ポガチャル無双…イル・ロンバルディアでモニュメント5連覇を初めて達成

タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ・XRG)が落葉のクラシックレース、イル・ロンバルディアに5度目の出場を果たし、モニュメント5連覇を達成した初のサイクリストとなった。しかも再び独走での優勝を果たした。レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が2位、マイケル・ストーラー(オーストラリア、チューダー)が3位。

ポガチャルが得意の独走を決める ©LaPresse

記録ずくめのポガチャルの偉業を整理すると

タデイ・ポガチャルは、ファウスト・コッピのイル・ロンバルディア5勝記録に並んだが、連続優勝はポガチャルが初めて。コッピは1946年から1949年にかけて4連勝を達成。それ以前には、他のモニュメントでも5連記録はない。
2025シーズンにポガチャルが優勝したのは20回目。2024年のイル・ロンバルディアは25勝目だった。
今回で10回目のモニュメント制覇。イル・ロンバルディアはポガチャルのモニュメント通算優勝回数の半分を占めている。
ポガチャルにとってロンド・ファン・フランデレン、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュに続き、2025年3回目のモニュメント制覇。1969年、1971年、1972年、1975年のエディ・メルクスに次ぐ、2人目のモニュメント制覇者。
ポガチャルは、イル・ロンバルディアで世界チャンピオンのアルカンシエルを着用して2度優勝した最初のライダーとなる。
ポガチャルは、5つのモニュメント全てで同一年に表彰台を獲得した最初のライダー。最後に4つを獲得したのは、1986年のショーン・ケリー。

サイクリストを祀るマドンナデルギザロ教会を通過 ©LaPresse

ポガチャルは残り37km、ガンダ峠で優勝候補の集団から抜け出し、単独で逃げていたリドル・トレックのクイン・シモンズ(米国)を逆転した。2024年同様、エヴェネプールは2位に甘んじ、ストーラーはエヴェネプールに最後までついていき、UAEチームエミレーツ・XRGのイサーク・デルトロの巻き返しをかわした。

ポガチャルとそれをマークするエヴェネプール ©LaPresse
第119回イル・ロンバルディア ©PresseMarco Alpozzi/LaPresse

1分48秒のリードを維持して独走してフィニッシュしたポガチャルは、ロンド・ファン・フランデレンとリエージュ〜バストーニュ〜リエージュで優勝し、パリ〜ルーベで2位、ミラノ〜サンレモで3位を獲得し、年間5つのモニュメントすべてで表彰台を獲得した初のライダーとなった。

米国チャンピオンのクイン・シモンズがレースをリード ©Marco Alpozzi/LaPresse
ポガチャルが独走 ©Marco Alpozzi/LaPresse

「レース中は鳥肌が立つほど素晴らしい雰囲気だった。サイクリングファンはこうあるべきだ。今日はイタリアでサイクリングできて本当によかったと思った」とポガチャル。

「イル・ロンバルディアは年間で最も長く、最も過酷なレースの一つ。イサーク・デルトロも、自分の持ち場を活かすチャンスに値した。他の選手たちはみな、彼の後輪に追いつけるように全力を尽くした。彼は表彰台に非常に近づいた。彼には明るい未来が待っている」

ポガチャルがイル・ロンバルディアで独走 ©LaPresse
ポガチャルがイル・ロンバルディアで5連覇 ©LaPresse

「この5勝目は、ラファウ・マイカが引退するので、とても特別なものとなった。彼はここ5年間、サイクリング界の師であり、兄貴分だった。今日勝つことは彼の夢でもあった。素晴らしいキャリアを築いてきた彼は、今日もまた素晴らしい指導をしてくれた。

自転車メーカーのエルネスト・コルナゴがゴール前にいて、エディ・メルクスから電話があったので話をした。とてもクールだったが、私は他人と比較されるのは好きではない。誰もがそれぞれにユニークな存在だからだ。ミラノ〜サンレモとパリ〜ルーベが次の大きな目標だが、来年のことを考える前にリラックスしたいと思っている。今年のレースをうまく終えられたことに満足している」

2位エヴェネプールと優勝のポガチャル ©Marco Alpozzi/LaPresse

ポガチャルが歴史的異例ずくめのイル・ロンバルディア3連覇

落ち葉のレースと呼ばれる秋のワンデーレース、第117回イル・ロンバルディアが10月7日にイタリア北部で距離238kmのコースを使って行われ、UAEエミレーツのタデイ・ポガチャル(スロベニア)が残り30km地点から独走して3連覇を決めた。

