グラベル欧州選手権開催…マスターはレース中の事故死で中止に

2024ヨーロッパグラベル選手権が10月13日、イタリアのアシアゴで開催され、女子はスイスのシーナ・フライ、男子はチェコのマルティン・ストシェクが優勝した。

グラベル欧州選手権 ©TTommaso Pelagalli/SprintCyclingAgency©2024

経験豊富なフライは序盤からレースを支配し、最終ラップとなる2周目にアタックしてフィニッシュラインまで単独で逃げ切り、イタリアのシルビア・ペルシコとアリスマリア・アルズッフィを1分26秒差でフィニッシュした。

イタリアのアシアゴで行われたグラベル欧州選手権 ©Tommaso Pelagalli/SprintCyclingAgency©2024
スイスのシーナ・フライがグラベル欧州選手権の女王に ©Tommaso Pelagalli/SprintCyclingAgency©2024

男子レースではストシェクが最終ラップでトップグループから抜け出して差をつけた。ストシェクから3分44秒遅れで英国のトビー・ペリー、4分19秒遅れでベルギーのイェンノ・ベルクモースがフィニッシュラインを通過し、表彰台を獲得した。

グラベルでは極太タイヤを装着する ©TTommaso Pelagalli/SprintCyclingAgency©2024
グラベル欧州選手権を制したマルティン・ストシェク ©Tommaso Pelagalli/SprintCyclingAgency©2024

マスター65-69カテゴリーではイタリアのシルバーノ・ジェーンズがレース中の事故で死亡。マスターレースは途中で中止された。

未舗装のグラベルを走るレース ©Tommaso Pelagalli/SprintCyclingAgency©2024

人類未踏峰のヒマラヤ・プンギに初登頂…日本山岳会学生部遠征隊

日本山岳会学生部プンギ遠征隊が2024年10月12日、ヒマラヤにある未踏峰「プンギ」に初登頂したと山岳関係者に連絡が入った。プンギはネパールのアンナプルナ山域、ペリヒマール山群に属する標高6524mの未踏峰。同山には2022年秋に、日本山岳会ヒマラヤキャンプ登山隊が南西尾根から初トライしたが、6150mで敗退。その頂に立った者はこれまでいなかった。

プンギ本峰。写真提供:ヒマラヤキャンプ登山隊2022プンギ

メンバーは、総隊長・井之上巧磨(青山学院大学体育会山岳部)、登攀隊長・尾高涼哉(東京大学運動会スキー山岳部)、装備全般・中沢将大(立教大学体育会山岳部)、渉外・会計・記録・横道文哉(立教大学体育会山岳部)、会計・芦沢太陽(中央大学山岳部)の5人。

中沢将大、横道文哉、井之上巧磨、尾高涼哉、芦沢太陽。羽田空港にて

2024年9月5日、5人が羽田国際空港を出発。シンガポール経由でネパールのカトマンズに向かった。ネパールからは5回にわたって現地情報が送られてきたが、通信環境が途絶えてから学生隊員のコラム配信が途切れていた。無事に登頂して、今後はバックカントリーを開始。通信環境が整い次第、その詳報をアップしていく予定。


タデイ・ポガチャルが自転車競技史上最強であるこれだけの理由

同年にジロ・デ・イタリア、ツール・ド・フランス、世界選手権の三冠を達成した史上3人目の選手、タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)が2024年10月12日にイタリアで開催された第118回イルロンバルディアで大会4連覇した。

ベルガモ〜コモ間の255kmで行われたイルロンバルディアでポガチャルが独走 ©Tim de Waele/POOL Getty Images

世界チャンピオンの称号である5色の虹色ジャージ、アルカンシエルを着用したポガチャルは48kmを独走してフィニッシュした。2位は3分16秒遅れでレムコ・エベネプール(ベルギー、スーダルクイックステップ)、3位は4分31秒遅れでジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック)。

アルカンシエルを着るポガチャルがイルロンバルディアでアタック ©Luca Bettini/POOL Sprint Cycling Agency

世界チャンピオンジャージで勝つことはアメイジング!

