畑中勇介がチームUKYOからKINAN Cycling Teamに移籍する。22歳の花田聖誠も加わり、2021シーズンは12選手で戦っていく。チームとしてシーズン当初からの新加入選手は2年ぶりとなる。
チームUKYOから加わる畑中。これまでのキャリアではヨーロッパ、アジア、そして日本と、あらゆるシーンで実績を積んできた。大人数でのスプリントもよし、起伏に富んだタフなレイアウトもよし、コースや展開に合わせたスマートな走りで数々の勝利を挙げてきた。なんといっても、2017年の全日本選手権ロードレースでの優勝はここまでのキャリアのハイライト。アジア最高峰のワンデーレース、ジャパンカップ サイクルロードレースでは2010年に3位、翌2011年にも5位と、世界のトップライダーとも対等に渡り合ってきた日本人ライダー有数の経験を、若手からベテランまでそろうチームへと落とし込んでいく。
「KINAN Cycling Teamの一員としてジャパンサイクルリーグやUCI国際レースで新たな挑戦ができることを今とても楽しみにしています」と畑中。
「今までの経験を生かしつつ、勢いのあるこのチームのメンバーとともに一丸となって勝利を目指したいと思います。応援よろしくお願いいたします」
来季はネオプロ(プロ1年目)の選手も採用する。22歳の花田は、ジュニア時代から各年代の国内トップを走ってきた若き力。ジュニア時代には、2016年1月に東京・大島で開催されたアジア選手権ロードレースで銅メダルを獲得。アンダー23カテゴリー昇格後の2019年には、若手の登竜門となっているジャパンカップ オープンレースで優勝を飾るなど、着実な成長曲線を描いてきた。今季までは若手育成チーム「チームユーラシア・IRC Tire」の一員としてベルギーを拠点に活動。ジュニア時代から得意としてきた上りとスピードを生かした走りは、KINAN Cycling Team加入を機により磨きをかけていくことになる。
「KINAN Cycling Teamへの加入が決まり、大変うれしく思います」と花田。
「ここからが新たなスタートになるので、現状に満足せず日々強くなることを意識し、チームの勝利に貢献できるよう最善を尽くします。応援よろしくお願いします」
2020年シーズンからの継続は10選手
新加入選手を加えた全12選手の内訳は、日本人ライダー9人、スペイン人ライダー2人、フランス人ライダー1人で、平均年齢は29歳。前述の通り、若手有望株から実績十分のベテランまでがそろい、これまでの経験をビッグレースへの結果に結び付けていく。
また、より多彩なメンバーでのチーム編成が進んでいることもあり、引き続き選手の専門種目や特性に応じてロード、トラックの2部門によるパート分けも継続。チームとしてはロードレースに重きを置きつつ、トラック競技・中距離種目を専門とする荒井佑太、同・短距離種目を専門とする田中克尚と福田真平へのサポートも惜しまず取り組んでいく。
2020年シーズンは、新型コロナウイルス感染拡大による未曽有の状況により、レース活動が大幅に制限されたにもかかわらず、チームはロード・トラック合わせて4勝を挙げた。2021シーズンも感染拡大状況や、それにともなう国内外の情勢に則しながら、可能な範囲で日本、そして本来の主戦場であるアジアでのレースへ臨む。
具体的には、メインスポンサー「キナン」のお膝元である熊野地域を舞台に開催されるツール・ド・熊野(UCIアジアツアー2.2)での個人総合優勝者の輩出を最大目標としていく。ここまで幾度となく“熊野征服”に挑んできたが、いまだそれが実現に至らず。「2021年こそは!」との思いで、長年の悲願に挑戦する。
2021年シーズンに発足することが発表された新リーグ「ジャパンサイクルリーグ(JCL)」への参戦が決まり、チームとしても勝利を目指すとともに、リーグ、そして自転車界全体の発展につながるよう尽力していきたいという。並行して、国際レース出場を通じた選手の強化、国内ロードレースチームによるトラックレース対抗戦「バンクリーグ」への参戦、イベント開催・参加を通じた熊野地域や自転車界への貢献、自転車安全教室の実施、ホストレースである「KINAN AACA CUP」の開催など、多岐にわたって活動をしていく。
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