パリ〜ニース、ティレーノ~アドリアティコが相次いで開幕

2024ロードシーズンが3月になって本格化した。フランスのパリ〜ニースが3月3日から10日まで、イタリアのティレーノ~アドリアティコが3月4日から10日まで熱戦が繰り広げられる。どちらも中規模のステージレース。5月のジロ・デ・イタリアや夏のツール・ド・フランスで総合優勝をねらう実力選手も参加している。

2024パリ〜ニース第1ステージ ©A.S.O. Billy Ceusters

ビスマ・リースアバイクはティレーノ~アドリアティコにヨナス・ビンゲゴー(デンマーク)を出場させた。ボーラ・ハンスグローエは同レースでジャイ・ヒンドレー(オーストラリア)を走らせた。

アユソがティレーノ~アドリアティコ第1ステージ優勝 ©Fabio Ferrari/LaPresse

またボーラ・ハンスグローエは今季から獲得したプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)をパリ〜ニースに起用。同レースにはレムコ・エベネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)も参加し、シーズン序盤の足慣らしとする。

フィリッポ・ガンナは1秒遅れの2位 ©Fabio Ferrari/LaPresse
フアン・アユソ ©LaPresse
オラフ・コーイが2024パリ〜ニース第1ステージ優勝 ©A.S.O. Billy Ceusters
ボーラ・ハンスグローエのプリモシュ・ログリッチ ©A.S.O. Billy Ceusters
ジャイ・ヒンドレー ©Gian Mattia D’Alberto / LaPresse

ログリッチが復活V…ティレーノ~アドリアティコ第4ステージ

イタリア半島をはさむティレニア海とアドリア海を結ぶ7日間のステージレース、ティレーノ〜アドリアティコは3月9日、グレッチョ〜トルトレート間の218kmで第4ステージが行われ、ユンボ・ビスマのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)が優勝。

ティレーノ~アドリアティコ第4ステージを制したログリッチ ©LaPresse

総合成績では5秒遅れの区間17位でゴールしたレナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が、イネオスグレナディアーズのフィリッポ・ガンナ(イタリア)に代わって首位に立った。

ティレーノ~アドリアティコ第4ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse

ログリッチの優勝は2018年の第3ステージ以来で2回目。スロベニア勢はタデイ・ポガチャルの3勝を含めて通算5勝目。

ユンボ・ビスマはエースのワウト・ファンアールト(ベルギー)がトム・ピドコック(英国、イネオスグレナディアーズ)と交錯して落車。この日だけで7分40秒遅れて総合優勝争いから脱落した。

ティレーノ~アドリアティコ第4ステージでケガから復帰したログリッチ(右から2人目)が動いた ©Fabio Ferrari/LaPresse

ケムナがステージレースで首位に立ったのはジュニア時代以来で、プロレースでは初めて。ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスの大会途中で総合2位に位置して首位に肉薄した実績がある。

ティレーノ~アドリアティコ第4ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse – Greccio – Tortoreto. In the pic:

ジロ・デ・イタリアでの完全復活のために参戦した…ログリッチ

「最後にレースで優勝してから久しぶりなので、その瞬間を楽しんでいる」と2022ブエルタ・ア・エスパーニャを落車負傷でリタイアし、ケガからの懸命の復帰を余儀なくされていたログリッチ。

「1カ月の厳しいトレーニングを積んだ。自分自身と家族には多くの犠牲を払った。ハードなトレーニングの後、レースをする準備ができていると感じたので、レース活動を再開し、自宅でのトレーニングでは得られないジロ・デ・イタリアへの最後の一歩のためにティレーノ~アドリアティコに参戦した。

自分の勝利には少し驚いている。チームは別の計画を持っていたが、ロードレースでは計画していた作戦がどのように急速に変化するかよく知っている。クラッシュを回避できてよかったし、ワウト・ファンアールトが数日後には元気になって走れるようになることを願っている。明日はどうなるかわからない。私だけでなく、多くの選手が強いので」

