KINANのタラマエがツアー・オブ・シャールジャ総合優勝

KINAN Racing Teamのレイン・タラマエ(エストニア)が、1月23日から27日まで行なわれたツアー・オブ・シャールジャで個人総合優勝した。タラマエは第2ステージで独走勝利し、チーム一丸となって援護して、このときの貯金を守り抜いた。チームもチーム優勝を果たした。

ツアー・オブ・シャールジャでタラマエが総合優勝 ©KINAN Racing Team / Syunsuke FUKUMITSU

「スタート前から風向きが気にはなっていたけど、それ以上にモチベーションが私たちを突き動かした。今日は個人総合優勝を決めるためにあらゆる手を尽くすつもりだったし、チームメートもそのために全力で走ってくれた。昨日以上のチームワークが発揮できて、彼らがいなかったら勝てなかったと今は感じている。すべてのチームスタッフ、スポンサー、日本のファンにお礼を言いたい。このレースのためにみんなが施してくれた準備は本当に素晴らしかった」と、最終日のゴール後に語ったタラマエ。 

ツアー・オブ・シャールジャで首位のタラマエをアシストするKINAN勢 ©KINAN Racing Team / Syunsuke FUKUMITSU

「シーズン初戦で得た勝利は、私だけじゃなくチーム全体にいい影響をもたらすはず。新しいチームメンバーはみんな強いし、日本に残っている選手たちもレースに向けた準備を進めている。誰がレースを走っても成功できるチームだから、自信をもって走り続けたい」

ツアー・オブ・シャールジャでタラマエが総合優勝 ©KINAN Racing Team / Syunsuke FUKUMITSU
KINAN Racing Teamがツアー・オブ・シャールジャでチーム優勝 ©KINAN Racing Team / Syunsuke FUKUMITSU

 

KINANのタラマエがツアー・オブ・シャールジャ最難関で首位死守

KINAN Racing Teamのレイン・タラマエが、1月26日に行なわれたツアー・オブ・シャールジャ第4ステージで40秒遅れの区間9位。大会最難関の山岳ステージでライバル選手とのタイム差縮小を最小限に食い止めて個人総合首位を守り、個人総合優勝をかけて最終日へと進むことになった。 

リーダージャージを着るタラマエ(右)がツアー・オブ・シャールジャ第4ステージを9位でフィニッシュ ©KINAN Racing Team / Syunsuke FUKUMITSU

小石祐馬と橋川丈がアシストで貢献

ここまで好調をキープしているチームは、レインが得た貯金を活かしながら残り2日を送っていく。レインは鮮烈なインパクトを残した第2ステージにとどまらず、個人タイムトライアルで競った第3ステージでも好走。他選手に1分以上の総合リードを持って第4ステージを迎える。 

大会4日目は、オマーン湾に面した東海岸の地域をめぐる。オマーンとの国境に位置するディバ・アル・ヒスンを出発すると、内陸の丘陵地帯へ。コース前半からアップダウンが連続し、3級、3級、2級、3級とカテゴリー山岳が立て続けに待ち受ける。いったん海沿いまで下ると、いよいよ最終登坂へ。今大会で最も難しい登坂区間である、1級山岳アル・スフブ・マウンテンの頂上を目指す。フィニッシュまでの6kmは勾配10%を超える急坂が続く。これまで、この上りでの走りが個人総合成績に反映されることが多くあり、リーダーチームとして臨むKINAN Racing Teamとしてもいかにして乗り切るかがポイントになった。 

ツアー・オブ・シャールジャ第4ステージをコントロールするKINAN勢 ©KINAN Racing Team / Syunsuke FUKUMITSU

レースはまず、数人が集団から飛び出す状況が続いた。コース前半にいくつか設けられた中間スプリントポイントや、3級山岳ポイントの上位通過を狙う選手たちがたびたび仕掛ける。KINAN勢は出走5選手全員でメイン集団前方を固めて統率を図る。先行する選手たちを選別しながら、優位に進行していくべく状況を整える。 

0kmを進んだあたりからは、トマ・ルバを中心に本格的なペーシングを開始。4選手が先頭グループを形成するが、効果的な集団統率によってタイム差は1分15秒程度で推移。やがて他の上位チームもアシスト選手を数人ずつ送り出してメイン集団をコントロール。KINANメンバーはできる限り消耗しないよう心掛けながら、淡々とペースを刻んでいった。 

先頭グループを射程圏にとどめながら、レース終盤まで持ち込んだKINAN勢。ついに迎えるアル・スフブ・マウンテンの麓からは、トマに替わって小石祐馬と橋川丈がペーシングを担う。この上りに賭ける選手たちが散発的にアタックを繰り出すが、小石と橋川は無理に追うことはせず一定ペースで残り距離を減らしていく。残り2kmを切ったところで個人総合上位の選手たちが動き出すと、満を持してレースリーダーのレインが腰を上げた。 

