朝比奈綾香がBMXワールド10位…生死の境をさまよった事故から復帰

デンマークのコペンハーゲンで開催されている2025 UCI BMXレーシングワールドチャレンジ。大会最終日は男子の15歳以上と女子の16歳以上の11カテゴリーが実施され、日本チームからは17選手が出場した。日本勢は入賞こそ逃したものの準決勝に4選手が進出し、朝比奈綾香が10位に入るなど健闘した。

女子25歳以上カテゴリー10位の朝比奈綾香 ©全日本BMX連盟

10歳からBMXレースを始めた朝比奈はすぐに世界レベルで活躍する選手に。リオ五輪出場の有力候補だったが、その前年の2015年に交通事故で重篤な怪我を負った。運動ができるようになるとは思えなかったというが、BMXレース仲間の支えもあって、手術・リハビリを経て復帰。現在もレース活動を続けている。

ガールズ16歳14位の中村真唯 ©全日本BMX連盟

2025 UCI BMXレーシングワールドチャレンジ最終日には日本勢17名が出場し、4名の女子選手が準決勝に進出した。日本勢の最上位は女子25歳以上のカテゴリーに出場し、準決勝を5位でフィニッシュした朝比奈。決勝進出ラインの4位にはあと一歩届かなかったものの、総合10位の成績と健闘した。

女子マスターズ12位の古矢美和 ©全日本BMX連盟

そのほかの準決勝進出選手は、女子マスターズに出場の古矢美和と女子17~24歳に出場した早川優衣が総合12位、ガールズ16歳に出場した中村真唯が14位となっている。

女子17~24歳12位の早川優衣 ©全日本BMX連盟

大会はUCI BMXレーシング ワールドチャレンジが終了し、8月1日から3日間の日程でチャンピオンシップカテゴリーを対象としたUCI BMXレーシング世界選手権が開催される。

澤田茉奈がBMXレーシングワールドチャレンジで2年ぶり4度目の優勝

デンマークのコペンハーゲンで開催されている2025 UCI BMXレーシングワールドチャレンジ。大会3日目は男子の12歳から14歳、女子の12歳から15歳の計7カテゴリーが実施された。ガールズ15歳のカテゴリーで澤田茉奈が2年ぶり4度目の優勝を達成した。またボーイズ14歳でも梅沢篤和が決勝に進出し、20インチのカテゴリーでは自身初の8位入賞を果たした。

ガールズ 15歳優勝の澤田茉奈 ©全日本BMX連盟

2025 UCI BMXレーシングワールドチャレンジ大会3日目は、日本チームから22選手が出場した。ガールズ15歳のカテゴリーで澤田が予選から決勝までの7レースすべてをトップでフィニッシュする走りで2年ぶりの優勝を果たした。

ボーイズ14歳8位の梅沢篤和(左)、ガールズ15歳優勝の澤田茉奈 ©全日本BMX連盟

澤田は2019年のアゼルバイジャン・バクー大会で初優勝し、2022年のフランス・ナント大会、2023年のスコットランド・グラスゴー大会でも優勝。4度目の優勝となる。

ボーイズ 14歳8位入賞の梅沢篤和 ©全日本BMX連盟

ボーイズ14歳のカテゴリーでも梅沢が決勝に進出。決勝では転倒し8位となってしまうが、2023年のクルーザーカテゴリー以来となる2度目のWゼッケンを獲得した。

澤田茉奈(右)が2年ぶり4度目の優勝 ©全日本BMX連盟
ボーイズ 14歳8位入賞の梅沢篤和(左端) ©全日本BMX連盟

BMXレーシングワールドチャレンジで小泉千紗が女子2位、橋本一圭が男子4位

デンマークのコペンハーゲンで開催されている2025 UCI BMX レーシングワールドチャレンジ。大会2日目は男女の8歳から11歳のカテゴリーなど全12カテゴリーのレースが行われた。日本チームからは小泉千紗(ガールズ11歳)と橋本一圭(ボーイズ11歳)が2位と4位の成績で入賞を果たした。

BMXレーシングワールドチャレンジでボーイズ11歳4位の橋本一圭(左)、ガールズ11歳2位の小泉千紗 ©全日本BMX連盟

8歳から16歳までは年齢ごとにカテゴリーが設定され、世代ごとに熱戦が展開されるUCI BMX レーシングワールドチャレンジ。大会2日目は日本チームから19選手がエントリーした。8人で行われる決勝に進出した選手には、翌年のワールドチャレンジまでその順位と同じ番号のナンバー(通称Wゼッケン)を使用できる。そのため参加者にとっては決勝進出が大きな目標となっている。

