ラルプデュエズを制したピドコックがMTB欧州チャンピオンに

ロードレース、シクロクロス、MTBの三刀流で注目される英国のトム・ピドコックが、8月20日にドイツのミュンヘンで行われた欧州選手権MTBクロスカントリー男子で優勝した。

英国のピドコックがレース終盤にアタックをかける ©Luca Bettini/UEC/SprintCyclingAgency©2022

7月のツール・ド・フランスでは最難関のラルプデュエズで独走勝利。現在のシクロクロス世界チャンピオン。そして東京五輪MTB金メダリストのピドコック。大陸選手権としてはシクロクロスのジュニア(2016年)とU23(2018年)に続くタイトル獲得となった。

欧州選手権MTBクロスカントリー男子 ©Luca Bettini/UEC/SprintCyclingAgency©2022
ミュンヘンのオリンピックパークで行われたMTB欧州選手権 ©Luca Bettini/UEC/SprintCyclingAgency©2022
独走して背後を振り返るピドコック ©Luca Bettini/UEC/SprintCyclingAgency©2022
トム・ピドコックが欧州選手権MTBクロスカントリーを制した ©Luca Bettini/UEC/SprintCyclingAgency©2022
MTB XCO欧州選手権を制したピドコックを中央に左が2位セバスチャン・カールステンセン(デンマーク)、右が3位フィリッポ・コロンボ(スイス) ©Luca Bettini/UEC/SprintCyclingAgency©2022

欧州選手権MTBクロスカントリー女子はフランスのジョアナ・ルコントが優勝した。

欧州選手権MTBクロスカントリー女子はフランスのロアナ・ルコントが優勝 ©Ivan Benedetto/UEC/SprintCyclingAgency©2022

フランスの夏のスキーゲレンデはMTB愛好家のパラダイスだった

フランスでは夏場のスキー場もアクティブなサイクリストでにぎわっている。MTB専用コースが縦横無尽に整備され、上りのリフトに自転車を積載して標高を稼ぐこともできる。そこからは一気にダウンヒルだ。電動パワーが使えるeMTBなら上り坂も楽に進める。アルプス北部に位置するアボリアズはMTB好きの若者たちのパラダイスだった。

リフトを使ってダウンヒルバイクを上げてトレイルを楽しむ。スイス国境にも行けるという

総延長はなんと650km。パスポートを持ってスイスまで

アルプスのモルジンヌから20kmほど上ったところにあるスキー場が標高1800m超のアボリアズだ。数年に1回はツール・ド・フランスのゴールにもなるところで、滞在型レジデンスが林立し、フランス人はここに複数日宿泊してさまざまなアクティビティを楽しんでいる。

自転車はリフトの背面部に簡単に搭載できる

冬はもちろんスキーだが、夏場はハイキングやMTBだ。夏の訪問客のために期間限定でゴンドラやリフトが稼働。リフトには数基に1基の間隔で自転車が引っ掛けられるようになっている。脱着はリフト保安員が手慣れた手付きでやってくれる。

アボリアズはツール・ド・フランスでよく登場するスキーリゾートだ

アボリアズは欧州最大のバイクパークで、専用トレイルは総延長650km。下りを楽しむダウンヒルバイク、アップダウンをこなせるエンデューロバイク、電動のeMTBのコースがそれぞれあり、さらにコースの難易度が多様にあるので、上級者から初級者まで遊べるのが特徴だ。トレイルは尾根道のみならず、谷底、森林地帯、牧草地、岩、急流などさまざまなフィールドが楽しめるように設計されている。

レジデンスは想像以上に快適だ。こういったところでのんびりバカンスを楽しみたいなあ

アボリアズのスキー場がバイクパークになるのは2022年の場合、6月17日から9月11日まで。そのうちリフトは7月2日から9月2日まで稼働する。アウトドア系スポーツが好きな人なら、花が咲き乱れるゲレンデでMTBを持ち込もうという発想は、フランス人のライフスタイルの一部で、自然な成り行きだ。

