女子のツール・ド・フランスファムは最果てからアルプスに一直線

2025年に開催される女子ロードレースのツール・ド・フランスファムが、10月29日にパリの国際会議場で男子のツール・ド・フランスに先駆けて発表された。レースは7月26日から8月3日までの全9ステージ。ツール・ド・フランスは7月5日から27日までなので、開催日が2日間重なる。

2025ツール・ド・フランスファムのコース

レースは2024年の8ステージから9ステージにボリュームアップ。男子レースはフランス全土を一周するが、女子は一直線に国土を貫通する。北西部のブルターニュ地方で開幕。第2ステージでは「地の果て」という意味のフィニステール県ブレストを訪れ、ここから東に向かって進む。レース後半は中央山塊、そしてアルプス山脈での戦いとなる。

カタジナ・ニエウィアドマがラルプデュエズを上る ©A.S.O. Thomas Maheux

2025ツール・ド・フランスファムのコース

7月26日(土) 第1ステージ バンヌ〜プリュムレック 79km★
7月27日(日) 第2ステージ ブレスト〜カンペール 110km
7月28日(月 第3ステージ ラガシリー〜アンジェ 162km
7月29日(火) 第4ステージ ソミュール〜ポワティエ 128km
7月30日(水) 第5ステージ ジョネマリニーフチュロスコープ〜ゲレ 166km★★
7月31日(木) 第6ステージ クレルモンフェラン〜アンベール 124km★★★
8月1日(金) 第7ステージ ブールガンブレス〜シャンベリー 160km★
8月2日(土) 第8ステージ シャンベリー〜サンフランソワロンシャン・マドレーヌ峠 112km★★★
8月3日(日) 第9ステージ プラシュラルリー〜シャテル 124km★★★
★は難易度

ツール・ド・フランスファムのディレクター、マリオン・ルス(中央)がコースとなる自治体関係者と記念撮影 ©A.S.O. Maxime Delobel
2025ツール・ド・フランスのコースプレゼンテーション ©A.S.O. Etienne Coudret

【ツール・ド・フランスファム】ニエウィアドマがわずか4秒差で総合優勝

キャニオン・スラムレーシングのカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド)がツール・ド・フランスファム(8月12日〜18日)で総合優勝した。

総合優勝のニエウィアドマ。左が2位フォレリング、右が3位ロイジャッカーズ ©A.S.O. Thomas Maheux

最終日の第8ステージで1分15秒遅れの総合8位デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム)が逆転を狙って逃げ、区間勝利のボーナスタイム10秒も獲得。ニエウィアドマは1分01秒遅れの区間4位でゴールし、わずか4秒差で逃げ切った。

デミ・フォレリングが最終日に逆転を狙った ©A.S.O. Thomas Maheux
パック・ピーテルスは総合11位、新人賞1位 ©A.S.O. Thomas Maheux
グランドン峠を上るエビタ・ミュジック。フランス勢最上位の総合4位に食い込んだ ©A.S.O. Thomas Maheux
デミ・フォレリング。パウリナ・ロイジャッカーズ(左)は区間2位になり、総合3位でフィニッシュ ©A.S.O. Thomas Maheux
カタジナ・ニエウィアドマがラルプデュエズを上る ©A.S.O. Thomas Maheux

【ツール・ド・フランスファム第7S】山岳賞ゲキエレが独走勝利

ツール・ド・フランスファムは8月17日、カンパニョール〜ルグランボルナン間の166.4kmで第7ステージが行われ、前日に山岳賞ジャージを獲得したAGインシュランス・スーダルのジュスティーヌ・ゲキエレ(ベルギー)が独走で優勝した。

ステージ優勝と山岳賞のジュスティーヌ・ゲキエレ ©A.S.O. Thomas Maheux

総合成績では第5ステージで首位に立ったキャニオン・スラムレーシングのカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド)がその座を守った。

2024ツール・ド・フランスファム第7ステージ ©A.S.O. Charly Lopez
マイヨジョーヌのカタジナ・ニエウィアドマ(先頭) ©A.S.O. Charly Lopez
2024ツール・ド・フランスファム第7ステージ ©A.S.O. Charly Lopez
ジュスティーヌ・ゲキエレが独走 ©A.S.O. Thomas Maheux
カタジナ・ニエウィアドマ。2024ツール・ド・フランスファム第7ステージ ©A.S.O. Charly Lopez
2024ツール・ド・フランスファム第7ステージ ©A.S.O. Charly Lopez
ポイント賞のマリアンヌ・フォス。第7ステージ ©A.S.O. Charly Lopez

【ツール・ド・フランスファム第6S】ケルバオルV…首位はニエウィアドマ堅持

ツール・ド・フランスファムは8月16日、レミルモン〜モルトー間の159.2kmで第6ステージが行われ、地元フランスのセドリーヌ・ケルバオル(セラティツィットWNT)が優勝した。

2024ツール・ド・フランスファム第6ステージ ©A.S.O. Thomas Maheux

総合成績では前日に首位に立ったキャニオン・スラムレーシングのカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド)がその座を守った。

