キナンレーシングが2023シーズンの所属選手を発表した。ヴィクトワール広島からライアン・カバナ、ブリッジレーンからドリュー・モレの2人のオーストラリア選手を獲得。2022年シーズンと同人数の13選手で戦う。継続は7選手。
ライアン・カバナ/Ryan CAVANAGH ©Midori SHIMIZU
それ以外の新加入選手は、スパークルおおいたレーシングチームより孫崎大樹、シエルブルー鹿屋より白川幸希、宇都宮ブリッツェンより宮崎泰史、EFエデュケーションNIPPOデベロップメントチーム(米国)より津田悠義の6選手が合流。
ツアー・オブ・タイランド総合優勝のカバナが加入
2022年から日本のレースをメインに走っていたライアンは、ジュニア時代には自国のナショナルチームの一員として世界レベルを経験。その後、自国のチームに所属しUCIアジアツアーを中心に力を発揮してきた。
特筆すべきは、2019年のツアー・オブ・タイランド個人総合優勝。山岳で独走し、そのまま大会制覇につなげた。また、2022ツール・ド・熊野第3ステージで優勝。コースレイアウトを問わずオールラウンドに対応できる走りを武器とする。
ドリューもライアン同様にジュニア時代からナショナルチームに属し、近年はアジアに軸足を置いて走っている。日本のレースでは2019年におおいたアーバンクラシックで優勝、同年のツール・ド・熊野第2ステージで2位に入った際には、キナン所属のトマ・ルバとの大会史に残る激闘を繰り広げた。
ドリュー・モレ/Drew MOREY
今季は1月のオーストラリア選手権でワールドクラスの選手たちに混じり5位入賞。国内シリーズでも勝利を挙げ、得意の上りを生かして着実に好リザルトを重ねている。
各年代のトップを走ってきた孫崎も、ジュニア時代には国際大会での優勝を経験するなど、実績は豊富。ロードレースのほか、トラックでも世界への挑戦をし、2021年からはスパークルおおいたレーシングチームの一員としてスピードを武器とした走りで国内シリーズ戦「三菱地所JCLプロロードレースツアー」を席巻。9月に開催された高知県宿毛市ロードレースでは優勝を飾った。スプリント、上り、アタックとレース展開に沿った対応力に定評があり、即戦力として計算される。
孫崎大樹 ©Midori SHIMIZU
早くから国内プロシーンを駆けてきた白川も、近年は成長株として注目を集める存在。国内リーグ「Jプロツアー」では上位進出の常連で、9月には伝統の経済産業大臣旗ロードで2位入賞。要所でのアタックでレースの流れを一変させる力を有し、レース外でも明るいキャラクターを生かしたムードメーカーとしてファンからの高い人気を誇る選手。
白川幸希 ©Midori SHIMIZU
成長株として期待膨らむ宮崎は、次世代のトップクライマー候補。一気にその名が知られることとなったのが5月のツアー・オブ・ジャパン。最難関の富士山(第2ステージ)で7位に入り、最終的に個人総合9位。文句なしのヤングライダー賞に輝き、ステージレースへの適性も示した。
宮崎泰史 ©Syunsuke FUKUMITSU
チーム最年少20歳の津田は、ジュニア時代に国内タイトルを欲しいままにしてきたヤングスター。2021年からヨーロッパをベースにハイレベルのレースを転戦。その経験を、アジアをメインステージとするキナンの活動に生かしていく。また、チームの広域拠点の1つである愛知県出身で、“おらが街のトップサイクリスト”としての責務も担う。
津田悠義 ©Kensaku SAKAI/FABtroni+camera
13選手の内訳は、日本10人、オーストラリア2人、フランス1人で、平均年齢は28歳。アンダー23カテゴリーの若手有望株から実績十分のベテランまでがそろい、経験やこれまでに培ってきたスキルをビックレースでの結果に結び付けていきたいという。
これまで以上に選手個々のバックボーンが多彩であることから、選手の特性や専門性を生かしたレース出場やメンバー選考にも努める。ロードレースをメインに、トラックレースやJCLバンクリーグに主眼を置く荒井佑太や福田真平といった選手へのサポートにも引き続き注力。
アフターコロナの趣きが日増しに強まるロードレース界にあって、KINAN Racing Teamは2022年シーズン6勝、トップ3確保は31回を数え、近年をはるかにしのぐ成果を収めることができた。2023年シーズンも国内外の社会情勢に合わせながら、チーム活動に一層の充実を図っていきたいという。
なかでも、メインスポンサー「株式会社キナン」の本拠である熊野地域を舞台に開催されるツール・ド・熊野でのタイトル獲得が最大の目標。主戦場であるUCIアジアツアーはもとより、ジャパンサイクルリーグ(三菱地所JCLプロロードレースツアー)への継続参戦や各種活動への参加、サイクルイベントや地域貢献による自転車競技の普及など、日本の自転車界の活性化を目指した取り組みにも積極的に参画。
2023年シーズンの初戦として、ニュージーランド サイクルクラシック(UCIオセアニアツアー2.2、1月11~15日)を予定。過去には数多くのトップライダーを輩出した同国伝統のステージレースへ、3年ぶりに参戦する。
●キナンレーシングのホームページ
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