「完璧なシーズンだった。2024年の初レースで優勝したストラーデ・ビアンケと同じように勝利を祝うことを選んだ。すべての勝利は特別なものだけど、このジャージを着て勝つことは素晴らしい」とポガチャル。

「沿道で応援してくれるサポーターがとてもよかったので、レースの一瞬一瞬を楽しめた。チームは完璧な仕事をしてくれた。彼らはみな素晴らしいプロフェッショナルで、シーズンを通して彼らのサポートは最高だった。レムコ・エベネプールも素晴らしいレースをした。私は将来彼がイルロンバルディアに勝つことができると感じている」

イルロンバルディア優勝のポガチャル(右)と2位レムコ・エベネプール ©Marco Alpozzi/LaPresse

2024シーズンを最高の形でを締めくくったポガチャルは、翌日からホリデーシーズンを取り、その後、2025年のターゲットを考えていきたいという。

ポガチャルが独走でコモにゴール ©Spada/LaPresse

決定的アタックから独走でフィニッシュする実力者

2024シーズンのポガチャルは圧巻の走りを見せつけた。ストラーデビアンケで勝利し、ボルタ・ア・カタルーニャでステージ4勝と総合優勝。最古のレース、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ優勝。初出場のジロ・デ・イタリアでステージ6勝と総合優勝。ツール・ド・フランスでは3年ぶり3度目の総合優勝とステージ6勝。2024パリ五輪はツール・ド・フランス直後だけにパスしたが、北米のグランプリモンレアルで勝ち、世界選手権ロードで独走勝利。さらにジロ・デレミリア、イルロンバルディアで勝利した。

ポガチャルが愛車コルナゴを掲げてフィニッシュ ©LaPresse

自転車競技史上最強の霊長類、いや宇宙人

2024シーズンは初出場のジロ・デ・イタリアで区間6勝し、第2ステージで首位に立つと、一度もその座を譲り渡すことなく初優勝を遂げた。初日こそイネオスグレナディアーズのジョナタン・ナルバエス(エクアドル)ら3選手のゴール勝負で3位になったポガチャルだが、翌日の第2ステージで独走勝利して首位に。第7ステージの個人タイムトライアルもトップタイムで優勝し、総合2位との差を広げた。さらに翌日の山岳区間をはじめとして15、16、20ステージと過酷な区間で独走し、終わってみれば2位に9分56秒の大差をつけて総合優勝。区間6勝はあのエディ・メルクス以来の記録であり、20日間にわたってマリアローザを着用したこともメルクスと肩を並べる偉業だった。

ポガチャルが2024ジロ・デ・イタリアでステージ6勝目 ©LaPresse

シーズン前からジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスを連覇するダブルツール達成を最大の目標に掲げていたポガチャルは、続くツール・ド・フランスでも圧倒的な強さを見せつけた。。

「もしかしたらこのジロ・デ・イタリアで僕も人間としてステップアップできたのかもしれない」とポガチャル。

2024ツール・ド・フランスで表彰台の登壇を待つポガチャル ©A.S.O. Charly Lopez

ポガチャルの名前が知られるようになったのは2019年のブエルタ・ア・エスパーニャだ。その大会では同じスロベニアのプリモシュ・ログリッチが大会3連覇を達成して話題をさらった。もう1人のスロベニア選手として頭角を現したポガチャルは区間3勝と活躍し、いきなり総合3位になった。第9ステージで初勝利したときは、「最終日の表彰台でログリッチの隣に立てたらうれしい」と夢を語ったが、それを実現してしまうことになる。

スロベニアの格下チームに所属していた2018年にアマチュア版ツール・ド・フランスと言われるツール・ド・ラブニールで総合優勝。2019年にUAEエミレーツに移籍し、このブエルタ・ア・エスパーニャがグランツール初参戦だった。

2019ブエルタ・ア・エスパーニャの第9ステージ。ピレネー山中の小国アンドラで開催されたレースは雷雨に見舞われる厳しい闘いとなったが、ポガチャルが有力選手の集団から抜け出して初優勝する。この大会最年少の20歳が三大ステージレース初優勝を遂げた日だった。

「天気予報で雨が降ると聞いてこのステージをねらっていた。自分にとってはそれがチャンスで、計画通りに勝利をつかむことができてうれしい」とポガチャル。

ポガチャルがイルロンバルディアで4連覇 ©Marco Alpozzi/LaPresse

さらに第13ステージ、峠の頂上にゴールが設定されている難関区間で首位ログリッチとポガチャルのスロベニア勢が抜け出した。最後はポガチャルが先着して、第9ステージに続く2勝目を挙げた。タイム差なしの2位になったログリッチはライバル選手との差をさらに広げ、ここで総合優勝に一歩前進した。

