小林海と与那嶺恵理が2024全日本選手権ロードで優勝


第92回全日本自転車競技選手権ロードレースが静岡県伊豆市の日本サイクルスポーツセンターで2024年6月21日から23日まで開催され、エリート男子は小林海(マトリックスパワータグ)、エリート女子は与那嶺恵理が優勝した。

全日本選手権エリート男子を制した小林海 ©日本自転車競技連盟
全日本選手権エリート女子で先頭を走る与那嶺恵理(右)と木下友梨菜 ©日本自転車競技連盟

全日本選手権ロードは日産アリアとエクストレイルが競技サポート

第92回全日本自転車競技選手権ロードレース、第27回全日本選手権個人タイムトライアルロードレース、2024全日本パラサイクリング選手権ロードが静岡県伊豆市の日本サイクルスポーツセンターで2024年6月21日から23日まで開催される。

日産アリア(左)とエクストレイル

期日:2024年6月20日(木)~6月23日(日)
会場: 日本サイクルスポーツセンター(CSC) 静岡県伊豆市
日程:
6月20日(木)ライセンスコントロール・コース試走
6月21日(金)個人タイムトライアル(エリート・U23・パラサイクリング)
6月22日(土)個人ロードレース 女子エリート・男女 U23
6月23日(日)個人ロードレース 男子エリート・マスターズ

日本自転車競技連盟は、環境にやさしい乗り物である自転車と電気自動車の活用による、社会の変革、地域課題の解決に取り組む日本電動化アクション「ブルー・スイッチ」を推進する日産自動車および県内の販売会社、静岡日産自動車、日産プリンス静岡販売との親和性を背景に、全日本自転車競技選手権ロードレースを日産自動車の車両「日産アリア」「エクス トレイル」による競技サポートを受けて実施する。

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宮嶋歩菜と片桐悠がBMXフラットランド全日本チャンピオンに

第7回全日本BMXフリースタイル選手権が9月17日までの4日間にわたって岡山県岡山市で開催され、BMXフリースタイル・フラットランドは世界チャンピオンやアジアアチャンピオンが集結するなど、日本一を決めるにふさわしい大会コンディションの中、2023年の日本チャンピオンが決定した。

宮嶋歩菜 ©Satoshi Saijo/Japan Cycling Federation/JFBF

片桐悠がフラットランド男子エリートの頂点に

2023シーズン前半に開催されたマイナビJapan Cupの結果から本大会への出場権を獲得した11名で争われた。2023年8月に開催された世界選手権で優勝した莊司ゆうをはじめとする、世界トップランクの選手が多数集結し、世界最高峰のバトルが繰り広げられた。

片桐悠 ©Satoshi Saijo/Japan Cycling Federation/JFBF

前日の予選からは上位8名が決勝へ勝ち上がり、今シーズン国内大会で優勝を重ねている片桐悠が予選からトップを譲らず初の全日本タイトル獲得となった。世界チャンピオンの莊司が2位、アジアチャンピオンの佐々木元が3位に入った。 世界の強豪を抑え、新たな若き日本チャンピオンが誕生した。

片桐悠(中央)と2位莊司ゆう(左)、3位佐々木元 ©Satoshi Saijo/Japan Cycling Federation/JFBF

優勝の片桐悠コメント
「今大会は初出場でしたが、マイナビJapan Cupの1戦目から優勝する気でやってきていたので今回優勝できたのが一番よかったです」

フラットランド男子エリート
優勝:片桐悠 所属:GLOW(89.50 点)
2位:莊司ゆう(87.00 点)
3位:佐々木元 所属:鎌ケ谷巧業 (86.75 点)

フラットランド女子エリートは中学生の宮嶋歩菜

5名で争われた女子エリート。男子同様に先日の世界選手権で表彰台を獲得している中川きららや、アジアチャンピオンを獲得した川口朔来が揃う中、宮嶋歩菜が予選、決勝ともにトップを守り抜き、自身初の全日本選手権優勝を勝ち取った。

