デマールがスプリント勝利、ロペス首位堅持【ジロ・デ・イタリア第5S】

第105回ジロ・デ・イタリアは5月11日、カタニア〜メッシーナ間の174kmで第5ステージが行われ、グルパマFDJのアルノー・デマール(フランス)が集団スプリント勝負で優勝。前日に首位に立ったトレック・セガフレードのフアン・ロペス(スペイン)がマリアローザを守った。

トレインローザが選手たちを歓迎 ©Fabio Ferrari/LaPresse

デマールはジロ・デ・イタリア通算6勝目で、フランス選手としてジャック・アンクティルとベルナール・イノーの記録に並んだ。フランス勢は通算72勝目となり、イタリア、ベルギー、スペインに次ぐ記録。

2022ジロ・デ・イタリア第5ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse
アルノー・デマールが2022ジロ・デ・イタリア第5ステージ優勝 ©LaPresse
アルノー・デマールが2022ジロ・デ・イタリア第5ステージ優勝 ©Fabio Ferrari/LaPresse

ニバリが故郷で今季限りの引退を発表

ビンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナカザクスタン)は出身地であるメッシーナにゴールしたこの日、2022シーズンを限りに引退することを明らかにした。

故郷メッシーナで今季限りでの引退を明かしたビンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナカザクスタン) ©Gian Mattia D’Alberto/LaPresse

「人生のステップを横にずらす時が来た」とニバリ。
「ジロ・デ・イタリアがメッシーナに到着するのを待って、家族や友人のいる場所で、私の意思をオフィシャルにしたかった。遅かれ早かれ、この瞬間はくるもの。私が長年にわたって犠牲にしてきたもの、まずは家族との時間を取ることに務めたい」

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)フアン・ロペス(スペイン、トレック・セガフレード)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)
マリアアッズーラ(山岳賞)レナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
□マリアビアンカ(新人賞) フアン・ロペス(スペイン、トレック・セガフレード)

フアン・ロペスが第5ステージでマリアローザを守った ©LaPresse

第4ステージにもどる≪≪   ≫≫第6ステージにすすむ

2人逃げでケムナ優勝、ロペスが首位に【ジロ・デ・イタリア第4S】

第105回ジロ・デ・イタリアは移動日明けの5月10日、アボラ〜エトナ間の172kmで第4ステージが行われ、ボーラ・ハンスグローエのレナード・ケムナ(ドイツ)とトレック・セガフレードのフアン・ロペス(スペイン)が抜け出し、ケムナが初優勝。総合成績ではロペスがマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)を逆転して首位になった。

レナード・ケムナがフアン・ロペスを下した ©Massimo Paolone/LaPresse

ケムナはジロ・デ・イタリア初優勝。ツール・ド・フランスでは2020年にステージ優勝している。2022シーズンはブエルタ・ア・アンダルシア、ツアー・オブ・アルプスに続く3勝目。

ロペスはスペイン勢として17人目のマリアローザ着用者となったが、24歳での獲得はこの中では最年少。

2022ジロ・デ・イタリアがイタリアに戻ってきた。第4ステージはシチリア島 ©LaPresse

ロペスがマリアローザを獲得してとてもうれしかった

「大人数の第1集団に加わったので、できるだけここで頑張ろうと思った。ラスト10kmで先行したけれど、向かい風が吹いていたし、まだ急な上り坂ではなかったので自信はなかった。最後の1kmはロペスの後輪についていくことに懸命で、それがうまくいった」とケムナ。

「ロペスがマリアローザを手に入れたことを知ってうれしい表情を見るのは素晴らしかった。お互いに幸せだった。今回のジロ・デ・イタリアでは総合優勝争いに加わることは絶対にないけど、将来はそこで戦うかもしれない」

2022ジロ・デ・イタリア第4ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse

アルベルト・コンタドール以来のマリアローザに興奮

「最後の山岳のことを知らなかったが、監督が無線で指示をしてくれた。最も難しい部分でアタックしろと言われてそのとおりにした。かなりいい走りができていると感じた」とロペス。

「ケムナのことはよく知らなかったが、ボクは自信を持っていた。自分がマリアローザを獲得したことを知るまで数分かかった。アルベルト・コンタドールがマリアローザを着た最後のスペイン人だったとみんながボクに伝えてくれた。この瞬間を楽しもうと思う」

フアン・ロペスとレナード・ケムナがゴールを目指す ©Fabio Ferrari/LaPresse
お互いの健闘を称え合うレナード・ケムナ(左)とフアン・ロペス ©Fabio Ferrari/LaPresse
2022ジロ・デ・イタリアを制したレナード・ケムナ ©LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)フアン・ロペス(スペイン、トレック・セガフレード)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)
マリアアッズーラ(山岳賞)レナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
□マリアビアンカ(新人賞) フアン・ロペス(スペイン、トレック・セガフレード)