ツアー・オブ・シャールジャ第4ステージを走るKINAN勢 ©KINAN Racing Team / Syunsuke FUKUMITSU

レインはライバル選手との差を最小限に食い止めながら、前線からこぼれた選手たちをパスしながら頂上を目指した。結果、このステージは9位でのフィニッシュ。トップからは40秒差でまとめ、ここまでの貯金を大きく吐き出すことなく走り切った。 

安定した走りが奏功し、レインは危なげなくリーダージャージをキープ。チーム一丸となってのレースコントロールが実を結んでいる。個人総合2位以下とは依然1分以上のリード。大会制覇へ王手をかけ、最後の1ステージへと駒を進める。 

ツアー・オブ・シャールジャ第4ステージで首位を守ったタラマエ ©KINAN Racing Team / Syunsuke FUKUMITSU

また、最終盤での好アシストが光った小石も山岳をうまくまとめ、個人総合で2ランクアップの6位に浮上。トップ10圏内に2人を送り込んでいるほか、各ステージのチーム内上位3選手のタイム合算で競うチーム総合時間でもトップに立っている。 

ここまで最高の戦いを演じるKINAN勢。最終・第5ステージは平坦基調の100.99kmで、風や要所でのライバルのアタックを注視していきながらレースをコントロールしていく。レインを中心としながら、小石、トマ、橋川、ルーカス・カーステンゼンがチームを盛り立てていく。

タラマエがツアー・オブ・シャールジャ第2S独走勝利で首位

KINAN Racing Teamのレイン・タラマエ(エストニア)が1月24日にUAEで開催されたツアー・オブ・シャールジャ第2ステージで50kmを独走。後続に大差をつける完勝劇で今季初勝利。同時に個人総合成績でも首位に立った。

ツアー・オブ・シャールジャ第2ステージで独走勝利したタラマエ ©KINAN Racing Team / Syunsuke FUKUMITSU

第3ステージの個人タイムトライアルも7位と安定した走りで、前日からの個人総合首位をキープ。小石祐馬も個人総合8位に浮上し、チームとしてトップ10圏内に2選手を送り込んで後半戦に挑む。

ツアー・オブ・シャールジャ第3ステージで首位を守ったタラマエ ©KINAN Racing Team / Syunsuke FUKUMITSU

タラマエは38歳のベテランで、ジロ・デ・イタリア区間1勝、ブエルタ・ア・エスパーニャ2勝などの輝かしい戦績を持つ。2025年から日本のKINAN Racing Teamチームに加わった。大会は5区間で、27日に終幕する。

●KINAN Racing Teamのホームページ

タラマエと橋本英也加入のキナンは11人で2025シーズンに挑む

KINAN Racing Teamは2025シーズンを今季から1名減の11選手でレース活動を行う。アンテルマルシェ・ワンティ所属のレイン・タラマエ(エストニア)、JCL TEAM UKYO所属のネイサン・アール(オーストラリア)、さいたま佐渡サンブレイブの宇賀隆貴(東京都出身)、日本大の新宮颯太(宮城県出身)、ブリヂストンサイクリングの橋本英也(岐阜県出身)が新たに加入。6選手が来季への契約を更改した。

レイン・タラマエ ©PHOTO NEWS

11選手の内訳は、日本7人、オーストラリア2人、フランス1人、エストニア1人で、平均年齢は29.4歳。アンダー23カテゴリーの若手有望株から、世界を知る実績十分のベテランまでがそろい、これまでに培ってきた経験やスキルをビッグレースでの結果に結びつけていきたいという。

ネイサン・アール
橋本英也 ©Satoru KATO

チーム方針としてはこれまで同様、バッグボーンが多彩で個性豊かな選手たちのよさを生かすべく、特性や専門性を生かしたレース選択やメンバー選考を行っていく。スケジュール次第では、2部隊でのレース活動など幅広く取り組んでいく。メインであるロードレースにとどまらず、トラック競技やシクロクロス競技を得意とする選手も多いことから、今後は各方面でKINANジャージが見られる。

宇賀隆貴 ©2024 Yoshiyuki Gamo
新宮颯太 ©Satoru KATO

ロードレース競技における最大目標は、メインスポンサー「キナン」のお膝元・熊野地域を舞台に開催されるステージレースのツール・ド・熊野でのタイトル獲得。国際レース参加に関しては、UCIワールドツアーはもちろん、ヨーロッパツアーなどグローバルな活動を引き続き視野に入れる。同時に国内シーンにも積極的に参戦し、成果を求めていく。

ドリュー・モレ
山本元喜

スタッフでは、2024年シーズンに約20年におよぶ競技キャリアを終えた畑中勇介がチームに残り、コーチに就任。ライダーとして培ってきた経験を生かし、チーム力の向上に尽力。

