中根英登が新城幸也のアシストとして世界選手権出場

年に一度の世界王者決定戦、UCI世界選手権エリート男子ロードが9月29日に英国ヨークシャー地方で開催され、日本代表としてNIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネの中根英登が出場。日本のエース新城幸也のアシストとして、世界最高峰の舞台で戦う。

日本自転車競技連盟が9月19日、9月下旬に英国で開催されるUCIロード世界選手権の日本代表メンバーを発表。日本は男子エリートロードレースで出場2枠を獲得し、新城(バーレーン・メリダ)とともに、中根が日本代表に選出された。中根は2年連続で世界選手権に挑む。

現在29歳の中根は、日本を代表するクライマーとして活躍。2018年はツアー・オブ・ジャパンでアジア人選手最高位となる個人総合9位、ジャパンカップサイクルロードレースでも国内最高位の12位でゴール。日本代表としてオーストリアでの世界選手権に初出場し、アジア競技大会ではエースの別府史之(トレック・セガフレード)の銀メダル獲得に貢献し、自身も5位でゴールするなど、大きく飛躍するシーズンを送った。

しかし、今季は体調不良やクラッシュの影響から成績が伸び悩み、シーズン前半は厳しいものだったが、夏ごろから復調。9月18日にイタリアで開催されたUCIヨーロッパツアー1クラスのジロ・デッラ・トスカーナでは、抜群の登坂力を武器に2018年の18位という成績を上回る15位でフィニッシュ。ヨーロッパで価値のあるUCIポイントを獲得し、完全復調を実感。自信をもって10日後に開催される世界選手権に挑む。

英国で初開催となる2019年のUCIロード世界選手権は、9月21日にパラサイクリング部門からスタートし、最終日の29日に男子エリートのロードレースが開催される。男子エリートは、リーズをスタートしたのち、3つの山岳を通過してハロゲイトの周回コースを7周回する285km。起伏に富んだチャレンジングなコース設定になっている。

またNIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネからは、男子U23にトレーニーの石上優大(AVCエクサンプロヴァンス/EQADS)が出場、メカニックの西勉と南野求も日本代表チームのスタッフとして世界選手権に参加する。

中根英登のコメント
今年の世界選手権も日本代表として走らせてもらえることになりました。今季は最高のスタートを切れたものの、度重なるコンディションの崩れに加えてトレーニング中の事故と、厳しい状況が続いていました。チームが組んでくれたスケジュールのおかげで、自分にとっては長く感じていたトンネルからようやく脱出できたように思ってます。
直近のトスカーナのレースでは半年ぶりに身体の軽さと調子のよさを感じられたので、コンディションはいい具合に仕上がってきています。そのタイミングでの世界選手権への抜擢となり、自分を信頼してくれたナショナルチームに感謝しています。
アジア大会も急きょ抜擢してもらいましたが、今回は世界選手権。桁違いのレースレベルなので、アシストと言ってもそう簡単にはいきませんが、自分の最大限やれることをし、新城選手のアシストとしての仕事を全うしたいと思います。

UCI Road World Championships
UCIロード世界選手権
開催期間/2019年9月21日〜29日
     男子エリート・ロードレースは29日 
カテゴリー/世界選手権
開催地/英国ヨークシャー

●日本代表選手
監督:浅田顕(選手強化コーチ)
男子エリート(2名)
新城幸也(BAHRAIN-MERIDA)
中根英登(NIPPO – VINI FANTINI – FAIZANE’)
女子エリート(2名)
与那嶺恵理(Alé–Cipollini)*TT兼任
金子広美(イナーメ信濃山形)
男子U23(3名)
石上優大(EQADS)
松田祥位(EQADS)*TT兼任
今村駿介(中央大 / ブリヂストンサイクリング)*TT兼任
男子ジュニア(2名)
津田悠義(EQADS / 愛知県立三好高)*TT兼任
山田拓海(長野県飯田風越高)*TT兼任
女子ジュニア(1名)
岩元杏奈(日本体育大)

男子エリート・ロードレース Leeds > Harragate 285km
ホームページ  https://worlds.yorkshire.com
フェイスブック https://www.facebook.com/yorkshire2019/
ツイッター https://twitter.com/Yorkshire2019
ハッシュタグ #Yorkshire2019

NIPPOのザッカンティがツール・ド・北海道優勝

NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネのフィリッポ・ザッカンティが3日間のステージレース、ツール・ド・北海道で総合優勝した。9月6日の初日に個人総合リーダーとなったザッカンティを最後までチーム一丸となった走りで守りきり、個人総合優勝を達成。さらにフアンホセ・ロバトがポイント賞、ジョアン・ボウが山岳賞ジャージを獲得した。

9月6日から3日間にわたり、旭川を発着として大雪山系を一周するようにして道央、道東地域を駆け抜けたツール・ド・北海道(UCIアジアツアー2.2)が8日に閉幕した。

最終日となる第3ステージは北見市から北見峠を越えて、当麻町をめざす179kmのステージで、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネは、第1ステージ終了後に個人総合リーダーとなったザッカンティのリードを守りきることを絶対的なミッションとし、最終ステージに挑んだ。

序盤はアタックが頻発するものの、各チームのさまざまな思惑から決定的な動きにはならず、20km地点の登坂区間を使って、力ずくでフランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)が先行し、そこにロバトらが反応して6名の強力な逃げが形成された。しかし、集団はそれを容認せず追走。一度レースを振り出しに戻すとともに、山岳エリアを前に新しく4名の逃げが決まった。

