自転車の落車事故に特化した救急救命講習が12月24日開催

自転車の落車事故で想定される外傷を伴った事故に対しての応急処置を学ぶ「サイクルセイフティサミット」が12月24日に神奈川県の向ヶ丘自動車学校で行われることになり、その参加者を募集中。初回開催から3年になるが、これまではショップやイベント主催者らが参加しやすい平日開催。今回は初めて祝日の開催となり、一般サイクリストも参加しやすくなった。

【主催】サイクルセイフティーサミット(Cycle Safety Summit)実行委員会
【協賛】フィジオコントロールジャパン・東京海上日動株式会社(予定)
【開催日】2018年12月24日(月曜・祝日) 8時30分開場 17時終了予定

【参加費と参加形態】
・一般参加費1万円
・早期申込割引8500円(2018年11月15日まで)
・大学生・専門学校生・高校生3000円(数量限定)
・法人複数割引 ショップなど自転車業界関係者で3名以上で参加する法人は、まとめて割引受講が可能。法人あての領収書も発行可。
・過去のサイクルセイフティサミット参加者で再度希望の人 メッセージで連絡ください。半額で受講可能。過去の参加が確認でき次第、割引コードを通知。また、補助スタッフとして参加することも可能。早朝の準備、イベント後の撤収に協力すると、アシスタントスタッフとして動きながらファーストエイド内容の復習が可能。補助スタッフは過去のサイクルセイフティ受講者に限定。

【費用に含まれるもの】会場利用料・講師謝礼・事務局費・保険代・テキスト代(1週間前にPDFデータで配布。各自プリントもしくはipadなどで持参。約130ページ)
【修了証明書・ステッカー】受講証明書・ステッカーを希望の方は1500円で発行。エントリーの際にお申し込みください。
【復習者】過去開催のサイクルセイフティサミット受講者で再度受講を希望する方
【場所】向ヶ丘自動車学校
【講師・アシスタント紹介】
(10月25日時点での予定。都合により変更の可能性もあります)
平泉裕氏  昭和大学医学部整形外科学講座 客員教授
      日本整形外科学会専門医 日本スポーツ協会公認スポーツドクター
      日本トライアスロン連合メディカル委員 他
橋隅和明氏他 横浜市消防局 元司令課 実業団チームFARs代表
高山真由子氏 看護師 保健師 自転車実業団登録選手
      ツアー・オブ・ジャパン医療班やJBCFレース救護班
安藤隼人  株式会社スマートコーチング代表取締役 
      日本スポーツ協会公認自転車競技コーチ 日本登山医学会評議員
      日本登山医学会認定ファーストエイド夏季研修終了 
【内容】(10月20日時点での予定。都合により変更の可能性もあります)

○9:00-10:30 講義
 ・サイクルセイフティーサミットを開催するにあたって
  自転車・トライアスロン界の現状と問題〜各種統計データより〜
 ・ラグビー・マラソン等他競技での安全管理事例
 ・119番と消防の出動体勢
 ・ファーストエイドの基本
○10:30-12:30、13:30-15:30
 ・「安全確保」「初期評価」「全身観察」「搬送」の4セクションに分かれて各1時間ずつ、サイクルスポーツ現場での落車や事故状況を再現し、ファーストエイドのシナリオトレーニングを行います。
○15:30-16:30
 ・「2017-2018年国内サイクルイベントで発生した複数落車事例・頚椎損傷落車事例の総合シナリオ実習」
○16:30-17:00
・自転車保険・AED導入について
・事業主・イベント主催者が加入すべき損害賠償保険、レクレーション・イベント・事業保険・AEDの導入方法について

【準備するもの】
・筆記具・事前配布資料(1週間前にPDFデータで送付します。プリントするかipad等にダウンロードしてご持参ください)
・ホイッスル(持っていない場合はご自身で購入し準備するか、エントリー時にご購入下さい)
・ロードバイク(推奨:シナリオトレーニングでロードバイクを使用します)
・バイクウェアー・ヘルメット・グローブ、寒くない格好(屋外での実習でアスファルト上に横になる、講師の話を立ったまま聞くなど運動を行わないため)
【駐車場】
・駐車場1000円/台。20台限定。自転車での自走、もしくは乗り合わせの上お越しください。

【参加証明書・ステッカー】任意。希望の方はエントリー時にチケットを購入ください。
本サミット参加コーチやショップ関係者には、安全対策に意識のあるサイクルセイフティーコーチ、セイフティーショップとして、実行委員会認定の参加証とステッカーを発行します(別途手数料必要)。ステッカーを店舗に貼り、お客様へ安全管理意識の高いコーチやショップというアピールに使っていただけます。遅刻ならびに途中退場の方には発行できません。

