【ツール・ド・フランス第6S】ヒーリー初V…ファンデルプールが1秒差マイヨジョーヌ奪還

第112回ツール・ド・フランスは7月10日、バユー〜ビアノルマンディー間の201.5kmで第6ステージが行なわれ、EFエデュケーション・イージーポストのベン・ヒーリー(アイルランド)が残り42kmで8人の第1集団から単独で抜け出して初優勝した。アイルランド選手として大会通算15勝目。チームとして12勝目。総合成績では1分28秒遅れの総合6位マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)がヒーリーを含む8人の逃げに加わり、首位タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ・XRG)に1分29秒差をつけてゴールし、マイヨ・ジョーヌを奪還した。

ベン・ヒーリーが独走 ©A.S.O.

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2025ツール・ド・フランス第6ステージ ©A.S.O.
2025ツール・ド・フランス第6ステージ ©A.S.O.
大活躍のケヴィン・ヴォークランの出身地だ ©A.S.O.
2025ツール・ド・フランス第6ステージ ©A.S.O.
アイルランドのベン・ヒーリーと英国のクイン・シモンズ ©A.S.O.
2025ツール・ド・フランス第6ステージ ©A.S.O.
2025ツール・ド・フランス第6ステージ ©A.S.O.
ファンデルプールが8人の第1集団に加わった ©A.S.O.

●ステージ成績
1位 ベン・ヒーリー(アイルランド、EFエデュケーション・イージーポスト)4時間24分10秒
2位 クイン・シモンズ(米国、リドル・トレック)2分44秒遅れ
3位 マイケル・ストーラー(オーストラリア)2分51秒遅れ

●総合成績
1位 マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)17時間22分58秒
2位 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ・XRG)1秒遅れ
3位 レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)43秒遅れ

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)
マイヨベール(ポイント賞)ジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)ティム・ウェレンス(ベルギー、UAEチームエミレーツ・XRG)
□マイヨブラン(新人賞)レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)

バイユーのカテドラルをスタートしたツール・ド・フランス第6ステージ ©A.S.O.

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【ツール・ド・フランス第4S】ポガチャル18勝目…ファンデルプールが同タイムで首位死守

第112回ツール・ド・フランスは7月8日、アミアンメトロポール〜ルーアン間の174.2kmで第4ステージが行なわれ、UAEチームエミレーツ・XRGのタデイ・ポガチャル(スロベニア)が第2ステージで負けたアルペシン・ドゥクーニンクのマチュー・ファンデルプール(オランダ)に勝利。ボーナスタイムにより、総合時間でポガチャルとファンデルプールが並んだが、これまでの4つのステージの着順合計により、ファンデルプールがマイヨジョーヌを死守した。

ノルマンディー地方の美しい村を駆け抜けていく ©A.S.O.

マイヨジョーヌはタイム差なしでファンデルプールが死守

ステージ1位のポガチャルがボーナスタイム10秒、ファンデルプールが6秒を獲得。総合成績でファンデルプールとポガチャルがタイム差なしで並んだ。タイムが同じ場合、通常は切り捨てられるタイムトライアルの1/100秒単位の記録を加えて比較し、タイムの少ない選手が総合上位に立つというルールがあるが、今大会はまだタイムトライアルが行なわれていない。そのためここまでの全ステージの順位を合計し、累計の少ない選手が上位に立つというルールが適用された。この結果ファンデルプールが合計54、ポガチャルが92となり、ファンデルプールが総合1位を守った。

アミアン大聖堂をスタート ©A.S.O.

ポガチャルはプロ通算100勝目、ツール・ド・フランス通算18勝目。現ロード世界チャンピオンがツール・ド・フランスでステージ勝利したのは、2021年のジュリアン・アラフィリップ(フランス)以来の記録となった。

2025ツール・ド・フランス第4ステージ ©A.S.O.
レニー・マルティネスら4選手がアタック。2025ツール・ド・フランス第4ステージ ©A.S.O.
マイヨジョーヌのファンデルプール。2025ツール・ド・フランス第4ステージ ©A.S.O.
マイヨジョーヌのファンデルプール。2025ツール・ド・フランス第4ステージ ©A.S.O.