「この日はリタイアすることなく生き残ろうと思っていた。まさか最後にこんな調子がよくなるなんて思わなかった」とメジャー初出場にして2勝目を挙げたポガチャル。総合成績で前日の5位から3位に浮上。さらに新人賞でトップに躍り出て純白のリーダージャージを獲得した。

大会最後の山岳となった第20ステージでもポガチャルが独走を決めて、第9、13ステージに続く大会3勝目を挙げた。翌日の最終日は平たん区間なので、ログリッチの初優勝もここで決まった。

「多くのスロベニアファンがボクに声援を送ってくれた」とポガチャル。

「区間3勝を挙げ、最終日の表彰台にスゴい選手たちと立てるなんて夢のようだった」

2023ツール・ド・フランスさいたまのアート展会場でご満悦のポガチャル ©A.S.O. Thomas Maheux

25歳でツール・ド・フランス3勝…最多記録の更新もその先に

スロベニアはかつての社会主義国、ユーゴスラビアから1991年に独立した小国だ。しかし自転車界では一気に強豪国に。それをけん引するのがポガチャルだ。近年の自転車レースは高速化と専門性が顕著になり、1日レースで優勝をねらうタイプと2日以上の大会日程で総合優勝を争うタイプに分けられてきた。ツール・ド・フランスのように23日間の長丁場で頂点をねらうなら1日レースは視野に入れず調整することが常套手段となった。

23日間の長丁場で表彰台に立てるポガチャルはまさに後者のタイプと思われていた。グランツールは出場7回で総合優勝4回。他の3回も全て3位までの表彰台に乗っている。ところが2021年、ポガチャルは1日レースの伝統大会、春のリエージュ〜バストーニュ〜リエージュ(ベルギー)、秋のイルロンバルディア(イタリア)で優勝。近年の傾向を完全に打ち破る成績を修めた。

1日レースでも複数日レースでも暴れまくったのがかつてのメルクスだ。ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスで5勝、1日レースの最高峰である世界選手権で4勝。春先に開催される伝統の1日レースも総ナメにして、その強さから「人食い鬼」とさえ呼ばれた。これまでメルクスは「自らと並び立つ現役選手は?」の問いに答えなかったが、イルロンバルディアの優勝後にポガチャルの名前を口にした。

マイヨジョーヌのポガチャルが第8ステージを走る ©A.S.O. Pauline Ballet

そのコメントはポガチャル自身の耳にも入り、「彼がそう言うならボクは自転車競技の新たな歴史を作れるように頑張る」とさらに積極性を高めた。

ツール・ド・フランス最多となる5勝を記録した選手は過去に4人いるが、5勝目はいずれも30歳前後。ところがポガチャルは25歳で3勝を挙げてしまった。その先にはまだ相当の時間がある。メルクスを超える最強選手となるのか? 人喰い鬼を超えるあだ名はあるのか? 欧州各紙はたまにポガチャルのことを宇宙人と見出しに書き立てることがある。

横浜のブリュワリーがサイクリングアパレルとコラボした限定ウエア

横浜発のブリュワリー「Yellow Monkey Brewing」とサイクリングウエアのパールイズミがコラボレーションしたサイクルウェアとトライスーツ(トライアスロン用ウェア)の受注販売を2024年11月10日までの期間限定で行う。

YMB×パールイズミ イグナイト 半袖ジャージ ビブパンツ

YMB×パールイズミ イグナイト 半袖ジャージ

メンズ:XS~3L レディース:XS~XL
※ワイド&ロングサイズあり
14,300円(税込)

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スポーツ愛好家に寄り添うミッションを掲げる横浜のブリュワリー「Yellow Monkey Brewing」

YMB×パールイズミ エア トライスーツ

YMB×パールイズミ エア トライスーツ

メンズ:XS~3L レディース:XS~XL
26,400円(税込)

●パールイズミのホームページ

ツール・ド・フランスさいたまにログリッチ、バルデ、カベンディッシュら

2024ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム10回記念大会が11月2日、さいたま市のさいたま新都心駅周辺で開催される。コースはさいたまスーパーアリーナのメインアリーナを初めて通過。自転車ロードレースの本場欧州で大活躍した海外のトップ選手ばかりが来日する。

ログリッチが独走勝利で総合首位に返り咲く ©Unipublic Sprint Cycling Agency

ブエルタ・ア・エスパーニャ4勝のプリモシュ・ログリッチ

ブエルタ・ア・エスパーニャ史上最多タイとなる4度の総合優勝を達成。2019年は真紅のリーダージャージ、マイヨロホを着用してさいたま新都心を走った。初来日はスキージャンプ選手として長野県で開催されたワールドカップに出場したとき!