フアン・ロペスが第4ステージでマリアローザ ©LaPresse

第3ステージにもどる≪≪   ≫≫第5ステージにすすむ

カベンディッシュ通算16勝目【ジロ・デ・イタリア第3S】

第105回ジロ・デ・イタリアは5月8日、ハンガリーのカポシュバール〜バラトンフュレド間の201kmで第3ステージが行われ、マーク・カベンディッシュ(英国、クイックステップ・アルファビニル)がゴール勝負を制して優勝。首位のマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)はその座を守った。

2022ジロ・デ・イタリア第3ステージを制したカベンディッシュ ©LaPresse

9年ぶりの出場でグランツール通算53勝、歴代3位

9年ぶりにジロ・デ・イタリアに出場したカベンディッシュ。大会通算16勝目であると同時に、グランツールでは通算53勝目。これはエディ・メルクスの65勝、マリオ・チポッリーニの57勝に続く歴代3位の記録となる。

ジロ・デ・イタリアでカベンディッシュが初勝利してから、13年と360日という歳月が流れた。ジーノ・バルタリの持つ15年と9日には及ばないが、これは1935年から1950年と第二次世界大戦をはさんでのものだ。

また36歳と11カ月17日という年齢での勝利は、2011年に37歳で勝ったアレッサンドロ・ペタッキに次ぐもの。

ハンガリー最終日となる第3ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse

強力アシストがいるから言い訳はできない

「この感覚はジロ・デ・イタリアで初勝利したときと同じだ。このレースが大好きで、この成績に満足している。ジロ・デ・イタリアは今でもボクにとってかけがえのないものだ」とカベンディッシュ。

「間違いなく、ボクのチームは自分に自信を与えてくれている。最高のアシスト陣を持っているから、言い訳はできない。マチュー・ファンデルプールが行くのを感じたので、早めに行かなくてはならなくて、とても長いスプリントだった」

「ハンガリーでのジロ・デ・イタリアは素晴らしかった。群衆は驚異的だった。ボクは自転車に乗っている多くの人々、多くの自転車ルートを見ることができた。人々はグランデパルテンツァ(開幕地)を愛していた。ボクにとってここにいることは特権だったし、ここで優勝できたことは特別な意味がある」

カベンディッシュを先頭にゴールラインを目指す ©Marco Alpozzi/LaPresse
2022ジロ・デ・イタリア第3ステージを制したカベンディッシュ ©Gian Mattia D’Alberto / LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)
マリアアッズーラ(山岳賞)リック・ツァベル(ドイツ、イスラエル・プレミアテック)
□マリアビアンカ(新人賞) マッテオ・ソブレロ(イタリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)

第3ステージでもマリアローザを守ったファンデルプール ©Gian Mattia D’Alberto / LaPresse

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ファンデルプール首位死守、S・イェーツV【ジロ・デ・イタリア第2S】

第105回ジロ・デ・イタリアは5月7日、ハンガリーの首都ブダペストで第2ステージとして9.2km個人タイムトライアルが行われ、サイモン・イェーツ(英国、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)がトップタイムで優勝。首位のマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)は3秒遅れの区間2位の好タイムで首位を守った。

ブダペスト中心街を走る個人タイムトライアル ©Marco Alpozzi/LaPresse

イェーツは総合成績で11秒遅れの2位に浮上。トム・デュムラン(オランダ、ユンボビスマ)がこの日5秒遅れの区間3位になり、総合成績で16秒遅れの3位となった。

「ハンガリーの人が楽しんでくれてうれしい」イェーツ

サイモン・イェーツが2022ジロ・デ・イタリア第2ステージの個人タイムトライアルで優勝 ©Fabio Ferrari/LaPresse

イェーツは2019パリ〜ニースの第5ステージに続く個人タイムトライアル2勝目。ジロ・デ・イタリアでは2018年に区間3勝、2021年に1勝していて、通算5勝目。

「個人タイムトライアルはいいときもあれば悪いときもある。今日はこれまでで最高の走りだった」とイェーツ。

チーム一丸となってスペシャル機材とコンディショニング調整をして臨んだ。その成果が発揮されたという。

「ファンデルポールがとても速かったことに驚きはない。前日に彼が見せた仕上がりを確認しているからね。今日はタイムを稼ぐことができたが、個人的には今日のタイムはあまり関係ないだろうと思う。これからは全く違うレースになる。今日は、たくさんのハンガリーの人がサイクリングを楽しんでいるのに驚いた。とてもうれしい」