メイン集団はリーダーチームであるNIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネがコントロール。第2ステージに引き続いて、伊藤雅和と初山翔が世界のレースでつちかった確かな実力をもって、力強く集団を牽引した。逃げとのタイム差は2分には届かず、ゴール前15km地点で集団は逃げを吸収。その後も危なげな攻撃は見られず、一つの大集団でのフィニッシュを迎え、緩やかな登り基調のスプリントでロバトが2位でゴールした。

第2ステージでは、9名の強力な逃げが作られ、タイム差を詰めるために伊藤と初山が力を尽くすシーンもみられたが、確かなチーム力をもって、レースリーダーのザッカンティは初日に獲得した29秒のアドバンテージを危なげなく守りきり、第33回大会を制して個人総合優勝の証となるマラカイトグリーンジャージを獲得した。

23歳のザッカンティは6月に開催されたツール・ド・コリアに次ぐ総合優勝。プロとして2シーズン目となる今季はツアー・オブ・ジャパンでも山岳賞を獲得するなど、飛躍的なシーズンを過ごしている。

また第1ステージでザッカンティとともに逃げ、山岳賞を獲得したボウもリーダージャージを最後まで守りきり、最終日のスプリントで2位となったロバトは最終日に逆転しポイント賞ランキングで首位に立ち、チームは三賞ジャージを独占。チーム総合成績でも優勝。NIPPOが大会のメインスポンサーを務める特別な大会でこれ以上ない成績を修めた。

フィリッポ・ザッカンティのコメント
初日の逃げに乗ったのがこの勝利のキーポイント。2日目、3日目とチームでそれを守るべく走り、最終的に勝利することができた。完璧なレースだったように思われるかもしれないが、その背景にはチームメートたちの素晴らしい走りがあり、この勝利は自分のものではなく、チームみんなのもの。チーム力なくして、この結果はありえない。チームメートに感謝している。

表彰式を終えてNIPPOの関係者と記念撮影

初山翔のコメント
理想を言うならば、日本のレースなので、自分か伊藤が総合成績を狙いたかった。しかし、初日の結果を受けて、ザッカンティがレースリーダーになったので、そこからは彼のリーダージャージを守るという目標に切り替えて、チームで力を合わせて戦った。レースを通じて自分たちの実力を他のチームに見せることができ、またNIPPOにとって大事な大会で、この上ない結果を出すことができて良かったと思っている。このあとも大きなレースがあるので、引き続き頑張っていきたい。

伊藤雅和のコメント
ザッカンティがリーダージャージを取ってからは、初山と二人で集団を引き続けた。最終日も山岳でもしっかりと前に残っって仕事をこなすことができたので、コンディションのよさやトレーニングの成果を感じられた。急きょ参加が決まったレースだったが、ここまで走れたので、今後につなげていきたい。この上ないチームの成績に貢献することができてよかった。次は10月のレースになる予定なので、ここからさらに調子を上げていきたい。

ザッカンティが第1Sを制し首位…ツール・ド・北海道

3日間のステージレース、ツール・ド・北海道が9月6日に開幕。初日は逃げに乗ったNIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネのフィリッポ・ザッカンティが残り25kmで単独アタック。そのままフィニッシュラインまで逃げ切り区間優勝を挙げ、総合成績で29秒差で首位に立った。

ザッカンティが第1ステージを制し総合首位

9月6日、北海道第二の都市旭川で第33回ツール・ド・北海道(UCIアジアツアー2.2)が開幕した。2018年は北海道胆振東部地震の影響により大会が中止されたが、2018年は改めて同じコースが設定され、旭川を発着とする3日間(総走行距離541km)、道北・道東地域の大雪山系を反時計回りに1周するステージレースとしてスタートした。

大会初日の第1ステージは旭川郊外からスタートして南下。有名な観光地である富良野や美瑛を通過して、新得町にフィニッシュする185kmのステージ。3つのカテゴリー山岳に加え、ステージを通して多くの起伏が含まれているコースで、獲得標高は約2350mとなっていて、初日から厳しい山岳コースとなった。

序盤にジョアン・ボウを含む15名ほどの逃げが形成された。山岳エリアに差しかかると先頭から何名か選手が脱落し、代わりに最初の山岳を前にザッカンティがマトリックスパワータグのホセビセンテ・トリビオとともに集団からブリッジを仕掛けて先頭に合流。ボウとザッカンティを含む11名の先頭集団が形成された。

山岳ポイントへと向かう11名の先頭集団

先頭は最大で6分ほどのタイム差を稼いだが、NIPPO・ヴィーニファティーニ・ファイザネとマトリックスパワータグが選手2名を送り込んでいることもあり、なかなかいい協調体制には持ち込めず。しかしチームにとっては絶好のチャンスであるため、ザッカンティとボウは懸命に先頭集団を牽引した。

そして残り27km地点に設定された最後の山岳を前に、ナーバスな先頭集団からザッカンティがキナンサイクリングチームの山本元喜とともにアタックを仕掛けて先行。その後、長い下り区間でザッカンティは単独となり、独走。後続に25秒の差をつけて逃げ切り優勝。個人総合成績でも29秒差で首位に立った。23歳のザッカンティは6月のツール・ド・コリア総合優勝に次ぐプロ2勝目。チームは今季6勝目を挙げた。