タデイ・ポガチャルがイル・ロンバルディアで優勝 ©Marco Alpozzi / LaPresse

同大会で3連覇したのはイタリアの英雄的存在、アルフレド・ビンダとファウスト・コッピに続くもので、1949年以来の記録となった。最多優勝はコッピの5勝だが、外国勢としてはアンリ・ペリシエ(フランス)とショーン・ケリー(アイルランド)に並ぶ3勝目。

サイクリストを祀るマドンナデルギザロ教会を通る伝統コース ©Marco Alpozzi / LaPresse

またポガチャルはモニュメントと呼ばれるワンデーの伝統レースで、イル・ロンバルディアの3勝、2021年のリエージュ~バストーニュ~リエージュ、2023年のロンド・ファン・フランデレンと5勝を挙げる歴史的偉業を達成。

ロンド・ファン・フランデレン、フレッシュワロンヌ、イル・ロンバルディアをワンシーズンにすべて勝ったのは史上初。

フランスのティボー・ピノのラストレース ©Marco Alpozzi / LaPresse

今日の勝利で今シーズンが素晴らしいものになった(ポガチャル)

「全体的に素晴らしい1日だった。最後の登りはとても大変だった。たくさんのことが起こっていた。本当にタフなフィニッシュだったし、今日はソロでフィニッシュできてとてもうれしい」とポガチャル。

イタリア北部のベルガモ ©Marco Alpozzi / LaPresse

「この種のレースに勝つには、素晴らしい体、優れた状態、いいメンタル、そして少しの運も必要だ。3連覇は信じられない。これはどのライダーにとっても夢のレースであり、シーズンの最後のレース、美しいレースだ。最後になって痙攣したとき、後ろのグループがあまりうまく協力しないことを期待していたが、なんとか登りを乗り越えた。イル・ロンバルディアでの3勝の中で一番大変だったと思う。怪我をしたりして不思議なシーズンだったけど、今日の勝利の後は本当に素晴らしいシーズンだったと思うし、今年のチームランキングでもトップに立っった。それは僕たちにとって大きな目標だった」

プリモシュ・ログリッチ。2024年はユンボ・ビスマからボーラ・ハンスグローエに移籍する ©Marco Alpozzi / LaPresse
タデイ・ポガチャルがイル・ロンバルディア独走勝利 ©Stefano Porta / LaPresse
タデイ・ポガチャルがイル・ロンバルディアで優勝 ©Gian Mattia D’Alberto/LaPresse
タデイ・ポガチャルがイル・ロンバルディアで優勝 ©Gian Mattia D’Alberto/LaPresse
イル・ロンバルディアで優勝したポガチャル。左は2位アンドレア・バニョーリ、右は3位ログリッチ ©Gian Mattia D’Alberto/LaPresse

ポガチャルがイル・ロンバルディアでマスを制して2連覇

第116回イル・ロンバルディアが10月8日にイタリア北部のコモ湖周辺で開催され、UAEエミレーツのタデイ・ポガチャル(スロベニア)がモビスターのエンリク・マス(スペイン)との一騎打ちを制して2連覇した。距離253km。

イル・ロンバルディアはポガチャルとマスの一騎打ちに ©LaPresse

モビスターのアレハンドロ・バルベルデ(スペイン)とアスタナカザクスタンのビンチェンツォ・ニバリ(イタリア)はこの日が引退レース。バルベルデは6位、ニバリは24位に入った。

2022イル・ロンバルディア ©LaPresse

「ニバリとバルベルデは最後のレースに向けて非常にいい状態だった。ボクは彼らと道を共有できたことを幸運に思う」とポガチャル。

「ボクにとっても、1年じゅう一生懸命働いているチームライダー全員にとっても、重要な勝利だ。今日のコースは、チビリオの上りのほうが急勾配なので、昨年とは違うと感じた。自分のスプリントに自信を持っていたが、これほど長くてハードなレースの後で勝てるかはわからなかった。本当に疲れていたが、フィニッシュラインを見て、痛みを忘れた。

UAEツアーでは、シーズン序盤ですでに素晴らしいコンディションで過ごしていた。レースを比較するのは難しいけど、今日もストラーデビアンケでも、最高の一日を過ごした。このままキャリアを続け、オフにいい休息をとりながら一年中競争力を持ちたい」

2022イル・ロンバルディア ©LaPresse
サイクリストを祀るマドンナ・デル・ギザロ教会の横を通過するイル・ロンバルディアの出場選手 ©LaPresse
ポガチャルがマスを制してイル・ロンバルディア優勝 ©Marco Alpozzi / LaPresse
2022イル・ロンバルディア優勝のポガチャルを中央に、左が2位マス、右が3位ミケル・ランダ ©Gian Mattia D’Alberto / LaPresse

