ピレネーに向けて上っていくとサントマリー・ド・カンパンという小さな集落があります。T字路を右折すればツールマレー峠、直進すればアスパン峠。1913年の第11回ツール・ド・フランスで、前年の総合2位、フランスのウジェーヌ・クリストフが伝説を作ったところです。

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ツールマレー峠の下りで首位のクリストフは落車して鉄製の自転車を欠損。そのまま10km歩いてこの村に到着し、鍛冶屋で自らの手で溶接し、先頭を追いかけたというものです。本当かなあと思うけど、本当にあった話らしいです。
フランス期待のクリストフですが、このステージは3時間50分14秒遅れの29位。首位から3時間22分16秒遅れの総合10位に後退。パリまでに逆転することは不可能でした。

1915年から4年間は第一次世界大戦で開催中止。アクシデントのリベンジをねらうクリストフが、再びツール・ド・フランスに挑戦できたのは1919年。この大会から、個人総合成績の1位選手は「マイヨジョーヌ」とよばれる特別のジャージを着用して走るというルールが制定されました。第1ステージで優勝し、初めてマイヨジョーヌを着用したのがクリストフでした。
総合2位に30分差をつけたクリストフですが、最後から2番目の区間でフロントフォークを折ってしまい、2時間という致命的な遅れ。結局総合優勝することはありませんでした。

鍛冶屋は家屋としては現存しています。簡単に見つける方法があります。カンパンからアクセスし、サントマリー・ド・カンパンの標識が見えたら道路の反対側。イバラに隠れていて見逃しそうですが、ボクは間違えるわけがありません。あつてはレキップのカメラマンが立ち止まってレンズを向けたりしていましたが、もうだれも注目していませんでした。
この「ピレネーの鍛冶屋の物語」の詳細は、小学校の図書館にある学習研究社の「スポーツ感動物語」の中に書かれているのでぜひチェックしてみてください。

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