カザフスタンのXDSアスタナが中国資本参入で中国寄りに体制変更

世界最高峰のワールドツアーで20年目を迎えるカザフスタンのアスタナが、メインスポンサーとして中国の深センに拠点を置くカーボンメーカーXDSを迎え、XDSアスタナというチーム名称で2025シーズンを走る。所属選手は11カ国・30人。使用する自転車のブランドネームはXDSの持つX-Labとなる。

XDSアスタナ ©Luca Bettini/SprintCyclingAgency©2024

中国製自転車がいよいよツール・ド・フランスを走る

XDSアスタナは中国のサイクリスト、スー・ハオユー(24)と2025・2026年の契約を結んだ。チームで30人目の選手となり、これで体制が確定した。2024年の世界ランキングは1447位で、プロレースでの勝利はない。中国ではタイムトライアルに強い選手と言われているが、チームが潤沢な中国資本で運営されていくことを考慮すると、中国選手の加入は必然だった。

スー・ハオユー

「XDSアスタナに参加することになって光栄。これは私にとって大きな一歩であり、このユニークな機会に感謝している」とハオユー。「これからやるべきことはたくさんあるので、ヨーロッパのレースで経験を積むことを目指している。最高レベルで中国を代表するために最善を尽くし、参加するすべてのレースでチームの目標に貢献したい」

XDSのXラブブランドモデル ©Luca Bettini/SprintCyclingAgency©2024

年間500万台以上の自転車を生産するXDS

XDSは1995年に設立され、研究開発、製造、販売、サービスの統合に特化したカーボン製品製造企業。自転車では国際的なメーカーのカーボンモデルOEMなどを手がけていた。世界初の「自転車エコテーマパーク」工場と、世界初の企業によるUCI国際標準マウンテンバイクコースを有し、業界最先端の設備と製造技術で、年間500万台以上の自転車を生産する。

XDSアスタナが使用するXラブ ©Luca Bettini/SprintCyclingAgency©2024

2025年のチームはイタリア勢が主力。ディエゴ・ウリッシがエース。イタリアチャンピオンのアルベルト・ベッティオルも所属する。またバーレーンビクトリアスからオランダのワウト・プールスを獲得した。

XDSアスタナはオーストラリアのサントス・ツアー・ダウンアンダーでシーズンをスタートさせる。

XDSのタイムトライアルモデル ©Luca Bettini/SprintCyclingAgency©2024

大谷翔平はアスリート最優秀賞10傑ならず…棒高跳びデュプランティスと体操バイルズ

2024年に最も輝いたスポーツ選手を選出するアスリートオブザイヤーが12月30日に発表され、男子は棒高跳世界記録保持者のアルマンド・デュプランティス(スウェーデン)が、女子は精神障害を抱えつつパリ五輪で金メダル3個を獲得したシモーネ・バイルズ(米国)が受賞した。

棒高跳びのアルマンド・デュプランティス(左)と体操のシモーネ・バイルズ ©Getty Images

スイスのローザンヌに拠点がある同協会が111カ国・518人のジャーナリストの投票結果を発表した。デュプランティスは過去2年の2位で、今回が初受賞。バイルズは5回目の受賞。

日本選手は最優秀男子にプロ野球の大谷翔平と体操の岡慎之助、女子にフィギュアスケートの坂本花織がノミネートされていたが、トップテンに名前はなかった。2020年にはテニスの大坂なおみが最優秀女子アスリートに選ばれている。

デュプランティス…世界記録更新10回、金連覇、世界王者という破竹の25歳

記録破りのシーズンとなったデュプランティスは603ポイントで年間最優秀男子アスリート部門を席巻。2022年と2023年のAIPS投票で2位だったが、初めてこの権威ある賞を獲得した。

世界室内陸上競技選手権、欧州陸上競技選手権、パリ五輪でタイトルを守ったデュプランティス。6.24m、6.25m、6.26mと世界記録を次々と塗り替え、室内・屋外で無敗のシーズンを送った。

パリ五輪では、6.25mを成功させて9度目の世界記録を樹立。すでに6.00mで東京五輪に続く金メダル獲得を決めていて、1950年代以降男子棒高跳で初の連覇を果たしていた。2週間後には、ポーランドのシレジア・ダイヤモンド・リーグ大会で、キャリア10度目の世界記録を更新した。初めて世界記録を更新したのは2020年2月で、それ以降は世界の頂点に君臨し続けている。

