世界陸上のマラソン・競歩が酷暑のためスタート時間繰り上げ


世界陸連(ワールドアスレティックス)と東京2025世界陸上財団は、9月13日(土)に開幕する東京2025世界陸上では、猛暑によるアスリートの健康と安全への影響を考慮し、大会最初の3日間に行われるロード種目のスタート時間を30分繰り上げることを決定した。 

東京2025世界陸上公式ポスター ©WCH Tokyo 25

男女競歩と男女マラソンは30分繰り上げの朝7時30分スタート

  • DAY 1 9月13日(土) 男子・女子35km競歩:7時30分スタート 
  • DAY 2 9月14日(日) 女子マラソン:7時30分スタート 
  • DAY 3 9月15日(月・祝) 男子マラソン:7時30分スタート 

当初は午前8時スタートを予定していた。これは気候条件や観客の観戦のしやすさ、大会運営などを考慮したものだった。しかし、例年は暑さが和らぐはずの9月中旬にもかかわらず、2025年は真夏並みの暑さが続いている。 

こうした状況を受け、世界陸連(ワールドアスレティックス)と東京2025世界陸上財団は、世界陸連医科学部門と協議のうえ、アスリートの健康と安全を最優先し、スタート時間を早める変更を決定した。選手の準備やコンディションを考慮し、できる限り早い時期に選手に伝えるため、9月11日午前に発表された。 

大会最初の3日間に行われるスタジアム内(トラック&フィールド)でのセッション開始時刻に変更はない。 

ブルーインパルスが世界陸上開幕の9月13日に東京上空を飛行

34年ぶりとなる世界陸上競技選手権大会の東京開催を記念して、航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」が、9月13日のDAY1モーニングセッション終了後に国立競技場上空や東京都内上空を飛行する。

航空自衛隊のアクロバット飛行チーム、ブルーインパルス

飛行日時
2025年9月13日(土)12時25分~12時50分頃
当日の競技進行や天候により、時間が前後する場合がある。

12時25分頃から約10分間、国立競技場上空で展示飛行を実施した後、都内各所を飛行する。

「電子国土基本図(オルソ画像)データ」(国土地理院)をもとに(公財)東京2025世界陸上財団作成

飛行経路
国立競技場→東京スカイツリー→東京駅→東京タワー→渋谷駅付近→代々木公園付近→都庁
都内のさまざまな地点から展示飛行の様子が目撃できる。

家庭の油で飛行機を飛ばそう…世界陸上の北口榛花がメッセージ

航空機の燃料にも使用される持続可能な航空燃料「SAF」(Sustainable Aviation Fuel)の活用を促進するため、SAFの原料となる使用済み食用油の回収を東京2025世界陸上が東京都と連携して実施する。アスリートの移動に必要なエネルギー源であるため、環境負荷の少ない大会運営の実現を目指す取り組みの一環だ。

東京2025世界陸上アスリートアンバサダーである北口榛花がメッセージ(画像キャプチャーでクリックしても再生されません)

世界陸上財団が都が実施する「家庭の油 回収キャンペーン」と連携

家庭や飲食店などから排出される使用済み食用油は、持続可能な航空燃料SAFの原料として期待されている。 都は、区市町村と連携して家庭からの油の回収所を設置し、回収を呼びかける。 回収した油は、国内初のSAFの大規模製造所(大阪府堺市)でSAFに精製され、東京国際空港(羽田空港)など国内の空港に運ばれ、航空機の燃料として使用される。

「家庭の油 回収キャンペーン」を実施するステッカー

家庭の油 回収キャンペーン
■ 実施期間 2025年5月2日(金)から10月31日(金)まで
■ 回収所
区市町村都内約80カ所
都庁舎=東京都庁第一本庁舎2階北側展示スペース【受付期間】平日午前9時30分から午後5時30分まで、土日祝午前11時から午後6時まで ※7~10月の土日祝は午前9時30分から午後5時30分まで

都内約80カ所の回収所に掲示するのぼり

●東京都環境局のホームページ

青山学院大の太田蒼生が3月2日東京マラソンで初の42.195km挑戦

18回目の開催となる東京マラソンが2025年3月2日に開催され、箱根駅伝で快走した青山学院大の太田蒼生が初マラソンに挑む。国内招待選手の大迫傑(ナイキ)、赤﨑暁(九電工)、池田耀平(Kao)との戦いに注目。