個人総合リーダーの表彰を受けるフィリッポ・ザッカンティ

また追走集団のスプリントで区間4位となったボウは2つの山岳を首位通過して山岳賞リーダーとなった。

1分38秒差のメイン集団の先頭でゴールしたフアンホセ・ロバトが区間9位、伊藤雅和と初山翔も30名ほどに絞られたメイン集団でフィニッシュし、翌日からザッカンティのリーダージャージをチーム一丸となり守るとともに、さらなる勝利に向けてチャンスを狙って走る。

山岳賞リーダーとなったジョアン・ボウ

フィリッポ・ザッカンティのコメント
最後は下り基調だったが、多くの登坂区間があり厳しいステージだった。残り25kmでアタックを仕掛け、そこからフィニッシュまでは終わりがないようにも思えたが、勝利できたことを嬉しく思っている。ツール・ド・コリアで総合優勝しているが、区間優勝はプロとしてこれが初めてなので、本当に嬉しい。もちろん最終日までリーダージャージを守っていきたいが、具体的な作戦はチームでしっかりと考えたい。

NIPPOが仏レインボーと協議しUCIプロチーム存続を目指す

フランスのチーム運営法人レインボープロサイクリングは、NIPPOのチーム運営窓口である大門宏マネージャー兼監督に2020シーズンのUCIプロチームとしての活動をともにする意向を伝え、スポンサーシップの合意に向けての正式な協議を開始したと発表された。

2019シーズンのNIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ

レインボープロサイクリングは2019シーズン、フランス籍のUCIプロコンチネンタルチーム「デルコ・マルセイユプロバンス」を運営。拠点を南フランスのマルセイユに構えている。同チームはアマチュアチームから始まった長いの歴史のなかで、数多くのプロ選手を輩出した伝統を持ち、時代の変化とともに国際レースで活躍するグローバルなチームへと変遷を遂げている先鋭的なチーム。

また、2002年から2004年にはU23の別府史之(現トレック・セガフレード)がフランスアマチュア最高峰・DN1チーム時代に所属していて、チームの主力選手として活躍。近年では2014、2015年に福島晋一が、JOCから推薦されスポーツ指導者海外研修員として2年間、コンチネンタルチーム体制の同チームに派遣されて監督としての仕事を学ぶなど、日本とも関係が深い。

チーム名称をはじめとしたチーム体制の公式発表は、UCIから正式に承認される10月以降。まずは、9月下旬の世界選手権時に発表される来季のレースカレンダーをもとにチームのレーススケジュール、日本人選手を含めた最終的なチームの選手構成(20名から22名を予定)、各公式スポンサーなどに関して協議が重ねられる。

マルコ・カノラがツアー・オブ・ユタ第4ステージ優勝

米国西部に位置するユタ州で8月12日に開幕した7日間のツアー・オブ・ユタ(UCIアメリカツアー2.1)は折り返しを過ぎ、17日に第4ステージが州都のソルトレイクシティで開催され、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネのマルコ・カノラが少人数のスプリントを制して優勝した。

ツアー・オブ・ユタ第4ステージでNIPPOのカノラがステージ優勝

第4ステージは、市街地を駆け巡る10.8kmの周回コースを8周回する86.4kmのステージ。スタート/フィニッシュ地点の先を山頂とする登坂区間が組み込まれ、周回のうちの半分が登り、半分が下りという、毎周回アップダウンを繰り返すノコギリの歯のような特徴的なコース設定だ。平坦区間はほとんどなく、ショートステージながら獲得標高は1300mを超える厳しいものだった。

コースプロフィール

2017年大会も最終日に同じサーキットを使ったステージが組み込まれ、カノラが制していることから、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネはコースと相性のいいカノラを絶対的エースとする作戦でスタートした。

序盤からアタックの攻防が繰り返される展開になり、毎周回あわただしくレースが動いていくが、中盤になるとライバルであるワージープロサイクリングのエース級選手が2名で抜け出しを図り、そこに他チームのエースも合流。16名の非常に危険な逃げが先行し、集団から1分弱のリードを奪った。

総合成績には影響しない動きだったため、リーダーチームに代わり、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネが集団の主導権を取り、総力をかけて先頭16名を猛追。そしてタイム差約25秒、先頭集団の背中がはっきりと見え始めたところで、カノラが数名の選手を引き連れてブリッジを仕掛けた。

1年半ぶりに勝利したマルコ・カノラ

ラスト2周目でカノラは先頭集団に合流し、そのタイミングで先頭集団からアタックがかかり始めた。最終周回へと入り、2選手が先頭集団から抜け出す展開となり、カノラらの追走集団はいったんメイン集団に吸収された。メイン集団でもアタックが頻発し、終盤にはトレーニー(研修生)のフィリッポ・フィオレッリが力強い走りで追走を仕掛けるシーンもあった。

そして残り1kmでカノラの集団は先頭を吸収することに成功。これまでの激しい攻防により、集団はわずか18名に絞られていて、チームメイトの素晴らしい献身的な走りにより、チャンスを得たカノラが残り300mからスプリントを開始して先着。カノラは今大会第1ステージ、ゴールスプリント時に落車し全身を負傷。この日も包帯が残る痛々しい身体だったが、満面の笑みで表彰台の頂点に立った。