宮嶋歩菜(中央)と2位中川きらら(左)、3位伊藤聖真 ©Satoshi Saijo/Japan Cycling Federation/JFBF

2位には川口、3位には2022年に続き伊藤聖真が入った。

優勝の宮嶋歩菜コメント
「今回の優勝にはとてもビックリしています。予選はミスのない走りができましたが、決勝でも同じ走りを意識したことでプレッシャーとなり、ミスが出てしまったことが悔しかったです。もう少し攻めればもっといい結果が出たなど課題はありますが、優勝ができてうれしかったです」

フラットランド女子エリート
優勝:宮嶋歩菜 所属:大館市立比内中学校(81.75 点)
2位:中川きらら(77.25 点)
3位:伊藤聖真 所属:大和大学 (73.75 点)

中村輪夢5連覇、内藤寧々2年ぶり2度目…全日本BMX選手権パーク

第7回全日本BMXフリースタイル選手権が9月17日までの4日間にわたって岡山県岡山市で開催され、BMXフリースタイル・パークで中村輪夢と内藤寧々が優勝した。

内藤寧々(左)と中村輪夢 ©Naoki Gaman/Japan Cycling Federation/JFBF

全日本BMXフリースタイル選手権は2023年でパークが7回目、フラットランドは5回目を迎え、2022年同様に岡山県岡山市の特設会場(パークは岡山市役所、フラットランドはイオンモール岡山・未来スクエア)で開催された。パークは終始晴天に恵まれた。

中村輪夢 ©Naoki Gaman/Japan Cycling Federation/JFBF

バーク男子エリートは中村輪夢が5連覇

パーク男子エリー決勝はその前日に行われた予選も含め、終始晴天の中で実施された。予選を勝ち上がった8名で行われた決勝では、大会4連覇中の中村が1本目のランをノーミスでこなしトップに立ち、その後若手が中村の出した90点台を狙うも届かず、中村は2本目のランを前に、大会5連覇、6度目の全日本タイトルを確定させた。

ウイニングランとなった2本目では、8月に開催された世界選手権で新技として披露した「バ ックフリップ・クワッドバースピン」などを成功させ、1本目のランを上回る94.60点を出し、日本一の走りを見せつけた。

中村輪夢 ©Naoki Gaman/Japan Cycling Federation/JFBF

2位には2本目のランで挽回した溝垣丈司、3位には小澤楓が入り表彰台を獲得した。

優勝の中村輪夢コメント
「連覇を重ねることでプレッシャーが増し、本大会でも緊張感を持った中での決勝となりました。決勝1本目では理想とする走りができず悔しさは残りますが、2本目のランには満足しています。世界選手権や今大会も、まだ完成度に課題が残っているため、メインの目標としている来年のパリオリンピックに向けて練習を重ね、東京オリンピックのリベンジを果たしたいです」

パーク男子エリート
優勝:中村輪夢 所属:WingArc 1st(94.60 点)
2位:溝垣丈司 所属:湘南工科大学附属高等学校(80.19 点)
3位:小澤楓 所属:岐阜第一高等学校 (80.00 点)

中村輪夢を中央に左が2位溝垣丈司(湘南工科大附属高)、右が3位小澤楓(岐阜第一高) ©Naoki Gaman/Japan Cycling Federation/JFBF

バーク女子エリートは出場選手全員が10代

次世代の若手選手でタイトル争いが行われたパーク女子エリートは、内藤寧々が1分間のルーティンをフルメイクさせ、2位に6点差をつけ日本チャンピオンを獲得した。内藤の全日本タイトル獲得は、2年ぶり2度目となる。

内藤寧々が2年ぶり2度目の優勝 ©Naoki Gaman/Japan Cycling Federation/JFBF

表彰台には、最年少の15歳でエントリーした山本結花と杉尾咲空が初エリートカテゴリーで の表彰台を獲得した。

優勝の内藤寧々コメント
「今は優勝できてうれしい気持ちでいっぱいです。練習走行では確認したい項目をまとめられず、少し焦りが残る中での決勝だったのですが、決勝では自分の予想を上回る得点を出すことができました。今後はさらなる国際大会での経験を積み、海外の大会でも表彰台を獲得したいです」