自転車専用トレイルのゲート

MTBトレイルとハイカーが歩くルートは分離されていることに気づいた。MTBトレイルの入り口にはそれを示すゲートがあり、誤ってハイカーが通行しないように配慮されている。両者が交差する場所は網やロープで注意喚起をしているので、接触する可能性はほぼない。

eMTBの最長コースは80km。トレイルは舗装路よりも路面抵抗があって、通常はこんな距離を走破するのは難しいが、電動アシストの恩恵で自分の体力をはるかに超えた冒険も可能になる。観光局が用意した地図によれば30kmほど離れたスイス国境まで行くことができ、「パスポート必携」と明記されている。

稜線を走ってスイス国境を目指す。下りきった先にもスイス方面に上れるリフトがある

MTBトレイルに挑戦するのは若い男性が多かったが、ファンパークと呼ばれる簡単なコースには母親と子供の姿もあった。またライディング教室やレンタルMTBも自転車ショップで行われている。ライド後はキッチン付きのレジデンスで料理をしたり、MTBツアーの追加オーダーとしてバーベキューも申し込める。

楽できるところにはお金をかけるのがフランス流

リフト乗車券は大人1回840円、1日4620円、複数日は割引となり例えば7日で2万860円。MTB搭載料は乗車券と別に大人1回882円、複数回は8回4480円など。すべて1ユーロ140円で計算。

スキーゲレンデにはスラロームコースが作られていた

為替相場によりフランスの物価は全体的に割高に感じるが、一部の裕福な層や十分な休日が取れる人の娯楽とは感じなかった。フランスの若い世代も「楽して楽しめるところにはお金をかける」とばかり積極的にリフト活用していた。

集落にはいくつかの自転車ショップがあり、レンタルやライディング教室などを行っている

マウンテンバイク・ワールドカップはダウンヒルがルルドで開幕

2022メルセデスベンツUCIマウンテンバイク・ワールドカップが3月26〜27日、フランスのルルドでダウンヒルレース(DHI)が開幕戦として行われた。

ミリアム・ニコルは女子2位 ©Bartek Wolinski / Red Bull Content Pool

男子は地元フランスのアモリー・ピエロンが、女子はスイスのカミーユ・バランシュが優勝した。

同シリーズは、クロスカントリーオリンピック(XCO)、クロスカントリーショートトラック(XCC)を含めてレッドブルTVでライブ配信される。

男子優勝のアモリー・ピエロンがゴールを目指す ©Bartek Wolinski / Red Bull Content Pool

2022メルセデスベンツUCIマウンテンバイク・ワールドカップ日程
3月26-27日: (DHI) フランス・ルルド
4月8-10日: (XCO/XCC) ブラジル・ペトロポリス
5月6-8日: (XCO/XCC) ドイツ・アルブスタット
5月13-15日: (XCO/XCC) チェコ・ノべームニェストナモラビエ
5月21-22日: (DHI) 英国・フォートウイリアム
6月10-12日: (XCO/XCC/DHI) オーストリア・レオガング
7月8-10日: (XCO/XCC/DHI) スイス・レンツァーハイデ
7月15-17日: (XCO/XCC/DHI) アンドラ・バルノール
7月29-31日: (XCO/XCC/DHI) 米国・スノーシュー
8月5-7日: (XCO/XCC/DHI) カナダ・モンサンタン
8月24-28日: UCI MTB世界選手権 フランス・レジェ
9月2-4日: (/XCO/XCC/DHI) イタリア・バルディソーレ
9月2-4日: (DH/XCO/XCC) イタリア・バルディソーレ

●レッドブルTV・フランス・ルルド

MTBワールドカップは2022年もレッドブルTVでライブ中継

2022メルセデスベンツUCIマウンテンバイク・ワールドカップが3月26〜27日、フランスのルルドでダウンヒルレース(DHI)が開幕。クロスカントリーオリンピック(XCO)、クロスカントリーショートトラック(XCC)を含めてレッドブルTVでライブ配信される。