セドリーヌ・ケルバオル(セラティツィットWNT)が第6ステージ優勝 ©A.S.O. Thomas Maheux
セリア・ルメル(左)がセドリーヌ・ケルバオルを祝福 ©A.S.O. Thomas Maheux
2024ツール・ド・フランスファム第6ステージ ©A.S.O. Thomas Maheux
2024ツール・ド・フランスファム第6ステージ ©A.S.O. Thomas Maheux
マイヨジョーヌのカタジナ・ニエウィアドマ ©A.S.O. Charly Lopez
2024ツール・ド・フランスファム第6ステージ ©A.S.O. Charly Lopez

【ツール・ド・フランスファム第5S】フォレリングがまさかの落車で首位陥落

ツール・ド・フランスファムは8月15日、ベルギーのバストーニュからフランスのアムネビルまでの152.5kmで第5ステージが行われ、首位デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム)が残り6km地点で落車に巻き込まれた。1分47秒遅れの50位でゴールするのがやっとで、総合成績で1分19秒遅れの9位に陥落した。

マイヨジョーヌのフォレリングをライバルチームのキャニオン・スラムが取り囲む ©A.S.O. Charly Lopez

SDワークス・プロタイムのチームメートで、ハンガリーチャンピオンのカタブランカ・バシュが、キャニオン・スラムレーシングのカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド)とのゴール勝負を制して初優勝。バシュは4月のラ・ブエルタフェメニーナでも首位に一時首位に立った注目の若手選手。東京五輪でMTBで4位、パリ五輪ではロードレース4位、MTBで10位。

総合成績では前日まで34秒遅れの総合3位につけていたニエウィアドマが首位に立った。

2024ツール・ド・フランスファム第5ステージ ©A.S.O. Charly Lopez

メダルを逃したパリ五輪と同じミスはしたくなかった(バシュ)

「無線が機能していなかったので、後ろでなにが起こっているのか分からなかった。デミがクラッシュしてマイヨジョーヌを失ったので残念で、今は複雑な気持ち」とバシュ。

「4位でメダルを逃したパリ五輪と同じミスをしたくなかった。とても苦しんだが、小さなグループにいれば勝てるかもしれないと分かっていた。五輪では先頭でレースしていたので、とても自信が持てた。だから今は調子がよければ勝てると思う」

2024ツール・ド・フランスファム第5ステージ ©A.S.O. Charly Lopez

とにかく前方にいることが重要だった(ニエウィアドマ)

「今日のステージは全体的にとてもカオスだった。これまでのステージはすべてとても慌ただしかったので、とにかく前にいなければならないと分かっていた」というニエウィアドマ。

「最初のステージでクラッシュに巻き込まれたので、事故やカオス、クラッシュを避けるためにとにかく前にいることを心がけた。だから、いいポジショニングと周りにチームメイトがいたおかげで首位に立てたのだと思う」

2024ツール・ド・フランスファム第5ステージ ©A.S.O. Thomas Maheux
2024ツール・ド・フランスファム第5ステージ ©A.S.O. Thomas Maheux
山岳賞のパック・ピーテルス ©A.S.O. Thomas Maheux
2024ツール・ド・フランスファム第5ステージで首位を譲り渡したフォレリング ©A.S.O. Charly Lopez

【ツール・ド・フランスファム第4S】パリ五輪MTBでメダルを逃したピーテルス優勝

ツール・ド・フランスファムは8月14日、オランダのファルケンブルクからベルギーのリエージュまでの122.7kmで第4ステージが行われ、フェニックス・ドゥクーニンクのパック・ピーテルス(オランダ)が首位デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム)をゴール勝負で制して優勝。

2024ツール・ド・フランスファム第4ステージを制し、山岳賞でも1位になったパック・ピーテルス ©A.S.O. Charly Lopez

ピーテルスはMTBやシクロクロスの強豪選手で、2024パリ五輪ではMTBクロスカントリーオリンピックで4位。わずかにメダルに届かなかった。

2024ツール・ド・フランスファム第4ステージ ©A.S.O. Charly Lopez

「デミ(フォレリング)を相手にスプリントで勝てたのは本当に夢が叶ったようなもの。彼女が総合優勝を狙っているのは知っていたし、私はステージ勝利のためにここにいるだけだから、元気なうちにポーカーフェイスを保ってスプリントで勝つようにした」とピーテルス。

カタジナ・ニエウィアドマ(左)とパウリナ・ロイジャッカーズ ©A.S.O. Thomas Maheux

「勝てて本当にうれしい。このために生きているんだ。パリ五輪に向けてたくさん練習してきたから、このレースでもかなり走れる脚力がある」

2024ツール・ド・フランスファム第4ステージ ©A.S.O. Charly Lopez
2024ツール・ド・フランスファム第4ステージ ©A.S.O. Charly Lopez
2024ツール・ド・フランスファム第4ステージ ©A.S.O. Charly Lopez