●イル・ロンバルディアのホームページ

ポガチャルが落ち葉のレース、ロンバルディア初優勝

UAEエミレーツのタデイ・ポガチャル(スロベニア)が10月9日にイタリア北部で行われた秋のクラシックレース、イル・ロンバルディアでドゥクーニンク・クイックステップのファウスト・マスナダ(イタリア)を制して初優勝した。

第115回ロンバルディアはコモ〜ベルガモ間の239kmで行われ、ポガチャルの積極的な走りが際立った ©Luca Bettini/BettiniPhoto©2021
ポガチャルがファウスト・マスナダを制して優勝 ©LaPresse

ポガチャルは今季、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュとツール・ド・フランスも制していて、1971年と1972年のエディ・メルクスに続く3大会優勝者となった。

残り36km地点のガンダ峠から第1集団に加わったポガチャルは、ゴール地点のベルガモ出身のマスナダとの一騎打ちに持ち込み、これを制した。

スロベニア勢の優勝は初めてで、大会での14カ国目の勝利となる。

落ち葉のレースと言われるイル・ロンバルディア ©LaPresse – Marco Alpozzi
北イタリアの湖沼地方を走るイル・ロンバルディア ©Frederic Mons
ポガチャル(右)とマスナダの一騎打ち ©LaPresse – Marco Alpozzi
ポガチャルがゴール勝負でマスナダを制した ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse
優勝のポガチャルを中央に、左が2位マスナダ、右が3位アダム・イェーツ ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse
フィアンセのウルシャ・ジガールさんとポガチャル ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

ヤコブ・フルサンがイル・ロンバルディアで独走優勝

アスタナヤコブ・フルサン(デンマーク)が8月15日にイタリアのベルガモ〜コモ間の231kmで行われた第114回イル・ロンバルディアで独走勝利した。終盤にユンボ・ビズマのジョージ・ベネット(ニュージーランド)と抜け出し、突き放した。3位はアスタナのアレクサンドル・ウラソフ(ロシア)。

フルサンがイル・ロンバルディア優勝 ©LaPresse – Marco Alpozzi
マスク着用で表彰台に上ったフルサン ©LaPresse – Marco Alpozzi

「とても暑い1日だったので、もう全力で走った。調子がよかったが、3日前のグランピエモンテで優勝しているベネットも同じであることは分かっていた。ラッキーなことにボクにはチームメートのウラソフがいた。彼は今日のチャンピオンのように強かった」とフルサン。

ベルガモからコモ湖までの231kmで争われた ©LaPresse – Fabio Ferrari

「ベネットとのゴールスプリントを想定していたが、サンフェルモの丘でアタックを試した。後ろをふり向いたら独走していることが分かったので、フィニッシュラインまで全力で走った」

サイクリストを祀ったマドンナデルギザロ教会を通過 ©LaPresse – Fabio Ferrari
晩秋ではなく、盛夏のロンバルディア地方を行く ©LaPresse – Fabio Ferrari
ヤコブ・フルサン(左)とジョージ・ベネットが最終アタック ©LaPresse – Fabio Ferrari
観客もまばらなイル・ロンバルディアのゴール地点 ©LaPresse – Fabio Ferrari

●イル・ロンバルディアのホームページ

ティボー・ピノがイル・ロンバルディアでニーバリを振り切って優勝

グルパマFDJのティボー・ピノ(フランス)が10月13日にイタリアのベルガモ〜コモ間の241kmで行われた第112回イル・ロンバルディアで優勝した。2位は32秒差でバーレーン・メリダのビンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)。

ティボー・ピノがビンチェンツォ・ニーバリを突き放しにかかる © LaPresse – Fabio Ferrari

「モニュメントと呼ばれる有名レースの中で、このイル・ロンバルディアが一番ステキだ。ずっと優勝したいと思っていた。今は絶好調だけど、とりわけニーバリに勝ったのだから特別だ。ソルマーロでニーバリがアタックしてくれた。これに反応できたのが勝因だ」とピノ。

アルカンシエルのアレハンドロ・バルベルデがスタートラインに立つ © LaPresse -GM D’Alberto

サイクリストを祀ったマドンナデルギザロ教会の横を通過する © LaPresse – Fabio Ferrari

フランス勢の優勝は通算12回目で、ベルギーと並んだ。最多優勝国は地元イタリアで69勝。

ピノはミラノ〜トリノと合わせたダブルタイトルを1週間で獲得。2002年にイタリアのミケーレ・バルトリが達成して以来の快挙。

激しく攻め合うビンチェンツォ・ニーバリとティボー・ピノ © LaPresse – Fabio Ferrari

ティボー・ピノがイル・ロンバルディアで優勝 © Gian Mattia D’Alberto – LaPresse