2022ジロ・デ・イタリア第2ステージの個人タイムトライアルで3位に入ったトム・デュムラン(オランダ、ユンボビスマ) ©Fabio Ferrari/LaPresse
ブダペストの子どもたちがジロ・デ・イタリアを観戦 ©LaPresse

「明日はスプリンターのヤコブ・マレツコをアシスト」ファンデルプール

「マリアローザを守るために個人タイムトライアルに挑んだ。それが第一の目標だったが、こんなにトップタイムに近づいたことは、予想以上だった」とファンデルプール。

「まだレース序盤だということもあるが、今日のコースはボクに合っていた。昨日も今日もたくさんのファンに会った。ここの綺麗さにびっくりした。集団スタートのステージでマリアローザを着られるのがうれしい。明日はスプリンターのヤコブ・マツレコのリードアウトをする。大会がイタリアに入り、エトナまでマリアローザを守るのは可能だけど、そこで失うと思う」

2022ジロ・デ・イタリア第2ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse
マリアローザを守ったファンデルプール ©Fabio Ferrari/LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)
マリアアッズーラ(山岳賞)マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)
□マリアビアンカ(新人賞) マッテオ・ソブレロ(イタリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)

マリアローザを守ったファンデルプール ©Gian Mattia D’Alberto/LaPresse

第1ステージにもどる≪≪   ≫≫第3ステージにすすむ

ファンデルプールがジロ・デ・イタリア初日を制してマリアローザ

第105回ジロ・デ・イタリアは2022年5月6日、ハンガリーの首都ブダペストで開幕。同地からビシェグラードまでの195kmで第1ステージが行われ、マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)がゴール勝負を制して優勝。総合成績で首位になり、マリアローザを着用した。

最後に抜け出したファンデルプール。カレブ・ユアンは落車した ©LaPresse

開幕から3日間はハンガリーで行われ、大会4日目が移動日。全21ステージと休息2日を加えると、例年よりも1増の24日間。29日にベローナで終幕する。

2022ジロ・デ・イタリアは大会史上初めてハンガリーで開幕した ©Fabio Ferrari/LaPresse

ハンガリーの大地を走った第1ステージは、平坦ながらゴール前が上り坂になっていて、ダッシュ力のある選手らが区間勝利と、そして同時についてくるマリアローザを争った。ジロ・デ・イタリア初出場となるファンデルプールとビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)の争いとなり、ファンデルプールが先着した。

2022ジロ・デ・イタリア第1ステージのゴール勝負。右端がファンデルプール ©Marco Alpozzi/LaPresse

「ガッツポーズできないほど全力を出した」

「スプリントは予想通りだったが、もしもう一度やるなら、違ったポジションで挑みたかった。今日は理想的ではなく、ボックスに封じ込まれたので、そこから抜け出すために迂回しなければならなかった」とファンデルプール。

「でも落ち着いて、スプリントのタイミングを完璧に合わせた。両手を空中に掲げるエネルギーは残っていなかった。優勝できて本当にうれしい」

パワーを使い果たして倒れ込んだファンデルプールをチームメートが祝福 ©Fabio Ferrari/LaPresse

ファンデルプールは優勝候補の筆頭にいることに慣れているので、レース前はかなりリラックスしていたという。

「今日はボクにとって、マリアローザを手に入れるまたとない機会だった。数カ月前、ジロ・デ・イタリアに行こうと決めたのは、第1ステージが自分に本当に合うものだったからだ。第2ステージの個人タイムトライアルでリードを維持するのは難しいだろう。やってみるけど、今日やったことにはすでに満足している」

マリアローザを着用したファンデルプール ©Gian Mattia D’Alberto / LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)
マリアアッズーラ(山岳賞)マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)
□マリアビアンカ(新人賞) ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)

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ジロ・デ・イタリア公式ボトルはエリートのフライ・ジロ

2022シーズン最初のグランツール、第105回ジロ・デ・イタリアが5月6日にハンガリーのブダペストからスタートし、5月29日にベローナのアリーナに到着する。そんな過酷なグランツールを支えるエリートの「FLYボトル」。多くのチームに採用され、選手から信頼されているまさにプロ仕様のウォーターボトルだ。

FLY Giro(フライ・ジロ)

ジロ・デ・イタリア公式のウォーターボトルでもある。従来製品に対し圧倒的に軽量で、柔らかく握りやすいボトル。新型の吸い口を採用し従来製品に比べ流量がアップ。ドリンクを注ぎやすく、洗いやすい広口のボディが特徴。

カラーはピンクとブラックの2色。限定品で5月中旬頃入荷予定。価格は税込み1150円。

フライ・ジロ
容量:550ml
重量:約54g
サイズ:φ74mm
BPA不使用

●カワジマサイクルサプライのホームページ