山国際大学 8分07秒86
S 酒井光 潮来高校
B 松尾美里 大村高校

女子舵手なしペアの福原萌意西彩里佐(立命館大学)

【男子舵手なしペア】
1着 京都大学 6分57秒15
S 山田紘暉 浜松北高校
B 若林陸 川越高校
2着 仙台大学 6分59秒15
S 藤岡駿平 高鍋高校
B 古賀健嗣 大村城南高校
3着 慶應義塾大学 7分22秒05
S 橋本健之助 慶應義塾高校
B 大森琉斗 慶應義塾高校
4着 早稲田大学  7分24秒70
S 三浦武蔵 吉田高校
B 岡本真弘 早稲田大学高等学院

男子舵手なしペアの山田紘暉・若林陸(京都大学

【女子ダブルスカル】
1着 早稲田大学  7分32秒64
S 武井愛奈 諏訪清陵高校
B 松井友理乃 今治西高校
2着 立教大学 7分32秒64
S 三嶋怜奈 南稜高校
B 五十嵐いづみ 本荘高校
3着 富山国際大学 7分48秒23
S 沖田海里 江津工業高等学校
B 西野萌恵 敦賀工業高校
4着 鹿屋体育大学 7分50秒88
S 谷口智佳子 宇和島東高等学校
B 黒木秀里 宇和島東高等学校

女子ダブルスカルの武井愛奈・松井友理乃(早稲田大学

【男子ダブルスカル】
1着 富山国際大学 6分39秒15
S 柘植実 美濃加茂高校
B 木村竜暉 今治西高校
2着 日本体育大学 6分42秒63
S 遠山秀雄 伏見工業京都工学院高校
B 大輪龍斗 潮来高校
3着 立教大学 6分48秒75
S 渋井大生 城北埼玉高校
B 石政雄也 都立日本橋高校
4着 日本大学 6分49秒18
S 佐藤樹 佐沼高校
B 川村脩斗 網走桂陽高校

男子ダブルスカルの柘植実・村竜暉(富山国際大学

【女子クォドルプル】
1着 早稲田大学 6分48秒07
S 安井咲智 小松川高校
3 宇都宮沙紀 今治西高校
2 宇野聡恵 日田高校
B 藤田彩也香 小松川高校
2着 明治大学 6分48秒22
S 林原萌香 中央大学杉並高校
3 西田結惟 加茂高校
2 村岡美晴 日田三隈高校
B 岡田葵衣 舘林女子高校
3着 法政大学 6分49秒98
S 石垣優香 本所高校
3 木部真夕 館林女子高校
2 市田佑来 加茂高校
B 荒牧穂 熊本学園大学付属高校
4着 中央大学 6分50秒56
S 神杏奈 田村高校
3 米澤知華 浦和第一女子高校
2 橋村心 南稜高校
B 長谷川穗 中央大学杉並高校

女子クォドルプルの安井咲智・宇都宮沙紀・宇野聡恵・藤田彩也香(早稲田大学

【男子クォドルプル】
1着 日本大学 6分05秒86
S 今井東吉郎 浦和商業高校
3 氏原大舜 浜松湖南高校
2 木村太一 小見川高校
B 鈴木柾希 浜松大平台高校
2着 明治大学 6分48秒22
S 門馬健将 会津高校
3 平野公稀 熊本学園大学附属高校
2 博田凌太 鳥取東高校
B 東坂謙志 済々黌高校
3着 仙台大学 6分12秒65
S 内田智也 岡谷南高校
3 石倉嵩大 下諏訪向陽高校
2 大嘉田拓実 宇和島東高校
B 猪野健太郎 長崎明誠高校
4着 日本体育大学 6分34秒08
S 六平人 東郷高校
3 江畠慧斉 千歳丘高校
2 高橋正堂 黒沢尻工業高校
B 村上真之輔 本荘高校

