楽天Kドリームス…連盟と楽天がトラックの国際登録チーム結成

楽天の子会社でインターネット勝者投票券(車券)購入サイト「Kドリームス」を運営するケイドリームスと、日本自転車競技連盟が2024パリ五輪を目指す次世代の選手たちの育成を目的として、トラック競技のチーム楽天Kドリームス(TEAM RAKUTEN K DREAMS)を設立した。

楽天Kドリームスは、国際自転車競技連合(UCI)が認めるトラック競技の国際大会への出場権を持つ、UCI登録トラック競技チーム。所属選手は2024パリ五輪出場を目指す自転車トラック競技ナショナル強化指定Aチーム、Bチームで活躍する選手。今回選ばれたのは、山崎賢人、松井宏佑、梅川風子、鈴木奈央、古山稀絵、佐藤水菜、吉川美穂、内野艶和の8選手。

ケイドリームスと日本自転車競技連盟は、2021年1月より4年間にわたってトラック競技の強化事業支援に取り組むことに合意。今回のチーム設立はその取り組みの一環。両者は、楽天Kドリームスの海外遠征の支援を行い、国際大会への若手選手の参加機会を増やすことで、実戦 を通した選手たちの育成を促し、ナショナルチームの世界選手権やオリンピック競技大会出場枠の獲得を目指す。

また、チームの公式SNSやウェブサイトを立ち上げ、所属選手の個性や出場する大会の様子などを発信することで、自転車競技や選手の既存ファンに加えて、新たなファンの獲得を図る。

両者は、今後もさまざまな取り組みを通じて自転車業界の活性化を図るとともに、自転車競技の魅力を広げ、利用者とファンの拡大および収益向上を目指していくという。

スピードスケートから競輪に転向した梅川風子
アフロなので見つけやすい山崎賢人
チーム唯一の競輪選手じゃない選手、古山稀絵
意外とお茶目なお寺生まれの松井宏佑
競輪選手養成所をトップ成績で卒業した吉川美穂
ガールズグランプリ2019・2020出場の実力者、佐藤水菜
ガールズケイリンと中⾧距離の二足のわらじ、鈴木奈央
チーム最年少、ジュニア世界チャンピオンの内野艶和

UCIトラックチームとは:世界選手権と大陸選手権、オリンピック競技大会以外のUCIが認め る国際大会に出場することが可能。国際大会では、各国のナショナルチームとして出場できる選手数には限りがあるが、UCIトラックチームがあることにより別枠を設けることができ、その国の出場枠が増える形になる。同チームを持つことの目的はさまざまだが、主な理由は「選手がUCIから付与されるUCI ポイントを多く得ることができる」、「若手に経験を積ませることができる」などトラック競技強化につなげる狙いがある。

●楽天Kドリームスのホームページ

世界選手権新採用のミックスTTは2024パリ五輪でも有力

チームタイムトライアル・ミックスリレーが英国ヨークシャーで開催される世界選手権ロードで初めて採用された。男子3選手から女子3選手にバトンタッチして、トータルのタイムを競う新種目だが、2024年のパリ五輪でも有力視されている。

9月22日にヨークシャーで開幕する世界選手権ロードの初日はいきなり新種目のチームタイムトライアル・ミックスリレーだ。国別のチームタイムトライアル形式で、まず男子3選手がスタート。男子選手の2番手がフィニッシュラインを通過したら女子3選手がスタートする。最終的に男子選手の2番手がフィニッシュラインを通過したタイムが計測され、順位となる。

初採用の今回はベルギー、デンマーク、スペイン、フランス、英国、ドイツ、イタリア、オランダ、ロシア、スロベニア、スイス、UCIワールドサイクリングセンターが出場し、初代チャンピオンを争う。

2019年の欧州選手権でテスト開催されたチームタイムトライアル・ミックスリレー。このときはバウケ・モレマを擁するオランダが、2位ドイツ、3位イタリアを抑えて優勝した。UCI(国際自転車競技連合)は2024年のパリ五輪で実施することを目指してIOC(国際オリンピック委員会)と調整を重ねていくという。

