レース中止のブエルタ・ア・エスパーニャで選手が開いた手作り表彰式

第80回ブエルタ・ア・エスパーニャは最終日となる9月14日、パレスチナを支持するデモ隊の影響で第21ステージが打ち切りとなったが、最後の表彰式に登壇する予定だった選手らがマドリードのホテル駐車場でアットホームは非公式表彰を催した。

選手らが自主的に開催した表彰式で受賞者が大はしゃぎ ©Unipublic

マドリードでは10万人デモ参加者が集結し、イスラエルに拠点を置く参加チームに対して抗議を行い、例年なら盛大に行われる最終表彰式も開催されなかった。総合優勝のヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、チーム ヴィスマ・リースアバイク)ら受賞者は自主的に集まり、主催者から借りたバナーを大型車両の側面に貼ったり、大小のクーラーボックスを登壇台として表彰式を催したという。

選手らが自主的に開催した表彰式で笑顔を見せる総合トップ3 ©Unipublic

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、チーム ヴィスマ・リースアバイク)
マイヨベルデ(ポイント賞)マッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)
マイヨルナレス(山岳賞)ジェイ・ヴァイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツ・XRG)
□マイヨブランコ(新人賞)マシュー・リッチテッロ(米国、イスラエル・プレミアテック)

2025ブエルタ・ア・エスパーニャの4賞ジャージ ©Unipublic
2025ブエルタ・ア・エスパーニャ総合優勝のヴィンゲゴーとチーム全員集合 ©Unipublic
左からポイント賞のピーダスン、総合優勝のヴィンゲゴー、新人賞のリッチテッロ、山岳賞のヴァイン ©Unipublic
2025ブエルタ・ア・エスパーニャ総合優勝のヴィンゲゴー ©Unipublic
2025ブエルタ・ア・エスパーニャのアットホームな表彰式 ©Unipublic

ブエルタ新人王のリッチテッロがデカトロンチームに移籍

2025ブエルタ・ア・エスパーニャで総合5位と新人賞を獲得したマシュー・リッチテッロ(米国)がイスラエル・プレミアテックからデカトロンCMA CGMチームに移籍する。2026年から3年契約。若いクライマーは、ステージレースの総合優勝を争うための新戦力として期待される。

2025ブエルタ・ア・エスパーニャで総合5位と新人賞を獲得したマシュー・リッチテッロ(米国) ©Unipublic

「ステージレースでのさらなる成長を目指したい!」

「2026年にデカトロンCMA CGMに加入できることを大変うれしく思う。チームの野心とここ数年の進歩に感銘を受けている。ステージレースとグランツールでライダーとしてさらなる成長を目指していて、このチームが私のポテンシャルを最大限に引き出してくれると信じている。この新たな章を最大限に活用し、ライダーとしても人間としても成長し続けるための最適な環境だと確信している」とリッチテッロ。

リッチテッロが逆転で2025ブエルタ・ア・エスパーニャ新人王に ©A.S.O.

「スプリントグループを強化した後、今度はクライミンググループを強化していく」とチームのセバスチャン・ジョリー。

「マシュー・リッチテッロのプロフィールは、数シーズンにわたり私たちの関心を集めてきた。彼は優れたクライマーであり、ブエルタ・ア・エスパーニャでも3週間の安定したパフォーマンスで美しいホワイトジャージと総合5位を獲得したことで、その実力を改めて証明した。彼にはまだまだ大きな成長の可能性があると確信している。マシューはステージレースと総合順位においてチームを力強くしてくれるだろう。彼は私たちにとって真の財産となる」