広大な自然が残る欧米に比べて日本のグラベルは課題が山積

グラベルとは砂利道のことで、自転車文化の原点を思い起こす自転車の新しい遊び方だ。ところが広大な土地が広がる米国や欧州とは異なり、日本のサイクリストにとっては、活動の場をどう確保するかが大きな課題。日本の場合、未舗装路といえば農道や林道がほとんどで、多くの場合地域との調整が必要。気軽に楽しめる環境が整っていない現状だ。

2024年12月に開催された試走会

富士グラベルが5月18日に初開催

日本のシンボルである富士山の南麓では林業が盛んで、多くの林道が存在している。中には、自由に走行できる路線や、許可申請手続きが必要な路線、ゲートが閉まっている路線など、扱いはさまざまだが、関東圏からも関西圏からも日帰りでアクセスでき、グラベル走行に最適なフィールドが整っているという。

富士グラベル supported by Panaracer

林道の管理者である富士市の後援のもと、この富士山南麓で26kmのショートコースと66kmのロングコースを構成し、2025年5月18日(日)に「富士グラベル supported by Panaracer」が開催されることになった。会場は家族連れに大人気な「富士山こどもの国」で、出店イベントや地域団体、事業者との連携を図り、家族で楽しめるコンテンツを組み合わせる予定だという。

5月といえば新茶の季節で、コース上のエイドステーションで地域のおいしいお茶や食材を参加者に提供する。「グラベル」の楽しさに触れる本格的なイベントであり、初心者でも参加しやすいイベントとして間口を広げることが「富士グラベル」の趣旨だという。

富士グラベル supported by Panaracer
日程:5月18日(日)
会場:富士山こどもの国
主催:株式会社テラインコグニタ
共催:TRYCLE合同会社
協賛:パナレーサー株式会社
後援:富士市(予定)

●富士グラベルのホームページ

林道の管理者である富士市が後援して岩倉地区で試走会を実施

チャプター2のグラベルロードに世界65台限定アーティストデザイン

ニュージーランドのバイクブランド、CHAPTER2のレーシンググラベルバイクKAHA(カハ)に、アーティストコラボレーションとしてTJ Eisenhart(テイラーJアイゼンハート)がデザインしたカラーが登場した。フレームセット46万4000円。

TJ Eisenhartは、BMCレーシングチームでジャパンカップに出走した経歴もある選手。当時からファンキーなパフォーマンスで多くのファンを抱えていたが、レースシーンで活躍した後、アーティストとしても活躍の場を広げている。 

The IMAGINARY x Chapter2 KAHAは、世界でわずか65本のみの限定版フレーム。取り扱いはメニーズ。

グラベル欧州選手権開催…マスターはレース中の事故死で中止に

2024ヨーロッパグラベル選手権が10月13日、イタリアのアシアゴで開催され、女子はスイスのシーナ・フライ、男子はチェコのマルティン・ストシェクが優勝した。

グラベル欧州選手権 ©TTommaso Pelagalli/SprintCyclingAgency©2024

経験豊富なフライは序盤からレースを支配し、最終ラップとなる2周目にアタックしてフィニッシュラインまで単独で逃げ切り、イタリアのシルビア・ペルシコとアリスマリア・アルズッフィを1分26秒差でフィニッシュした。

イタリアのアシアゴで行われたグラベル欧州選手権 ©Tommaso Pelagalli/SprintCyclingAgency©2024
スイスのシーナ・フライがグラベル欧州選手権の女王に ©Tommaso Pelagalli/SprintCyclingAgency©2024

男子レースではストシェクが最終ラップでトップグループから抜け出して差をつけた。ストシェクから3分44秒遅れで英国のトビー・ペリー、4分19秒遅れでベルギーのイェンノ・ベルクモースがフィニッシュラインを通過し、表彰台を獲得した。

グラベルでは極太タイヤを装着する ©TTommaso Pelagalli/SprintCyclingAgency©2024
グラベル欧州選手権を制したマルティン・ストシェク ©Tommaso Pelagalli/SprintCyclingAgency©2024

マスター65-69カテゴリーではイタリアのシルバーノ・ジェーンズがレース中の事故で死亡。マスターレースは途中で中止された。

未舗装のグラベルを走るレース ©Tommaso Pelagalli/SprintCyclingAgency©2024

グラベルでもフィットネスできるトレックのカーボンバイク

トレック・ジャパンは、フルモデルチェンジを果たしたカーボンフィットネスバイク、新型FX Sport(エフエックス スポーツ)を発売する。

FX Sport(ブラック)

新たなFX Sportは、フレームやフォークの設計が一新され、ワイヤはセミ内装式でスマートなルックスに生まれ変わった。フロントシングル、ワイドタイヤ化、キックスタンド対応など、利用者が求めるスペックを数多く詰め込んでいる。

FX Sport(グリーン)