●世界選手権ロードのホームページ

外国人観光客1億人を目指すフランスがスポーツイベントで日本とタッグ

フランス観光開発機構のクリスチャン・マンテイ(Christian MANTEI)総裁が、日本国観光庁と日本政府観光局との観光協力に関する覚書署名式に出席するために来日。9月19日に行われたその調印式に先立って、マンテイ総裁は親交の深いアラン・デュカスが東京にオープンさせたこだわりのチョコレートファクトリー、ル・ショコラ・アラン・デュカス東京工房に現れ、チョコレート製造の様子がガラス越しに見えるティーサロンで取材に応じた。

クリスチャン・マンテイ総裁(左)とアラン・デュカス氏

日本は毎年のように訪問しているというマンテイ総裁。このティーサロンを会場に選んだ理由を「私はチョコレート好きで毎日食べているから」と切り出した上で、「多大なる情熱をもって才能を発揮し続けるデュカス氏のチョコレート工房は、フランスの話をするのにうってつけの場所だから」と続けた。

コルシカ島出身。キャリア初期より複数の観光関連の企業を立ち上げ、ワインツーリズム高等評議会事務局長を兼務。レジヨンドヌール・オフィシエ勲章を受勲している。世界ナンバーワンの観光大国フランスをけん引する要職にあって、スポーツが観光産業にもたらす重要性を力説する。

「フランスと日本はこれから数年にわたって大きなスポーツイベントが交互に開催される。これまで以上に日仏が親密になるきっかけとなる」

2018年夏にはフランスで女子サッカーU20ワールドカップが開催され、日本が優勝しているが、2019年には女子フル代表のワールドカップが同じフランスで行われる。そして2019年には日本でラグビーのワールドカップが開催される。フランスは優勝候補の筆頭だ。
「決勝ではぜひ日本とフランスの対戦が見てみたいです」

フランス観光開発機構(Atout France)のクリスチャン・マンテイ総裁

「フランス政府は観光促進のためにインフラ投資を常に心がけている。観光的産業にかける金額は毎年140億ユーロ(約2兆円)、大きなスポーツイベントがある年はこれに追加して25億円ユーロを投資している。スポーツイベント・イコール・メディアなんです。スポーツイベントを行うことによって世界じゅうにその内容が報じられる。そして世界中からスポーツ観戦に来る人たちはこの国の素晴らしさを目撃する。フランス各地のライフスタイルに興味を持ってくれる人も多いと思う」

2020年の東京五輪の次はパリ。観光大国フランスはそれを契機に1億人の外国人観光客誘致を目指している。五輪開催までにホテル、博物館、スポーツ施設など既存建造物への再投資や準備が進む。

1018年は観光客9000万人を達成したが、問題点も山積し、それをクリアしていくのも課題だという。
「例えば特定観光地への一極集中という問題。これはフランスに限らず世界中で問題化していること。1億人を達成したとしてももっとクオリティの高い旅行が求められる時代になるかもしれません」

(左から)田端浩・日本国観光庁長官、清野智・日本政府観光局理事長、クリスチャン・マンテイ フランス観光開発機構総裁

日本とフランスがさらに観光分野でタッグ
日仏交流160周年を契機とし、日本国観光庁(JTA)、日本政府観光局(JNTO)及びフランス観光開発機構(Atout France)は、日仏両国において観光分野が両国国民の相互理解および友好を促進するために重要であるとの共通認識を踏まえ、当事者間の協力を強化することを確認し、覚書に署名した。

三者はすでに2013年6月7日、日仏間観光協力に関する共同声明に署名していて、今回の覚書は協力のさらなる強化を確認するもの。覚書は3年間継続し、2018年から2020年までに三者が観光交流の促進のために実施する予定の代表的な事業を共有した。

2019年にラグビーワールドカップ、2020年にオリンピック・パラリンピック競技大会が日本で開催されることに続き、2023年にラグビーワールドカップ、2024年にオリンピック・パラリンピック競技大会がフランスで開催されることを踏まえ、三者は両国間の観光客往来の増加に寄与すべく、各スポーツイベントを活用したプロモーション事業を互いに実施し、その経験を共有することを確認した。

