フォレリングが最終ステージ独走でラ・ブエルタフェメニーナ初優勝

スペインを舞台とした8日間のステージレース、ラ・ブエルタフェメニーナは最終日となる5月5日、ディストリト・テレフォニカ〜ヴァルデスキ/コミュニダード・デ・マドリード間の89.5kmで第8ステージが行われ、総合1位のデミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム)が独走勝利。初の総合優勝を獲得した。

独走のフォレリングが最後は自転車を掲げてフィニッシュ ©Unipublic SprintCyclingAgency

2023年大会で逆転負けで9秒差の総合2位に終わったフォレリングは、ピレネー山脈にゴールする第5ステージで独走勝利して一躍首位に。第6ステージでライバルとの差を開くと、最終日の第8ステージで再び独走勝利した。

総合優勝のマイヨロホを獲得しただけでなく、最終日に山岳賞ジャージも奪取。第8ステージでビスマ・リースアバイクのリージャンヌ・マルクス(オランダ)がリドル・トレックのエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア)を逆転して総合2位。ロンゴボルギーニは3位。

ラ・ブエルタフェメニーナ最終日は首都マドリードへ ©Unipublic Alex Berasategi

最終ステージも有利になるようにアタックする必要があった

「チームは一日中いい仕事をしてくれた。このような厳しい山岳ステージでは少し緊張するけど、この最後の登りはそれほど厳しいとは思わなかった。向かい風があったが、それほど強くなく、追い風になってからは自分のペースで走ることができた。結局のところ、この区間で有利になるようにアタックしなければならないと思った。後半の登りでリードを広げることができて、このステージでも優勝できてよかった」とフォレリング。

フォレリング ©Unipublic Jennifer Lindini

次のターゲットは8月のツール・ド・フランスファム

「このような形でラ・ブエルタフェメニーナを終えることができて素晴らしい。チームとして、この一週間ここで力強い走りをした。ステージ2勝、総合優勝、そして表彰台もいくつか獲得したことで、チームとして自分たちを誇りに思うことができる」

ラ・ブエルタフェメニーナ第8ステージを走るフォレリング(中央) ©Unipublic Alex Berasategi

「春のクラシックで勝ちたかったのに勝てなかったのは残念だけど、自分の強さと調子のよさをようやく示すことができて、本当によかったと今は誇りに思っている。コースはたくさんの登りがあった。すべてのグランツールが女子ロードレースをステップアップさせていることをうれしく思う。この総合優勝がこの夏に向けていいスタートとなることを願っている。スペインで素晴らしいステージレースを走れて、数カ月以内にはツール・ド・フランスファムに出場したい」

ラ・ブエルタフェメニーナ第8ステージのゴールはマドリード州のスキーリゾート ©Unipublic Alex Berasategi
フォレリングを中央に、左が2位リージャンヌ・マルクス、右が3位ロンゴボルギーニ ©Unipublic SprintCyclingAgency

フォレリングがピレネーを制して首位に…ラ・ブエルタフェメニーナ

スペインを舞台とした8日間のステージレース、ラ・ブエルタフェメニーナは5月2日、ピレネー山脈にあるウエスカ〜ハカ間の114kmで第5ステージが行われ、SDワークス・プロタイムのデミ・フォレリング(オランダ)が独走勝利。総合成績で首位に立った。

フォレリングが第5ステージでマイヨロホを獲得 ©Unipublic SprintCyclingAgency

レースは男子レースで採用されているピレネー山脈へ。ハカのゴールは悪魔のような急勾配で知られるが、フォレリングは残り800mからヤラ・カステリン(フェニックス・ドゥクーニンク)とエリーザ・ロンゴボルギーニ(リドル・トレック)を28秒突き放して、今シーズンの初勝利を挙げた。

ラ・ブエルタフェメニーナ第5ステージ ©Unipublic Alex Berasategi

ボーナスタイムも獲得したフォレリングは21秒遅れの総合7位の位置から、大会5日目で一気に首位に。総合2位ロンゴボルギーニとの差は31秒。翌第6ステージは2日連続の頂上ゴールとなり、ラ・ラグナネグラへ。この峠はすでにブエルタ・ア・エスパーニャで2回採用されていて、スペイン随一のロードコースだ。

ラ・ブエルタフェメニーナ第5ステージ ©Unipublic Jennifer Lindini

「今シーズンは本当に強くなったと感じていたけど、まだ勝つことができていなかった。何回も表彰台に立ったものの、勝利までに時間がかかりすぎた。ようやく勝つことができてとてもうれしい」とフォレリング。

