講談社現代新書ツール・ド・フランスが電書版で好評発売中

世界最大の自転車レース、ツール・ド・フランス110年の歴史を簡潔にまとめた書籍「ツール・ド・フランス」が講談社現代新書の電書版として発売されている。著者は山口和幸。Kindleストア、楽天booksなどで880円。

講談社現代新書ツール・ド・フランス

1903年の第1回ツール・ド・フランスから100大会の歴史がわかる

同書は新書として2013年の第100回ツール・ド・フランスに合わせて出版された。第1回からの歴史が簡潔にまとめられ、その全貌を知るのにちょうどいい。

ラルプデュエズで独走するリシャール・ビランク

世界最大の自転車レース「ツール・ド・フランス」のはじまりは1903年。新聞の拡販キャンペーンとして実施されたことに由来する。そして、2013年6月29日に開幕した大会でちょうど100回目を数える。

1997年の総合優勝者ヤン・ウルリッヒ

同書では、歴史を積み重ねてきたツール・ド・フランスのスポーツとしての魅力を、これまでの名勝負・名選手にまつわるエピソードから抽出し、歴史を育んできたフランス、ひいては欧州文化の土壌を紹介する。

ラルプデュエズを上る広告キャラバン隊
  • プロローグ 自転車ロードレースとは何か
  • 第1ステージ フランスの英雄とアメリカの開拓者
  • 第2ステージ ツール・ド・フランス5勝クラブ
  • 第3ステージ 黎明期からビッグイベントになるまで
  • 第4ステージ 偽りの王者に戦いを挑んだライバルたちの悲運
  • 第5ステージ カミカゼ・ジャポネ!
  • エピローグ はるかなるツール・ド・フランス
講談社現代新書ツール・ド・フランス

●講談社現代新書の詳細ページ

「ツール・ド・フランスを喋る」ポッドキャスト書籍化…小俣雄風太&辻啓

ツール・ド・フランスを全日程取材するジャーナリストとフォトグラファーがレース期間中現地から毎日配信するポッドキャスト「Daily Tour」。3年目を迎えた番組初の試みとして、2024年大会の全24エピソードを一冊にまとめた書籍を制作・販売する。

日本初のツール・ド・フランス現地から全日程配信を行ったポッドキャスト「Daily Tour」は、2022年7月期のApple Podcastスポーツランキング1位、2024年7月も総合ランキング上位入りを果たし、ロードレースファンにとって夏のお楽しみコンテンツとして定着。

ツール・ド・フランスでは取材陣も選手たち同様に毎日が移動の旅。レース内容はもちろん、ツール・ド・フランスだからこその変わりゆく文化や風景、食事、言語を主なトピックとして、中継には映らないレースの裏側ととの魅力を語り合う。

語り手は自転車ジャーナリストの小俣雄風太とフォトグラファーの辻啓。書く・撮るとそれぞれの表現でツール・ド・フランスを追いかける2人の、それぞれに異なる視点から語り続ける雑感は、このレースが単なるスポーツイベントではないことを証している。

開催前日と2度の休息日を含む、全24エピソードを完全収録。扉には全ステージ簡易MAPとリザルトを掲載。全158ページのボリュームは、年末年始にじっくりと2024年ツールを振り返るのにぴったり。

購入者限定エピソードとして、小俣&辻によるDaily Tour特別プログラム「2024年どんな年だった?」が付録。ツールやその他のレース、2024年をぐるりと振り返る対談。

書籍 Daily Tour 24
判型/A5 ページ数/158P
発売日/2024年12月25日
購入先/Arenbergのオンラインストアより予約受付中

2025シーズンもJ SPORTSはグランツール全ステージを放送

J SPORTSが2025シーズンにおける海外サイクルロードレースの放送予定を発表した。ツール・ド・フランス、ジロ・デ・イタリア、ブエルタ・ア・エスパーニャのグランツール全ステージをはじめ、ワンデーレースの中でも歴史あるモニュメントと呼ばれる5大レースを全戦中継する。

マイヨジョーヌのポガチャル ©A.S.O. Charly Lopez

これらのレースは放送に加え、パソコン、スマホ、タブレットで見られる動画配信サービス「J SPORTSオンデマンド」でも配信。またサイクルロードレースの楽しさをより多くの人に伝えるため、注目のレースを毎月1~2番組厳選し、無料放送/J SPORTSオンデマンドで無料LIVE配信する予定。

ポガチャルがバッサーノデルグラッパでマリアローザを手中に ©LaPresse

2025ツール・ド・フランス開幕地のトップが挙げた大会招致することのメリット

2025ツール・ド・フランスは開幕からの3日間と大会4日目のスタート地をフランス最北部のオー・ド・フランス地域圏に舞台設定した。この地域における自転車文化から自転車を利用した観光事業まで、そして自転車が市民に与える恩恵などをこの地域のトップが語った。

