ヴィンゲゴーが負傷で遅れ首位はチームメートのジョーゲンソンに【パリ〜ニース】

第83回パリ〜ニースは3月13日、サンジュスト・アンシュヴァレ〜ラ・コートサンタンドレ間の203.3kmで第5ステージが行われ、バーレーン・ヴィクトリアスのレニー・マルティネス(フランス)が優勝。首位ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、チームヴィスマ・リースアバイク)が26秒遅れの16位と先頭から脱落。3秒遅れの3位に入ったチームメートのマッテオ・ジョーゲンソン(米国)に首位の座が移った。

レニー・マルティネスが2025パリ〜ニース第5ステージ優勝 ©A.S.O. Billy Ceusters

ヴィンゲゴーが転倒による手の負傷でペースダウン

この日は終盤に短いが壁のような激坂を出現。しかもゴールのノートルダム・ド・シエ礼拝堂への上りは18%だ。この一連の壁でパンチャー同士が戦った。レースは完全にひっくり返され、首位のヴィンゲゴーは途中で転倒して手を負傷。衰弱して先頭から脱落してしまう。総合3位のマティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック)も後退した。

前年の覇者ジョーゲンソンがリーダーの座を引き継ぎ、チームヴィスマ・リースアバイクとしてリーダージャージを守れるようにしたが、ゴール手前ではマルティネスを振り切ることができず、マルティネスは最後の100mで先頭に立って逃げ切った。マルティネスは初のワールドツアーレースで優勝し、総合5位に浮上した。 

2025パリ〜ニース第5ステージの出走サイン台に登場したヴィンゲゴー ©A.S.O. Billy Ceusters

総合10位よりもステージ優勝のほうが重要だ

「信じられないよ。チームは1日中素晴らしい仕事をし、最後の区間優勝争いでもすべてがうまくいった。 最後の150mでしたアタックしたいと思っていたが、先頭にはまだ3人残っていたので、うまくいくかどうかはわからなかったが、挑戦した」とマルティネス。

「大きな差をつけていることがわかりました。腕を挙げることができて、素晴らしい瞬間になった。昨日はステージ4位に終わってがっかりしたが、サッカーならボールをゴールに入れる必要があると自分に言い聞かせ、本当にうまくいった。

残念ながら昨日、サンティアゴ・ブイトラゴがレースを去ったため、私はリーダーとしての責任を負い、失敗しないように心がけていた。総合順位をすこしでも上げなければならなかったが、トップ10の座を確保することよりもステージ優勝のほうが重要だ」

2025パリ〜ニース第5ステージ ©A.S.O. Billy Ceusters
2025パリ〜ニース第5ステージ ©A.S.O. Billy Ceusters

「手を骨折したかも」とヴィンゲゴーに伝えられた

「私は個人的にとても強い気持ちを持っていたが、ヨナスに起こったことについては複雑な気持ちを抱いているのが事実。彼は転倒した後、私のところに来て、手を骨折したかもしれないと言った」とジョーゲンソン。

「彼はストレスを感じていて、この日のゴールではエースとしての役割を果たせると私に言ったが、この段階で彼はとても苦しんだ。だから最後の登りでボクはベストを尽くしたし、このような状況でもジャージを維持できたのはうれしい。我々はまだいい位置にいるので、最後まで1位と2位を維持できれば非常にいいだろう。私としては本当に気分がいいし、すべてがうまくコントロールできている」

ジョーゲンソンが2025パリ〜ニース第5ステージで首位に ©A.S.O. Billy Ceusters

第83回パリ〜ニース日程
3月9日 第1ステージ ル・ペレ・アンイヴリーヌ〜ル・ペレ・アンイヴリーヌ 156.1km
3月10日 第2ステージ モンテソン〜ベルガルド 183.9km
3月11日 第3ステージ シルキュイ・ド・ヌヴェール・マニクール〜ヌヴェール 28.4km)チームタイムトライアル)
3月12日 第4ステージ ヴィシ〜ラ・ロジュ・デ・ガルド 163.4km
3月13日 第5ステージ サンジュスト・アンシュヴァレ〜ラ・コートサンタンドレ 203.3km
3月14日 第6ステージ サンジュスト・アンサンタルバン〜ベールレタン 209.8km
3月15日 第7ステージ ニース〜オロン 147.8km
3月16日 第8ステージ ニース〜ニース 119.9km
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クスが4年ぶり勝利…マルティネスが最年少のリーダーに【ブエルタ・ア・エスパーニャ】