チームのエースを担うカノラだが、2017年のジャパンカップを最後に勝利に恵まれず、1年半以上ものあいだ、あと一歩のところで悔しい思いを積み重ねてきた。満身創痍の状態ながらも、勝利への執念でつかんだこの日の勝利をカノラはとても喜んでいて、「これで今までのよくなかった時期を終わりにしたい」とコメント。またチーム全員が全力を尽くして作り上げたレースが勝利につながり、チーム全員にとっても素晴らしい勝利となった。

マルコ・カノラのコメント

3日前の落車のあとは、心身ともにドン底で、まさか今大会で勝つことができるなんて思ってもいなかった。また勝利することができて、この勝ったときの素晴らしい気持ちを取り戻すことができて本当にうれしく思う。危険な逃げを捕まえるためにチームメイトたちは本当に力を尽くしてくれた。彼らに勝利で恩返しすることができてよかった。最後のスプリントでは、気持ちがコントロールできていたので、冷静にスプリントを仕掛ける最善のタイミングをしっかりと見極め、残り300mで開始した。今大会に向けて、非常にいい調子だったが、落車のあとは夜もしっかり眠れないような状態だった。今回の勝利をこれまでのよくない期間を終わらせる転機にしたい。

初山翔のコメント

15時間の時差がある地でのレースというのはかなり稀で高地ということも合わせて、現地入りしてからかなり感触が悪い日々が続いていた。理想を言うならばレースまで2週間ほどの順応期間が欲しいところだが、現地入りして5日間でレースだったのでいたし方のないところだと思う。 それでも日に日に体調もよくなり、今日いい報告をすることができた。

自分たちのチームが勝負できるステージは数多くなく、今日に賭けていたといっても過言ではない。 エースをカノラ一本に絞り、自分たちで集団をコントロールすることにスタート前から決めていた。 想定より人数の多い逃げが決まり、たった3人での追走は困難を極めたが、全力を尽くし、エースはそれに応えてくれた。

自分がチームに貢献できたと自信を持って言えるときのチームの勝利は自身の勝利のように嬉しい。 チームの皆に感謝している。 明日からもレースは続くが今日ように、力を尽くさなくてはいけない場面で全力を尽くせるように、プロチームの一員だということを忘れずに走りたい。

マリオ・マンゾーニ監督のコメント

今日の目標は逃げを捕まえ、カノラで勝つこと。自分たちが勝ちたいと願い、勝つために集団をコントロールし、そして勝った。選手一人一人のコンディションがどうだったかはよくわからないが、とにかく選手全員が最高の仕事をした。カノラは今日のスプリントだけでなく、落車のあと、本当に辛い思いをして、そこからこの勝利をつかんだ。その過程は賞賛に値する素晴らしいもの。このようなレースができたことを幸せに思う。

初山翔が最下位ジャージのマリアネーラを獲得

ジロ・デ・イタリアが6月2日に最終日を迎え、ベローナにて閉幕。NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネは第18ステージで区間優勝、ダミアーノ・チーマがフーガ賞を獲得。唯一の日本人完走選手となった初山翔にも国際的に大きな関心が寄せられ、個人総合成績最下位の証「マリアネーラ」が贈呈された。

初山翔が獲得したマリアネーラは最下位ジャージだが、それと同時に完走の証しだ ©NIPPO-Vini Fantini-Faizane

5月11日にボローニャで開幕した第102回目のジロ・デ・イタリアが、6月2日にベローナにて閉幕した。最終日となる第21ステージは17kmの個人タイムトライアルで、走り終えた選手たちは一人ひとり、ベローナの歴史あるアリーナの中央をパレードする演出がなされ、駆けつけた大勢の観客たちが、3週間におよぶ長いレースを走り切った選手たちへ声援を送った。

最終日のステージでは、個人総合成績で最下位(142位)となりながらも完走を果たした初山に、最下位を象徴する黒いジャージ「マリアネーラ」が贈呈された。現在は非公式の賞ながら、1946年から51年まで実際に存在し、そのユニークさから多くのイタリア人ファンに愛されている伝統的なジャージ。ステージでの演出は第3ステージに単独で逃げ、今大会で大きな注目を集めた初山をねぎらい、改めてスポットライトを当てるものだった。また5ステージで逃げに乗り、逃げた総距離(932km)でトップに立ったチーマはフーガ賞を獲得。ポイント賞ランキングでも3位をマークし、ジロ・デ・イタリア最終日の名誉あるポディウムに立った。

単独アタックを決めてゴールを目指す初山翔 ©Luca Bettini/BettiniPhoto©2019

今回のNIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネはワイルドカード(主催者招待枠)を獲得し、2015、16年に次ぐ3年ぶり3回目の出場となった。UCIのルール改正により1チームあたりの選手数が9名から8名に減ってからは初めての参戦だったが、2人の日本人選手が出場メンバーに選ばれた。

ジロ・デ・イタリア出場選手
初山翔
西村大輝
マルコ・カノラ(イタリア)
フアンホセ・ロバト(スペイン)
イヴァン・サンタロミータ(イタリア)
ニコラ・バジョーリ(イタリア)
ダミアーノ・チーマ(イタリア)
ジョバンニ・ロナルディ(イタリア)
監督 マリオ・マンゾーニ、水谷壮宏、アレッサンドロ・ドナーティ