セルビアのテニス界の象徴的存在ノバク・ジョコビッチは37歳で男子シングルスで最年長の五輪金メダリストとなり、生涯ゴールデンスラムを達成した5人目のテニス選手となったが、368ポイントで2位に終わった。同年にツール・ド・フランス、ジロ・デ・イタリア、世界選手権の「三冠」を獲得した史上3人目の選手、スロベニアのタデイ・ポガチャルは294ポイントで3位になった。

2024 AIPS男子アスリートオブザイヤー

1. アルマン・デュプランティス(スウェーデン)– 陸上競技 – 603
2. ノバク・ジョコビッチ(セルビア)– テニス – 368
3. タデイ・ポガチャル(スロベニア)– 自転車競技 – 294
4. レオン・マルシャン(フランス)– 水泳 – 246
5. ヴィニシウス・ジュニオール(ブラジル)– サッカー – 226
6. カルロス・アルカラス(スペイン)– テニス – 220
7. ラミネ・ヤマル(スペイン)– サッカー – 211
8. ヤニック・シナー(イタリア)– テニス – 180
9. ミハイン・ロペス(キューバ)– レスリング – 172
10. ロドリ(スペイン)– サッカー – 144

バイルズ…東京の途中棄権から精神的に復活。五輪と世界選手権の獲得メダルは30個

パリ五輪で金メダル3個と銀メダル1個を獲得したバイルスは、703ポイントを獲得して5度目の年間最優秀女子アスリート賞を手中にした。2年連続でFIFA最優秀女子選手に選ばれたスペイン、バルセロナのミッドフィールダーであるアイタナ・ボンマティ(337ポイント)と、セントルシア初の五輪100m金メダリスト、200m銀メダリストのジュリアン・アルフレッド(263ポイント)を抑えた。

2024 AIPS女子アスリートオブザイヤー

1. シモーネ・バイルズ(米国)– 体操 – 703
2. アイタナ・ボンマティ(スペイン)– サッカー – 337
3. ジュリアン・アルフレッド(セントルシア)– 陸上競技 – 263
4. シファン・ハッサン(オランダ)– 陸上競技 – 226
5. マルタ(ブラジル)– サッカー – 196
6. ケイティ・レデッキー(米国)– 水泳 – 187
7. シフリン・ミカエラ(米国)– アルペンスキー – 176
8. ヤロスラバ・マフチク(ウクライナ)– 陸上競技 – 165
9. ベアトリス・チェベト(ケニア)– 陸上競技 – 157
10. イガ・シフィオンテク(ポーランド)– テニス – 144

最優秀チーム賞はアルゼンチンサッカー、大会はパリ五輪

2024年のAIPS最優秀チームはアルゼンチンサッカー ©Carmen Mandato/Getty Images

団体賞と大会も投票され、最優秀チーム賞はアルゼンチンサッカーナショナルチーム、大会はパリ五輪が1位に選ばれた。

AIPSはスポーツの国際大会を報道する記者・カメラマンが所属する国際団体で、年末に1年間で最も活躍した選手らを投票によって選出するのが恒例。スポーツ界で輝いたアスリートを議論することに特化した最も国際的な世論調査と言われる。

世界各国でスポーツ大会を取材する記者らが投票するため、日本で報道されることが多いスポーツ選手が上位にランクされることはまれで、サッカー、陸上競技、テニスなど世界中で行われているスポーツシーンで活躍する選手がラインナップされる。

●AIPSの詳細ページ

観光地を結ぶ交通機関がなければサイクリング…弱みを強みにした観光策

埼玉県比企地域を舞台に小川町・ときがわ町・嵐山町・東秩父村の4町村をめぐる体験型の「サイクリング×デジタルマップイベント」が2025年1月から開催されることになった。地域の交通拠点と観光スポットを繋ぐ二次交通の課題を解決するため、自転車を活用する観光策。

「観光資源はあるものの離れた場所に点在していて、複数の観光スポットへの公共交通でのアクセスが困難である」というエリア。交通拠点と観光スポットを繋ぐ二次交通の課題があった。この課題の解決を目指し、埼玉県比企地域を舞台に、小川町・ときがわ町・嵐山町・東秩父村の4町村をめぐる、初心者から上級者まで楽しめる体験型のサイクリングロゲイニングイベントを開催。

