観光大国フランスのホテルは2つ星以下でもここまで快適

いつかツール・ド・フランスを現地観戦したい。対ユーロ為替相場がここのところ、日本人旅行者としては好転して、安く行けるチャンスだ。ただし現地へのアクセスやホテル確保には経験値が必要。そこで30年近くそんなことばかりしているボクが実際の動き方などをアドバイス。

コルドシュールシエルのホテル。2013年第8ステージ

ツール・ド・フランスの観戦スタイルは大別して3つある。レンタカー&徒歩。電車&徒歩。そして自転車だ。ツール・ド・フランスのスタートやゴールは駅近くに設定されるとは限らないので、クルマや電車でその町までアプローチしても肝心の観戦ポイントまでは徒歩あるいはサイクリングとなる。交通規制は数時間前から、山岳区間になると前日から行われるので、レンタカーの場合はそれまでにコース脇に陣取るか、規制地点までクルマで近づいてそこから先は徒歩か自転車でコースまで移動するというのが基本だ。

ホテル予約サイトのおかげで、郊外にある安価でかわいいホテルも訪れることができる時代に。2010年第2ステージ

自転車利用は体力が必要だが、ベストな観戦スタイルではある。クルマの渋滞に巻き込まれることなく、観戦ポイントやその夜のホテルまでたどり着くことができる。体力には自信がなくてレンタカーを借りる資金的余裕があるなら、交通規制が始まる前に沿道に乗り込んで、思い思いの時間を過ごしながら選手たちがやってくるのを待つのもいい。これはバカンスを利用した現地の人たちに多い観戦スタイルだ。

ホテルチェーンの二強、ルーブルグループののカンパニールホテルは清潔な室内と常設レストランで安心感が高い。2009年第10ステージ
ルーブルグループの最下級グレード、プルミエクラス。たいてい隣にカンパニールホテルがあるのでディナーはそちらに回ればいい。2009年第20ステージ
プルミエクラスの小さなデスクでシゴト。快適ではないがチェーンホテルだけに気兼ねは不要。2009年第20ステージ

こうした移動手段の問題はそれぞれの体力や資金に応じて選択すればいいが、観戦のポイントとなるのは宿の確保だ。欧州はクルマ社会だけに郊外の駐車場つきホテルは満室でも、駅前のホテルは意外なほど空いているケースが多い。そこは経験がものを言うのだが、近年は国際的なホテル予約サイトがそれを補ってくれる。まさにピンポイントで宿を探すことができ、しかも最安値で確保できるので利用価値は極めて高い。

ラルプデュエズでホテルを抑えるのは難しいが、運よく滞在型レジデンスが確保できたので日本人取材陣でシェア。2011年第19ステージ
ラルプデュエズのレジデンスのベランダより。草原に走る白いラインは1968グルノーブル冬季五輪のボブスレーコース。2011年第19ステージ
予約ホテルを訪ねたら「キミの泊まる部屋はないけど、大丈夫!」と近所の未亡人が住む部屋に民泊という罰ゲーム。2011年第4ステージ
民泊先のマダムが朝食を用意してくれた。ちなみに宿泊料は予約したときの金額をホテルに支払った。2011年第4ステージ
シタディンは週単位の貸しアパート。写真はパリで、この町に住んでいるような気分が味わえる。2012年第20ステージ
天空の空ラピュタのモデルとなったコルドシュールシエルのホテルに併設されたレストラン。ミシュラン掲載。2013年第7ステージ

【現地コラム】
死ぬまでに泊まってみたいホテル。庶民価格の掘り出し物編

プロバンスのホテル。朝食も夕食もここで味わう。2013年第15ステージ
アルプスの宝石と言われるアヌシー湖に面したホテルで朝食。スズメがクロワッサンをつついている。2013年第20ステージ
パリの常宿。フランスを無事故で一周してきたクルマはいつものパーキングスペースに駐めておく。2013年第21ステージ
英国ステージの時に宿泊した城館。英国では朝食付きの料金設定が多い。2014年第3ステージ
標高2800m超、ピレネーのピックデュミディ天文台の研究者用のシングルルーム。2014年7月22日

【現地コラム】
死ぬまでに泊まってみたいホテル…天文台で満天の星空を見る

【関連コラム】
海外ホテルのネット予約で失敗しないためのテクニック