●ステージ成績
1位 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ・XRG)3時間50分29秒
2位 マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)同タイム
3位 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、チーム ヴィスマ・リースアバイク)同タイム

●総合成績
1位 マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)16時間46分00秒
2位 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ・XRG)同タイム
3位 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、チーム ヴィスマ・リースアバイク)8秒遅れ

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)
マイヨベール(ポイント賞)ジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ・XRG)
□マイヨブラン(新人賞)ケヴィン・ヴォークラン(フランス、アルケア・B&Bホテルズ)

ポガチャルを牽引するチームメート ©A.S.O.

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世界チャンピオンのポガチャルが2025ツール・ド・フランス第4ステージ優勝 ©A.S.O.

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【ツール・ド・フランス第2S】ファンデルプール優勝でマイヨジョーヌをフィリプセンから譲り受ける

アルペシン・ドゥクーニンクのマチュー・ファンデルプール(オランダ)が第112回ツール・ド・フランスの第2ステージを制した。2025年7月6日、ロワンプランク〜ブローニュシュルメール間の209.1kmで行なわれたレースは、少人数のゴールスプリントをファンデルプールが制覇。2021年の第2ステージに続く大会通算2勝目。

マイヨジョーヌをフィリプセン(左)からファンデルプールに譲り渡すことが成功。2025ツール・ド・フランス第2ステージ ©A.S.O.

前日はチームメートのヤスペル・フィリプセン(ベルギー)が優勝して首位のマイヨジョーヌを着用していたが、この日フィリプセンは31秒遅れ。ファンデルプールが首位となり、そのジャージを譲り受けた。チームとしては最高の形で開幕からの2日間を過ごした。

2025ツール・ド・フランス第2ステージ ©A.S.O.

同タイムの2位はタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ・XRG)、同じく3位はヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、チーム ヴィスマ・リースアバイク)。

マイヨジョーヌのフィリプセンを牽引するファンデルプール。2025ツール・ド・フランス第2ステージ ©A.S.O.
2025ツール・ド・フランス第2ステージ ©A.S.O.
待ちに待ったツール・ド・フランスは雨! ©A.S.O.
2025ツール・ド・フランス第2ステージ ©A.S.O.

●ステージ成績
1位 マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) 4時間45分41秒
2位 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ・XRG)同タイム
3位 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、チーム ヴィスマ・リースアバイク)同タイム

●総合成績
1位 マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) 8時間38分42秒
2位 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ・XRG)4秒遅れ
3位 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、チーム ヴィスマ・リースアバイク)6秒遅れ

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)
マイヨベール(ポイント賞)ヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ・XRG)
□マイヨブラン(新人賞)ケヴィン・ヴォークラン(フランス、アルケア・B&Bホテルズ)

ファンデルプールが2025ツール・ド・フランス第2ステージでマイヨジョーヌ ©A.S.O.

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2025ツール・ド・フランス第2ステージでポガチャルが山岳賞1位に ©A.S.O.

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ファンデルプールがガンナとポガチャルを制してミラノ〜サンレモ優勝

世界最長距離となる289kmで開催されたミラノ〜サンレモ(3月22日、イタリア)はマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)がフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)とタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ・XRG)を制して優勝。2023年に続く大会2勝目。

ファンデルプール(中央)、ガンナ(左)、ポガチャルが最後の坂で先頭に。2025ミラノ〜サンレモ ©LaPresseFabio Ferrari/LaPresse

世界王者ばかり3選手のゴールスプリント勝負に

ファンデルプールはミラノ〜サンレモで2度目の勝利を飾った。大会2勝は17年ぶり。ポガチャルがチプレッサの上りで仕掛けてガンナを含む3人の優勝争いとなると、ガンナがペースを維持し、2選手をふるい落とそうとしたポガチャルに抵抗。ファンデルプールは頂上の手前でカウンターアタックした。

最後は3選手でのゴールスプリントとなり、ファンデルプールが残り300m地点からスパートして優勝した。

地中海リヴィエラ海岸に到達した2025ミラノ〜サンレモ ©LaPresse

人生で最も調子いいのでポガチャルに勝てると感じていた

「私は人生の中で最もいい状態にいる。ティレーノ〜アドリアティコでいい感触を得ていて、1週間の休息で最高の状態になれるとわかっていた。ポガチャルについていける自信があった」とファンデルプール。