第1ステージのスタート台に立った西村大輝 ©NIPPO-Vini Fantini-Faizane

西村大輝がまさかの失格で不穏なスタート

大会初日は、ボローニャ中心部から郊外のサンルーカ聖堂へと向かう登坂区間が組み込まれた個人タイムトライアルで、大きな緊張やプレッシャーから西村大輝がスタート直前になり体調を崩してタイムアウトにより失格。誰もが想定しなかった波乱の展開から、チームのジロは始まった。西村はその後順調に回復し、現在トレーニングを積んでいるという。

第2ステージから通常のロードレースが始まり、雨に見舞われたボローニャをあとにし、一行はトスカーナ地方から南下していく。そして初日からチーマが7名の逃げに乗る活躍。初山とチーマに逃げに乗るように指示が出ていたもので、この日はチーマが作戦通りの走りをした。

初山翔が単独アタックを敢行!

翌第3ステージでは、今度は初山がスタート直後のアタックに成功して先行する展開に。通常であれば、他のチームの選手が追随して数名で逃げ集団を形成するところだが、この日はどういうことか、初山のアタックに反応する選手が現れず。また集団もこの動きを容認したために、初山と集団のタイム差が徐々に広がっていった。

第3ステージ翌日のガゼッタ・デロ・スポルト紙で初山翔の走りが大きく紹介された ©NIPPO-Vini Fantini-Faizane

これから始まる3週間のレースのことを考慮しながら一定ペースで走り続けた初山。しかし、単独でのエスケープは144kmにも及び、テレビ中継は3時間以上にわたって初山の姿を映し続けた。そしてレースを終えると、1人で果敢に逃げ続けた初山は一躍注目の存在に。初山が流暢なイタリア語を話すこともあり、ガゼッタデッロスポルト紙をはじめ多くのイタリアのメディアが取り上げ、この日を境に初山のもとには多くのファンが集まるようになった。また初山は第10ステージでも逃げに成功している。

ダミアーノ・チーマが第18ステージで劇的な逃げ切り勝利を挙げた ©Dario Belingheri/BettiniPhoto©2019

チーム最初のトップ10リザルトは雨に見舞われた第5ステージ。危険な集団ゴールスプリントに挑んだプロ1年目、今季アジアで2勝した勢いをもってジロに挑むジョバンニ・ロナルディが区間9位でゴール。その後もスプリントで、第8ステージでマルコ・カノラが区間8位、第10ステージで再びロナルディが区間8位と格上チームを相手に健闘した。

最終日のベローナでフーガ賞の表彰を受けたダミアーノ・チーマ ©NIPPO-Vini Fantini-Faizane

しかし、レースが2週目に入ると、蓄積する疲労や長引く悪天候も影響して、体調を崩す選手が出始め、第13ステージにロナルディ、第16ステージにニコラ・バジョーリが相次いでリタイア。厳しい山岳ステージが続くなか、他のメンバーたちも体力と精神力の限界を超えて走り続ける。

チーマが悲願のジロ・デ・イタリア初勝利

そして、山岳ステージに挟まれた今大会最後の平坦ステージである第18ステージで、再びチーマが3名でエスケープ。多くのワールドチームが集団ゴールスプリントを狙っていたため、その展開が濃厚とみられていたが、レースが後半に差しかかると、詰まり切らないタイム差から逃げ切りの可能性が生まれ始め、先頭の3名はわずかなチャンスにかけて、ハイペースを刻み続けた。残り1km地点通過時、彼らに残されたアドバンテージは15秒ほど。一瞬でもひるんだら加速する大集団に飲み込まれるという状況下で、仕掛けどころを待って一気にラストスパートしたチーマが、僅差で集団を振り切り区間優勝。プロコンチネンタル体制5年目にして、チーム史上最大、夢にまでみた大きな勝利をつかんだ。

この勝利によりチームは再び強く団結。3週目を迎え、疲労の色が多くにじむなか、残りのステージに向けてモチベーションが高まる瞬間でもあった。そして第19ステージではイヴァン・サンタロミータとともに逃げに乗ったカノラが終盤にアタックを仕掛けて一時単独で先行するシーンも。フィニッシュが近づき、強豪選手たちに交わされたが、果敢に食らいつき区間7位の好成績でフィニッシュした。

最後の難関山岳ステージとなった第20ステージ。日本からも熱心なファンが応援に駆けつけた ©NIPPO-Vini Fantini-Faizane

チーム全員で協力しながら最後の難関山岳となる第20ステージも走破。初山を含む5選手が最終ゴール地点となるベローナのアリーナへと到達した。最後の個人タイムトライアルを走り終えると、スポンサーや関係者も集まり、この大会の成功を祝してチーム全員で乾杯。チームにとって素晴らしい結果を残し、また大きな達成感を得てのグランフィナーレを迎えることができた。

「3週間の長丁場、日本からも多くのご声援をいただきました。温かい応援が厳しいレースと向き合う選手たちの背中を押してくれました。日頃からサポートしていただいているスポンサーやファンに改めて、チーム一同、大きな感謝の意を伝えたいと思います」とチーム。