サイクルロゲイニングとは、自転車で地図上のチェックポイントをまわり、制限時間内にポイントを獲得していくスポーツイベントのこと。

比企(Hiki)ライドチャレンジ ~3T1Vクエスト~サイクルロゲイニング

概要=デジタルマップを活用した観光スポット、グルメスポットを自転車で巡り、ポイントを集めるイベント。
開催日時=2025年1月12日(日)、2025年1月18日(土)
所要時間=9:00~16:00頃(集合時間9:00~10:00にかけて順次)
集合場所=観光案内所「むすびめ」(東武東上線・JR八高線「小川町」駅前徒歩1分)
または、おいでなせえ小川町駅前店(東武東上線・JR八高線「小川町」駅から徒歩3分)
定員=各20名
参加料=無料。集合場所までの交通手段、宿泊、飲食は各自での手配
参加特典=参加修了証および景品をプレゼント
参加条件・自転車をお持ちの方(スポーツ自転車が望ましい)
・普段自転車に乗り慣れている方
・スマートフォンをお持ちの方
※自転車に乗れるお子さまは同伴可
持ち物【必須】
スマートフォン、動きやすい服装と防寒着、飲み物、身分証明書(成人の方のみ)、自身のバイク、スマホアプリ「グーグルマップ」
【推奨】
モバイルバッテリー、ヘルメット

●イベントの詳細ページ

2024アクセスランキング1位は世紀の6位羽生結弦…プレスポーツ

スポーツコンテンツを集めたPRESSPORTS(プレスポーツ)はおかげさまで7周年。最も読まれた記事のトップテンを集計しました。 これからもさまざまな分野でのホットな情報をお送りしていきます。

【1位】過去100年のベストアスリートにS・ウィリアムズとアリ…羽生結弦が6位

テニスのセレーナ・ウィリアムズ(左)とボクシングのモハメド・アリ

国際スポーツプレス協会(AIPS)が1924年から2024年までの100年間におけるベストアスリートを投票により決定し、パリ五輪の真っただ中に発表。注目は日本のプロスケーター羽生結弦さんが6位に食い込んだことでした。

自転車ニュースの取り扱いが多いプレスポーツでは異色の掲載でしたが、AIPS会員として実際の投票に加わり、即時に報道したことで日本の羽生さんファンの目にとまる記事をお送りできたからだと思います。

【2位】イエローハットがワイズロードの全株式取得で子会社化

ワイズロード新橋店

イエローハットが、スポーツ自転車チェーン店のワイズロードを運営するワイ・インターナショナルの全株式を取得し、子会社化することを発表。自転車産業界でも大きなニュースとなりました。イエローハットにより全国展開し、良質のスポーツバイクがどこでも手に入る時代に期待したいです。

【3位】キャノンデールが日本を撤退…10月からの販売はインターテックが継承

キャノンデールファクトリーレーシング(CFR)による実走チェック

ブランド創業50周年を迎えた最も歴史の長い米国キャノンデールでしたが、日本法人のキャノンデール・ジャパンでの販売と各種サービスが2024年9月30日で終了。自転車関連商品の輸入・販売商社インターテックに事業移管されました。

【4位】新しいスマホにGarminデバイスがペアリングできない時の解決法

スマホを買い換えるときはLINEのようにGarminデバイスもあらかじめ対処しておく必要がある

新しいスマホを入手して、手持ちのGarminデバイスを同期しようとするとたいてい失敗します。実は奥深い理由があるので、しっかりとレポートしています。息の長い人気コラムです。

【5位】安治川部屋公認の頑丈で安心・快適な高耐荷重設計自転車発売へ

大相撲・安治川部屋公認のデュラシック100

丈夫で長持ちするお買物自転車がほしい。自転車チェーン店と相撲部屋がコラボして企画・発売しました。

【6位】新幹線輪行…特大荷物スペースを予約するなど5つのテク

これが東海道新幹線の特大荷物スペース。2列席と3列席の最後尾のうしろにある

新幹線や特急などに輪行袋を持ち込む際は、路線によって事情が異なるので要注意。予約などのやり方をまとめました。

【7位】連載開始=ヒマラヤにある未踏峰プンギに日本の学生隊が挑戦

HCから見上げたプンギ山頂

ヒマラヤの未踏峰に初登頂した学生5人が持ち回りで執筆する連載記事は、現在も継続中。その生々しいアタックの模様や、現地で見たネパール山岳ビジネスなどをレポートしています。

【8位】海の向こうに3000m級の山岳が望める絶景富山湾サイクリング

立山連峰がかすかに見える比美乃江公園

日本のナショナルサイクルルートを実走してレポートする記事のシリーズです。Cycling Route特集も好評です。

【9位】アウェイでも負けずに金を…パリ五輪初陣を飾る柔道角田夏実が意欲

パリ五輪のマスコット、フリージュと柔道日本代表の角田夏実

2024パリ五輪で日本勢最初のメダル獲得者となるのは、柔道48kg級の角田夏実だと予想しています。

【10位】脂肪が一番燃える心拍数…40歳で安静時60なら144、50歳なら137

2018年の記事ですが、相変わらず読まれています。脂肪が最も効率的に燃焼する計算式を紹介しているので、だれでも数値が簡単に割り出すことができ、無駄のないフィットネスに役立ちます。

