7月28日 第20ステージ サンペシュルニベイユ〜エスプレット 31km(個人タイムトライアル)

トーマスは初優勝に王手! フルームの意地は区間Vに1秒届かず

ステージ勝利にわずか1秒届かなかったフルーム © ASO

【エスプレット(フランス)山口和幸】最終日前日は総合成績をほぼ確定させる個人タイムトライアルが行われ、この種目の世界チャンピオンであるサンウェブのトム・デュムラン(オランダ)が、スカイのクリストファー・フルーム(英国)を1秒上回るトップタイムで優勝。大会通算3勝目。

マイヨジョーヌのゲラント・トーマス(英国、スカイ)はデュムランからわずか14秒遅れの区間3位のタイムでゴール。この結果、初の総合優勝を確実にした。総合2位はデュムラン。同3位にフルームが浮上し、チームメートで親友のトーマスとともにシャンゼリゼの表彰台に上ることになりそうだ。

世界チャンピオンのデュムランがトップタイム © ASO

エゴを見せなかったフルームの優等生ぶりは継続中
フルームは大会最多タイの5勝に届かなかった。第1ステージでいきなり落車により51秒遅れ。その後もミスでわずかにタイムを失っていく。これに対してアシスト役としてスタートしたトーマスは着実にトップ集団でゴール。アルプスで2連勝し、区間上位3人に与えられるボーナスタイムの累計は33秒にもなった。第12ステージ終了時点で首位トーマスに対してフルームは1分39秒も遅れていた。

「チームの中から総合優勝者を出すことが重要だ」
このときからフルームのコメントに変化が生じた。常に優等生な発言で、エゴはまったく見せない。そしてフルームは第17ステージでエースの座をトーマスに託し、優勝争いから脱落していく。

この日はフルームの意地だった。ステージ優勝をねらって激走し、好タイムでゴール。デュムランが1秒上回ったときは悔しい表情を見せたが、すぐに優等生に戻った。
「トーマスとパリの表彰台に立つのが夢だった。もう言葉がないくらいうれしいよ」
マイヨジョーヌを獲得したトーマスは感極まった表情だったが、全力を出して敗れたフルームのすがすがしさも印象に残った。

マイヨジョーヌを死守したゲラント・トーマス © ASO

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)ゲラント・トーマス(英国、スカイ)
マイヨベール(ポイント賞)ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)
□マイヨブラン(新人賞)ピエール・ラトゥール(フランス、AG2Rラモンディアル)

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