最終ステージを終えて、選手、監督、スタッフ、スポンサーで記念撮影 ©NIPPO-Vini Fantini-Faizane

初山翔のコメント

この3週間、これだけの長期間にわたってつらい思いをしたのは初めての経験。とはいえ、3週間を耐えきり、大きく体調を崩すこともなく走りきることができたことに自分でもびっくりしている。とくにローベレをスタートした第16ステージはきつかった。本当にリタイヤしたかった。監督から「リタイヤするか?」って聞かれたら「はい」って言っていたと思う。やめればラクになるけれど、その分、後味の悪さも残ると思った。スタートする前から「完走が目的じゃない」と言ってきたが、走り続けていると自分の完走を本気で応援したり、祈ったりしてくれる人がたくさんいた。それを裏切ってしまうことはできないと思った。新城選手や別府選手のように世界的に有名ではない自分のことを、ジロという大舞台で、HATSUYAMAコールが起こるくらいに応援してくれるというのは、言葉では言い表すことができない感情だった。

日本のファンやスポンサーの皆様には、まずは3週間、時差があるなか、応援いただいたことに感謝している。ワールドツアーとプロコンチネンタルの選手は合わせて世界で1000人しかいない。そこからチームがワイルドカード枠で出場権を得て、さらにチームからジロ・デ・イタリアのメンバーに選ばれた。出場できたことだけでもすごいと思っているが、それを真剣に応援してくれた人たちに対して、ありがたいという気持ちでいっぱいだ。

水谷壮宏監督のコメント

監督として初参戦した2019年のジロ・デ・イタリア。チームの目標を区間優勝とチームの存在感をアピールすることとし、スタート。 初日からチームとして厳しい条件下に追い込まれたが、それを跳ね返すかのように素晴らしい走りを見せた初山の逃げ、そしてチーマの劇的な区間優勝と立派に目標を達成した素晴らしいジロとなった。

私も監督として多く学ぶことがあり、この21ステージでの出来事は貴重な経験となった。特に3週間と言う長丁場でのレースは前半と後半では集団の動きが大きく走りが変わり、レース展開や作戦も違うことには興味を持った。そしてチーマの劇的な逃げ切りは特に、自転車レースはゴールするまで何があるかわからないことと、諦めない気持ちを持って走ることがいかに大事かを再認識した瞬間だった。

あと初山は今回のジロをただ完走しただけではなく、自らアタックし、挑戦した140kmの独走劇のおかげでイタリア全土、いや世界的に一躍注目される選手となった。この逃げで掴んだファンの心が彼への声援と変わり、毎ステージ勇気付られたはず。全21ステージ完走した彼の身体は一回り絞られ、また一段と風格ある選手に代わっていたことが大変に嬉しかった。

NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネは、総合優勝争いには加われなかったが、毎ステージ誰かが逃げに乗って活躍する走りが出来たことも素晴らしかった。このグランツールで活躍することは偉大であり、今回このような環境で走らせてもらっている大門マネージャーや日本のメインスポンサーであるNIPPOの方々、またすべてのスポンサーの方々のおかげであり感謝の気持ちで一杯。この素晴らしい体制があることを、今の日本自転車競技界の皆様に多く知っていただきたい。そしてこのチームへの加入が本場ヨーロッパで走りたいと願う選手たちの憧れになることを願っている。私自身、アマチュアからワールドツアーまでの道が繋がっている限り、選手育成に協力し、日本自転車競技界全体が盛り上がるように努力したい。

最後に、今回のジロで一番印象に残ったことは、チーマが勝ったステージで補給が終了するラスト15キロ直前で、チーマに最後のボトルとジェルを渡し「ALLEZ CIMA! FULL GAS!!」と言い渡して離れたことでしょうか。

大門宏マネージャーのコメント

ワイルドカード枠で参加したチームの中で、最も存在感を発揮できたという意味では、主催者からの期待に応えられ、チームに関わった多くの方々にとって、今後を占う意味でも大変関心深いグランツールだった。 ファルネーゼ社と共にメインスポンサーの一角を担うNIPPOとしては、将来を見据えて日本人監督をはじめ日本人スタッフに経験を積ませることも、選手を派遣すること以上に重要なミッションだったが、期待以上の成果は得られたと確信している。

チームの運営予算が我々と比べて10倍前後あるワールドチームを相手に、良くぞココまで善戦したと思う。 西村選手の初日の失格に関しては、日本のロードレースファンの方々にも多くの心配を掛けたが、西村選手は今年に入って最も成長を遂げていたメンバーの1人。今後のレースで必ず期待に応えてくれると考えてるので特に心配はしていない。 本人には「人生は長く、生きてれば『穴が有ったら入りたい』と思う恥ずかしい経験は誰もがしてること。人間なら誰でも2度と振り返りたくない大失敗は付き物。ただしお前のケースは国際放送…大物の証だ!」と慰めたことが今となっては遠い昔の出来事だったように感じる。応援しがいのある素晴らしいキャラクターでもあるので、国際レベルでの活躍が期待される若手日本人選手の1人として、引き続き温かく見守ってほしい。

一方の初山選手は、連日大きな注目を浴びて本人が最も戸惑っていたと思うが、欲を言えばもう数回グランツールを走るような選手に成長してほしいと思っている。 グランツールを初めて走った選手にとって、周囲から色々と実感を探るのは無理があると思っている。 特に実際グランツールを経験している日本人選手が稀な国内だとなおさらだ。 もちろん僕自身だってグランツールは未体験ゾーンで、経験した選手との交友が多い指導者の1人に過ぎない。