落ち着いたブラック、ブルー、グリーンのカラーラインナップは、周囲を魅了するくらい高級感があふれる仕上がり。

高い制動力でグラベルでもフィットネスできる
FX Sport(ブルー)

■ラインナップ
FX Sport 4:20万2400円(税込)
FX Sport 5:24万3100円(税込)

FX Sport(ブルー)

●トレックの詳細ページ

スペシャライズドから世界最軽量のグラベルバイクCrux

スペシャライズドが世界最軽量のグラベルバイクとして新しいCruxを発売した。無駄をそぎ落としたミニマルなデザインと走破性、反応性、信頼性を兼ね備えた至高のライドフィーリング。広いタイヤクリアランスとパフォーマンスに優れたグラベルジオメトリーを採用し、世界最軽量のグラベルバイクとしてフルモデルチェンジ。 S-Worksのフレームセットはわずか725g。

同じグラベルバイクでアドベンチャー向けのDivergeと比べ、 Cruxはよりパフォーマンスとスピードを追求

最大で47cのタイヤを飲み込むクリアランスや専用のグラベルジオメトリーを採用し、軽さだけではなく、走破性、反応性、信頼性を兼ね備えた至高のライドフィーリングを実現した。軽量化のためAethosの開発で培われた技術革新を活用。切れ目のないカーボン層をなるべく長いままあるべき位置に配置することで、剛性を補強するレイヤーの軽減に成功。

700x47c 650bx2.1インチのタイヤに対応

高い走破性

Divergeと同じ700x47c/650bx2.1インチのタイヤに対応したクリアランスがもたらす、路面を問わない走破性がある。Divergeと異なるのはストレートデザインのチェーンステーを採用していない点。また、一部のフレームがタイヤクリアランスを稼ぐために使用する、下方へ湾曲させたドロップドデザインも、壊れやさを理由の一つに採用していない。一方すでに定番となりつつあるグラベル用1xはもとより2xクランクセットの取り付けが可能。

Aethosで培われた軽量化の技術革新を利用

軽量性と走破性の最適解
軽量性と走破性の最適解 今回スペシャライズドが軽量性と走破性のバランスを測る指標として、新たに提案するのがクリアランスウェイトレシオ(略称:CTW)。Cruxの2つのフレームは軽量性と走破性の最適なバランスを実現。

Rider-­First Engineed(TM)すべてのフレームサイズで同じ剛性と乗り心地を実現

高い反応性を実現したジオメトリー 
パフォーマンスグラベルジオメトリーは、バイクとライダーを一つにして高い安心感をもたらしながら、機敏なハンドリング性を実現。長くなったリーチは前後の重量配分に優れ、すばやいハンドリング性能を実現。72mmのハンガー下がりで機敏さと安定性を両立。パフォーマンスを最優先し低めのスタックハイトとなっている。

CRUX PRO。94万6000円(税込)

不要なものをすべて削ぎ落としたシンプルな装備
シンプルなドロップアウト、スルーアクスル、シートポストクランプ、ディレーラーハンガーなどのスモールパーツは、必要に応じてAethosと同じものを採用。高性能で必要最小限のデザインを達成する一方で、27.2mm径のシートポストやねじ切りのボトムブラケットなど、信頼性の確保に欠かせない、将来的なカスタムに便利なパーツは犠牲にすることなく組み合わせている。

CRUX COMP。49万5000円(税込)

フラットバーグラベルはサスなしMTBとはまた違う

LOUIS GARNEAU(ルイガノ)日本総販売代理権を持つあさひが、2021年3月下旬より「SETTER ADVANCED=セッターアドバンス」の販売を開始する。グラベルライドもこなせるポテンシャルを秘めたバイクをストリートというフィールドで乗りこなせるもの。11万円(税別)。

セッターアドバンス

半歩先を行く製品コンセプトと感度の高いデザインを特徴とするルイガノのアドバンスシリーズから「SETTER ADVANCED」がリリースされる。細身のクロモリ製フレームに組み合せたボリュームあるカーボンフォークとのアンバランスさが生み出す造形美が目を引く。

チェーントラブルの少ないナローワイドチェーンリング。クランクアームにはブランドロゴが刻印されている

メインコンポーネントはシマノ製デオーレの10スピードを採用。キレのいい確実なシフトチェンジが行える。足回りは軽いタッチで制操作できるTEKTRO製の油圧式ディスクブレーキを装備。さらに近年スタンダードになりつつあるスルーアクスルを組み合わせることで常に安定したブレーキングが可能。

メインコンポーネントはSHIMANO製MTBミドルグレードのDEORE。確なシフト操作が可能

タイヤは軽快な走行感にオフロードでの扱いやすさをプラスしたKENDA製KOMMANDOをアッセンブル。アスファルトから荒れた路面まで走破できるので、これ一台で幅広いフィールドを遊び尽くすことができる。

TEKTRO製の油圧式ディスクブレーキを採用。スルーアクスルを組み合わせることで安定した制動力を発揮

●ルイガノのホームページ