パーク女子エリート
優勝:内藤寧々 所属:第一学院高等学校(60.40 点)
2位:山本結花 所属:龍谷富山高等学校(54.40 点)
3位:杉尾咲空 所属:細田学園高等学校/AIRWALK (47.00 点)

内藤寧々を中央に左が2位山本結花(龍谷富山高)、右が3位杉尾咲空(細田学園高) ©Naoki Gaman/Japan Cycling Federation/JFBF

山本元喜が150km近い逃げで全日本3位…5年ぶりの日本王座ならず

2023年シーズンの日本王者を決める全日本選手権ロードレースは大会最終日となる6月25日、全体最後のプログラムとして行われた男子エリートのロードレースが行われ、山本大喜(JCL TEAM UKYO)が優勝。KINAN Racing Teamからは7選手が出場し、序盤から先頭グループでレースを進めた山本元喜が優勝争いに加わり、最終的に3位。2018年以来5年ぶりとなる全日本制覇はならなかったものの、150km近く先頭を走り続け強さを印象付けた。

山本元喜が全日本選手権ロードの先頭集団を引っ張る ©KINAN Racing Team / Syunsuke FUKUMITSU

23日から競技が進められていた大会では、KINAN Racing Teamの津田悠義がアンダー23カテゴリーで個人タイムトライアル、ロードレースともに2位。チームに勢いをもたらし、エリートカテゴリーに臨む7選手へとバトンをつないだ。ロードレース競技における最上位クラスとなるこのレースは、静岡県伊豆市・日本サイクルスポーツセンター内の8kmコースを20周回する160kmで争われる。繰り返しやってくる急坂とテクニカルな下りが特徴で、平坦区間はほとんど存在しない。このところの暑さも加わって、消耗戦となることが早くから予想されていた。

そんなタフな戦いへ、KINAN Racing Teamからは山本のほか、孫崎大樹、花田聖誠、白川幸希、宮崎泰史、新城雄大、畑中勇介がエントリー。絶好調の山本を中心に戦術を組み立て、他の選手たちが要所でサポートすることを前夜のミーティングで確認した。

迎えた本番は、早くから大きな局面が訪れる。1周目こそ一団で進んだが、2周目で各チームのエースクラスが仕掛けると、KINAN勢では孫崎と花田が反応。前をうかがうメンバーがシャッフルする間に山本が数選手とまとまって先頭合流を果たし、そのまま3周目へ。この時点で山本を含む8選手がレースを先行することになった。

一気にスピードの上がった先頭グループに対し、メイン集団はときおりアタックを試みる選手が出たもののおおむね落ち着いたペースに。双方のタイム差は最大で5分近くまで広がり、先頭を走る選手たちが優勢となっていく。

中盤に入ってメイン集団では追走を試みるチームが出てくるものの、その差は縮まっても2分40秒まで。再び3分ほどまでタイムギャップが拡大し、構図が変わらないまま終盤戦へと入っていく。メイン集団には畑中、孫崎が残る。

全日本選手権ロードで形成された第1集団 ©KINAN Racing Team / Syunsuke FUKUMITSU

先頭グループは残り5周を切ったところで山本ら4人まで絞られる。そのうち、JCL TEAM UKYOが2選手を送り込んでおり、山本としては数的に不利な情勢。先頭交代のローテーションを繰り返しながら、勝負どころを探っていく。一方、メイン集団も人数が周回ごとに減少。18周回を終えようかというタイミングでタイム差は2分を割るが、組織的に追走できるチームがなく、流れを変化させるまでは至らない。この頃には、集団待機のKINANメンバーはすべて後方に下がっており、勝負を山本に託す形となっていった。