クリスチャン・マンテイ(Christian MANTEI)
アトゥー・フランス(Atout France)/フランス観光開発機構総裁
ワインツーリズム高等評議会事務局長
レジヨンドヌール・オフィシエ勲章受勲

1991年フランス観光開発機構の前身である「経済利益団体(GIE)メゾン・ド・ラ・フランス(Maison de la France)」のマーケティング・インフォメーション部長に就任。5 年後、副総裁に任命される。
1997年「パリ市観光・会議局」局長に就任。
2002年「Parishotel.com」のアソシエイト・ディレクターおよび「CMCコンサルティング・観光エンジニアリング事務所」代表に就任。
2004年「国際博覧会Expo 2004」の副運営委員長に就任。同年、観光素材提供を目的に設立された 「フランス観光エンジニアリング局 (Agence française de l’ingénierie touristique , AFIT)」の局長となる。
2005年「フランス観光エンジニアリング局」、「全国観光観測所(Observatoire National du Tourisme,ONT)」ならびに「山岳観光調査整備機関(service d’Etudes et d’Amenagement Touristique de la Montagne, SEATM)」の合併で創設された「オディット・フランス(観光に関する開発・ エンジニアリング観測所 ODIT France)」の総裁に就任。
2008年12月29日 「経済利益団体(GIE)メゾン・ド・ラ・フランス(Maison de la France)」を「アトゥー・フランス/フランス観光開発機構」へ刷新するための立役者となる。
2009年6月17日「メゾン・ド・ラ・フランス」と「オディット・フランス」の合併で創設された「アトゥー・フランス/フランス観光開発機構」の総裁に就任する。

パリ郊外のル・ゴルフ・ナショナルで伝統の対抗戦…2024パリ五輪でも会場に

2年に一度開催される欧米両チームによる伝説のゴルフ対抗戦「ライダーカップ」が2018年9月25日から30日までパリ西部にあるル・ゴルフ・ナショナルで開催される。同ゴルフ場は2024パリオリンピックのゴルフ競技会場でもあり、日本のゴルフファンにとっても魅力のあるコースとして一躍脚光を浴びつつある。

ル・ゴルフ・ナショナル

世界中が注目するライダーカップ。サッカーのワールドカップとオリンピックに次いで最もマスコミの注目を集めるスポーツイベントだという。この栄えある大会をフランスで開催できることは、フランスゴルフの発展にとって大きな推進力となると分析されている。今回のライダーカップは、サンカンタンアンイブリン県の国立ゴルフ場(Le Golf National)で開催される。会場はヨーロッパでも数少ない8万人のギャラリーを受け入れることができる。


ライダーカップとは? 一言で言えば、2年ごとに開催される米国チーム対ヨーロッパチームの対抗戦で優勝したチームに与えられるトロフィーのこと。試合は米国とヨーロッパのホーム・アンド・アウェー方式で争われる。過去のライダーカップでは、ゴルフ史に残るさまざまな偉業が成し遂げられてきた。

長年、米国チームがカップを独占していたが、1985年以降はヨーロッパチームの優勝が米国チームを上回るようになり、11大会中8回の優勝を誇る。出場選手もセベ・バレステロス、セルヒオ・ガルシア、フィル・ミケルソン、タイガー・ウッズなど世界の一流選手ばかり。現在までにフランス人では、ジャン・バンドベルド(1997年)とトマ・ルベ(2004年)の2人の選手が選ばれている。

3日間にわたり12人ずつの2チームが腕を競い合う。試合はシングルかダブルスのマッチプレイで行われる。28試合が終わった段階で、14 1/2かそれ以上のスコアを獲得したチームが優勝となる。とりわけダブルスのマッチプレイは、選手同士で互いに力を補い合う独特の戦術が必要となるため、見ごたえがある。大会開催中はギャラリーもテレビ視聴者も大いに盛り上がる3日間となるのだ。

ル・ゴルフ・ナショナルはベルサイユ宮殿にも近く、プレーとともにフランス観光もできる © A. Poupeney

Domaine de Marie-Antoinette(小トリアノン宮殿) © C.Millet

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