ツラさに耐えれば高収入も…日本競輪選手養成所が男女募集

日本競輪選手養成所が第129回(男子)選手候補生と第130回(女子)選手候補生の募集人員、試験日程を発表した。一般試験の募集人員は男子70人程度、女子20人程度。応募受け付け期間は6月3日(月)~8月21日(水)。

日本競輪選手養成所

日本競輪選手養成所は静岡県伊豆市大野1827にあって、所長は瀧澤正光。5月23日に日本競輪選手養成所入所試験委員会を開催し、日程を決めた。第1次試験は9月末から10月で、合格者が第2次試験を受けて、2025年1月16日に合格者が発表される。入所は2025年5月。

●日本競輪選手養成所のホームページ
特別選抜試験に関する情報は6月3日(月)午前10時公開

自転車教室だけでなく世界に挑戦する勇気を伝える小学校講演

愛三工業の従業員として業務に従事しながらレーシングチーム専任アドバイザーも務め、愛知県内を中心に講演会やサイクリングアカデミーなどを実施してきた中根英登が5月29日、愛知県の新城市立八名小の3~6年生、約140人の児童を対象にキャリア講演と自転車教室を実施した。

愛知を中心に講演会やサイクリングアカデミーを実施する中根英登 ©山内渓太

中根英登、初川弘浩、小山貴大が新城市立八名小で講演&自転車教室

キャリア講演では、「挑戦する勇気」と題して、サッカー少年から世界で戦うプロロードレーサーへと駆け上がっていった自身の経験や、自転車ロードレースの世界の魅力、他言語によるコミュニケーションの重要性、挑戦することの素晴らしさなどを、写真や映像、実物を用いて児童らに伝えた。

Zwiftを駆使してゲーム感覚でペダルを漕ぐ楽しさを知ってもらう ©山内渓太

中根の話や展示されたロードバイク、ウェアに児童らは興味津々で、質問や意見が止まらないほどの盛り上がりをみせた。

自転車教室では、児童らが実際に自転車に乗りスラロームや一本橋などの走行を体験。さらには、スマートトレーナーを利用しバーチャル空間内の自転車を走らせるZwiftの体験も行われた。

最新ロードバイクを目撃 ©山内渓太

今回の自転車教室は、初川弘浩(愛三工業レーシングチーム)と小山貴大(新城市地域おこし協力隊、群馬グリフィン)が実技講師として参加。ロードバイクで走行のお手本を見せたり、一緒にスマートトレーナーを漕いで見せたりし、プロ選手らしいスムーズなバイクコントロールや力強いペダリングに、児童らも大興奮の様子をみせた。

質問や意見が止まらないほどの盛り上がり ©山内渓太

全体を通して生徒らからは、「今まで移動手段としてしか見ていなかった自転車だったが、競技があることやチームプレーができることを知れて面白かった。」「自転車で競技をするだけでなく、世界の人たちとコミュニケーションをとれることもすごいと思った。」「実際に自転車に乗って難しいところもあったが、とてもいい経験になった。」といった感想も多数あがり、生徒らにとって有意義な時間となった。

また中根は、「みなさんが興味津々で話を聞いてくれてとてもうれしかった。これをきっかけに自転車ロードレースや自転車そのものへの理解が広まってくれることを期待したい」と語った。

一本橋走行にチャレンジ ©山内渓太
ヘルメットを正しく着用 ©山内渓太
新城市地域おこし協力隊、群馬グリフィンの小山貴大 ©山内渓太

愛知県新城市は2026年アジア競技大会の自転車ロードレース開催地に仮決定

行政だけでなく地元企業の新晃製作所はじめ官民一体で、2024年9月8日に開催されるモビリティフェスタ(仮称)と併せて、同市内での自転車ロードレース開催を計画していて、今回のような講演や教室を通して、地元住民の自転車競技に対する理解や当レースの盛り上がりが期待される。

