十代のときに世界選手権ダウンヒル競技でジュニアカテゴリーの世界チャンピオンになった末政実緒が、2026年5月1日から3日まで韓国で開催される 「WHOOP UCI Mountain Bike World Series(通称ワールドカップ)」に、ダウンヒル全日本チャンピオンとして参戦する。
ケガをプラスに変えるための挑戦
末政は3年前、トレーニング中の怪我により「肩関節脱臼を伴う腕神経叢麻痺」を負った。一度は指先まで全く動かず、日常生活さえままならない時期もあったという。
「必ずケガ前に戻ると決め、リハビリとトレーニングを積み重ねてきた私にとって、レースへの復帰は 自分自身を取り戻すための大切な課程でした」という。
そのひとつの節目として挑んだ2025年の全日本選手権で優勝し、再び全日本チャンピオンの 座に就けたことは、回復への確かな手応えとなる。
20年ぶりのアジア開催、その舞台へ
10代、20代はダウンヒルで世界を転戦し、30代はクロスカントリーをメインに活動してきた。ダウンヒルの世界選手権に最後に出場したのは2016年。それから月日が流れ、 現在は母となり、環境も立場も変わった。
そんな中、20数年ぶりにアジアでワールドカップが開催されることを知る。そして今回、全日本チャンピオンとして再び出場資格を有するという巡り合わせ。
「もっといい走りがしたい。以前と変わらない感覚に戻りたい」という想いももちろんあるが、「このケガという経験を、単なるマイナスの出来事で終わらせたくありません。自分をより前へと向かわせるきっかけにし、経験をプラスに変えていきたい」と語る。
その想いが、再び世界最高峰の舞台を目指し、自分を更新していくための大きな原動力とな った。「今の自分」だからこそできる走りを追求し、10年ぶりとなるダウンヒルの世界舞台に挑む。
今回の挑戦には、「Ride with me / 一緒に走ろう」という想いを込める。「一人ではなく、支えてくださるみなさんとともに、この挑戦のプロセスを走り抜きたい。一緒に走りませんか?」
末政実緒(Mio Suemasa)プロフィール
1983年4月1日生まれ。 8歳からバイクトライアルを始め、1996、1997年に世界選手権シリーズチャンピオン。1998年よりMTBダウンヒルに転向し、2000年〜2016年まで全日本チャンピオンに。2001年世界選手権ダウンヒルジュニアクラス優勝。2004年世界選手権ダウンヒルエリートクラス2位、ワールドカップ最高位3位(2009年)
2013年よりクロスカントリー競技も始め、2015、2016、2022年には全日本クロスカントリー 全日本チャンピオン。2025年、ケガ後に全日本選手権に出場しダウンヒル優勝、クロスカントリー3位。現在は競技のみならず、競技で培った経験を活かし、安全に楽しく走るためのライディングスクール なども行っている。