5年後に2人に再開できるチャンスに恵まれれば、2019年のジロ・デ・イタリアへの参加以降、どのような選手人生を辿ったかを是非聞いてみたい。 そこで初めてグランツールを走った意味について、遠慮なく語り合えると思っている。 特に西村選手に関しては、初日の出来事が笑い話になるような立派な選手に成長してくれていることを心から願っている。

今後のレーススケジュール(予定)
6月7日〜9日   Hammer Limburg(オランダ、UCIヨーロッパツアー2.1)
6月9日    Gran Premio Città di Lugano (スイス、UCIヨーロッパツアー1.1)
6月13日  Grosser Preis des Kantons Aargau(スイス、UCIヨーロッパツアー1.HC)
6月12日〜16日    Tour de Korea(韓国、UCIアジアツアー2.1)

今はなき祖父や友人に感謝…ジロ・デ・イタリア金星のチーマ

ジロ・デ・イタリア第18ステージが5月30日に222kmで開催され、序盤から3名で逃げたNIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネのダミアーノ・チーマ(イタリア)が迫り来る大集団を僅差でかわし、区間優勝。チームにとって悲願のジロ初勝利を挙げた。

ジロ・デ・イタリア初勝利を祝して乾杯 ©NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ

5月30日に開催されたジロ・デ・イタリア第18ステージは、オーストリア国境にも近いイタリア北部の山岳部バルダオーラからベネツィア近郊の サンタマリアディサーラ までの222kmのステージで、残り2つの山岳ステージと最終日の個人タイムトライアルを残して、今大会最後のスプリントステージとして位置づけられていた。

NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネは、初日に西村大輝、第13ステージにジョバンニ・ロナルディ、第16ステージにニコラ・バジョーリがリタイアし、第17ステージより5選手で出走している。また3週目に入り、初山翔らすべての選手に疲労が色濃く残るなか、第18ステージは最後の見せ場を作るステージになりうるため、チームで力を振り絞り、逃げにチーマを送り込むこと、また集団ゴールスプリントとなれば、フアンホセ・ロバトをエースにする作戦でスタートした。

スタート後、下り基調となった約50km地点でミルコ・マエストリ(イタリア、バルディアーニCSF)、ニコ・デンツ(ドイツ、AG2Rラモンディアル)とともに、チーマが逃げに乗り先行を開始。チーマは今大会、第2、第4、第8、第11ステージに続けて、5回目のエスケープに成功。先頭3名は127km地点で4分54秒、残り50km地点で3分のタイム差をマークした。

その後、集団ゴールスプリントの展開を狙うスプリンターチームが集団を猛烈に牽引するが、3名は逃げ切り優勝のわずかなチャンスに賭けて、協調しながらハイスピードで先頭交代を繰り返し、残り10km地点で1分8秒のアドバンテージを保った。

ゴールを目指すチーマ、ニコ・デンツ、ミルコ・マエストリ ©Fabio Ferrari – LaPresse

残り2kmで22秒、残り1kmで15秒。スプリンターたちにとっても最後の区間優勝のチャンスとなるステージだ。格上のワールドチームが猛追を図り、フィニッシュラインが近づくほどに、当然のようにタイム差は減っていくが、逃げている3選手も選手人生に何度あるかわからない絶好の逃げ切り優勝のチャンスを手中にあきらめるわけにはいかない。手に汗を握る逃げと集団の攻防となり、最後は後ろを振り返らずにスプリントにすべての力を託したチーマが集団からのごくわずかなリードを守りきり、172kmのエスケープ、今大会累計1000kmに及ぶエスケープの末に、キャリア最大となるジロでの区間優勝をつかみ取った。

チーマは成し遂げた大金星といえる勝利に、絶叫のなかチームメートやスタッフ、駆けつけたチームスポンサーと涙で抱き合った。そして表彰台に立ち、震える手でシャンパンファイト。若きイタリア人選手のあまりにも美しい勝利に、多くのファンから温かい祝福が寄せられ、プロコンチネンタル体制5年目を迎えたNIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネとしても待ちに待った最高の瞬間となった。

チーマはこの日の結果を受けて、フーガ賞(逃げの累計距離)、中間スプリント賞(中間スプリントポイントの累計)でトップに浮上。また総合敢闘賞でも2位につける。第19、第20ステージと最後の厳しい山岳ステージが続くが、チーム一丸となり乗り越え、最終ゴール地点であるベローナを目指す。

ダミアーノ・チーマが間一髪で逃げ切った ©Fabio Ferrari – LaPresse
ジロ・デ・イタリア初勝利を挙げt、チームメートから祝福を受ける ©NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ
ダミアーノ・チーマのコメント
逃げに乗って、チームとして目立つ走りをすることも自分に与えられた役割の一つだった。今日のステージではポイント賞争いもあり、逃げ切ることは簡単なことではないとわかっていたが、それでも逃げている最中から区間優勝のチャンスがあることをわかっていた。ラスト1kmを切ってからは最後の勝負が決まる残り350mのことを考え、集中して、冷静に走った。逃げていた3選手で同じ目的のもと、最後の最後まで協調できたのも大きな勝因。この勝利を本当にうれしく思っている。自分を信じてくれたチーム、監督、そして多くの犠牲を払ってくれた家族や親しい人たち、そして今はなき祖父や友人に感謝している。
ダミアーノ・チーマ
ダミアーノ・チーマ略歴
1993年、イタリア・ブレシア生まれ。
2018年にNIPPOヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニにて、弟のイメリオとともにプロデビュー。
プロ通算4勝(2018年ツアー・オブ・シンタイ/中国 第1ステージ区間優勝、個人総合優勝 2018年ツアー・オブ・チャイナ1 第6ステージ区間優勝 2019年ジロ・デ・イタリア 第18ステージ区間優勝)
初山翔