第4ステージのスタート、アミアン ©Hauts-de-France Tourisme-Laurène Philippot
フランソワ・ドゥコステ―ル(オー・ド・フランス地域圏議会 文化・遺産・地域言語および国際関係担当副議長) ©Hikaru Ogawa / Atout France

フランスでは自転車と観光が表裏一体の蜜月

2025年7月5日に開幕する第112回ツール・ド・フランス。第1ステージはリールメトロポールを発着とする185km。7月6日の第2ステージはロワンプランクからブローニュシュルメールまでの212km。7月7日の第3ステージはバランシエンヌからダンケルクまでの178km。そして7月8日の第4ステージでアミアンメトロポールを出発する。ここまでがオー・ド・フランス地域圏だ。

アラス ©Hauts-de-France Tourisme -Anne sophie Flament
シャンティイ ©Hauts-de-France Tourisme-Vincent Colin

オー・ド・フランス(Hauts-de-France)の「オー」はオートクチュール(高級洋服)のオーと同じで、「高い」という意味。高低差でも「高い」ところをさすが、地図上の上、つまり「北」もオーと呼ばれるので、北フランスという意味がある。

ソンム湾 ©Hauts-de-France Tourisme-Stéphane Bouilland

欧州にある4つの首都、フランスのパリ、ベルギーのブリュッセル、オランダのデンハーグ、英国のロンドンをつなぐルートの十字路に位置するリール、大聖堂で有名なアミアンなどの大都市が戦いの舞台となり、多くのレースファンがやってくるのみでなく、それを迎える市民も今から選手たちがやってくるのを楽しみにしているという。

第2ステージのゴール、ブローニュシュルメール ©Hauts-de-France Tourisme-Benoit Bremer
ブラン・ネ岬 ©Hauts-de-France Tourisme – Fabien Coisy

地元の人たちはどんな接し方で自転車を活用し、それをそれぞれの生活に取り入れて快適化しているのだろうか? オー・ド・フランス地域圏のフランソワ・ドゥコステ―ル副議長に話を聞くと、自転車専用レーンの整備、サイクルツーリズムの促進、そして2025年に開催されるツール・ド・フランスへの期待感を3つのワードとして口にした。

第3ステージのスタート、バランシエンヌ ©Hauts-de-France Tourisme – Anne Sophie Flament
第3ステージのゴール、ダンケルク ©Hauts-de-France Tourisme-Frédérik Astier

「フランスの多くの都市で自転車専用レーンが整備されており、これが日常的な移動手段として自転車の利用を促進している。また、ユーロヴェロルートという大規模な自転車ルートを整備し、自転車観光客を受け入れるホテルの認証制度も構築している」

エスタミネ ©Hauts-de-France Tourisme-Anne Sophie Flament

フランスにおける自転車インフラの整備

「フランスの多くの都市では数十年前から自転車専用レーンが整備されている。都市整備の際には必ず自転車レーンが作られ、これにより自転車が快適で日常的な移動手段の一つとなっている。また、安全性を確保するために、自転車レーンは車が走る道路と完全に分離されているのが特徴」

クレールマレ ©Hauts-de-France Tourisme-

サイクルツーリズムの成長

「フランスでは近年サイクルツーリズムの機運がこれまで以上に高まっている。1つの具体策として、ユーロヴェロルートという大規模な自転車ルートが注目されている。このルートは約100kmにおよび、観光客がその途中で町や田舎を見学しながら走ることができる。また、自転車観光客を受け入れるホテルの認証制度があり、自転車の修理や保管ができる設備を提供している」

アラン・ジェスト(アミアン・メトロポール議長) ©Hikaru Ogawa / Atout France
エステル・レオ―(オー・ド・フランス地方観光局 広報・マーケティングディレクター) ©Hikaru Ogawa / Atout France
クリストフ・デュフォセ、シャトー・ド・ボーリュー オーナーシェフ(ミシュラン2つ星、グリーンスター) ©Hikaru Ogawa / Atout France

「ツール・ド・フランスもたまにやってくるけど、このエリアには石畳の道が舞台となる伝統のパリ〜ルーベが毎年開催されている。それはもうフランスの自転車文化の象徴だ。2025年はツール・ド・フランスの開幕地として4つのステージを展開する。自転車専用道の整備環境、バカンスを利用したサイクリング、そしてペダルを漕ぐ頂点に位置するツール・ド・フランスは常にリンクする。市民にさまざまな恩恵をもたらしてくれるのは確かだ」