春の真鶴でサイクリングを満喫するためのホテル3プラン

温かな春の海と、地元の漁師たちに「魚を育てる森」と呼ばれてきた豊かな原生林などをサイクリングする3つのプランを、神奈川県真鶴町に2023年12月2日にオープンしたHOTEL FARO manazuruがスタートさせた。

海の恵みを楽しむ 磯遊びと絶景オーシャンビュー海鮮BBQプラン

ホテルのルーフトップで広がる絶景を眺めながら、新鮮な海の幸を贅沢に味わう海鮮BBQ。海風に包まれながらのディナータイム。翌朝のチェックアウト後は、真鶴の人気スポット『琴ヶ浜』へ。磯遊び用のグッズを貸してくれる。

設定期間:2025年3月1日~5月31日
料金:1泊1室【夕朝食付き】※室料・夕食・朝食・サービス料・諸税込み
2名様ご利用の場合 お一人様¥2,700~
プラン内容:
・新鮮な海の幸を楽しむ海鮮BBQ
・磯遊びグッズの貸し出し(軍手・網・バケツ等)
・HOTEL FARO manazuru特製 和重
プラン特典:
・貸切風呂1枠(45分)無料
・真鶴ランチサービス券<正徳丸と明日の箱(カレー屋さん)>

春の風を感じる 真鶴サイクリング旅プラン【レンタサイクル割引チケット付き】(夕朝食付き)

レンタサイクルの手続きは駅近くの観光協会で行えるため、電車で訪れる方でも気軽に利用できる。

設定期間:2025年3月1日~6月30日 ※除外日:土日・祝日・祝前日
料金:1泊1室【夕朝食付き】※室料・夕食・朝食・サービス料・諸税込み
2名様ご利用の場合 お一人様¥23,700~
プラン内容:
・観光協会で使えるレンタサイクル平日限定10%オフチケット
クーポンをメールにてお送りいたしますので、お支払いの際に観光協会にて直接お見せください。
利用コース:半日 ¥1,000 / 1日 ¥1,500 / 1泊2日 ¥3,000
受付時間: 10:00~
※半日または1日のみのご利用の場合は、当日16:00までに必ずご返却ください。
※1泊2日ご利用の場合は、当日はホテルで自転車をお預かりし、翌日の16:00までに返却をお願いいたします。
プラン特典:
・アーリーチェックイン (14:00~)

【4食付き】のんびりステイプラン ~屋上ランチで楽しむ真鶴時間~

朝食2回・夕食1回に加え、屋上で楽しむピクニックボックス付きのお得なプラン。2日目の昼食は、真鶴のパン屋「秋日和」のパンを使用したサバサンドと真鶴の高校生が考案した地元土産「ボンボン鮫最中」をセットにした特製ピクニックボックス。

設定期間:2025年3月1日~5月31日 ※除外日:金曜日・土曜日・祝日・祝前日・GW期間
料金:2泊1室【夕食・2朝食・昼食付き】※室料・夕食・2朝食・昼食・サービス料・諸税込み
2名様ご利用の場合 お一人様¥36,610~
プラン内容:
・真鶴を堪能するビストロシェアコース
・HOTEL FARO manazuru特製 和重/洋重
・海風ピクニックBOX~サバサンドと鮫最中で楽しむご当地ランチ~
ピクニックボックス内容:
真鶴のパン屋「秋日和」のパンを使ったサバサンド
ポテト
真鶴高校生考案の地元土産「ボンボン鮫最中」
プラン特典:
ランチのお好きなドリンク1杯

HOTEL FARO manazuruのホームページ

イエローハットがワイズロードの全株式取得で子会社化

イエローハットが、スポーツ自転車チェーン店のワイズロードを運営するワイ・インターナショナルの全株式を取得し、子会社化することを発表した。

ワイズロード新橋店

ワイズロードは全国に32店舗を展開するスポーツ自転車のチェーン店。1953年に埼玉県志木市で吉田自転車店として設立し、1995年にワイ・インターナショナルとなった。

イエローハットはカー用品の販売を主力としているが、モーターサイクル用品も取り扱うよう今回のワイズロード子会社化によって、スポーツサイクルの取り扱いを本格化する。