男子クォドルプルの今井東吉郎・氏原大舜・木村太一・鈴木柾希(日本大学

【男子舵手なしフォア】
1着 立教大学 6分21秒58
S 山口恭平 松江東高校
3 橋本太一 土佐高校
2 若濵健太 清風高校
B 松藤照日子 玉川学園高校
2着 慶應義塾大学 6分24秒59
S 鍛治田有史 慶應義塾高校
3 勝野健 慶應義塾高校
2 足利海知 桐蔭学園高校
B 野村瑛人 Claremont Secondary School
3着 仙台大学 6分24秒85
S 杉浦旭 猿投農林高校
3 光山和希 大村高校
2 桑村潤 小松明峰高校
B 盛剛哉 青森高校
4着 早稲田大学  6分38秒02
S 中川大誠 小松川高校
3 菅原陸央 本荘高校
2 鈴木利駆 浜松西高校
B 牟田昇平 三田学園高校

男子舵手なしフォアの山口恭平・橋本太一・若濵健太・松藤照日子(立教大学

【女子舵手つきフォア】
1着 立命館大学 7分17秒86
S 志賀早耶香 美方高校
3 松田京子 成立学園高校
2 鈴木伶奈 酒田光陵高校
B 池田有里 酒田南高校
C 可児晴美 加茂高校
2着 立教大学 7分20秒51
S 佐藤理奈穂 本荘高校
3 岩崎かえで 桜宮高校
2 櫻井菜々 南稜高校
B 五十嵐のどか 本荘高校
C 北原千晴 淑徳与野高校

女子舵手つきフォアの志賀早耶香・松田京子・鈴木伶奈・池田有里 ・可児晴美(立命館大学

【男子舵手つきフォア】
1着 中央大学 6分32秒36
S 永井嵩士 富士河口湖高校
3 小野祐樹 吉田高等学校
2 仲川耕平 日本大学鶴ケ丘高校
B 中曽根祐太 小松川高校
C 星逸人 中央大学杉並高校
2着 早稲田大学 6分37秒84
S 越智竣也 今治西高校
3 小林里駆 浜松西高校
2 濱野圭吾 春日部高校
B 岩松賢仁 熊本学園大学付属高校
C 山田侯太 早稲田大学高等学院
3着 仙台大学 6分43秒18
S 中里大晟 宇和島東高校
3 梶原龍将 石巻高校
2 村松史也 横浜商業高校
B 鳥居勢矢 山田高校
C 川口司 新田高校
4着 明治大学 6分43秒70
S 山本一輝 浦和商業高等学校
3 鈴村勇人 小松川高校
2 藤井裕嗣 石巻高校
B 小林駿斗 下諏訪向陽高校
C 東夢 浦和第一女子高等学校

男子舵手つきフォアの永井嵩士・小野祐樹・仲川耕平・中曽根祐太・星逸人(中央大学

【男子エイト】
1着 仙台大学 5分49秒04
S 村野滉太郎 佐野高校
7 一瀬卓也 長崎明誠高校
6 横尾剛士 長崎明誠高校
5 岸本健吾 美方高校
4 小沢源 西会津高校
3 信夫涼 宮古高校
2 阿部亮平 今治南高校
B 佐藤大也 本荘高校
C 立野陸 猿投農林高校
2着 日本大学 5分50秒60
S 島田隼輔 瀬田工業高校
7 大野良太 美方高校
6 福井修聡 清風高等学校
5 江畠凜斉 青井高等学校
4 吉田拓人 加茂高等学校
3 岩井滉人 桜宮高校
2 鎌田祐生 八尾高校
B 夏迫海斗 南陵高校
C 三輪拓斗 清風高等学校
3着 明治大学 5分55秒39
S 鎌原康陽 岡谷南高校
7 武藤駿太 越ケ谷高校
6 佐々木心 田名部高校
5 木村奨 今治西高校
4 岡本康聖 宇和島東高校
3 境凌輔 米子工業高校
2 河畑晴斗 美方高校
B 茂見輝 熊本学園大学付属高校
C 対比地祐希 太田東高等学校
4着 早稲田大学 6分01秒34
S 阿部光治 猿投農林高校
7 青木洋樹 成立学園高校
6 中島湧心 八尾高校
5 森長佑 若狭高校
4 田中海靖 今治西高校
3 瀧川尚歩 高松高校
2 舩越湧太郎 膳所高校
B 船木豪太 浜松北高校
C 菱谷泰志 米子東

男子エイトの村野滉太郎 ・一瀬卓也・横尾剛士・岸本健吾・小沢源・信夫涼・阿部亮平 ・佐藤大也・立野陸(仙台大学

●日本ボート協会のホームページ