男子ロードで新城幸也は7位、小石祐馬25位【アジア競技大会】

中国の杭州で開催されている第19回アジア競技大会は自転車競技のDAY-9となる10月5日、男子ロードで新城幸也が7位、小石祐馬が25位になった。優勝はカザフスタンのエフゲニー・フェドロフ。2位も同国のアレクセイ・ルツェンコ。

2023アジア競技大会ロード7位の新城幸也 ©日本自転車競技連盟

新城がワンツーフィニッシュのカザフ勢から終盤に脱落

日本代表は新城・小石が参戦。レース前半、新城が7名の逃げに乗り、そこから1名脱落するも、中盤まで6名の逃げ集団となった。6名の逃げに唯一2名送り込んでいたカザフスタンと新城の3人が抜け出して迎えた登り区間で、その2名が独走態勢を築きそのまま1-2フィニッシュ。いったん後ろに下がった新城は、3位の銅メダル争いの集団スプリント勝負に加わるが、わずかに及ばず3位と同タイムの7位でレースを終えた。

アジア競技大会ロードで優勝したカザフスタンのエフゲニー・フェドロフ(中央)。左は2位アレクセイ・ルツェンコ、右は3位モンゴルのサインバイヤル ©Astana Qazaqstan Team

新城幸也のコメント
「残り70kmの登りまでは、メダル争いをできる位置にいたので、それを逃したのはとても残念です。あそこを越えられれば、カザフスタンと3人でフィニッシュまで行けたと思います。前半でカザフスタンが2人行った時点で、日本としては1人乗るのがセオリーでした。カザフスタンを見ながらレースを組み立てるしかなかったのですが、こちらは2人でしたし、こういう展開になるのは分かっていたので、途中まではうまくレースを進められたと思います。ラスト20kmは、集団でアタック合戦になって、最後のスプリントもいい位置で入ったのですが、ちょっと脚が足りませんでした」

2023アジア競技大会ロードで小石祐馬は25位 ©日本自転車競技連盟

小石祐馬のコメント
「数的不利というのは分かっていたことで、もうどうにもならない状況でしたが、2人で最大限効率よく対応する必要がありました。カザフスタンが行った時点で、どちらかが乗らなくてはいけなかったところを新城選手がうまく乗ってくれたのでよかったです。その後、集団からのアタックに乗れるチャンスがあったのですが、それをすると後ろの選手をみんな引き連れてしまうので自重しました。でも、3 位になった選手がもともと自分がいた位置から追い上げて行った選手でしたので、一緒に行っていれば新城選手と2人でスプリント勝負に持ち込めたかもしれませんし、そのあたりは残念です」

2023アジア競技大会ロードの新城幸也と小石祐馬 ©日本自転車競技連盟

●アジア競技大会のホームページ(JOC)

与那嶺恵理がタイムトライアル2位、小石祐馬7位、【アジア競技大会】

中国の杭州で開催されている第19回アジア競技大会は自転車競技としてのDAY-7となる10月3日、ロードレースの個人タイムトライアルが行われ、女子の与那嶺恵理が2位、男子の小石祐馬が7位になった。

2023アジア競技大会ロード種目の女子タイムトライアルを走る与那嶺恵理 ©日本自転車競技連盟

日本代表の与那嶺は、中間計測ポイントを先頭から33秒遅れの2位で通過。後半は全体の4位とタイムを落としてしまい、先頭とのタイム差を広げられ、さらに3位カザフスタンに1秒差まで詰め寄られるも、全体の2位のタイムで走り切り、銀メダルを獲得した。

2023アジア競技大会ロード女子タイムトライアルで2位になった与那嶺恵理 ©日本自転車競技連盟

与那嶺恵理のコメント
「タイムトライアルに出場するのが久しぶりで、特にアジアは前回のアジア大会以来5年ぶりでしたので、自分がどの立ち位置にいるのか分からず、できる限りプッシュするだけでしたので、特に順位は考えずに走りました。優勝したのは、オリンピックでメダルを取るような選手ですので、優勝を狙っていなかったと言うと語弊がありますが、最低でも2位にはなろうと思ってここへ来たので銀メダルが取れてよかったです」

男子の小石は、中間計測ポイントを先頭から1分26秒遅れの7位で通過。後半もペースは上がらず、 後半だけで見ても全体の7番目のタイムとなり、最終7位でレースを終えた。

2023アジア競技大会ロード種目の男子タイムトライアルで小石祐馬は7位 ©日本自転車競技連盟

小石祐馬のコメント
「この結果は望んでいたものではなかったです。代表チームでのレースとなると、トラックチームと違って、どうしても準備不足になる部分もありますが、女子は与那嶺選手が銀メダルという素晴らしい結果も出しましたし、ロードレースに向けてまた頑張ります」

10月4日は女子ロードレースが行われる。

●アジア競技大会のホームページ(JOC)

