フォレリングが欧州チャンピオンに…宿敵ニエウィアドマを制す

ドローム=アルデシュ(フランス)で開催されているUEC欧州ロード選手権の4日目となる10月4日、エリート女子とU23男子のロードレースが行われ、女子はオランダが再びこのカテゴリーの絶対的なベンチマークとしての地位を確立し、10大会中9回目の優勝を果たした。

フォレリングが2025欧州選手権エリート女子ロード優勝 ©Roberto Bettini/SprintCyclingAgency©2025

レースは主要な登りで決着し、オランダ勢のペースが徐々に集団を縮めていく。決定的なアタックを仕掛けたのはデミ・フォレリングで、最後の数kmでギャップを広げ、単独でフィニッシュラインを通過した。2位はポーランドのカタジナ・ニエウィアドマ、3位はオランダ人のアンナ・ファンデルブレッヘンで、非常にハイレベルな表彰台となった。

フォレリングが2025欧州選手権エリート女子ロードでアタック ©Ivan Benedetto/SprintCyclingAgency©2025
フォレリングが2025欧州選手権エリート女子ロード優勝。左は2位ニエウィアドマ、右は3位ファンデルブレッヘン ©Roberto Bettini/SprintCyclingAgency©2025

男子U23はベルギーのヤルノ・ウィダールが優勝

男子U23レース(121.1km、ギレラングランジュ発着)は午前中に行われ、欧州選手権のタイトルはベルギーのヤルノ・ウィダールが獲得した。ヴァル・デンフェールの最終登坂で鋭いアタックを繰り出し、アイルランドのリアム・オブライエンを振り切って単独優勝を果たし、その成功を確かなものにした。

ヤルノ・ウィダール ©Roberto Bettini/SprintCyclingAgency©2025

その後ろではフランスのマキシム・ドゥコンブルが14秒差で2位を獲得し、素晴らしいシーズンを締めくくった。3位争いはスペインのエクトル・アルバレスが追撃集団の先頭に立ち、優勝を飾った。

マキシム・ドゥコンブルにヤルノ・ウィダールが追走 ©Ivan Benedetto/SprintCyclingAgency©2025
2025欧州選手権U23男子ロード ©Ivan Benedetto/SprintCyclingAgency©2025

最終日となる5日にはこの選手権はメインイベントであるエリート男子ロードレース(プリヴァからギレラングランジュまでの202.5km、午前11時45分スタート)で幕を閉じる。標高差3300mの過酷なコースは、さらに過酷なレース展開となるだろう。

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フォレリングがラ・ブエルタフェメニーナ最終ステージを制して2連覇

女子ワールドツアーのラ・ブエルタフェメニーナは最終日となる5月10日、ラ・ロブラ〜アルト・デ・コトベリョ(アストリアス)間の152.6kmで第7ステージが行われ、FDJ・スエズのデミ・フォレリング(オランダ)が大会2勝目を挙げ、2024年に続いて総合優勝した。

フォレリングがラ・ブエルタフェメニーナ第7ステージを制し連覇を達成 ©Unipublic

かつてのチームメート、ロイサーが2位、ファンデルブレッヘンが3位

2024年大会で快勝したフォレリングはFDJ・スエズに移籍して、スペインのグランツールに挑み、その実力を最大限に発揮した。第5ステージのラグナス・デ・ネイラ山頂で真紅のリーダージャージ、ラ・ロハを獲得すると、最終日のアルト・デ・コトベロ山頂で華々しくレースを締めくくった。

最終ステージの最後の800m地点で力強い加速を繰り出し、勝利の両手を高く掲げた。ステージ2位、総合2位はマーレン・ロイサー(スイス、モビスターチーム)、ステージ3位、総合3位はアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、チームSDワークス・プロタイム)で、かつてのチームメートだった。

ファンデルブレッヘンは敢闘賞を受賞。フォレリングは山岳賞に加え、チーム部門でもチームメイトとともに優勝した。チームヴィスマ・リースアバイクのマリアンヌ・フォス(オランダ)は2つのステージで優勝し、3年連続でポイント賞を獲得した。