テレマーク姿勢をキメるログリッチ。ティレーノ~アドリアティコ第4ステージ ©Gian Mattia D’Alberto/LaPresse

ログリッチとの6秒差はないも等しい…首位のケムナ

「今日は総合成績でリードできるとは思っていなかったが、とてもうれしい。ステージレースをリードするのは初めて。昨年のジロ・デ・イタリアで素晴らしい経験をしたので、イタリアで勢いを維持できてよかった」とケムナ。

「明日の上りは今日よりも適しているが、多くのトップライダーが争う非常に難しいステージになるはず。プリモシュ・ログリッチの存在は常に懸念事項だ。彼との6秒のリードはそれほど多くないから」

レナード・ケムナが首位に立った ©Gian Mattia D’Alberto/LaPresse

フィリプセンがティレーノ~アドリアティコ第3ステージで初優勝

イタリア半島をはさむティレニア海とアドリア海を結ぶ7日間のステージレース、ティレーノ〜アドリアティコは3月8日、フォッローニカ〜フォリーニョ間の216kmで第3ステージが行われ、アルペシン・ドゥクーニンクのヤスペル・フィリプセン(ベルギー)がゴール勝負を制して優勝した。

ティレーノ~アドリアティコ第3ステージでフィリプセン(左)が優勝。右端で両手を挙げるのはチームメートのマチュー・ファンデルプール ©Gian Mattia D’Alberto/LaPresse

前日もゴール勝負で、フィリプセンはスーダル・クイックステップのファビオ・ヤコブセン(オランダ)に僅差で敗れた。同大会では初優勝。

ティレーノ~アドリアティコ第3ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse

総合成績では初日に首位に立ったイネオスグレナディアーズのフィリッポ・ガンナ(イタリア)がその座を守った。

ティレーノ~アドリアティコ第3ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse

明日はマチューの出番だ。彼のために最善を尽くす

「マチュー・ファンデルプールに、最終コーナーでできる限りハードに行くように言った。彼は信じられないほどの仕事をした。これは私が今まで経験した中で最も最高で最も難しいリードだった。私はただフィニッシュラインに集中した」と、チームメートのリードアウトをたたえたフィリプセン。

「私はチームを誇りに思う。今年の初勝利だが、私は週末のベルギーで、マチューはストラーデビアンケでと、シーズンの開幕がかなり遅いことはわかっていた。でもプレッシャーはなかった。勝つチャンスがあまりなかったのは、これからのクラシックシーズンに向けてできるだけフレッシュさを保とうとしていたからだ。明日はマチューの舞台だ。私は彼を助けるために最善を尽くすが、丘を登る最後の200mで彼と一緒にいるとは約束できない」

ティレーノ~アドリアティコ第3ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse
フィリプセンがティレーノ~アドリアティコ第3ステージを制し、ポイント賞でも1位に ©Gian Mattia D’Alberto/LaPresse
フィリッポ・ガンナが総合1位をキープ。ティレーノ~アドリアティコ第3ステージ ©LaPresse

ヤコブセンがフィリプセンを撃破…ティレーノ~アドリアティコ第2S

イタリア半島をはさむティレニア海とアドリア海を結ぶ7日間のステージレース、ティレーノ〜アドリアティコは3月7日、カマイオーレ〜フォッローニカ間の210kmで第2ステージが行われ、スーダル・クイックステップのファビオ・ヤコブセン(オランダ)がアルペシン・ドゥクーニンクのヤスペル・フィリプセン(ベルギー)を制した。

欧州チャンピオンのファビオ・ヤコブセンがティレーノ~アドリアティコ第2ステージ優勝 ©Fabio Ferrari/LaPresse

総合成績では初日に首位に立ったイネオスグレナディアーズのフィリッポ・ガンナ(イタリア)がその座を守った。

早春のイタリア半島を横断する ©Fabio Ferrari/LaPresse

ヤコブセンはプロ通算40勝だが、イタリアでのレースとしては初優勝。現在の欧州チャンピオンで、チャンピオンジャージを着用している。

ティレーノ~アドリアティコ第2ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse
ティレーノ~アドリアティコ第2ステージはヤコブセン(左)がフィリプセンを制した ©Gian Mattia D’Alberto/LaPresse
フィリッポ・ガンナが趣意をキープ。ティレーノ~アドリアティコ第2ステージ ©Gian Mattia D’Alberto/LaPresse