「昨年、この美しいオランダチャンピオンジャージを獲得したけど、UCI女子ワールドツアーのリーダージャージを着ていたので、このジャージで勝つことはできなかった。この美しいジャージで少なくとも1勝することが今年の目標だった。今、私はマイヨロホを手に入れた。これもとてもかわいいので、最後までそれを保持したいと思っている」

ラ・ブエルタフェメニーナ第5ステージ ©Unipublic CXCLING

「今日に関して言えば、実際にはかなり穏やかなステージで、それほどハードではなかったと思う。とてもフィーリングがよくて、チーム全体が私を可能な限り最高の位置で最後の登りの底に連れて行くことに集中した。オンラインで調べたとき、本当に急でかなり長いように見えたので、実際には最後の登りはもっと難しいだろうと予想していた。エリーザが苦労していると感じたので、私は途中でペースを上げ始め、プッシュし続けた。私はエリーザとの差を少しでも稼ぐために、最後まで全力で走った」(フォレリング)

ラ・ブエルタフェメニーナ第5ステージはピレネーへ ©Unipublic Jennifer Lindini
フォレリングがラ・ブエルタフェメニーナ第5ステージ優勝 ©Unipublic SprintCyclingAgency

オランダのフォレリングが初優勝【ツール・ド・フランスファム】

女子レースの第2回ツール・ド・フランスファムは大会最終日となる7月30日、ポーを発着とする22.6kmで第8ステージとして個人タイムトライアルが行われ、オランダチャンピオンのデミ・フォレリング(SDワークス)が総合優勝した。

マイヨジョーヌのフォレリング ©A.S.O. Charly Lopez

フォレリングは天王山となるツールマレー峠に上る第7ステージで独走勝利。初日から首位を守っていたチームメートのロッテ・コペッキー(ベルギー)からマイヨジョーヌを引き継いだ。

初優勝が決まってデミ・フォレリングが感極まる ©A.S.O. Thomas Maheux

お互いを強くするチーム環境が大好き…フォレリング

「まだ優勝に気づく時間がない。昨日は夜11時30分にホテルに到着し、すぐにマッサージを受け、シャワーを浴びてベッドに入った。でも、眠れなかったので、いろいろ考えたりしていた。今朝、目が覚めたときに少しリラックスしすぎていたが、いいタイムトライアルをするという目標がまだあることを自分に思い出させた」と総合優勝を決めた後のフォレリング。

デミ・フォレリングがツール・ド・フランスファムを制した瞬間 ©A.S.O. Thomas Maheux

「今週チームがやったことは驚くべきことだ。私たちは多くの浮き沈みも経験したが、私たちのチームがいかに強いか、毎日をベストを尽くして勝利を目指して戦う意欲を示した。私たちはお互いをより強くする。私はそれを見るのが大好きで、周りにいい人たちがいるとすべてを克服できるのを見るのは世界にとって素晴らしいことだと思う。それは私にとてもインスピレーションを与えてくれる」

左から新人賞のセドリーヌ・カーボル、山岳賞のカタルジナ・ニーウィアドマ、総合優勝のフォレリング、ポイント賞のロッテ・コペッキー ©A.S.O. Charly Lopez

●2023ツール・ド・フランスファム・アベックズイフトのコース
7月23日(日) 第1ステージ クレルモンフェラン〜クレルモンフェラン 124km
7月24日(月) 第2ステージ クレルモンフェラン〜モリアック 152km
7月25日(火) 第3ステージ コロンジュラルージュ〜モンティニャックラスコー 147.5km
7月26日(水) 第4ステージ カオール〜ロデズ 177.5km
7月27日(木) 第5ステージ オネルシャトー〜アルビ 126.5km
7月28日(金) 第6ステージ アルビ〜ブラニャック 122.5km
7月29日(土) 第7ステージ ランヌムザン〜ツールマレー 90km
7月30日(日) 第8ステージ ポー〜ポー 22.6km(個人タイムトライアル)

マイヨジョーヌのフォレリング ©A.S.O. Charly Lopez
アリス・タワーズ ©A.S.O. Charly Lopez

フォレリングがツールマレー峠を制して首位に…ツール・ド・フランスファム

女子レースの第2回ツール・ド・フランスファムは7月29日、ランヌムザン〜ツールマレー間の90kmで第7ステージが行われ、オランダチャンピオンのデミ・フォレリング(SDワークス)が優勝した。