「チプレッサではティム・ウェレンスがスピードを上げた瞬間から厳しくなった。ポガチャルが私たちを振り落とそうとすることは知っていたが、私は彼についていくのに十分な脚力があった。トルキーノを越えた後に日差しを見たとき、沿岸で気温が高くなるのを感じてチャンスだと思った。それがチプレッサで大きな努力ができた理由でもあるが、優勝争いが3人だけだと知って驚いた。

ポガチャルを打ち負かすことは特別なこと。彼は素晴らしい走りを見せた。ラスト300mからスプリントすると決めていたので、今日はそれが勝利のポイントだった。ミラノ〜サンレモで2度目の勝利を修めてうれしい。モニュメントはどれも特別だが、今日のレースの展開を考えると、このパフォーマンスを誇りに思える。今日はレースが非常に厳しかったので、終わった時はかなり感情的になった。また1つモニュメントを制覇したなんて信じられない」

ポガチャルのアタックに反応するファンデルプールとガンナ。2025ミラノ〜サンレモ ©POOL LucaBettini/LaPresse
ファンデルプールがガンナとポガチャルを制して優勝。2025ミラノ〜サンレモ ©LaPresse

2人の世界チャンピオンを相手にこれ以上できなかった

「今日は本当にうれしい。チームとして、私たちは素晴らしい仕事をした。私は世界チャンピオンである2人の優れたサイクリストに対して、これ以上のことはできなかった。私は自分のペースでポッジオを走り、頂上までその位置をキープして、2人のライダーについていくために下り坂では目を閉じた。今年はこれ以上のことはできなかったので、来年こそ勝てるように頑張りたい」と2位ガンナ。

優勝のファンデルプール。左が2位ガンナ、右が3位。2025ミラノ〜サンレモ ©LaPresse

最善を尽くしたが今日はマチューが強すぎた

「私たちは計画どおりに、完璧な仕事をした。チームは素晴らしかった。私は最善を尽くした。チプレッサでアタックした。1人で行けると試みたが、マチューやピッポ(ガンナ)と一緒に行けて満足だ。本当にいいグループだった」とポガチャル。

「ポッジオでも再度挑戦した。早めに仕掛ける必要があることは分かっていた。マチューは今日非常に強かった。私たちはみんなラスト300m、同じポイントでスプリントを開始する考えを持っていたが、少し追い風があったので直線路のローマ通りはとても速かった。マチューが最も強かったので、彼に敬意を表したい。3位に満足する必要があるが、来年もっと頑張りたい」

世界最長289kmの自転車レース、2025ミラノ〜サンレモ ©Fabio Ferrari/LaPresse

ファンデルプールが北の地獄パリ〜ルーべで独走2連覇

マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)が4月7日にフランスで開催された第121回パリ〜ルーベで独走勝利した。2023年に続く優勝だが、今回は世界チャンピオンのアルカンシエルを着用してガッツポーズでゴールした。

世界チャンピオン、マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)。2024パリ〜ルーべ ©A.S.O. Pauline Ballet

3分遅れの2位はチームメートのヤスペル・フィリプセン(ベルギー)で、同選手の2位も2年連続。3位はリドル・トレックのマッズ・ピーダズン(デンマーク)。

コンピエーニュをスタートする2024パリ〜ルーべ ©A.S.O. Pauline Ballet
距離259,7kmで争われた2024パリ〜ルーべ ©A.S.O. Pauline Ballet
パリ〜ルーべの難所アランベールを走るフレッド・ライト ©A.S.O. Pauline Ballet
2024パリ〜ルーべは快晴となり、砂埃が舞った ©A.S.O. Pauline Ballet
2024パリ〜ルーべ ©A.S.O. Pauline Ballet
ファンデルプールが2024パリ〜ルーべを走る ©A.S.O. Pauline Ballet
2024パリ〜ルーべ、石畳区間はチームカーが乗り入れられないのでチームスタッフが車輪を持って待機 ©A.S.O. Pauline Ballet
ファンデルプールが2024パリ〜ルーべで独走 ©A.S.O. Pauline Ballet
ファンデルプールがパリ〜ルーべを連覇 ©A.S.O. Pauline Ballet
2024パリ〜ルーべを制したファンデルプールを中央に、左が2位フィリプセン、右が3位ピーダズン ©A.S.O. Pauline Ballet
ゴール後のシャワー室で。ティム・ドクレルク ©A.S.O. Pauline Ballet
広告キャラバン隊ダイスキ! 2024パリ〜ルーべ ©A.S.O. Gautier Demouveaux