ラストツールでマイヨジョーヌを着用したロマン・バルデ

ロマン・バルデが初のマイヨジョーヌ ©A.S.O. Billy Ceusters

1985年を最後にツール・ド・フランス総合優勝から遠ざかっているフランス勢にあって、最も期待されたアイドル的存在。来季前半の地元レースで引退することを明かしていて、最後のツール・ド・フランスで悲願のマイヨジョーヌを着用。まるで漫画のストーリー。

史上最多の通算35勝を記録したマーク・カベンディッシュ

カベンディッシュのいつものサムアップ ©A.S.O. Charly Lopez

2024ツール・ド・フランス第5ステージで区間通算35勝目をマーク。自転車競技史上最強と言われるメルクスの34勝を塗り替えた。つまり霊長類最強。新記録達成後は、苦手なピレネーとアルプスを制限時間ギリギリでゴールして、涙の完走を果たした。

アフリカ勢初のポイント賞獲得を果たしたビニヤム・ギルマイ

2024ツール・ド・フランス第8ステージで2勝目を挙げたギルマイ ©A.S.O. Billy Ceusters

アフリカ大陸出身選手としてツール・ド・フランス史上初めてとなるポイント賞ジャージを獲得。2024ツール・ド・フランスではステージ通算3勝。第5ステージでポイント賞の首位に立つと、最後まで緑色のリーダージャージを守り抜いた。

グランツール出場16回、しかもすべて完走を果たした新城幸也

ツール・ド・フランスに参戦した新城幸也 ©A.S.O.

ツール・ド・フランスの敢闘賞を2回獲得。ツール・ド・フランス7回、ジロ・デ・イタリア5回、ブエルタ・ア・エスパーニャ4回の出場経験があり、驚くべきことに全て完走。五輪では2012ロンドン、2016リオ、2021東京、2024パリと4大会連続出場。

●ツール・ド・フランスさいたまのホームページ

フランス車を免税で走らせる…早期割引と帰国時買い取りも可能に

フランスの自動車メーカー各社は、フランス滞在の外国人駐在員や長期旅行者向けに免税で新車を購入できるサービスを展開する。シトロエンとDSを取り扱うカーエクスパット社が早期予約割引を打ち出した。また帰国時に現地販売価格の25%引きで持ち帰ることができるサービスも行う。

2024年はシトロエンC3エアクロスを購入。円安により25日間で25万円もかかってしまった

自分名義の新車でフランスの道路を走り回る

シトロエンとDS の2025年型モデルは、欧州のCO2 CAFE環境制約に対応するためオートマチックギアボックスのみの設定となる。ほとんどのエンジンは、MHEVハイブリッド(ノンプラグイン)のガソリンバージョンで提供される。C5エアクロスとDS4は、130馬力のディーゼルエンジンを搭載して納車することもできる。

利用は21日間以上。新車が自分名義の車検証とともに納車される。近隣国の指定都市に陸送しても追加料はわずかだ。料金は「納車」と「返納」の間の期日分だけを支払えばいい。80日前までに契約すると10%の割引が適用される。2025年1月15日より前に予約した場合は14%割引。

予約時の保証料は不要。キャンセルまたは変更は納車日の30日前まで無料。つまり旅行日程が確定していない場合でも、2025年1月15日までに申し込めば、「早期予約割引」が適用される。

ナンバープレートが赤いのは免税で購入した車両という意味がある

2021年から2024年までに契約を結んだ実績がある場合は納車時に燃料タンクを満タンにしてもらえる。さらに80日間以上の契約は4%の追加割引(つまり早期予約割引とわせて18%割引)。

また、海外赴任や旅行から帰国する際、契約終了となって返納するわけだが、引き続き愛用したい場合は現地販売価格の25%割引で車両を購入することができる。

フランスから購入車両を日本に持ち帰る場合は、別送品申告書などの諸手続き、海上運賃や船積み手数料、日本での輸入・通関費用、日本の道路交通法などに準拠するためのテスト料や改造工賃、車両登録費などが必要。

●カーエクスパットのホームページ