抗議活動でレース中止…ブエルタ・ア・エスパーニャ第11S

パレスチナを支持する活動家によって第80回ブエルタ・ア・エスパーニャの第11ステージがゴール直前に中止となり、ステージ優勝者が不在となった。主催者はゴールの3km手前の地点を通過したタイムをこのステージの記録とした。残り3km地点では、逆転を狙ったQ36.5プロサイクリング チームのトーマス・ピドコック(英国)と、これに反応した首位ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、チーム ヴィスマ・リースアバイク)が集団に10秒差をつけていた。

2025ブエルタ・ア・エスパーニャ第11ステージ ©A.S.O.

今大会ではこれまでもイスラエル登録チームのイスラエル・プレミアテックに対する妨害が見られたが、スペインの中で過去に独立運動など過激な抗議行動が多かったバスク地方でステージ中止の騒動が発生した。

2025ブエルタ・ア・エスパーニャ第11ステージ ©A.S.O.

第11ステージは9月3日、バスク地方の主要都市ビルバオを発着とする距離157.4kmのレースが予定されていた。スタートとゴールは別の場所で、いったんゴール地点を通過してから周回コースを一周してビルバオ市内にゴールする設定。最初のゴール通過前から親パレスチナ活動家が集まって不穏な様相。レース主催者は、ビルバオのゴールラインが標的となる可能性があるとして、フィニッシュラインを無力化する決定を下した。

2025ブエルタ・ア・エスパーニャ第11ステージ ©A.S.O.
ピーダスンは2025ブエルタ・ア・エスパーニャ第11ステージでも積極的な走りを見せた ©A.S.O.
UAEチームを離れることになったアユソ。2025ブエルタ・ア・エスパーニャ第11ステージ ©A.S.O.
2025ブエルタ・ア・エスパーニャ第11ステージ ©A.S.O.
マイヨロホのヴィンゲゴー。2025ブエルタ・ア・エスパーニャ第11ステージ ©A.S.O.
山岳賞のヴァインと総合2位のアルメイダ。2025ブエルタ・ア・エスパーニャ第11ステージ ©A.S.O.
ミケル・ランダがアタック。2025ブエルタ・ア・エスパーニャ第11ステージ ©A.S.O.
2025ブエルタ・ア・エスパーニャ第11ステージ ©A.S.O.

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、チーム ヴィスマ・リースアバイク)
マイヨベルデ(ポイント賞)マッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)
マイヨルナレス(山岳賞)ジェイ・ヴァイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツ・XRG)
□マイヨブランコ(新人賞)ジュリオ・ペリツァーリ(イタリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)

2025ブエルタ・ア・エスパーニャ第11ステージ ©A.S.O.

【ツール・ド・フランス現場雑感】革命記念日に最高の舞台のお膳立て

2022ツール・ド・フランス第12ステージは7月14日、ブリアンソン〜ラルプデュエズ間の距離165.5kmの山岳区間で行われ、イネオスグレナディアーズのトーマス・ピドコック(英国)が独走して初優勝した。同選手は東京五輪MTBの金メダリストで、まさに二刀流を成就した。

ピドコックがラルプデュエズで独走する ©A.S.O. Pauline Ballet

総合成績では、前日に首位に立ったヨナス・ビンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ビスマ)がタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)の逆襲を許さず同タイムでゴール。マイヨジョーヌを守った。

2022ツール・ド・フランス第12ステージ ©A.S.O. Charly Lopez
ファンアールトが先頭に立ってマイヨジョーヌのビンゲゴーを牽引 ©A.S.O. Pauline Ballet
ピドコックが第1集団に加わってチャンスをうかがう ©A.S.O. Pauline Ballet

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)ヨナス・ビンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ビスマ)
マイヨベール(ポイント賞)ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ビスマ)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)シモン・ゲシュケ(ドイツ、コフィディス)
□マイヨブラン(新人賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)

アントニー・ペレス ©A.S.O. Pauline Ballet

最近はラルプデュエズに宿泊せずグルノーブルまで下山

ツール・ド・フランス最高の舞台ラルプデュエズ。かつてはゴールのスキーリゾート、つまりラルプデュエズに宿を取ることで下山時の大渋滞を回避することができるので、いろいろなルートにお願いして滞在型レジデンスなどを確保していました。

2022ツール・ド・フランス第12ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet

ところが、翌朝に下山しても多少の渋滞はあるし、その日のゴール後でも早めに下り始めればグルノーブルまで比較的楽に行けるように主催者のほうで配慮してくれて、今回も連泊のグルノーブルから片道60kmの通勤という選択肢にしました。しかも前日にチェックインしていて、鍵は手元にあるし(実際には部屋入口の電子ロック暗証番号)どんなに遅くなっても安心という環境を構築しておきました。

2022ツール・ド・フランス第12ステージ ©A.S.O. Aurélien Vialatte

朝は7時くらいまでぐっすりと睡眠することができ、ラン練習へ。2日前は標高1800m超、昨日は1000mでようやく212m前後のグルノーブルに来たので、高地トレの成果が発揮されるかなと思ったら、あれれ! カラダが重かったです。サボワ料理の食べ過ぎですね。チーズ系はもう1年いらないです。

グルノーブルからラルプデュエズの麓までは50km。自転車レーンを楽しそうに走るサイクリストの姿が目立った

グルノーブルからラルプデュエズを目指すサイクリストがいっぱい

グルノーブルからブールドワザンまで50kmの道のりは聖地を目指すサイクリストが気持ちよく走っていました。ルートの9割は自転車レーンがありました。なくなる部分はきちんと看板表示があります。つまりラルプデュエズに観戦に行くなら、比較的ホテルが取りやすいグルノーブルを拠点とするのがいいですね。

ラルプデュエズの中腹にあるエズ村を望む

ラルプデュエズはいつものバスケットコートがプレスセンターではなく、その隣のテニスコートになっていましたが、なかなかeSIMにアクセスできず、建物の出口近くまでパソコンを持って何度も。まさかの厳しい仕事環境に。

ラルプデュエズの最後の200mは意外と上り坂が厳しい

懸案の下りはなんとか。ラルプデュエズで1人のサイクリストにも接触せずに上って下山してホテルに生還。パニックにならず冷静にハンドリングできました。それだけで祝杯です。で、懲りずに来々軒へ。 2日連続の出動でした。

そしてこの日はフランス革命記念日。22時30分から花火が上がり始めました。なんでこんな遅い時間なの?と思うでしょうが、この時間じゃないと暗くならないんです。

10時半からフランス革命記念日を祝った花火が打ち上がった

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