ラ・ブエルタフェメニーナ開幕…初日のチームTTはリドル・トレック優勝

女子ワールドツアーのラ・ブエルタフェメニーナが5月4日、スペインのバルセロナで開幕。初日は距離8.1kmのチームタイムトライアルで、米国のリドル・トレックがトップタイム。チーム内で最初にフィニッシュラインを通過したエレン・ファンダイク(オランダ)が首位となり、リーダージャージのマイヨロホを獲得した。大会は7日間で、10日に終幕する。

タイムトライアルのナショナルチャンピオン3人を擁するリドル・トレックが優勝 ©Unipublic

前年も勝ったがファンダイクは落車でチームメートから脱落

スペインでは5月4日が母の日。ラ・ブエルタフェメニーナ初日のチームタイムトライアルでも母親がまさに勝利を修めた。バルセロナの街中でリドル・トレックが素晴らしい走りを見せ、ステージ優勝を果たし、個人タイムトライアル世界チャンピオンに3度輝いたファンダイクに総合リーダージャージのマイヨロホを着せた。

チームは2024年大会初日のチームタイムトライアルでも優勝しているが、ファンダイクはコース途中で単独落車してしまい、大きく遅れた。影響して第3ステージでレースをリタイアしていた。

アントニオ・ガウディのカサミラ前をスタートする ©Unipublic

「本当に勝ちたかったから、すごくうれしい。こういうチームタイムトライアルはいつも接戦。すごく速くて短いので、すべてがうまくいく必要があった。チーム全員がこの日、全力を尽くした結果、結果を出すことができた」とファンダイク。

「私の狙いはこのチームタイムトライアルでいい成績を残すことだったけど、チームにはこのレースでもっと多くの目標がある。ステージによってはチャンスがある。風による分断や、アクションがたくさんあるといい。昨年もチームタイムトライアルで優勝したが、ひどいクラッシュに見舞われて棄権せざるを得なかったので、あまりいい思い出はない。でも、チームタイムトライアル、特にこのチームと一緒に走るのは大好き」

リドル・トレックのエレン・ファンダイクが先頭でフィニッシュラインを通過 ©Unipublic

「スペインでは今日が母の日だけど、オランダは来週。オランダでは母の日に実家にいるので、今年は母の日が2回ある。チームディレクターのイェルーン(ブライレーフェンス)が今朝、トップでフィニッシュするときは最初にゴールラインを通過するようにと言ってくれた。このリーダージャージは私のジャージではなく、チーム全員のジャージ。チームに着てほしいと言ってもらえて光栄」

エレン・ファンダイクがマイヨロホを着用 ©Unipublic

チームSDワークス・プロタイムは3秒遅れ。連覇を狙うデミ・フォレリング(オランダ)を擁するFDJ・スエズは6秒遅れ。一方、マリアンヌ・フォス(オランダ)とポーリーヌ・フェランプレヴォ(フランス)のダブルエースで参戦するチームヴィスマ・リースアバイクは、一部の選手がスタート時間にわずかに遅れ、足並みが乱れて21秒遅れ。

⚫︎2025ラ・ブエルタ フェメニーナ日程とレポート
5月4日(日)第1ステージ バルセロナ〜バルセロナ 8.1km(チームタイムトライアル)
5月5日(月)第2ステージ モリンス・デ・レイ〜サンボイ・デ・リュブレガート 99km▲
5月6日(火)第3ステージ バルバストロ〜ウエスカ 132.4km
5月7日(水)第4ステージ ペドロラ〜ボルハ 111.6km▲▲
5月8日(木)第5ステージ ゴルマヨ〜ラグナス・デ・ネイラ 120.4m▲▲▲
5月9日(金)第6ステージ ベセリル・デ・カンポス〜バルタナス 126.7km
5月10日(土)第7ステージ ラ・ロブラ〜アルト・デ・コトベリョ(アストリアス) 152.6km▲▲▲
(▲は山岳の難易度)

フォレリングが最終ステージ独走でラ・ブエルタフェメニーナ初優勝

スペインを舞台とした8日間のステージレース、ラ・ブエルタフェメニーナは最終日となる5月5日、ディストリト・テレフォニカ〜ヴァルデスキ/コミュニダード・デ・マドリード間の89.5kmで第8ステージが行われ、総合1位のデミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム)が独走勝利。初の総合優勝を獲得した。

独走のフォレリングが最後は自転車を掲げてフィニッシュ ©Unipublic SprintCyclingAgency

2023年大会で逆転負けで9秒差の総合2位に終わったフォレリングは、ピレネー山脈にゴールする第5ステージで独走勝利して一躍首位に。第6ステージでライバルとの差を開くと、最終日の第8ステージで再び独走勝利した。