クレシー・アン・ポンティユーの森 ©Hauts-de-France Tourisme-Stéphane Bouilland
ルーヴル・ランス ©Hauts-de-France Tourisme -Nicolas Bryant
アンリ・マティス美術館 ©Hauts-de-France Tourisme-Xavier Alphand
ノシカ水族館 ©Hauts-de-France Tourisme-Anne Sophie Flament
ルーベのラ・ピシーヌ美術館 ©Hauts-de-France Tourisme – Nicolas Bryant
サン・ヴァレリ・シュル・ソンム ©Hauts-de-France Tourisme – Stéphane Bouilland
トゥケ・パリ・プラージュのビーチ 
エリクールのテリル(ぼた山) ©Hauts-de-France Tourisme-Fabien Coisy
国際フランス語博物館 
リールのグランプラス ©Hauts-de-france Tourisme – Stéphanie Gheeareart

辻啓のツール・ド・フランス写真展が東京サイクルデザイン専門学校で開催

2024年のツール・ド・フランスを題材にした写真展「Yellow Journey」をフォトグラファーの辻啓が開催する。会場は2023年と同じ、東京サイクルデザイン専門学校ギャラリー「HOLE IN THE WALL」。期間は2024年11月26日(火)から12月1日(日)まで。期間中は本人が毎日在廊予定。

ツール・ド・フランスを題材にした辻啓写真展「Yellow Journey」

入場無料。来場記念プレゼントとしてポストカード(先着順)をプレゼント。また、会場では2025年度の壁掛けカレンダーと卓上カレンダー「Greatest Cycling Race by Kei Tsuji」を販売予定。

Greatest Cycling Race by Kei Tsuji

「今年も写真展を開かせていただくことになりました。東京サイクルデザイン専門学校のご厚意により、昨年と同様の同校内ギャラリーにて6日間の開催となります」と同カメラマン。

「タイトルの通り題材となるのは7月のフランスを黄色く染めたツール・ド・フランスで、前年の倍以上となる50枚以上の写真パネルの展示を予定しています。さらにツール総合優勝者ポガチャルが所属するUAEチームカラーのコルナゴV4RSも展示します。入場無料、ポストカードのプレゼントあり、渋谷駅と原宿駅から徒歩9分という好ロケーションですので、お気軽にお立ち寄りください。開催期間中は辻啓が毎日在廊します。会場にてお会いできることを楽しみにしています」

ツール・ド・フランスを題材にした辻啓写真展「Yellow Journey」

【写真展概要】
辻啓写真展「Yellow Journey」
期間:2024年11月26日(火)〜12月1日(日)
時間:13時〜18時(11月30日と12月1日のみ19時まで)
会場:東京サイクルデザイン専門学校 ギャラリー「HOLE IN THE WALL」

逃げるログリッチをギルマイがゴール直前で逆転…ツール・ド・フランスさいたま

ツール・ド・フランスさいたまクリテリウムの第10回記念大会が2024年11月2日にさいたま新都心駅周辺で行われ、7月のツール・ド・フランスでポイント賞を獲得したアンテルマルシェ・ワンティのビニヤム・ギルマイ(エリトリア)が初優勝した。

ギルマイ(中央)が逃げ続けたログリッチ(右)を逆転して優勝 ©A.S.O. Yuzuru Sunada

レースは終盤にレッドブル・ボーラ・ハンスグローエのプリモシュ・ログリッチ、DSMフィルメニッヒ・ポストNLのロマン・バルデ(フランス)、バーレーンビクトリアスの新城幸也が抜け出した。降りしきる雨のなかでログリッチが独走へ。しかし後続集団がフィニッシュ目前までに追い上げ、最後はギルマイが得意のスプリントで勝利した。

さいたまスーパーアリーナ ©A.S.O. Thomas Maheux
カベンディッシュが日本を走る ©A.S.O. Thomas Maheux
ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム ©A.S.O. Thomas Maheux
さいたまスーパーアリーナを貫通するレースコース ©A.S.O. Thomas Maheux
ベン・オコーナー ©A.S.O. Yuzuru Sunada
ツール・ド・フランス最多勝を更新したカベンディッシュのナンバーカードは35 ©A.S.O. Thomas Maheux
さいたま市の清水勇人市長がスターター ©A.S.O. Thomas Maheux
ログリッチのファンが待ち受ける ©A.S.O. Thomas Maheux
毎回恒例のさいたま市内交流会は埼玉大学で合気道と邦楽琴を体験 ©A.S.O. Yuzuru Sunada
杉浦佳子が個人タイムトライアルを走る ©A.S.O. Yuzuru Sunada
合気道を真剣に学ぶログリッチ
埼玉大学合気道部に入門した新城幸也、プリモシュ・ログリッチ、マーク・カベンディッシュ
パリパラリンピックの金メダルを首からかけてパレード走行に参加した杉浦佳子