7月17日 第10ステージ アヌシー〜ル・グランボルナン 158.5km

アラフィリップが初優勝のみならず山岳ジャージも獲得

峠の頂上を目指して突き進むアラフィリップ © ASO

【ル・グランボルナン(フランス)山口和幸】アルプスの山岳ステージ初日は、クイックステップフロアーズのジュリアン・アラフィリップ(フランス)が終盤に独走を決めて初優勝。フランス勢のステージ優勝は今大会初。同選手は山岳賞でも一気にトップになった。
総合1位のグレッグ・バンアベルマート(ベルギー、BMC)も積極的な走りを見せつけ、区間4位でゴールしてマイヨジョーヌを守っただけでなく、有力選手らにこの日だけで1分39秒差をつけた。

勝つことの難しさをイヤというほど知っている
本格的な戦いが始まった。アルプス3連戦の初日はカテゴリー超級を含む5つの峠が待ち構える。峠を通過した順に規定の得点が与えられ、その累計で争う山岳賞も一気に1位に浮上できる配点が用意されていた。今大会好調のクイックステップチームのエースとして起用されたアラフィリップは、山岳賞ねらいでアタックしたわけではなかった。

もともとはワンデーレースに強い選手だ。何度もゴール勝負で2位になり、あと一歩だった。2年前のツール・ド・フランスでは6区間にわたって総合2位だった。トレーニング方法を変えて総合力を身につけて臨んだ今大会。はやくも山岳で勝負できるレベルまで走りのスタイルが変わった。

グリエール高原の未舗装路をいく © ASO

少人数で先頭集団を形成し、峠の頂上手前で「山岳賞獲得のチャンスもある」とアタックしたアラフィリップは、他選手がついてこないことを確認。ゴールまで逃げ切る覚悟を決め、そしてそれを実現した。ステージ初優勝の快挙に、思いもよらず山岳賞ジャージーもついてきた。

「ツール・ド・フランスで勝つことの難しさをイヤというほど知っている。アタックすることは前夜に決めた。今度こそは優勝してやるという気持ちがボクを最後まで走らせてくれた」。ゴール後はこれまでの思いが過ぎったのか、涙を流す場面も見られた。

リゴベルト・ウランはヒザの治療を走りながら受ける © ASO

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)グレッグ・バンアベルマート(ベルギー、BMC)
マイヨベール(ポイント賞)ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)
□マイヨブラン(新人賞)ピエール・ラトゥール(フランス、AG2Rラモンディアル)

アヌシーの落ち着いた町並み © C. Max
アルプスの宝石と呼ばれるアヌシー湖 © Timothée Nalet/www.timotheenalet.com

サボワ料理の定番、フォンデュ © SavoieMontBlanc-Lacombe

コロンビエール峠 © M.A. Verpaelst – Le Grand-Bornand Tourisme

🇫🇷PDF形式のコース詳細・通過時間

ル・グランボルナンは歓迎ムードが高まる © AUGUSTIN_LOSSERAND
ル・グランボルナン © E. Lantelme

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