●詳細サイト

●過去の取材記事

サイクリングでケガした仲間を救えるか?…自転車の落車事故に特化した救急救命講習

サイクリングでケガした仲間を救えるか?…自転車の落車事故に特化した救急救命講習

サイクリング途中で自転車仲間が落車して大ケガをしてしまったら、落ち着いて的確な応急処置ができるだろうか。擦過傷はなんとかなるが、ヘルメットが破損するほど頭部を強打したり、身体のどこかが骨折していたり。いざというときのために講習会で実習するなどの必要性を痛切に感じている。

自転車の落車事故に特化した救急救命

自転車の落車事故で想定される外傷を伴った事故に対しての応急処置を学ぶ「サイクルセイフティサミット」が12月25日に神奈川県の向ヶ丘自動車学校で行われた。実際の事故現場さながらの状況を再現して、その中で応急処置を行っていく訓練だ。

「自転車人気で新規参加者とイベントが増加し、それに伴って重傷事故も増加傾向にある。落車事故が発生したときに、的確な対応ができる自転車関係者を増やしたい」と鹿屋体育大自転車競技部卒の安藤隼人さん(スマートコーチング代表)が活動を始めた。

実際の講習会では、救急救命の流れを4つに区切り、それぞれの実習が行われた。講習会はまる1日の密度ある内容で、少人数のグループに分かれてだれもがひととおりの実習を体験。現場を何度も経験している医師や救急救命士にそのやり方を直接教わり、真剣な表情でこなしていた。

●自転車落車時の救急救命の流れ
1)安全確保と状況判断
・救護に入る前に接近車両や後続者に異常を知らせて二次災害を防ぐ
・出血による感染症対策としてゴム手袋やビニール袋を装着
・冷静に状況を判断し、必要な場合は119番通報する

2)初期評価とCPR
・頚椎保護をしながら声をかける。
・気道、呼吸、循環(脈)を確認する
・必要なら心臓蘇生(CPR)を行う
・AEDがあれば必要に応じてそれを使用

3)全身観察と詳細観察
・そのほかにもケガをしているところがないか調べる
・継続的に気道、呼吸、循環、意識を確認しながら救急車を待つ
・救急救命士が到着した際に痛がっている部分を伝えられるように記憶

4)処置と搬送
・熱中症は体を冷やす。低体温症は温める
・出血している場合は圧迫するなどで止血する
・脊椎を固定した状態で安全な場所、救急車が到着する場所へ搬送

もちろん文章で「こんなときにはこうしたらいい」という知識を頭の中に記憶している人もいるだろう。しかし実際の現場に遭遇するとはたしてどれだけ手際よく救急救命ができるだろうか?

実際に体験してやるべきことを学ぶ

今回の参加者は自転車イベントの主催者や自転車ショップを母体とするチームのリーダーも多かったが、事故を想定した状況を設定して、「さあ、どうするんですか?」と問われると戸惑う人ばかりだった。

それでも指導する救急隊員や救護経験豊富な医師にアドバイスされてなんとかやり遂げる。おそらくもし万一ほんとうの事故に遭遇しても、もうあわてることは少ないはずだ。身をもって体験しておくことの重要性を痛感した。

夏場は熱中症でダウンしてしまうサイクリストもいるかもしれない。軽い症状なら目まいや大量の発汗、筋肉の硬直が見られる。頭痛や嘔吐、判断力低下なら重症だ。こういった場合身体を冷やすことが基本で、衣服を脱がし、生ぬるい水でびっしょり濡らし扇いで風を当てる。氷のうがあれば脇の下・首・鼠径部(そけいぶ)に当てる。一度でも体験しておけば、いざというときに的確に対応できるはずだ。

今後もこういった救急救命講座は開催されるはずで、イベント主催者やクラブチームの責任者のみならず仲間と一緒に走るサイクリストの多くが体験しておくといいと感じた。

自転車の落車事故が発生したらやるべきこと…救急救命講座開催へ

自転車の落車事故に特化した「サイクルセイフティサミット」が12月25日、川崎市宮前区の向ヶ丘自動車学校で開催され、参加者を募集している。

スマートコーチングの安藤隼人が発起人として立ち上げた活動。自動車学校を借り切って、サイクルスポーツシーンでの落車事故に特化したファーストエイド技術を学び、議論し、実践で動けるように繰り返し練習する。

トライアスリートスーパードクターの平泉裕・昭和大学病院整形外科医、横浜消防指令に勤務し、自らも自転車実業団選手として走る横隅和明、走るナース高山真由子が講師やアシスタントを務める。企画の立ち上げや内容の構成には登山医学会で現場をする医師もいる。

怪我した仲間を的確に助ける方法を広めることが主旨。クリスマスの月曜平日開催でサイクリングショップ・職業コーチ・イベンター・ガイド関係者向けだが、ロード・トライアスロンに関係なくアマチュアチームを運営する関係者も参加してほしいという。

密度の濃い、終日にわたる講習会で、参加費1万円、12月2日までの早期割引8000円、学生割引4000円など。
http://cyclesafty2017winter.peatix.com