バーレーン・マクラーレンの新城幸也はツール・ド・フランスと直後に開催されるレースが目標

バーレーン王国とマクラーレンのジョイントベンチャーによる新しいUCIワールドツアーチーム、バーレーン・マクラーレンがその発⾜に先⽴つ2019年12⽉9⽇、英国ロンドン近郊のウォキングのマクラーレン・テクノロジーセンターに隣接するMcLaren Thought Leadership Centreでチーム概要とコンセプト、ライダー、そして機材を発表した。

中東の王国とモータースポーツの雄がタッグ

2017年にシェイク・ナッセール・ビン・ハマド殿下の指揮の元、発⾜したバーレーン・メリダは史上初めて発⾜した年にグランツールでの総合表彰台を獲得。ミラノ 〜サンレモやイル・ロンバルディアを制するなど輝かしい戦績を経て2020年、そのチームライダー、チームマネジメント、パートナーの体制を⼤幅に刷新してバーレーン・マクラーレンとして新たな時代の幕を上げた。

2020年のチームには、グランツールで成績を残しているミケル・ランダ、ワウト・プールス、そして最も成功したスプリンターであるマーク・カベンディッシュ、⽇本の新城幸也が所属する。

チーム代表は元プロサイクリストで、U23英国代表チームなどを率いて来た百戦錬磨の名コーチ、ロッド・エリングワース。その補佐であるパフォーマンス・ディレクターには、同じく元プロサイクリストで英国ロードレース選⼿権での優勝経験もあるロジャー・ハモンド。マクラーレン・アプライド・ビジネステクノロジーの創設メンバーであるダンカン・ブラッドリーがチームのテクニカルディレクターに就任。彼らに チームオペレーションディレクターのブレント・コープランドが加わる。

新城幸也はツール・ド・フランスと直後に開催されるレースが目標

新城幸也の2020年に向けたコメント
(ウォキングでの発表会には参加しておらず、当⽇とは別⽇に収録したコメント)

「どのレースに出るかはチームが決めることなのですが、個⼈的なシーズンを通しての⽬標は、ツール・ド・フランスとその後開催されるもう⼀つの国際的なレースとなります。 1年⽬のチームなので、どうやってレースをしていくかはチームが戦いながらアップデートしていくことになると思いますが、マクラーレンはF1でもそうですが、レースは戦いながらアップデートしていくものととらえていて、このマクラーレンがロードレースの世界に新しい⾵をもたらしてくれるのではないかと思います。

2020シーズンのスタートはオーストラリアでのツアー・ダウン・アンダーになます。その後、オマーン、アブダビに出⾛してUCIポイントの獲得を⽬指していく ことになります。 2019シーズンの怪我を経て感じたのは、まだまだプロ選⼿として⾛りたいということでしょうか。怪我をしてあきらめたらキャリアはそこで終わってしまいますが、あきらめず にリハビリとトレーニングを積み重ねて、最終的に秋のブエルタ・ア・エスパーニ ャでは後半いい⾛りができたので、1年前のトップコンディションに戻って2020シーズンを⾛ることができると思っています」

ジョン・アラート(マネージングディレクター)のコメント
「このチームの歴史にとって重要な瞬間です。みんなが愛し熱狂するこのスポーツにバーレーン王国チームのパートナーとして参加し、私たちはサイクリングのファンが声援を送る存在となれることを望んでいます。明⽇のために創られたチームで、同時に過去に対して尊敬を忘れないチームでもあります。McLarenは世界で最も機材の性能を求められるスポーツで培った能⼒を持って、このチームにテクノロジーで協⼒し、絶え間ない向上のために尽くし、ダイナミックなマーケティングとイノベーシ ョンをもたらします。

バーレーン・マクラーレンは世界をリードするパートナーを迎え、ワールドツアーレースを戦います。チームのテクニカルパートナーでバイクを供給するメリダ、バーレーン王国を代表する⽯油会社Bapco、英国のプレミアムパフォーマンスアパレルブランドLe Col、⾰新的なルブリカントブランドMuc-off、さらには超⾼級時計ブランドのRichard Milleがサイクリングの世界に初めて参⼊します。そして、世界的なニュースブロードキャスターのCNBCもチームパートナーとなります。

チームのバーレーン王国との強⼒な関係により、Mumtalakat、the Bahrain Economic Development Board、 Batelco、NBB、Alba、First Energy Bank B.S.C.、そしてLulu Hypermarketがバーレーンからチームのパートナーとなります。

プロサイクリングにとって最も重要なパートナーとしてRudy Project、Sidi、 Scicon、Eliteトレーナーもチームのパートナーとして参加します」

ミラン・エルゼン(チーム共同創設者)のコメント
「今⽇はチームにとって重要な⽇です。私たちは2016年のチームの始まりからサポートしてきたバーレーン王国に対して恩があります。私たちがこの新しい時代を始めるにあたって、私たちがこの偉⼤なスポーツとチームを2020年に世界に向けて紹介することで、バーレーン王国のスポーツコミュニティ、そして世界のファンやパート ナーにベネフィットをもたらすことを楽しみにしています」

アンドレアス・ロッター(メリダヨーロッパスポーツディレクター)のコメント
「この新しいチームにテクニカルパートナーとして参加することを光栄に思っています。私たちはチームに最速のバイクを供給し、そのバイク乗ったライダーがイエロ ーのジャージとピンクのジャージを⼿に⼊れる⽇が来ることを確信しています」