ダウンヒルに挑むバレンティナ・ホール ©Bartek Wolinski / Red Bull Content Pool

2022メルセデスベンツUCIマウンテンバイク・ワールドカップ日程
3月26-27日: (DHI) フランス・ルルド
4月8-10日: (XCO/XCC) ブラジル・ペトロポリス
5月6-8日: (XCO/XCC) ドイツ・アルブスタット
5月13-15日: (XCO/XCC) チェコ・ノべームニェストナモラビエ
5月21-22日: (DHI) 英国・フォートウイリアム
6月10-12日: (XCO/XCC/DHI) オーストリア・レオガング
7月8-10日: (XCO/XCC/DHI) スイス・レンツァーハイデ
7月15-17日: (XCO/XCC/DHI) アンドラ・バルノール
7月29-31日: (XCO/XCC/DHI) 米国・スノーシュー
8月5-7日: (XCO/XCC/DHI) カナダ・モンサンタン
8月24-28日: UCI MTB世界選手権 フランス・レジェ
9月2-4日: (/XCO/XCC/DHI) イタリア・バルディソーレ
9月2-4日: (DH/XCO/XCC) イタリア・バルディソーレ

マティアス・フルキガー ©Bartek Wolinski / Red Bull Content Pool

●レッドブルTV・フランス・ルルド

FUKAYA RACINGがUCI MTBチームとなり2022年を始動

自転車商社のフカヤがメインスポンサーとなるFUKAYA RACINGが2022年のチーム体制を発表した。欧州UCIシクロクロスチームに在籍する唯一の日本選手、鈴木来人がXCOライダーとして新規加入した。

鈴木来人

FUKAYA RACINGのチームコンセプトである「挑戦」を掲げ、2022年シーズンからアジア唯一のUCI MTBチームとなり、海外でのレース活動に力を入れていく。

鈴木来人
出身地:長野県上伊那郡
2000年生まれ(20歳)
「今季よりFUKAYA RACINGに加入する鈴木来人です。MTB競技という新しい挑戦をしていくにあたり、最高のチームと多くのスポンサー・サプライヤーに恵まれたことに感謝しています。今季はU23全日本チャンピオンとワールドカップでのフルラップ完走を目標に全力で戦っていきます」
※ロードレース&シクロクロスは別チームで活動

竹内遼

2022年は新たに監督兼メカニックの小林輝紀監督(長野県飯山市在住)、2021年シーズンから日本人で唯一欧州に拠点置きフランス籍のシクロクロスUCIチームに所属している鈴木来人(長野県上伊那郡在住)の2名を迎え、新たな体制で活動していく。

◆FUKAYA RACING チーム体制 
・小林 輝紀/コバヤシ テルキ (監督兼メカニック)
・竹内 遼/タケウチ リョウ  (エースライダー)
・鈴木 来人/スズキ ライト  (ライダー)
・松本 佑太/マツモト ユウタ (ライダー兼マネージャー)

監督兼メカニックを務める小林輝紀
ライダー兼マネージャーの松本佑太
フカヤレーシング

キャノンデールのTrail 7.1はどこを乗っても楽しめる

山を駆け抜ける楽しみから、街中のデイリーユースまでマルチに活躍するTrail 7.1(トレイル7.1)がキャノンデールから発売された。マウンテンバイク本来のワクワクと、通勤通学に使える万能なマウンテンバイク。どこを乗っても楽しめる。初めてのオフロードでも、ちょっとした冒険でも、あらゆる可能性と笑顔に出会える1台。

Trail 7.1(ブラック)

フロントギヤはシンプルなシングルギヤ、リヤは初心者でも扱いやすい8段変速。どんな体型のライダーにも最高のフィット感、スピード、楽しさを提供するため、XSとSサイズには27. 5インチ、M~XLサイズには29インチタイヤを採用した。

洗練されたフレームワークでマイクロサスペンションを実現した
シンプルで軽量なアルミフレームで設計

フレームカラーはブラックとグリーンの2色展開。どんなシーンにも溶け込むフレームデザインに仕上げられている。

Trail 7.1(グリーン)

Trail 7.1
フレーム:SmartForm C3 Alloy
フォーク:SR Suntour XCT DS,  100mm, coil
ブレーキ:Tektro hydraulic disc
リアコグ:microSHIFT, 12-42, 8-speed
タイヤ:WTB Ranger Comp, 29×2.25″ (27.5×2.25″ – XS, SM)
サイズ:XS, S, M, L, XL
価格:6万9300円(税込)

シングルギヤ。シンプルな設計でクールな走りを演出する

●キャノンデールの詳細ページ