第78回ブエルタ・ア・エスパーニャは2023年8月31日、ラバイドゥイショーからハバランブレ天文台までの183.5kmで第6ステージが行われ、ユンボ・ビスマのセップ・クス(米国)が独走勝利。2019年以来となる通算2勝目を挙げた。

アシストとしてグランツール全出場のクスが4年ぶりのステージ優勝 ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

総合成績では、前日まで17秒遅れの総合3位につけていたグルパマFDJのレニー・マルティネス(フランス)が26秒遅れの区間2位に入って首位に。レムコ・エベネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)は3分24秒遅れの区間24位とブレーキ。

2023ブエルタ・ア・エスパーニャ第6ステージ ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

ボクは総合優勝するためでなく、ステージで勝つためにいるんだ

「信じられないほど難しいステージだった。クイックステップをテストするためだけにブレイクアウェイに挑戦した。コントロールするのが難しい日になるだろうと分かっていたので、それが第一の目的だった」とクス。

クスはディラン・ファンバーレとともに第1集団に加わった。ヤン・トラトニクとアッティラ・バルテルも協力した。

「彼らの仕事にとても感謝しなければならない。一日中、とても​​いい気分でした。いつ行くか、いつ試すかだけを考えていた。アタックしてからゴールまでの上りの間ずっと、ブエルタ・ア・エスパーニャをただ楽しんでいた。それはいつも特別なレースだ。もちろんボクはブエルタ・ア・エスパーニャに勝つためにここにいるわけではない。ボクはステージで勝つためにここにいるんだ」

アシスト選手に引っ張られて走るマイヨロホのエベネプール(中央) ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

マルティネスは3代すべてプロ自転車選手の系譜

総合1位に立ったマルティネスは今季グルパマFDJからプロデビューしたばかり。20歳と51日でマイヨロホを着用したが、これまでのミゲール・インデュラインの記録を塗り替えてブエルタ・ア・エスパーニャ史上最年少のリーダーとなった。

父のミゲールは2000年のシドニー五輪マウンテンバイク・クロスカントリーの金メダリスト、同年のマウンテンバイク・クロスカントリー世界チャンピオン。さらに祖父のマリアノは1978ツール・ド・フランスの山岳王で、1978年と1980年にツール・ド・フランスで各1勝している。

2023ブエルタ・ア・エスパーニャ第6ステージ ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

「私にとって本当に信じられないことだ。レースのスタート時には、ジャージを獲得できたら素晴らしいだろうと思っていたが、今日それが実現した。チームのおかげで、彼らは長い間とても力強い走りを見せてくれた」とマルティネス。

「逃げの集団に幸運にも加わることができた。最後の上りに入ったところで大きなリードがあったので、計画を変更した。総合順位のためにボク自身がタイムを稼ぎ出して、ステージ優勝とリーダージャージを争う。ルディ(モラール)とマイケル(ストーラー)のおかげだ。彼らは自らの選択肢を犠牲にして一日中一生懸命走ったので感謝したい。このジャージを手に入れることができてとてもうれしいが、これはチームレースだ。なにが起こっているのかまだ理解できないけど、素晴らしいレースだった」

最後の上りでアタックしたログリッチが後方のビンゲゴーらを確認する ©Luis Angel Gomez/SprintCyclingAgency©2023

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)レニー・マルティネス(フランス、グルパマFDJ)
マイヨベルデ(ポイント賞)カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)
マイヨルナレス(山岳賞)エドゥアルド・セプルベダ(アルゼンチン、ロット・デスティニー)
□マイヨブランコ(新人賞)レニー・マルティネス(フランス、グルパマFDJ)

大会史上最年少の20歳で首位に立ったマルティネス ©Rafa Gomez/SprintCyclingAgency©2023

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