フォレリンクが霧のツールマレー峠を独走する ©A.S.O. Thomas Maheux

総合成績の首位は、初日からその座を維持していたベルギーチャンピオンのロッテ・コペッキーからフォレリンクへ。SDワークスチーム内でマイヨジョーヌを引き継いだ。

リアンヌ・リパート ©A.S.O. Thomas Maheux

チームメートの存在が霧のツールマレーで断然有利に

「チームでは数秒の話はやめて数分にしようと話し合った。できるだけ時間を稼ぎたかったので、チームのためにそれができてうれしい。コーチ陣はツールマレー峠が物事を正すだろうと言い続けていた。でも私は彼らに言いました。言うのは大変だけど、それはやらなければいけないこと。少し緊張していました。彼らが私を本当に信じているからそう言ったのだと理解していた。そして、それが私に大きな力を与えてくれた」

私は総合優勝のライバルであるアネミエク・ファンフルーテンに言いました。後ろにチームメイトがいたので、協力してゴールを目指すことはできない。そして、アシスト陣が(チームメートの)ロッテ・コペッキーを落とそうとしたら、私は協力しないと。

ある時点で私はそれを感じて、単独でアタックした。霧の中ですぐに距離が開けば、彼らには私が見えなくなると分かっていたが、私はアクセル全開で決して振り返らなかった。ラインを越えた時は、それが終わったこと、自分の夢がかなったことがうれしかった。目標を実現させた」

2023ツール・ド・フランスファム ©A.S.O. Charly Lopez
2023ツール・ド・フランスファム ©A.S.O. Thomas Maheux
2023ツール・ド・フランスファム ©A.S.O. Thomas Maheux
勝負はツールマレー峠へ ©A.S.O. Thomas Maheux

●2023ツール・ド・フランスファム・アベックズイフトのコース
7月23日(日) 第1ステージ クレルモンフェラン〜クレルモンフェラン 124km
7月24日(月) 第2ステージ クレルモンフェラン〜モリアック 152km
7月25日(火) 第3ステージ コロンジュラルージュ〜モンティニャックラスコー 147.5km
7月26日(水) 第4ステージ カオール〜ロデズ 177.5km
7月27日(木) 第5ステージ オネルシャトー〜アルビ 126.5km
7月28日(金) 第6ステージ アルビ〜ブラニャック 122.5km
7月29日(土) 第7ステージ ランヌムザン〜ツールマレー 90km
7月30日(日) 第8ステージ ポー〜ポー 22.6km(個人タイムトライアル)

カタルジナ・ニーウィアドマ ©A.S.O. Thomas Maheux

ラクルスbyル・ツール・ド・フランスでフォレリングV

ツール・ド・フランスの女子ワンデーレース、ラクルスbyル・ツール・ド・フランスが6月26日、男子のツール・ド・フランス開幕に先がけてブルターニュ半島で開催され、SDワークスのデミ・フォレリング(オランダ)が初優勝した。

ラクルスbyル・ツール・ド・フランス ©A.S.O. Aurélien Vialatte

距離107.7kmで行われたレースは有力選手らによるゴール勝負となり、SDワークスは世界チャンピオンのアンナ・ファンデルブレッゲン(オランダ)がけん引役に。春のリエージュ〜バストーニュ〜リエージュを制して頭角を現してきたフォレリングがゴール勝負を制した。

ラクルスbyル・ツール・ド・フランス ©A.S.O. Aurélien Vialatte
ラクルスbyル・ツール・ド・フランス ©A.S.O. Aurélien Vialatte
フォレリング(右)がマリアンヌ・フォス(左から2番目)を制して優勝。左端はファンデルブレッゲン ©A.S.O. Aurélien Vialatte
フォレリングが優勝 ©A.S.O. Aurélien Vialatte

2022年にツール・ド・フランスフェミナンが復活

ラクルスbyル・ツール・ド・フランスは2021年で8回目のレースを終えたが、2022年にA.S.O.はツール・ド・フランスの女子レース、ツール・ド・フランスフェミナンの復活を宣言。1984年から1989年まで、男子レースに先行してステージを短縮して開催されていたが、経済的なメリットがないために打ち切り。

「パンデミックがなかったら。そしてツール・ド・フランス直後に東京オリンピックがなかったら、ツール・ド・フランスフェミナンは2021年に復活できた」ようだが、いよいよこれが2022年に復活することになったという。

正式発表は10月の2022ツール・ド・フランスコース発表と合わせて行われるようだ。

ラクルスbyル・ツール・ド・フランス ©A.S.O. Aurélien Vialatte

●ラクルスbyル・ツール・ド・フランスのホームページ