総合優勝のフォレリングを中央に、左が2位マーレン・ロイサー、右が3位ファンデルブレッヘン。ラ・ブエルタフェメニーナ ©Unipublic

最後の最後でフォレリングがアタックを決めた

125選手が最終日をスタートしたが、レースが進むにつれて、多くのライダーがリタイア。寒い雨のコンディションは、この大会史上最も過酷なステージ(獲得標高2724m)をさらに過酷なものにした。いくつかのアタックがあったが、フォレリングのアシスト役であるエヴィータ・ムジックがメイン集団を牽引。さらにファンデルブレッヘンを勝たせたいチームSDワークス・プロタイムが加わって、逃げた選手を吸収した。

10.3kmに及ぶ最後の登りの麓でムジックらが先行すると、残り9kmでチームSDワークス・プロタイムのミシャ・ブレデウォルドが集団を牽引。ファンデルブレッヘン自身がその役割を引き継いだ。ファンデルブレッヘン猛烈なペースで優勝候補を次々と圧倒。追いかけることができたのは、フォレリング、ロイサー、セドリーヌ・ケルバオル(EFエデュケーション・オートリー)だけだった。

フィニッシュラインが近づくと、フォレリングが残り1.5kmで最初に加速し、そしてフィニッシュまで800mの地点で加速した。この最後のアタックはライバルを圧倒し、大きな差をつけて楽々と勝利を修めた。その後ろでは、ロイサーがファンデルブレッヘンを抜き去り、総合2位に躍り出た。ファンデルブレッヘンは総合3位に後退した。

ラ・ブエルタフェメニーナ第7ステージ ©Unipublic

すでに次のツール・ド・フランスファムのことを考えている

「このレースで2連勝できて本当にうれしい。このコトベリョでのステージ優勝も狙っていた。アタックを仕掛けるまでは、できるだけ長く待つことにした。待つのは辛かったけど、こうして勝てた。自分の才能を証明するのが常に楽しみで、すでに次のレースのことを考えている」とフォレリング。

チームとともに総合優勝を成し遂げたことを本当に誇りに思うという。新しいチームでグランツールに参戦するのは少し不安だった。どんな展開になるか分からないからだった。しかし、このステージレースでは、チームメートと互いのペースを掴み、素晴らしいチームワークを発揮できることを証明した。

「チームメイトたちは、スタートからゴールまで素晴らしい仕事をしてくれた。誰にとっても新しい仕事だけど、全員がステップアップし、新しい役割を担う中で自分の道を見つけていく姿を見るのは、本当に素晴らしい経験だった。FDJ・スエズのチームメイトは一緒に仕事をしやすかった。モチベーションも高かった。レース序盤は辛い時期もあったが、彼女たちは素晴らしいサポートと励ましを与えてくれた。おかげで、チームはさらに結束を深めることができた」とフォレリングはツール・ド・フランスファムをはじめとするシーズン後半に向けて感触をつかんだ。

⚫︎2025ラ・ブエルタ フェメニーナ日程とレポート
5月4日(日)第1ステージ バルセロナ〜バルセロナ 8.1km(チームタイムトライアル)
5月5日(月)第2ステージ モリンス・デ・レイ〜サンボイ・デ・リュブレガート 99km▲
5月6日(火)第3ステージ バルバストロ〜ウエスカ 132.4km
5月7日(水)第4ステージ ペドロラ〜ボルハ 111.6km▲▲
5月8日(木)第5ステージ ゴルマヨ〜ラグナス・デ・ネイラ 120.4m▲▲▲
5月9日(金)第6ステージ ベセリル・デ・カンポス〜バルタナス 126.7km
5月10日(土)第7ステージ ラ・ロブラ〜アルト・デ・コトベリョ(アストリアス) 152.6km▲▲▲
(▲は山岳の難易度)

【ラ・ブエルタフェメニーナ】フォレリングが第5S独走で首位に

スペインで開催されている女子ワールドツアーのラ・ブエルタフェメニーナは5月8日、ゴルマヨ〜ラグナス・デ・ネイラ間の120.4mで第5ステージが行われ、FDJ・スエズのデミ・フォレリング(オランダ)が優勝。チームSDワークス・プロタイムのフェムケ・ヘリッツェ(オランダ)に替わって首位に立った。