総合優勝のマイヨロホを獲得しただけでなく、最終日に山岳賞ジャージも奪取。第8ステージでビスマ・リースアバイクのリージャンヌ・マルクス(オランダ)がリドル・トレックのエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア)を逆転して総合2位。ロンゴボルギーニは3位。

ラ・ブエルタフェメニーナ最終日は首都マドリードへ ©Unipublic Alex Berasategi

最終ステージも有利になるようにアタックする必要があった

「チームは一日中いい仕事をしてくれた。このような厳しい山岳ステージでは少し緊張するけど、この最後の登りはそれほど厳しいとは思わなかった。向かい風があったが、それほど強くなく、追い風になってからは自分のペースで走ることができた。結局のところ、この区間で有利になるようにアタックしなければならないと思った。後半の登りでリードを広げることができて、このステージでも優勝できてよかった」とフォレリング。

フォレリング ©Unipublic Jennifer Lindini

次のターゲットは8月のツール・ド・フランスファム

「このような形でラ・ブエルタフェメニーナを終えることができて素晴らしい。チームとして、この一週間ここで力強い走りをした。ステージ2勝、総合優勝、そして表彰台もいくつか獲得したことで、チームとして自分たちを誇りに思うことができる」

ラ・ブエルタフェメニーナ第8ステージを走るフォレリング(中央) ©Unipublic Alex Berasategi

「春のクラシックで勝ちたかったのに勝てなかったのは残念だけど、自分の強さと調子のよさをようやく示すことができて、本当によかったと今は誇りに思っている。コースはたくさんの登りがあった。すべてのグランツールが女子ロードレースをステップアップさせていることをうれしく思う。この総合優勝がこの夏に向けていいスタートとなることを願っている。スペインで素晴らしいステージレースを走れて、数カ月以内にはツール・ド・フランスファムに出場したい」

ラ・ブエルタフェメニーナ第8ステージのゴールはマドリード州のスキーリゾート ©Unipublic Alex Berasategi
フォレリングを中央に、左が2位リージャンヌ・マルクス、右が3位ロンゴボルギーニ ©Unipublic SprintCyclingAgency

フォスがゴール勝負を制して優勝。フォレリング首位堅持…フェメニーナ

スペインを舞台とした8日間のステージレース、ラ・ブエルタフェメニーナは5月4日、サン・エステバン・デ・ゴルマス〜シグエンサ間の139kmで第7ステージが行われ、マリアンヌ・フォス(オランダ、ビスマ・リースアバイク)がスプリント勝負を制して優勝。

フォスがラ・ブエルタフェメニーナ第7ステージ優勝 ©Unipublic SprintCyclingAgency

首位のデミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム)は2秒遅れの区間4位。総合2位エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、リドル・トレック)が区間3位のボーナスタイム4秒を獲得し、その差を56秒から52秒に縮めた。

ラ・ブエルタフェメニーナ第7ステージ ©Unipublic CXCLING
デミ・フォレリング ©Unipublic Jennifer Lindini
ラ・ブエルタフェメニーナ第7ステージ ©Unipublic Jennifer Lindini
ラ・ブエルタフェメニーナ第7ステージ ©Unipublic Jennifer Lindini

フォレリングが山岳区間2位で総合優勝に前進…ラ・ブエルタフェメニーナ

スペインを舞台とした8日間のステージレース、ラ・ブエルタフェメニーナは5月3日、ピタラソナ〜ラ・ラグナ・ネグラ間の132.5kmで第6ステージが行われ、FDJスエズのエビタ・ミュジック(フランス)がSDワークス・プロタイムのデミ・フォレリング(オランダ)を2秒差で制して優勝。

ラ・ブエルタフェメニーナ第6ステージ ©Unipublic CXCLING

前日に総合成績で首位に立ったフォレリングは総合優勝を争うライバル選手に差をつけて、初優勝に前進した。大会は5日までで、残り2区間。

ミュジックがフォレリングとの競り合いを制してラ・ブエルタフェメニーナ第6ステージ優勝 ©Unipublic CXCLING

集中力を維持すればマイヨロホを家に持ち帰ることができる

「今日はとてもいい感じだった。最後の登りは向かい風のため昨日より少し難しかった。誰かの前にいるか後ろにいるかで大きな違いが生じた。もちろん、他の選手の後ろにつける方がはるかに簡単。エビタ(ミュジック)を突き放せなかったので、彼女の勝利は当然」とレースをリードしたフォレリング。

ラ・ブエルタフェメニーナ第6ステージ ©Unipublic CXCLING

「簡単に総合優勝できるとは思っていない。クラッシュなどの事故があればすべてが終わるから。チームも私も集中力を維持する必要がある。今日のコースでの向かい風が実際にそうであったように、パワフルなエスケープが状況を難しくする可能性もある。私のチームメイトは、一日中レースをコントロールするパフォーマンスを見せた。今日と同じように集中力を維持すれば、必ずマイヨロホを家に持ち帰ることができる」(フォレリング)

