距離の短いステージは必ず波乱が起こる
【サンラリースラン(フランス)山口和幸】ピレネー2日目は距離65kmという異例の短距離区間。2013年と2015年に総合2位になったモビスターのナイロ・キンタナ(コロンビア)が最後の山岳で独走。5年ぶり2度目の区間勝利を挙げた。
総合優勝を争う戦いはマイヨジョーヌのゲラント・トーマス(英国)がライバル勢のアタックを封じ込めて区間3位でゴール。チームエースで総合2位につけていたクリストファー・フルーム(英国)が遅れたため、トーマスと総合3位に陥落したフルームの差は1分39秒から2分31秒に。この結果、トーマスがフルームに代わって総合優勝を目指す可能性が確実になった。
フルームがトーマスにマイヨジョーヌを託す
これまで見たことのないスタートシーンだった。F1のように総合成績の上位選手はスタートグリッドに配置。ランプのカウントダウンとともにスタートし、短いものの熱い戦いが始まる。そして短距離レースは常に波乱が起きる。
4年連続5度目の総合優勝をねらうフルームにとって極めて厳しい情勢となっていた。大会最多の5勝に並ぶために、戦う相手は他チームのライバル選手ではなく、チームメート。しかも2人はプロデビュー以来の親友だった。この日もスカイはチームプレーに徹し、トーマスとフルームの順位を守るためにライバルを封じ込めた。
そして今大会を決定づけるような転機が訪れたのは残り4〜5km地点だった。フルームがトーマスに「今日は調子が悪い」と耳打ちしたのだ。
「その言葉を聞いたら、ボクはチームの目標を達成するためにフルームを置き去りにするようなアタックをする必要があった」とゴール後に複雑な表情を浮かべたトーマス。
「とても奇妙な気分だよ。でもボクたちはチームとして成功を収めるために最後まで走りたい」
●4賞ジャージ
■マイヨジョーヌ(個人総合成績)ゲラント・トーマス(英国、スカイ)
■マイヨベール(ポイント賞)ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
●マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)
□マイヨブラン(新人賞)ピエール・ラトゥール(フランス、AG2Rラモンディアル)
🇫🇷ミディピレネー地方の観光情報
🇫🇷ツール・ド・フランス関連ニュース一覧
🇫🇷2018ツール・ド・フランス特集トップページにもどる
コメントを投稿するにはログインしてください。