スマートトレーナーを利用してバーチャル走行を初体験 ©山内渓太

・中根英登プロフィール
2012年より大学在学中にTeam Nippoにてヨーロッパでの活動を開始。大学を卒業した2013年より同チームや愛三工業レーシングチームに所属し、アジアやヨーロッパのUCIレースを中心に活動。2017年からはUCIプロコンチネンタルチーム(現UCIプロチーム)に所属、2021年にはEFエデュケーション・NIPPO(現EFエデュケーション・イージーポスト)に移籍し、日本人選手として6人目となるUCIワールドチーム所属選手となる。また、日本代表としてアジア大会や世界選手権に出場し、特に2018年のアジア大会ではチームメイトの銀メダル獲得をアシストしながら自身も5位入賞を果たす。2022年末に選手を引退し、愛三工業レーシングチームの専任アドバイザー務めながら、2023年の世界選手権やTour de L’avenirにおいて日本ナショナルチームのコーチとしても帯同。

中根英登、初川弘浩、小山貴大が小学校を訪れた ©山内渓太

ブリヂストンサイクリングの窪木一茂、太田りゆら5選手がパリへ

ブリヂストンサイクリングに所属する窪木一茂、橋本英也、今村駿介、長迫吉拓、太田りゆが、パリ五輪自転車競技トラック日本代表選手に選出された。

太田りゆ

太田りゆ(トラック短距離)

2018年にブリヂストンサイクリングに加入し、2023年のトラックのアジア選手権では女子スプリントで金メダル、女子ケイリンで銅メダルを獲得。スプリントでの鋭い加速とその絶妙なタイミングを持ち味としていて、パリ五輪では自転車競技トラックでのメダル獲得が期待される。

〇太田りゆのコメント
ここまで多くのチームスタッフ、サポートしてくれたみなさんにこのよううれしいご報告ができること、私の夢であるオリンピックに出場できることを本当にうれしく思います。みなさんへ恩返しができるように、しっかり体調を整えてベストコンディションで参加したいと思います。

窪木一茂(トラック中距離)

窪木一茂

リオデジャネイロ五輪男子オムニアムに出場。2018年にブリヂストンサイクリングに加入し、2023年、トラックの世界大会男子スクラッチで銀メダルを獲得。2024年トラック世界大会シリーズでは男子チームパシュート銀メダル、男子マディソン銅メダル、男子オムニアム銀メダルを獲得する。

〇窪木一茂のコメント
パリ五輪はチームのキャプテンという意気込みで臨みます。チームがこれまで積み上げてきた成果を発揮できればメダルの獲得はあると信じています。これまで多くのみなさんからサポートいただいたことに感謝します。

橋本英也(トラック中距離)

橋本英也

東京五輪日本代表として男子オムニアムに出場。2018年にブリヂストンサイクリングに加入し、2023年には、トラックの世界大会シリーズの男子エリミネーションで金メダルを獲得。また、2024年のトラックの世界大会シリーズでは、男子チームパシュートで銀メダル、男子マディソンで銅メダルを獲得する。

〇橋本英也のコメント
2大会連続でオリンピック日本代表として参加できることを大変光栄に思います。今大会は日本チームが史上初のチームパシュートとマディソンの同時出場を実現できたことにとてもワクワクしています。金メダル獲得を目指して全力で戦います。

今村駿介(トラック中距離)

今村駿介

2018年にブリヂストンサイクリングに加入し、2023年世界最高峰となるトラックの世界大会男子オムニアムで銅メダルを獲得。2024年のトラックの世界大会シリーズでは男子エリミネーションで銀メダルを獲得するなど、自転車選手として驚異的なスタミナを持つ。

〇今村駿介のコメント
選手みんなが目標にしているオリンピック日本代表に選ばれたことがとてもうれしく、気の引き締まる思いです。これまでの多くの方々からのご協力、サポートに感謝します。オリンピックでは金メダルを目指します。

長迫吉拓(トラック短距離)

長迫吉拓

リオデジャネイロ五輪、東京五輪と2度の五輪で男子BMXレーシングに出場し、東京五輪後にトラックに転向。2023年にブリヂストンサイクリングに加入し、2024年トラックの世界大会シリーズでは男子チームスプリントで銀メダルを獲得する。パリ五輪ではBMXで培った爆発的なスプリント力でチームを牽引し、自転車競技トラックでのメダル獲得が期待される。

〇長迫吉拓のコメント
今回でオリンピック出場は3大会目になり、私自身選手として最後のチャレンジになります。パリ2024大会ではメダルを獲得できる位置での参加になるので、今までとは感覚が違います。チームスプリントの第一走者のように、チームを引っ張っていける存在になれるよう頑張ります。メダルを持ち帰って、応援してくれたみなさんと一緒に喜びを分かち合いたいです。