BMXレーシングワールドチャレンジでガールズ11歳2位の小泉千紗 ©全日本BMX連盟

ガールズ11歳のカテゴリーには前年まで同世代2連覇を達成している小泉千紗が出場し、決勝までの6レースをすべてトップで通過。3連覇のかかった決勝では、スタートでの出遅れが影響し惜しくも2位でフィニッシュした。ボーイズ11歳には前年7位の橋本一圭が出場した。こちらも決勝に進出し、前年の成績 を上回る4位でフィニッシュした。

BMXレーシングワールドチャレンジでボーイズ11歳4位の橋本一圭 ©全日本BMX連盟
BMXレーシングワールドチャレンジ・ガールズ11歳、右から2番目が小泉千紗 ©全日本BMX連盟
BMXレーシングワールドチャレンジ・ボーイズ11歳、右から4人目が橋本一圭 ©全日本BMX連盟

BMXレーシング男子はパリ五輪出場ならず…女子は大陸枠で獲得

2024UCI BMXレーシング世界選手権が5月12日から18日まで米国サウスカロライナ州で開催され、パリ五輪の国別出場枠(大陸枠)を逃した日本男子は中井飛馬と島田遼が国内選考を勝ち抜いて出場したが、ラシとチャンスとなった五輪枠は獲得できなかった。

世界選手権で中井飛馬は男子エリート準々決勝で夢破れる ©Japan Cycling Federation

女子はフィリピンで行われた2023年のアジア選手権で畠山紗英が優勝し、パリ五輪出場枠を日本として1つ獲得している。

男子は新たなメンバーで挑んだ3年間の五輪挑戦。2023年7月に開催されたアジア選手権で切符を逃した日本男子はこの大会がラストチャンス。カナダ、ブラジル、チリ、デンマークなど複数の国が今大会で残された1枠を争った。

中井と島田が国内選考を勝ち抜き、それぞれ初日の予選を通過し1/8 決勝へ進出した。1/8決勝では中井が2位に入り、全体の11位で通過し最終日に望みをつないだ。好調だった島田は、第1コーナーで転倒し敗退。

最終日の準々決勝、各国が勝ち上がる中、中井は第1コーナーでのポジション争いで詰まってしまい失速。追い上げたが通過圏内の4位に届かず準々決勝敗退となった。同じ組からはカナダとチリが通過し、最終的にはチリが最後の1枠を掴み取った。最終国別枠配分は6月11日発表。今大会がラストチャンスであった日本男子はパリ五輪の出場枠を逃した。20代前半の現代表選手は、次のロス五輪へ向けて再始動することとなった。

男子13歳で高崎成琉が優勝、女子14歳で澤田茉奈が世界2位

日本チームは3月から1カ月間、大会会場で合宿を実施し、ジュニア/U23/エリート含め男女計9選手が大会に挑んだ。結果は、男子エリートで中井が自己最高となる準々決勝まで進出し26位に入った。

表彰台を狙っていたU23女子では、今シーズンのワールドカップで表彰台を獲得していた籔田寿衣が準決勝で敗退し、同カテゴリーに出場した野村凪沙の10位が日本人最高位となった。また、今大会の前半に開催された年齢別世界選手権にあたる「UCI BMXレーシングワールドチャレンジ」では、男子13歳で高崎成琉が優勝、女子14歳では澤田茉奈が2位に入った。

全日本選手権BMXレーシングで島田遼が初優勝、女子は丹野夏波がタイトル奪回

日本自転車競技連盟が主催する第39回全日本自転車競技選手権BMXレーシングが10月30日に大阪府堺市・大泉緑地で開催され、エリート男子は島田遼(GAN Trigger)が初優勝、女子は丹野夏波(早稲田大)がタイトルを奪回した。

島田遼、吉村樹希敢、山口大地が走るエリート男子 ©日本自転車競技連盟

2021年は雨天の影響によりマッドコンディション開催となった新潟大会とは真逆。秋晴れの中、39回目となったBMXレーシング種目の全日本選手権が開催された。会場となったのは大阪府堺市・大泉緑地サイクルどろんこ広場。2年ぶりの全日本開催となり、チャンピオンシッ プ(エリートなど)とチャレンジレベルをあわせ、過去最多の290選手を超える参加者が集結した。