ラ・ブエルタフェメニーナ第5ステージ ©Unipublic

首位フォレリング、45秒遅れの総合2位ファンデルブレッヘン

ディフェンディングチャンピオンのフォレリングが、ラグナス・デ・ネイラを席巻した。残り3kmで開始した破壊的なアタックでチームメイトの素晴らしいアシストを締めくくり、ステージ優勝と新たな総合リーダーの座を獲得した。モビスターチームのマルレン・ロイサー(スイス)は、フォレリングのアタックに反応した唯一の選手だったが、数mで諦め、頂上まで全力で戦い2位となり、チームSDワークス・プロタイムのアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ)と並んで暫定総合表彰台に上がった。

フォレリングがラ・ブエルタフェメニーナ第5ステージ優勝 ©Unipublic

132選手が、ゴルマヨからラグナス・デ・ネイラまでの120.4kmを走る第5ステージを14時03分にスタートした。体調不良のポーリーヌ・フェランプレヴォ(フランス、チームヴィスマ・リースアバイク)はスタートできなかった。正式スタートから幾度となくアタックが行われ、4選手が第1集団を形成。57km地点で3分22秒の最大リードを記録した。

FDJ・スエズが早々に主導権を握った

リドル・トレックとFDJ・スエズは、4人のリーダーの後ろを追う最も有力なチームであり、キンタナール・デ・ラ・シエラ(87.6km)にある中間スプリントでその差を1分00秒まで縮めることに成功。第1集団は2人になり、FDJ・スエズが率いる集団が93km地点で吸収した。FDJ・スエズのアリー・ウォラストン、エヴィータ・ムジックが、アルト・デル・ロザビエントス(カテゴリー2級、98.5km)を猛烈なペースで駆け上がり、わずか15人の優勝候補ばかりの集団にした。

残り3kmでフォレリングがアタック

ラグナス・デ・ネイラ(カテゴリー1級、120.4km)に向かう下りで第1集団のペースが落ち、残り11kmでマレイユ・メイジェリング(モビスターチーム)がこのチャンスを逃さずアタックを仕掛けた。誰も追いかけようとはせず、ムジックがエースのフォレリングのためにペースメーカーとして再びペースを上げた。残り4kmでこの若きフランス人クライマーが後退すると、同じフランス人でチームメイトのジュリエット・ラブースが代わりに走り、何度か加速してメイジェリングを戻した。ファンデルブレッヘンがリードを奪おうとしたが、フォレリングは残り3kmでカウンターアタック。独走で優勝した。

ラ・ブエルタフェメニーナ第5ステージ ©Unipublic

残り2日で、差はますます広がっている。金曜日にはパレンシアでベセリル・デ・カンポスとバルタナスの間で行われるローリングステージ、そして土曜日にはアストゥリアスで最後の山岳決戦が控えている。

⚫︎2025ラ・ブエルタ フェメニーナ日程とレポート
5月4日(日)第1ステージ バルセロナ〜バルセロナ 8.1km(チームタイムトライアル)
5月5日(月)第2ステージ モリンス・デ・レイ〜サンボイ・デ・リュブレガート 99km▲
5月6日(火)第3ステージ バルバストロ〜ウエスカ 132.4km
5月7日(水)第4ステージ ペドロラ〜ボルハ 111.6km▲▲
5月8日(木)第5ステージ ゴルマヨ〜ラグナス・デ・ネイラ 120.4m▲▲▲
5月9日(金)第6ステージ ベセリル・デ・カンポス〜バルタナス 126.7km
5月10日(土)第7ステージ ラ・ロブラ〜アルト・デ・コトベリョ(アストリアス) 152.6km▲▲▲
(▲は山岳の難易度)

フォレリングがかつてのボスを振り切ってストラーデ・ビアンケ優勝

FDJスエズのデミ・フォレリング(オランダ)が3月8日にイタリアで開催された第11回ストラーデ・ビアンケウイメンで、SDワーク・プロタイムのアンナ・ファンデルブレッゲン(オランダ)を振り切って優勝を達成した。

フォレリングがかつての監督で、現役復帰したファンデルブレッゲンに差をつける ©LaPresse

フォレリングはSDワークスから今季FDJスエズに移籍。ワンデークラシックで初勝利を収め、SDワークスとしての大会4連勝の記録をストップさせた。2位はフォレリングの監督をを3年間務めたファンデルブレッゲン。元世界チャンピオンは今シーズンに現役復帰した。