ファンデルプール北の地獄を制す…宿敵ファンアールトは痛恨のパンク

「北の地獄」と呼ばれる石畳の悪路が待ち構える伝統レース、第120回パリ〜ルーベが4月9日、フランスのコンピエーニュからルーベまでの257kmで行われ、アルペシン・ドゥクーニンクのマチュー・ファンデルプール(28)=オランダ=が独走で初優勝した。ライバルのワウト・ファンアールト=ベルギー、ユンボ・ビスマ=は先頭に立ちながら痛恨のパンクで3位に終わった。

勝負どころ、アランベールの石畳を走るファンデルプール(左)とファンアールト ©A.S.O. Pauline Ballet

優勝候補ばかり7選手が北の地獄の終盤に結集

ファンデルプールがモニュメントと呼ばれる伝統あるワンデーレースでの強さを証明した。3月18日にイタリアで開催されたミラノ〜サンレモに続く優勝。2020年と2022年にはベルギーのツール・デ・フランドルを制していて、3つ目のタイトルを獲得した。

路面が荒れているほど観客が集まる ©A.S.O. Pauline Ballet

この日はファンデルプールの波状攻撃によってファンアールトや他の有力選手で構成された7人に第一集団が絞り込まれた。この中にチームメートのヤスペル・フィリプセン(ベルギー)がいたこともファンデルプールにとってはラッキーだった。優勝候補のジョン・デゲンコルプ(ドイツ、DSM)は勝負を仕掛けた終盤の石畳区間でファンデルプールと接触して落車。

ファンアールト(先頭から2人目)はこの日好調だったが… ©A.S.O. Pauline Ballet

ファンデルプールが後方を気遣っていたすきを突いてファンアールトがアタックした。ところがここで不運のパンクで失速。ファンデルプールがライバルを追い抜いてゴールまで独走した。

「最初はファンアールトがパンクしたとは知らなかった。でも、追い越した時はペースが遅くて、彼に問題があるのが分かった」というファンデルプール。

ファンデルプール(右)とファンアールト(中央)の両雄がバトル ©A.S.O. Pauline Ballet

「悪夢のようなパンクだったが、これも人生だ。自転車を交換してあきらめずに前を追ったが、ファンデルプールのような強い選手までの20秒を詰めるのは困難だった。今日は彼のアタックに反応できていたので、2人のゴール勝負になれば自信はあった」とファンアールト。最後はマークに付いたフィリプセンにもゴール勝負でかわされて3位になった。

ゴールのルーベ競技場で絶叫して喜びを表すファンデルプール ©A.S.O. Pauline Ballet

「これまでで最高の1日を過ごしたと思う。私は本当に強いと感じていて、数回の攻撃を試みたが、有力選手らを落とすのは困難だった。勝負どころの石畳区間は、デゲンコルプのクラッシュとファンアールトのパンクがあって、私は先頭に立っていることに気づき、フィニッシュラインまで全力で走った」とファンデルプール。

落車で勝利を逃したデゲンコルプがゴール後に倒れ込んだ ©A.S.O. Pauline Ballet

「フィニッシュラインまでファンアールトと一緒に行くことになれば、レースは違ったものになっていたかもしれない。彼の身にふりかかった不幸は残念だけど、それもレースの一部だ。パリ~ルーベで優勝するにはいい脚と幸運が必要なんだ」

優勝のファンデルプールを中央に、左が2位フィリプセン、右が3位ファンアールト ©A.S.O. Pauline Ballet

新兵器エア調整システムが実戦使用された

DSMとユンボ・ビスマがパリ〜ルーベでタイヤ空気圧管理システムを使用した。ハンドルのリモートボタンを使用して、バイクに乗りながらタイヤの空気圧を増減できる。石畳と舗装路が交互に連続する同レースでは有利になる。

タイヤ空気圧を走行中に変えることができるスコープアトモス

ボタンを押すとワイヤレス信号により車輪ハブ部のバルブが開閉する。タイヤ内側にエアコンプレッサーがあって、走行中でも空気を抜いたり膨らませたりできる。路面状況に応じて最適なグリップ力と転がり抵抗にすることにより、選手は自信を持ってバイクを操作できるようになり、パフォーマンスと安全性が向上する。石畳ばかりでなく突然の雨でもメリットを発揮する。

すでに一般販売されていて、価格はこのシステムだけで約58万円。