東京マラソンは新宿にある東京都庁前をスタート

太田蒼生のナンバーカードが大きい理由は

1月23日に大会主催者が海外・国内の招待選手と、太田らのエリート選手を発表した。太田はフルマラソン初参加となるので記録はなく、2024年の上海ハーフで出した1時間02分30秒によって参加資格を獲得した。そのためナンバーカードはフルマラソンによる参加資格を持つ選手たちに続く184。

ナンバーカード185の小林歩(NTT西日本)は日本選手権10000mの27分28秒13によって参加資格を得た。

ゴールは大手町 ©東京マラソン財団

優勝候補は2024優勝者のベンソン・キプルト(ケニア)で2連覇をねらう。前回大会では序盤からハイペースで刻み、日本国内最高記録となる2時間02分16秒で制し、その後のパリ五輪で3位に入った。ジョシュア・チェプテゲイ(ウガンダ)は5000mと10000mの世界記録保持者で、東京五輪5000m、パリ10000m金メダリスト。2023年12月、バレンシアでマラソンの適性を図るため42.195kmを走ったことがあるが、今回の東京マラソンが事実上のマラソンデビュー戦。「2時間02分00秒を切るようなレースを目指したい」という。

今夏開催の世界陸上東京に出場するための重要レース

「ペースメイクは、トップグループが2時間02分00秒を切るペースで進んでいくのでは。次のグループは2時間03分00秒から04分00秒を狙い、3番手のグループは東京2025世界陸上のマラソン代表を目指す日本勢が2時間05分台、あるいは2時間04分56秒の日本記録更新を目指す設定になる」と大嶋康弘レースディレクター。

パリ五輪へのラストチャンスとなった2024東京マラソン ©東京マラソン財団

日本勢はパリ五輪6位の赤﨑、ベルリンマラソン2024で日本歴代2位となる2時間05分12秒をマークした池田、2大会連続の五輪日本代表で経験豊富な大迫が参加。日本記録を目指すレース展開になりそうで、天候などコンディションがよければ2時間05分00秒を切って、04分台の中盤あるいは、前半を期待。

初マラソンの太田、パリ五輪10000m5位のケニア出身のベナード・コエチ(九電工)がどのような走りを見せてくれるのかも注目。

ナイキの大迫傑が2020東京マラソンで日本新記録

女子は細田あい、安藤友香…アフリカ勢は世界記録を狙う?

女子は2024年の大会で日本国内最高記録となる2時間15分55秒でフィニッシュしたストゥメ・アセファ・ケベデ(エチオピア)、2023大会を制したローズマリー・ワンジル(ケニア)、そして、2021大会覇者で元世界記録保持者のブリジット・コスゲイ(ケニア)と直近3大会の優勝者がそろって出場。

昨今の女子世界記録は2023年に従来の記録を2分以上更新する2時間11分53秒をマークしたかと思えば、2024年は2時間09分56秒と驚異的な記録で進化。どのような選手が上位に来て、誰がリードをしていくのか、少し見えないところもある。

東京の目抜き通りもこの日だけはランナー天国 ©東京マラソン財団

「ペースメイクはトップが2時間15分00秒を目指すような想定で、続いて2時間17分00秒から18分00秒のペース、3番手のグループは日本勢が東京2025世界陸上を意識する2時間20分00秒を切るペースを想定。もし、選手側から世界記録を狙う要望があれば2時間09分台の超高速ペースを設定する用意がある」と大嶋レースディレクター。

日本勢は、ベルリンマラソン2024で2時間20分31秒を記録した細田あい(エディオン)、2024名古屋ウィメンズマラソン女王の安藤友香(しまむら)が参加。日本勢は東京2025世界陸上の出場がかかり、最後までハイレベルな争いを繰り広げていく予想。

世界陸上東京大会ポスター決定…デザインは会場やテレビ放送にも

公益財団法人東京2025世界陸上財団が2025年9月に東京で開催される世界陸上の魅力を視覚的に伝える公式ポスターを作成した。コアグラフィックスとして大会の会場装飾などの基調となるデザインとして使用される。