ストラーデ・ビアンケウイメン ©LaPresse

フォレリングはライバルたちとともにゴールのシエナに到達し、厳しいサンタ・カタリーナ通りの最後の登りでアタックした。フランスのポーリーン・フェランプレボ(ビスマ・リースアバイク)が3位に入った。

ストラーデ・ビアンケウイメンを制したフォレリング ©LaPresse

「私はとても幸せです。自分がいい状態にあることは分かっていましたが、勝つことは別のことです。プレッシャーがあるとチームメイトや家族、友人のためにそれを成し遂げたいと思います」とフォレリング。

「アンナ・ファンデルブレッゲンとレースをするのは楽しいです。始めた頃の日々を思い出させます。年月が経つにつれてどれだけ成長したかを思い出させます。私はかなり遅れて後ろにいましたが、チームメイトが追いかけていたので終わったとは思いませんでした。ジュリエット・ラブースは、砂利のセクションで非常に強いリードを与えてくれました。チェーンが外れましたが、すぐに全開で戻りました。下り坂で攻撃するのは賢明でした。そして、アンナとの最後の戦いは素晴らしかったです」

ストラーデ・ビアンケウイメンを制したフォレリング。左は2位ファンデルブレッゲン、右は3位フェランプレボ ©LaPresse

フォレリングが移籍するFDJスエズにスペシャライズドを持っていった

米国の自転車総合メーカー、スペシャライズドは2024年12月6日、2025年から女子プロチームFDJスエズとの戦略的パートナーシップを開始すると発表した。チームには、2023ツール・ド・フランスファム総合優勝者のデミ・フォレリング(オランダ)が加入する。

新しいチームメートとスペシャライズドバイクを語るフォレリング(右から2人目)

このコラボレーションは、パフォーマンスとイノベーションという共通の価値観に根ざした野心を体現。卓越性へのコミットメントと高性能の限界に挑戦する姿勢で知られるサイクリング界の二大プレーヤーを結びつけた。

FDJスエズは、2006年にガティアン・メルロによって設立された。娘のような女子選手のために機会を創出するという父親の大胆なビジョンから生まれ、近未来テーマパークのフチュロスコープやビエンヌ県(フランス)などのパートナーの支援を受けた。

2017年には、ゼネラルマネージャーのスティーブン・デルクールにより、FDJがタイトルスポンサーとなり、2022年6月にはスエズが共同タイトルスポンサーとして加わった。

UCI女子ワールドチームに参加した最初のフランスチームとなり、5つの異なる国籍の18人のアスリートを擁するまでに。ツール・ド・フランスファム、ジロ、ブエルタ、リエージュ~バストーニュ~リエージュ、アムステルゴールドレース、ラ・フレッシュワロンヌなどの名高いレースでの勝利を含む数シーズンを経て、2024年には75勝を超えた。

チーム20周年を迎える2025年シーズンは、スペシャライズドとのコラボレーションの発表と、プロサイクリングで最も有望な選手を獲得し、新たな章を迎える。新加入選手はフォレリングと、2025フランスロードチャンピオン、ジュリエット・ラブーが含まれる。クライマーのエビタ・ムジックがチームを率いて新シーズンに挑む。

【ツール・ド・フランスファム】ニエウィアドマがわずか4秒差で総合優勝

キャニオン・スラムレーシングのカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド)がツール・ド・フランスファム(8月12日〜18日)で総合優勝した。

総合優勝のニエウィアドマ。左が2位フォレリング、右が3位ロイジャッカーズ ©A.S.O. Thomas Maheux

最終日の第8ステージで1分15秒遅れの総合8位デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム)が逆転を狙って逃げ、区間勝利のボーナスタイム10秒も獲得。ニエウィアドマは1分01秒遅れの区間4位でゴールし、わずか4秒差で逃げ切った。

デミ・フォレリングが最終日に逆転を狙った ©A.S.O. Thomas Maheux
パック・ピーテルスは総合11位、新人賞1位 ©A.S.O. Thomas Maheux
グランドン峠を上るエビタ・ミュジック。フランス勢最上位の総合4位に食い込んだ ©A.S.O. Thomas Maheux
デミ・フォレリング。パウリナ・ロイジャッカーズ(左)は区間2位になり、総合3位でフィニッシュ ©A.S.O. Thomas Maheux
カタジナ・ニエウィアドマがラルプデュエズを上る ©A.S.O. Thomas Maheux