初山翔のコメント
チーマの勝利は「すごかった」の一言。ただただ信じられなかった。この勝利で、自分もチームもモチベーションが高まっている。山岳ステージがあと二つ。脚の状態は全くよくなく、どこまで走れるかわからないなかで毎日走っている。ここまで来れたからには一日一日、頑張って走り、ゴールをめざしたい。

水谷壮宏監督

水谷壮宏監督のコメント
最後まで諦めないで勝利をめざすことがどれだけ大事かということを改めて実感したステージだった。通常、展開を考えて走るわけだが、最初の1週目は逃げても最後は必ず捕まるという展開で、スプリンターチームが支配していた。しかし、3週目になり、みんな疲れてきた。スプリンターチームも脚が揃っているとはいえ疲れている。総合を狙う選手はまだ脚があるが、ワールドチームであっても他のメンバーは自分たち同様に疲れていた。そのなかでチャンスが生まれた。また昨日はポイント賞争いのため、集団牽引にグルパマFDJが積極的でなかったこともチームにとって有利に働いた。
3人の逃げ。前半はタイムを見ながら一定ペースで走り、最後は捕まるような走りではあったけど、後半、残り50kmを過ぎて逃げ切りの可能性が出てくると、スイッチが入り選手たちの形相がまったく違ってきた。ボトル1本を取りに戻る手間、タイムロスを惜しんでみんな全力でローテーションしていた。そのなかでチーマはうまく力配分をして、最後までつなげた。本当に素晴らしい走りだったと思う。
このチームは、ゼネラルマネジャーのペロージや大門さんたちが苦労して作り上げたもの。今回の勝利は彼らのハードワークの成果であり、チームみんなで喜んでいる姿が見えてよかった。残りの山岳ステージは2つ。一番つらいのはチーマであり、第19ステージの最初の坂で遅れても仕方ない。昨日は今日の脚のことはまったく考えない走りだった。特に第20ステージになるが、初山も、カノラも、ロバトもみんなきついと思うが、ここまできたからには耐えてほしいと思う。

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)リカルド・カラパス(エクアドル、モビスター)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
マリアアッズーラ(山岳賞)ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)
□マリアビアンカ(新人賞)ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)

🇮🇹ジロ・デ・イタリア特集ページへ
🇮🇹第102回ジロ・デ・イタリア出場176選手リスト
🇮🇹第102回ジロ・デ・イタリアの関連ニュース

NIPPOのチーマが間一髪で逃げ切りV【ジロ・デ・イタリア第18S】

第102回ジロ・デ・イタリアは5月30日、バルダオーラ〜サンタマリアディサーラ間の222kmで第18ステージが行われ、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネのダミアーノ・チーマ(イタリア)が追撃集団から間一髪で逃げ切り、初出場の大会で初優勝を果たした。

ダミアーノ・チーマが間一髪で逃げ切った ©Fabio Ferrari – LaPresse

同チームはイタリア登録ながら日本の道路舗装会社がメインスポンサーで、今大会で指揮を執る水谷壮宏監督をはじめ、日本人スタッフや初山翔ら日本選手が多く所属している。チーマは序盤から飛び出した第1集団の1人。その後、AG2Rラモンディアルのニコ・デンツ(ドイツ) 、 バルディアーニCSFのミルコ・マエストリ(イタリア)の3選手となりゴールを目指した。

他の2選手はゴール直前で追走集団に捕まったが、最後まで無駄なスパートをしなかったチーマだけが生き残って先着した。

「このジロ・デ・イタリアでは逃げ続けて相当の体力を消耗していたが、優勝できるなんてクレージーで、とても信じられない。人生の夢だったんだ」と大喜びのチーマ。

ジロ・デ・イタリア第18ステージ ©Fabio Ferrari – LaPresse

首位リカルド・カラパス(エクアドル、モビスター)ら総合優勝争いの上位選手は同タイムでゴール。カラパスがマリアローザを守り、大会はいよいよ2つの山岳区間と個人タイムトライアルを残すのみになった。

総合2位、バーレーン・メリダのビンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)とは1分54秒差、同3位で最終日の個人タイムトライアルに強いプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)とは2分16秒差。

「マリアローザを獲得する前にボクはピンク色のフレームをオーダーしていて、それが前日の誕生日に到着した。残りは3日間だけど、自信はある。最善の方法でいい結果を手中にしたい。母国が熱狂している。みんなのために最後まで走り続けたい」とカラパス。

ゴールを目指すチーマ、ニコ・デンツ、ミルコ・マエストリ ©Fabio Ferrari – LaPresse
ジロ・デ・イタリア第18ステージ ©Fabio Ferrari – LaPresse
チーマがジロ・デ・イタリア第18ステージで初優勝 ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)リカルド・カラパス(エクアドル、モビスター)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
マリアアッズーラ(山岳賞)ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)
□マリアビアンカ(新人賞)ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)

🇮🇹ジロ・デ・イタリア特集ページへ
🇮🇹第102回ジロ・デ・イタリア出場176選手リスト
🇮🇹第102回ジロ・デ・イタリアの関連ニュース