ラ・ブエルタフェメニーナ第6ステージ ©Unipublic CXCLING
ラ・ブエルタフェメニーナ第6ステージ ©Unipublic CXCLING
ラ・ブエルタフェメニーナ第6ステージ ©Unipublic CXCLING
マイヨロホのフォレリングが先頭を走る。ラ・ブエルタフェメニーナ第6ステージ ©Unipublic CXCLING

フォレリングがピレネーを制して首位に…ラ・ブエルタフェメニーナ

スペインを舞台とした8日間のステージレース、ラ・ブエルタフェメニーナは5月2日、ピレネー山脈にあるウエスカ〜ハカ間の114kmで第5ステージが行われ、SDワークス・プロタイムのデミ・フォレリング(オランダ)が独走勝利。総合成績で首位に立った。

フォレリングが第5ステージでマイヨロホを獲得 ©Unipublic SprintCyclingAgency

レースは男子レースで採用されているピレネー山脈へ。ハカのゴールは悪魔のような急勾配で知られるが、フォレリングは残り800mからヤラ・カステリン(フェニックス・ドゥクーニンク)とエリーザ・ロンゴボルギーニ(リドル・トレック)を28秒突き放して、今シーズンの初勝利を挙げた。

ラ・ブエルタフェメニーナ第5ステージ ©Unipublic Alex Berasategi

ボーナスタイムも獲得したフォレリングは21秒遅れの総合7位の位置から、大会5日目で一気に首位に。総合2位ロンゴボルギーニとの差は31秒。翌第6ステージは2日連続の頂上ゴールとなり、ラ・ラグナネグラへ。この峠はすでにブエルタ・ア・エスパーニャで2回採用されていて、スペイン随一のロードコースだ。

ラ・ブエルタフェメニーナ第5ステージ ©Unipublic Jennifer Lindini

「今シーズンは本当に強くなったと感じていたけど、まだ勝つことができていなかった。何回も表彰台に立ったものの、勝利までに時間がかかりすぎた。ようやく勝つことができてとてもうれしい」とフォレリング。

「昨年、この美しいオランダチャンピオンジャージを獲得したけど、UCI女子ワールドツアーのリーダージャージを着ていたので、このジャージで勝つことはできなかった。この美しいジャージで少なくとも1勝することが今年の目標だった。今、私はマイヨロホを手に入れた。これもとてもかわいいので、最後までそれを保持したいと思っている」

ラ・ブエルタフェメニーナ第5ステージ ©Unipublic CXCLING

「今日に関して言えば、実際にはかなり穏やかなステージで、それほどハードではなかったと思う。とてもフィーリングがよくて、チーム全体が私を可能な限り最高の位置で最後の登りの底に連れて行くことに集中した。オンラインで調べたとき、本当に急でかなり長いように見えたので、実際には最後の登りはもっと難しいだろうと予想していた。エリーザが苦労していると感じたので、私は途中でペースを上げ始め、プッシュし続けた。私はエリーザとの差を少しでも稼ぐために、最後まで全力で走った」(フォレリング)

ラ・ブエルタフェメニーナ第5ステージはピレネーへ ©Unipublic Jennifer Lindini
フォレリングがラ・ブエルタフェメニーナ第5ステージ優勝 ©Unipublic SprintCyclingAgency

フォルクナー第4S優勝、フォスが首位に…ラ・ブエルタフェメニーナ

スペインを舞台とした8日間のステージレース、ラ・ブエルタフェメニーナは5月1日にモリナ・デ・アラゴン〜サラゴサ間の平坦な142.5kmで第4ステージが行われ、EFエデュケーション・キャノンデールのクリステン・フォルクナー(米国)が逃げ切り優勝。

クリステン・フォルクナーがラ・ブエルタフェメニーナ第4ステージ優勝 ©Unipublic SprintCyclingAgency

マリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)が中間スプリントポイントとゴールでボーナスタイムを稼ぎ、総合成績でハンガリーチャンピオンのカタブランカ・バシュ(SDワークス・プロタイム)を逆転して首位に立った。

ラ・ブエルタフェメニーナ第4ステージ ©Unipublic Alex Berasategi
ラ・ブエルタフェメニーナ第4ステージ ©Unipublic Alex Berasategi
ラ・ブエルタフェメニーナ第4ステージ ©Unipublic Jennifer Lindini
ラ・ブエルタフェメニーナ第4ステージ ©Unipublic Jennifer Lindini
マイヨロホのカタブランカ・バシュ ©Unipublic CXCLING
ラ・ブエルタフェメニーナ第4ステージ ©Unipublic CXCLING
ラ・ブエルタフェメニーナ第4ステージで首位に立ったフォス ©Unipublic SprintCyclingAgency