家族で楽しく健康を学んだり、日本の最先端技術・研究を駆使して健康なライフスタイルのヒントがつかめるイベント、第31回日本医学会総会2023東京博覧会が、東京都の丸の内・有楽町エリアで開催されている。だれでも無料で入場・体験できる。4月23日まで。
医学総会に併催して市民に開放された無料プログラムがズラリ
日本医学会総会などと聞くとそれだけで一生縁がないと判断してしまいそうだが、4年に一度開催される「健康になるためのイベント」だ。子どもと一緒に、あるいは大人でも健康になるために知っておきたいこと、やっていきたいことなどを経験する博覧会だ。
もちろん全国の医学者や関連領域の人たちが集まり、最新医療の情報を交換したりする学術会議はしっかりと開催される。今回体験したのはその併催イベント部分。社会に開かれた総会として市民に開放された博覧会のプログラムだ。一般の人が健康や医療に関する最新の現場を体験して学ぶことができることがメリット。
歩行基礎力測定と内臓脂肪ラボ、VR体験を実際にやってみた
期間は4月15日から23日までの1週間ほどで、丸の内・有楽町全体が健康志向一色になる。いま知るべき、健康と医療を楽しく知り、そして無料で体験できる。健康増進に役立つ測定ブースもあるので積極的に活用するのがいい。
取材日は19日で、この日はステージイベントとして、VR(バーチャルリアリティ)を用いた患者さん同士のサポート・遠隔フィットネスシステムを体験。東京大附属病院でがん患者の緩和ケア診療を行う住谷昌彦先生がプログラムした「VRがんピアサポート」だ。
新型コロナ禍で患者同士が直接対面できない状況下で、インターネット環境を使って仮想対面しピア(仲間)サポートする環境を作ることができるのがメリットだという。
「不安の多いがん患者同士が情報を共有することで不安感が軽減される」と住谷先生。
このVR体験は19日のみのステージプログラムだったが、丸ビル1階のマルキューブで開催されている測定会が健康管理に役立ちそうだ。
「歩行基礎力測定」は「圧力センサーシート」の上を歩き、科学的根拠に基づいてその歩き方を瞬時に解析し、歩行バランス年齢や歩行スピード年齢を算出。筋力の衰えを防ぎ、若さを保つ予防運動としてどう歩いたらいいかをアドバイスしてくれる。また将来的に転倒、腰痛、ヒザ痛、尿もれなどの傾向があるので注意すべきという指針も提示される。
内臓脂肪ラボでは内臓脂肪測定を行ってそれぞれの腹部断面イメージを表示。内臓脂肪は、お腹の皮膚の下についている皮下脂肪(つまめるお肉)と違い、外から見えないのでスリムに見える人でも「かくれ内臓脂肪型肥満」のことがあるので、この測定はとても参考になる。
内臓脂肪が貯まると血圧、血糖、血中脂質などの異常が重なり、メタボリックシンドロームとなる。別名は内臓脂肪症候群と言われ、この状態を放っておくとやがて脳卒中や心疾患、糖尿病などの重篤な疾病につながる。
内臓脂肪はそれぞれの生活習慣(食事や運動)を反映して変化する。だからたまりやすいが減らしやすい健康指標でもある。生活習慣の改善で内臓脂肪を減らせばリスムも減ることがわかっている。
普通の人も参加できる医学の祭典「医学会総会博覧会」、4年に1度のお祭りを活用しよう。ちなみに4年後は大阪開催となる。
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