柚木伸元
トマ・ルバ

2025年シーズンの初戦としてシャールジャ・ツアー(UCIアジアツアー2.2、1月24~28日)を予定。同レースには2年ぶりの出場で、中東においても自転車熱の高いUAEでのシーズンインになる。

新城雄大
宮崎泰史

KINAN AACA CUP最終戦は山本元喜が快勝、シリーズ王座は孫崎大樹

東海地区のロードレースシリーズ「iRC Tire Presents KINAN AACA CUP」の2023年シーズン最終戦となる第10戦が12月9日、岐阜県海津市・国営木曽三川公園長良川サービスセンター特設コースで開催された。メインレースの1-1カテゴリーは5.1km×20周・102kmで競われ、KINAN Racing Teamの選手たちを中心にレースを展開。終盤に生まれた逃げ集団から山本元喜が勝利。

KINAN AACA CUP 2023年最終戦は山本元喜が快勝 ©KINAN Racing Team / Ryo KODAMA

シリーズは4つのカテゴリーとキッズカテゴリーのレースで構成され、ステップアップ方式で競技力を向上できるイベント。最上級カテゴリーである1-1クラスにはKINAN Racing Teamより宮崎泰史、津田悠義、山本元喜、トマ・ルバ、そして、年間ランキングトップの孫崎大樹の5名が参加した。この日は各カテゴリーの勝者を決めるだけでなく、拮抗する年間ランキングにも決着がつくため、実力者が集う激しいレースとなった。

スタートが切られると、KINAN Racing Teamは積極的に前で展開する。宮﨑、津田、山本は数秒飛び出す場面もあり、集団に揺さぶりをかける。高活性の集団はなかなか逃げを容認せず、集団一つのまま、レース中盤に差し掛かかった。

KINAN AACA CUP 2023年最終戦 ©KINAN Racing Team / Ryo KODAMA

10周目、イナーメアロマ周回賞を孫崎と津田が争うと、集団は縦に伸びる。するとその直後に山本元喜が抜け出しに成功。山本裕昭(BONDS静岡サイクル)と協力して逃げを打つ。

これを追いたい集団から、孫崎、松島龍之介(愛知産業大工業高)、柚木伸元(日本大)、石田智大(中京大)の4名がさらに飛び出すと13周目に合流を果たし、6名の先頭集団が形成された。

KINAN AACA CUP 2023年最終戦 ©KINAN Racing Team / Ryo KODAMA

メイン集団でも、トマや津田、有力選手たちが懸命にタイム差を縮めるが、キャッチには至らない。やがて30秒ほどの先行を許したまま、最終局面を迎えてしまう。先頭メンバーは十分なリードを持って最終局面へ。ファイナルラップへ差しかかった直後、山本元喜が渾身のアタック。山本、遅れて孫崎が反応。残り3km地点で山本が追いつくが、フィニッシュ目前で山本元喜が再び腰を上げて振り切る。力強い独走で走り抜くと、最後は両手を上げて勝利をつかんだ。

また、3位でフィニッシュした孫崎はシリーズポイントをさらに加点し、年間ランキングトップを確定。ホストチームとしての責務を果たした。

KINAN AACA CUPシリーズ王座には孫崎大樹が輝く ©KINAN Racing Team / Ryo KODAMA

毎回恒例のキッズスクールでは、レース中の集団走行をテーマにレッスンが行われた。KINAN Racing Teamの選手たちが講師役となり、こどもたちに集団走行の極意を伝える。徐々に難易度が高くなるも、選手たちのアドバイスを聞き入れながら対応し、その後のレースに活かせる技術を磨いた。

このほか、チームサプライヤーであるシリーズ協賛のiRC Tire、FUSIONが出展。タイヤの試乗ができるなど、選手たちが実際に扱う製品を手に取ってもらえる機会が設けられた。

毎レース熱戦となった2023年のKINAN AACA CUPは閉幕。2024年も全10戦でのレースを予定し、第1戦は2月18日を予定している。(Text: 小玉凌、Edit: 福光俊介)

山本元喜とトマ・ルバがツール・ド・熊野第2ステージでワンツー

和歌山県南部の太地半島をめぐるツール・ド・熊野第2ステージで、レース半ばに集団から飛び出したKINAN Racing Teamの山本元喜とトマ・ルバが奇襲に成功。2人逃げを完遂させ、ワンツーフィニッシュを達成した。ステージ優勝は山本、2位がトマとなり、先着した山本はポイント賞に。総合優勝は岡篤志(JCL TEAM UKYO)。