勝負が動いたのは残り2周。アタックの打ち合いから山本大喜(JCL TEAM UKYO)が飛び出し、それを山本元が追う。実の兄弟で、昨年までKINANメンバーとしてチームを引っ張ってきた2人の優勝争いへと移っていく。そして、この周回の後半で山本大選手が兄である山本元を引き離し、その差は一気に拡大。

そのまま最終周回に入ると、勢いは歴然。1周14分前後で続いていたラップタイムを13分台前半までただひとり引き上げると、チームメートの岡篤志が山本元に再合流。追撃は許されず、ライバルチームの後塵を拝する格好に。

独走を決めた山本大、さらにフィニッシュまで仕掛けた岡の後に、山本元が3位でのフィニッシュ。2018年以来の優勝とはならなかったものの、表彰台の一角は確保。150km近くレースをリードし続けた走りで、改めて日本のトップレベルにあることを証明した。

山本大喜(JCL TEAM UKYO)、2023全日本ロードチャンピオン ©JCF

KINAN Racing Teamは、この大会で出場した3競技すべてで選手を表彰台に送り込むことに成功。その最上段にはわずかに届かず、勝者だけが着用できる日本チャンピオンジャージは来季以降におあずけとなったが、メンバーが大幅に入れ替わった今シーズンを象徴するようにチーム力を最大限生かした成果としている。

ツアー・オブ・ジャパン、ツール・ド・熊野、そして今大会と、シーズンの中でも最も重要な時期を終え、ここからは後半戦に向けた移行期間に。コンディションの再構築や先々の目標レースを見越した取り組みなどを行って、チームのビルディングを進めていく。

山本元喜のコメント
「集団前方でレースをすることを心掛けていて、周りを冷静に見ることもできていた。逃げが決まったのは2周目で、集団が割れたのをきっかけに前にいる選手たちに合流した。状況的に逃げのメンバーが有利になる可能性があると感じていて、思っていたより早くに人数が絞られてしまったけど、後ろのペースも上がっていない中で良い流れでレースを進められた。それからはマークするべき選手を見極めながら、終盤勝負をイメージしていった。できることなら最終周回でアタックして4人のパックを崩したかったが、1周早く他選手に仕掛けられて、なおかつ弟である大喜にやられてしまった。  

優勝の山本大喜を中央に左が2位岡篤志、右が3位山本元喜 ©JCF

弟に負けたというよりは、“やっとここまで来たな”と感じている。本来持っている強さをようやく結果につなげたなと。判断が難しいレース展開だったが、自分自身としてはできるだけのことはやった3位だと思っている」

山本大喜が全日本チャンピオン…5年前の元喜に続き兄弟王座は史上初

第91回全日本自転車競技選手権ロードレースのエリート男子が6月25日に静岡県の日本サイクルスポーツセンターで8kmサーキットを20周回する距離160kmで行われ、山本大喜(JCL TEAM UKYO)が独走で初優勝した。

山本大喜(JCL TEAM UKYO)、2023全日本ロードチャンピオン ©JCF

レース序盤に形成された8人の第1集団に乗った山本大喜。チームメイトの岡篤志(JCL TEAM UKYO)や兄の山本元喜(KINAN Racing Team)らとともに終盤で先行し、さらにそのなかから単独になってゴールした。

山本大喜は初の全日本チャンピオン。3位に入った4歳年上の兄元喜は2018年の優勝者で、兄弟で全日本チャンピオンになったのは初めて。2位は岡でJCL TEAM UKYOがワンツーフィニ ッシュ。新城幸也(バーレーンビクトリアス)は厳しいマークにあい、思うように動けず8位でレースを終えた。

優勝の山本大喜を中央に左が2位岡篤志、右が3位山本元喜 ©JCF

女子エリート88km(8kmx11周回)は5 周目に単独先頭に立った与那嶺恵理(Human Powered Health)がそのまま独走。後続に7分以上の大差をつけて全日本チャンピオンに返り咲いた。

与那嶺恵理が2023全日本ロード優勝 ©JCF