石橋アタック、山本と小石がUCIポイント獲得…ツアー・オブ・オマーン

中東を舞台とした5日間のステージレース、ツアー・オブ・オマーンは最終日となる2月15日に第5ステージが行われ、JCL TEAM UKYOの山本大喜が6分07秒遅れの総合32位、小石祐馬が。7分57秒遅れの総合38位でフィニッシュした。

ツアー・オブ・オマーン第5ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet

ツアー・オブ・オマーン第5ステージ。山脈の麓をスタートし、標高500m前後をアップダウンを繰り返す152.5km。ゴールまでの5.7kmは10%超えのクライムが続くレイアウト。JCL TEAM UKYOは第4ステージを終えてトップから2分4秒遅れの総合29位に山本。

ツアー・オブ・オマーン第5ステージ ©A.S.O. Thomas Maheux

最終日となるこの日、最後の山での走りが総合成績に大きな影響を与えることもあり、終盤 に至るまでの山本のポジションを守ることを最優先に考えた作戦でスタートに並んだ。

レースはスタートして間もなく、石橋学を含めた7名のエスケープが形成された。一気に2分のタイムギャップが開く。これはこのグループに総合を脅かす順位の選手がいないこと、コース後半に2度のスプリント賞が設置されていることもあり、僅差で総合優勝を争うリーダーチームとしては逃げを前半に容認して後半勝負に持ち込みたい思惑によるものだ。

石橋学がツアー・オブ・オマーン第5ステージでアタック ©A.S.O. Pauline Ballet

こうして3分以上の差がつかないように続いたコントロールは終盤まで続くことになる。石橋を送り込んでいるJCL TEAM UKYOはこれで有利な状況となる。プロトン内で終盤に備え、補給やいいポジションをキープして山本をフォローした。

残り20km、エスケープグループは人数を減らし5名となるが、石橋も粘る。いよいよレースは終盤、コースは山岳へと進路を変え、6kmで600m登るヒルクライムに入った。麓で1分を切っていた差は途端に縮み、レースは振出しに戻った。

ツアー・オブ・オマーン第5ステージでリーダージャージを着るマッテオ・ヨルゲンソン ©A.S.O. Thomas Maheux

そして、総合上位のエース級の選手たちがレースの最前線に現れる。一気に14名に絞られたグループからも、さらに4名がスパートしたことで崩壊。ハイペースの厳しい登りにバラバラになり、各々の力が登りのポジションとなる。山本、小石も30位~40位のポジションで必死にペダルを踏み続ける。

そして、勝負は総合トップのモビスターのマッテオ・ヨルゲンソンと総合3位のマウリ・ファンセベナント(スーダル・クイックステップ)の一騎打ちに。10%強の登坂を駆け抜けトップでゴールに現れたのはファンセベナント。ゴールのボーナスタイムであわや逆転という展開だったが、ヨルゲンソンがゼロ秒差で後ろに付き切り、1秒差という僅差で総合リーダーの座を守った。

ツアー・オブ・オマーン第5ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet

第3ステージ同様、続々とゴールに辿り着いた選手たちがバタバタと倒れていくなかに小石が現れた。順位はトップから3分43秒差の37位、そして山本もゴール、苦しみに空を仰ぎ力を出しつくした様子だった。

しばらくしてアシストを終えたメンバーたちに続き、この日130km以上逃げ続けた石橋もゴール。UCI 2-PROクラスのステージレースで全員完走を果たした。小石の好走の結果、総合40位以内に加算されるUCIポイントを2名が獲得し、JCL TEAM UKYOの今回の一つの目標を達成する結果となった。

ツアー・オブ・オマーン第5ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet

全5ステージ 830kmのレースは1秒差で総合優勝が決まる熾烈な戦いとなった。サウジツアー、ツアー・オブ・オマーンを経験し確実に成長を遂げた選手たち。これから本格化するレースシーズンに大きな刺激を与えてくれた中東遠征となった。

ジェオフリー・ブシャール。ツアー・オブ・オマーン第5ステージ ©A.S.O. Thomas Maheux

「1戦1戦チームらしくなってきました。今日もみんなが守ってくれて、 最後もいい位置で山に入れました。日に日によくなる自分のコンディションに大きな期待を賭けて挑みましたが少し順位を落としてしまいました。小石が近くにいてくれたのは心強かったです。この力を次の レースにぶつけていきたいです」(山本)

小石祐馬。ツアー・オブ・オマーン第5ステージ ©JCL TEAM UKYO

「サウジツアーの不調から徐々に調子も上げてこれました。この経験を来年のこのレースに向けてまた準備し、いい結果を目指していきたいです」(小石)

山本大喜。ツアー・オブ・オマーン第5ステージ ©JCL TEAM UKYO

「石橋の逃げはチームに有利な状況を作ってくれました。僕らコン チネンタルチームの戦い方をしっかりと大会に表現できたと思います。 厳しいレースの中で小石と山本がUCIポイントを獲得したことは大きな価値があると思っています」(清水裕輔監督)

ツアー・オブ・オマーンを戦ったJCL TEAM UKYO ©JCL TEAM UKYO