島田遼(左)がエリート男子初優勝 ©日本自転車競技連盟

日本タイトルをかけて争われたチャンピオンシップレベル。最高峰カテゴリーとなる男子エリートは、島田がスタートから先頭を守り抜き、自身初となるチャンピオンに輝いた。

女子は前回覇者の酒井亜樹(Deux Roues Elite Team)を、最終コーナーで丹野がかわし、2年ぶり3度目の日本タイトルを獲得した。

先行する酒井亜樹とそれを追う丹野夏波 ©日本自転車競技連盟
丹野夏波(左)が酒井亜樹を制した ©日本自転車競技連盟

今大会から新設されたUnder23カテゴリーは、本大会会場をホームコースとしてる増田優一(大阪体育大)が、2位を 大きくリードする形で優勝女子は最終ストレートで籔田寿衣(大阪体育大)を野村凪沙(Ace Rece Australia Factory Team)がかわし、初代U23カテゴリーチャンピオンとなった。

U23男子は増田優一が主導権を握った ©日本自転車競技連盟
増田優一が先頭に立つ ©日本自転車競技連盟

ジュニアカテゴリーは、男子は最終レースでトップ争いが転倒する波乱の展開となったが、木内彪凱(モトクロスインターナショナル)が合計ポイントでトップとなり優勝。女子はエリートとUnder23カテゴリーと混走となったが、西村寧々花(GAN Trigger)が大会2連覇した。

ジュニア男子は木内彪凱、小丹晄希、北川晃久が激しく争った ©日本自転車競技連盟

その他チャレンジカテゴリーでは男女合計24カテゴリーが行われ、新たな日本チャンピオンが生まれた。

女子エリート優勝の丹野夏波(早稲田大)、2位畠山紗英、3位酒井亜樹 ©日本自転車競技連盟
女子U23優勝の野村凪沙(Ace Rece Australia Factory Team)、2位籔田寿衣 ©日本自転車競技連盟
女子ジュニア優勝の西村寧々花(GAN Trigger)、2位浅見渚 ©日本自転車競技連盟
男子エリート優勝の島田遼(GAN Trigger)、2位吉村樹希敢、3位山口大地 ©日本自転車競技連盟
男子U23優勝の増田優一(大阪体育大)、2位橋本颯馬、3位長嶋遼 ©日本自転車競技連盟
男子ジュニア優勝の木内彪凱(モトクロスインターナショナル)、2位小丹晄希、3位北川 晃久 ©日本自転車競技連盟

木内彪凱がシリーズ初優勝…JBMXF大東建託シリーズ秩父大会

一般社団法人全日本BMX連盟(略称JBMXF)が主催し、日本自転車競技連盟(JCF)の公認 大会である2022JBMXF大東建託シリーズ。第4戦が10月9日に埼玉県秩父市の秩父滝沢サイクルパークBMXコースで開催された。コースはワールドカップやオリンピックでチャンピオンシップカテゴリーが使用する8mスタートヒルを備えているのが特徴。この8mヒルで初めて開催されたJBMXF大東建託シリーズを制したのは、若手ライダーの成⻑株である木内彪凱だった。

JBMXF 大東建託シリーズ初優勝を達成した木内彪凱(左)と2位の山口大地

ジュニアとU23、エリートの選手で争われるチャンピオンシップカテゴリー。男子は全日本王者の松下巽をはじめとするベテランに、前戦の新潟大会で復活優勝を果たした山口大地ら20歳代の選手、さらにチャンピオンシップ初年度となる木内など、多彩な年齢層の14名が出走した。

このカテゴリーではJBMXF大東建託シリーズで初めてとなる8mのスタートヒルが使用された。この8mヒルは、男女のチャンピオンシップカテゴリーで使用される国際規格に合致したものであり、日本国内に現存するコースで備えているのは、この秩父滝沢サイクルパークのみとなる。

ベテランの豊富な経験が勝るのか? 若手選手の勢いが勝るのか? 誰が勝ってもおかしくない注目の決勝レース。8人横一線のスタートで優位に立ったのはイン側のゲートからスタートした木内。第一コーナーでトップに立つと、山口が2番手で追う展開でレースが進む。木内はコーナーでも山口の追撃を許さずトップでフィニッシュし、JBMXF大東建託シリーズ初優勝を達成した。

2位には山口、3位争いを制したのは20歳の若手ライダー橋本颯馬だった。