ガンナが初日の個人タイムトライアル優勝…ティレーノ〜アドリアティコ

イタリア半島をはさむティレニア海とアドリア海を結ぶ7日間のステージレース、ティレーノ〜アドリアティコが3月6日に開幕。初日の第1ステージは個人タイムトライアルで、現イタリアチャンピオンで元世界王者、フィリッポ・ガンナ(イネオスグレナディアーズ)がトップタイムで優勝。首位に立った。

フィリッポ・ガンナがティレーノ~アドリアティコ第1ステージの個人タイムトライアル優勝 ©Fabio Ferrari/LaPresse

アワーレコード世界新をはさみ、レースでは久々の勝利

タイムトライアルを得意とするガンナは2020年、2022年に続く大会通算3勝目。2022年のドイツランドツアーのプロローグで勝って以来、194日ぶりの勝利だったが、2022年10月8日にはアワーレコードに挑戦し、世界新記録を樹立している。

ティレーノ~アドリアティコ第1ステージの個人タイムトライアルでゴールするフィリッポ・ガンナ ©Gian Mattia D’Alberto /LaPresse

「今日はいいレースだった。ボクは長い間勝利を探していた」とガンナ。

「路面はまだ濡れていたが、3つのカーブでリスクを冒すことはしなかった。ティレーノ〜アドリアティコはまだ長く、第5ステージのサルナーロ・サッソテッロまでリーダーのジャージを維持する計画なのか、それともチームの総合成績を狙う選手のために働くのかはまだわからない。とにかくうれいい。タイムトライアルだけでなく、通常ステージでもパフォーマンスをみせたい」

マグナス・シェフィールドが個人タイムトライアル3位で新人賞のトップに ©Fabio Ferrari/LaPresse
ティレーノ~アドリアティコ第1ステージで首位に立ったフィリッポ・ガンナ ©LaPresse

ティレーノ〜アドリアティコにログリッチ、ファンアールト、アラフィリップ

イタリア半島をはさむティレニア海とアドリア海を結ぶ7日間のステージレース、ティレーノ〜アドリアティコが3月6日から12日まで開催される。大会2連覇のタデイ・ポガチャル(UAEエミレーツ)は不在。

左からガンナ、ランダ、ファンデルプール、アラフィリップ、ヒンドレー、ファンアールト ©Fabio Ferrari/LaPresse

ユンボ・ビスマはプリモシュ・ログリッチとワウト・ファンアールト、アルペシン・ドゥクーニンクはマチュー・ファンデルプール、ボーラ・ハンスグローエのジャイ・ヒンドレー、スーダル・クイックステップのジュリアン・アラフィリップ、イネオスグレナディアーズのフィリッポ・ガンナ、バーレーンビクトリアスのミケル・ランダらが出場する。

ワウト・ファンアールト ©Gian Mattia D’Alberto /LaPresse
マチュー・ファンデルプール ©Gian Mattia D’Alberto /LaPresse

●ティレーノ~アドリアティコのホームページ

ティレーノ〜アドリアティコ日程

3月6日 第1ステージ リド・ディ・カマイオーレ 11.5km(個人タイムトライアル)★★


3月7日 第2ステージ カマイオーレ〜フォッローニカ 210km★★


3月8日 第3ステージ フォッローニカ〜フォリーニョ 216km★★


3月9日 第4ステージ グレッチョ〜トルトレート 218km★★★


3月10日 第5ステージ モッロ・ドーロ〜サルナーロ・サッソテッロ 168km★★★★


3月11日 第6ステージ オシーモ・スタッチオーネ〜オシーモ 193km★★★★


3月12日 第7ステージ サンベネデット・デル・トロント〜サンベネデット・デル・トロント 154km★

★は難易度