東京2025世界陸上公式ポスター ©WCH Tokyo 25

一筆書きのしぶきが躍動感に…書道家の青柳美扇がふるう

同財団はコアグラフィックスについて、会場装飾とテレビ放送における装飾要素を一体的に開発する観点から、TBS テレビと開発を進めてデザイン全般について監修を行った。

書道家の青柳美扇氏 ©WCH Tokyo 25

コアグラフィックスは、ワールドアスレティックスとも協議し、陸上競技の躍動感を表現することに通じる筆による表現の要素を採用した。一筆(ひとふで)の力や予測できないしぶき は、陸上競技でアスリートが自らの力を尽くして体現する、超人的な走る、投げる、跳ぶ動きにつながる。この筆表現に、躍動感と現代的な要素を取り入れるため、会場となる国立競技場に作品を提供している書道家の青柳美扇(びせん)氏から、デザイン要素の提供を通じた制作協力を得た。

東京2025世界陸上チケットデザイン ©WCH Tokyo 25

公式ポスターの中央に大きく配されているコアグラフィクスは、前面にアスリート要素、中面に筆文字、後面に大会ロゴに用いられているストライプを配置し、また、色使いについても大会メインカラ ーの江戸紫、大会ロゴに使用しているカラーの黒、ゴールド、赤の4色の濃淡で表現することで躍動感がありながらも洗練された格調高いデザインとしている。

東京2025世界陸上チケットデザイン ©WCH Tokyo 25

そらしば、ぽちち、りくワン…世界陸上マスコット名は決選投票

財団法人東京2025世界陸上財団は、子どもたちが描いたイラストを参考に公式マスコットを開発。そのネーミングをインターネット投票で決める。、2月下旬に等身大マスコットがデビューして、そのネーミングを発表する。

東京2025世界陸上マスコット ©WCH Tokyo 25

ネーミング候補の3つが決められ、それに投票する

A. そらしば(Sorashiba)
世界中から選手が集まる様子を広い空に例え自由でどこまでも駆け抜けるイメージ 音階の「ソラシド」をイメージさせ、楽しさを表現した名前

B. ぽちち(Pochichi)
日本で広く親しまれている犬の名前「ポチ」をベースに、かわいらしさのある発音にアレンジ した名前

C. りくワン(Riku One)
陸上を意味する「りく」と、1位、1秒、1歩、1投、1跳躍、リレー種目の“All for one”、スタジアムが「一体」となるという意味を持ち、犬の鳴き声にも通じる「ワン」を表した名前

モチーフは柴犬、好きな色は江戸紫

マスコットデザインは「2025年、世界で一番盛り上がる東京・国立競技場に疾風のごとく現れた!」というふれこみ。プロフィールが発表されているので、投票の参考にしてみたい。

●日本原産の天然記念物であり、国内外で親しまれている柴犬がモチーフ
●フェアプレー精神をもち、くじけない勇気と果敢に目標に向かう努力家
●心温かく、人の心に寄り添って、だれとでも仲良くなれる
●走り回ることで、エネルギーを生み出す
●首まわりの毛並みにエネルギーを蓄えることができ、エネルギーが満タンになると踊りだす
●東京のお祭りが大好きで、34年ぶりに東京で開催される世界陸上を楽しみにしている

好きなこと:東京の名所めぐりランニング。東京2025世界陸上マラソンコースがお気に入り
特技:全力疾走
好きな色:江戸紫
好きな言葉:疾風迅雷(しっぷうじんらい)
好きな食べ物:東京産の肉、魚、果物、野菜(小松菜がお気に入り)
毎日の楽しみ:多摩産材のヒノキ風呂にゆっくり入って、ほっと一息。最近のマイブームは銭湯めぐり

抽選で観戦チケットやぬいぐるみプレゼント

■投票期間:2025年1月17日(金)14:00 から2月11日(火・祝)23:59 まで
■投票方法:オンライン投票
東京2025世界陸上マスコットネーミング投票サイトへアクセスし、ネーミング3案の中から1案を選択して投票。

■投票結果:2025年2月下旬に発表予定
■プレゼント:ネーミング投票後、プレゼント応募にも参加した人の中から、抽選で東京2025世界陸上観戦チケットやマスコットのぬいぐるみなどをプレゼント。