山本元喜とマ・ルバがツール・ド・熊野第2ステージで起死回生の逃げ切りワンツー  © KINAN Racing Team / Syunsuke FUKUMITSU

6月1日のオープニングセレモニーから始まったロードレースイベント熊野INTERNATIONAL ROAD RACEフェスタは、4日に最終日を迎えた。ツール・ド・熊野の第2ステージは太地町を舞台に、10.5kmの周回コースをおおよそ10周回・104.3kmで競う。先ごろの大雨によって、古座川国際ロードレースの中止、ツール・ド・熊野第1ステージのコース短縮と続いたが、この日は無事に予定通りのレース実施がかなった。

KINAN Racing Teamは前日のステージで遅れを喫しており、第2ステージは雪辱の場となる。これまで数多くの好レースが繰り広げられた太地の丘陵コースを攻めていくことが絶対的な使命となった。

© KINAN Racing Team / Syunsuke FUKUMITSU

その通り、リアルスタートから攻め続けた。同様の思惑で走り出した選手・チームが多いこともあり、簡単にアタックは決まらないが、ジェットコースターとも称される変化の多いコースは自然と消耗戦の様相に。上りを1つこなすたびに脱落者が次々と発生し、メイン集団の人数はみるみるうちに減っていく。

そんな中、ドリューのバイクにトラブルが発生。集団からの後退を余儀なくされ、それを待った津田とともに前線復帰を目指す。津田のアシストもあり、時間こそかかったもののドリューはメイン集団へ戻ることに成功。KINANメンバーは再び人数を整えて次なる展開に備えた。

5周目の後半にはトマが単独で集団からアタックを仕掛けて、レース全体の活性化を図る。一度集団へと戻り、中間スプリントポイントの競り合いをやり過ごすと、6周目に山本がアタック。追随した選手を上り区間で引き離すと、数秒のリードを得る。

© KINAN Racing Team / Syunsuke FUKUMITSU

さらに、次の周回ではトマが再び集団から飛び出して、すぐに山本に合流。ここから2人逃げが始まった。この周回を終える頃にはタイム差を30秒ほどまで広げ、そのままリード拡大を図る。メイン集団ではリーダーチームのJCL TEAM UKYOがコントロールを本格化させ、散発する追走の動きを摘み取っていく。また、集団待機のドリュー・モレ、ライアン・カバナ、新城雄大も集団前方を固めて他チームに追撃ムード構築を許さない。

山本とトマは30~40秒のリードを保ったまま終盤へ。そのペースが衰えることはなく、いよいよ最終周回へ。個人総合争いに関係しない2人の逃げとあって、JCL TEAM UKYOも集団をまとめる方向に。逃げ切りが現実的になってきた両選手は最後まで脚を緩めることなく、ハイペースで突き進んだ。

リードを守った2人は、そろって最後の直線へ。勝利を確信すると、トマが山本に前へ出るよう促してそのままフィニッシュへ。正式リザルトは、山本がステージ優勝、トマが2位。結果的にメイン集団は26秒差でレースを終えることとなり、ライアンがスプリントに挑んでステージ5位とした。

悔しさだけが残った前日のレースを払拭する劇的逃げ切りに、コース脇を固めたファンや地元の人たちも大興奮。大会の実行委員長を務めたメインスポンサー・キナンの角口賀敏会長も山本と抱き合って勝利を喜んだ。

© KINAN Racing Team / Syunsuke FUKUMITSU

この日はトップスポンサーのラフィネグループより、リバース東京・川村信久社長が応援に駆け付けたほか、サプライヤー企業ではチャンピオンシステムジャパン、ウベックススポーツジャパン、イナーメスポーツアロマ、クロップスもブースを出展。ツール・ド・熊野オフィシャル観戦ツアーにも多数のファンが参加しており、チームを支えてくれる人たちの方の前で、最高の瞬間を披露することになった。

勝った山本は、同時にポイント賞も獲得。大会を彩る4賞の一角を押さえた。

大きな目標としてきたレースを終え、チームはこれから次のフェーズへ。6月下旬に控える全日本選手権に照準を定めて準備を進めていく。ここでつかんだ勢いをもって、日本チャンピオンジャージの奪還を目指していく。

山本元喜のコメント
「中間スプリント通過後に上りを利用して集団からアタックした。次の周回にはトマも合流してくれて逃げの態勢が整った。集団とは30~40秒差だったので、射程圏に捉えられていると思って気が気ではなかったが、トマがずっと引っ張ってくれて、ひたすら食らいついた。

勝ちを確信したのは残り2km。後ろを振り返ったら誰も見えなかったので、これは勝ったと思った。応援してくださる方々の前でワン・ツーフィニッシュは最高の結果。

レースの中止やコース短縮は、自分たちはもちろんだが、それ以上に長い間準備をしてくださっていた方々が一番悔しいはず。そうした人たちの思いを背負って走っていたつもりだし、結果で感謝の気持ちを示せたことが何よりもうれしい」