●メリダのホームページ

バーレーン・マクラーレンに名称変更…メリダは継続供給

バーレーン・メリダが2020シーズンよりチーム名称を 「バーレーン・マクラーレン」とすることが発表された。台湾の自転車メーカー、メリダはチームのサブネームから外れたが、バイクサプライヤーとしてこれまでと同様にチームへバイク供給する。

2018パリ〜ニース第1ステージで、ゴルカ・イザギレ(右)がアルノー・デマールを制して優勝 ©Roberto Bettini/BettiniPhoto©2018

2017年の初めに発⾜したバーレーン・メリダにメリダは単なる機材スポンサーとしてではなく、主要なパートナーとして参加した。4年間のサブタイトルスポンサーとしてランプレ・メリダで活躍し、その後3年間のバーレーン・メリダでの驚異的な活躍を経て、メリダが選んだのは、バーレーンが新たに発⾜させるワールドツアーチームに主要なスポンサーとして最⾼の機材を供給するサプライヤー、テクニカルパートナーとなることだった。

2017ジロ・デ・イタリアで総合優勝のデュムラン、2位キンタナに続いて3位になったニーバリ ©Roberto Bettini/BettiniPhoto©2017

2017年、チームが発⾜した最初の年からビンツェンツォ・ニーバリをキャプテンとして数多くの成功を修めてきた。2017年には2つのグランツールでの表彰台とイル・ロンバルディアでの勝利。ニーバリは2018年のミラノ〜サンレモで勝利し、2019年のジロ・デ・イタリアでも総合2位に⼊った。バーレーン・メリダは、チーム発⾜の年にグランツールで2度表彰台に上った史上初のチームとなった。

2017ジロ・デ・イタリア第16ステージ優勝のニーバリ ©Luca Bettini/BettiniPhoto©2017
2018ジロ・デ・イタリア第10ステージ優勝のモホリッチ ©Dario Belingheri/BettiniPhoto©2018

しかし、「チームは”メッシーナのサメ”(ニーバリの愛称)の単なるサポーターではない」とメリダ首脳陣。

「それぞれの選⼿がチームの象徴であるブルーとレッド、そしてゴールドの存在を世界中のあらゆるレースで、さまざまな形で魅せてきた。その中でも印象的なのはソニー・コルブレッリのブラバンツペイルでの勝利、ツール・ド・スイスとパリ〜ニースでのステージ優勝を含む11の勝利だ。2018年のドイツツアーとビンクバンクツアーでのマテイ・モホリッチの勝利も同様。そしてディラン・トゥーンスの2019年のツール・ド・フランスで のステージ優勝や、ブエルタ・ア・エスパーニャとクリテリウム・ドゥ・ドーフィネでのリーダージャージの着⽤もある」

モホリッチが2018ジロ・デ・イタリア第10ステージ優勝 ©Dario Belingheri/BettiniPhoto©2018

3年間のチームの活動での表彰台に199回、53数

「私たちは過去3年間に成し遂げたことに表現しようのない誇りを感じています。チ ームが作られるごく始めから関わり、その最初の年にグランツールで2度表彰台に⽴つことは最⾼のチームを予感させるものでした。バーレーンのワールドツアーチ ームとの関わりを持ち続けたいと思うことは当然です。このプロトンの中で最も成功したチームの⼀つであるこのチームに責任を持ち続けられることは光栄以外の何者でもありません」とアンドレアス・ロッター メリダ・スポーツマーケティング ディレクター。

2018イル・ロンバルディアで勝ったニーバリ ©Roberto Bettini/BettiniPhoto©2017
2018ミラノ〜サンレモ優勝のニーバリ(中央) ©Luca Bettini/BettiniPhoto©2018

バーレーン・メリダの発⾜からチームを⽀えてきたヨーガン・ファルケ率いるメリダのR&Dチーム。ロードレースの最先端を⾏くテクノロ ジーと素材を使⽤した機材をライダーに供給してきた。オールラウンドロードバイクのMERIDA SCULTURA、エアロロードバイクのMERIDA REACTO、そしてTTバイクのMERIDA TIME-WARP TTがチームの機材として⽤いられた。これらのバイクは、最先端のテクノロジーと技術⾰新を⽤いてチームを⽀えるだけではなく、そのデザインでもチームを彩った。

2019ツール・ド・フランス第6ステージでディラン・トゥーンスが優勝 ©Luca Bettini/BettiniPhoto©2019

「ランプレ・メリダでの活動を通じて私たちは多くの知⾒を蓄え、それはバーレーン・メリダへの仕事に多⼤な貢献をしました。多くの根本的な⾰新や、積み重ねによる向上で、チームが最⾼のレベルで戦えることを⽀えてきました。2020年、新たな、そしてエキサイティングな次章の始まりです。マクラーレンと共同でチームを最⾼の体制でサポートしていけることは楽しみ以外の何物でもありません。⾃転⾞のデザインと開発において新しいスタンダードをともに創り出すことができると信じてチームとともに動いています」 とヨーガン・ファルケ。

「メリダとパートナーシップを組めることを⼤変光栄に思い、チームにとって重要なパートをメリダが担ってくれることを楽しみにしています。メリダのテクノロジーを⽤いて開発する私たちの主⼒機材は、3年間のチームのパートナーシップ活動で成し遂げた勝利がそのアプローチの正しさを証明しています。私たちが輝かしい未来をともに築いていけることを確信しています」 ジョン・アラート マクラーレン プロサ イクリング マネージング・ディレクター。

2018ツール・ド・スイス第3ステージ優勝のソニー・コルブレッリ  ©Luis Angel Gomez/BettiniPhoto©2018

●メリダのホームページ