名門・川奈ホテルゴルフコースでゴルフをせずにサイクリング

静岡県伊東市の川奈ホテルゴルフコースの新たな取り組みとして、ゴルフをしない人や富士コースを見てみたい宿泊者などを対象に、普段はゴルフ利用者しか入ることができない富士コースの絶景を見て感動を味わってもらう体験型オプションツアーが夏季期間で行われる。

世界ゴルフ場100選にも選出された名門コースをeMTBで走る

コース内を移動する際、台湾の自転車メーカーであるMERIDA製電動アシストマウンテンバイクで移動するアクテビティ要素も取り入れ、絶景の海岸線の景色の中を爽快に駆け抜けることができる。

富士コース オーシャンサイドクルーズ概要
【期間】2024年7月29日(土) ~ 8月31日(土)まで
【内容】早朝・夕刻の時間で富士コースINコースを電動アシストマウンテンバイクやゴルフカートで周遊し、普段は入ることができない絶景のコースを見て感じてもらう体験型オプションツアー。
【開始時間】1.早朝6:30A.M.~7:30A.M. 2.夕方4:00P.M.~5:00P.M. の1日2回実施 
【料金】 E-BIKE・宿泊者:一人7,700円(税込)、外来者:一人9,900円(税込)
電動アシストバイクが乗れない人や子供などがいる場合は、同料金でガイドが運転する5人乗り電動ゴルフカートでの周遊。

※持ち込みの自転車での参加は禁止
※小学生以下は無料、1名以上の大人の付き添いが必要
ヘルメットは無料で貸出しで必ず着用

【予約方法】期間内の前日の5:00 P.M.までにホテルフロントもしくは電話予約で受付
予約直通:0557-44-6060
【予約人数】1回の予約人数は先着4名まで 
【実施方法】ガイドが一人付き添い、参加者への運転講習、安全配慮、富士インコースまでのアテンド。富士コースの魅力や歴史などを伝えながら、コース内の絶景映えスポットを案内。

【参加資格】E-BIKE:身長155cm以上および中学生以上

オーダー自転車で障害者や高齢者をサポート…46年で2700台を製造した町工場

一人一人の身体に合わせたオーダーメイドの自転車で、障害者や高齢者の自立をサポート。46年で2700台の自転車を製造してきた町工場、堀田製作所の取り組みとは。

踏み込み式ミニ三輪。全長が短く小回りが効く、踏み込み式のタイプ

障害者も自由に移動することができる自転車を

足立区にある堀田製作所は、身体に障害がある人に向けたオーダーメイドの自転車の製造・販売を手掛ける町工場。例えば、脚に障害がある人でも操作ができるよう、踏み込み式のペダルを採用する。

同社では1979年の創業以来、さまざまな障害者と向き合い、一人一人に合った自転車を作り続けてきた。障害者の生活行動の拡大に貢献したことを評価され、2007年に吉川英治文化賞を受賞。代表の堀田健一氏を主人公とした書籍『風を切って走りたい!夢をかなえるバリアフリー自転車』(高橋うらら著)が金の星社より出版されている。

回転式三輪。ペダルを回転させて前へ進む

堀田製作所は、堀田夫妻が2人で営む小さな町工場。堀田氏は、「障害があることで、自転車に乗ることをあきらめてしまう方もいらっしゃると思います。でも、その方に合った自転車をお作りすることで、自転車に乗って生活をするという夢はかなえることができます。そのお手伝いを続けていきたい」という思いのもと、40年以上この事業を続けている。

自転車のオーダーから納品までの流れ

堀田製作所には、全国から多くの依頼者が訪れる。これまでに製作した自転車は2700台以上。多くの人の「自転車に乗りたい」という思いを実現してきた。実際にはどのようにオーダーをし、製作が進められるのか。

堀田氏が全て手作業で作り上げる

オーダーしてから納品までの流れを紹介。

⚫️打ち合わせ
同社の自転車は、代表の堀田氏が全て手作業で作り上げる。堀田氏と直接会話をして、障害の状況について詳しく伝える。

⚫️サンプルの試乗
サンプルとなる自転車に実際に乗ってみて、調整が必要な箇所を確認。ペダルやハンドルの長さ、可能な操作方法、乗り心地などを細かく見ていく。

⚫️設計~製作
一人一人に合った自転車に仕上がるよう設計し、フレーム一つから手作りで製作していく。

⚫️納品
近隣の場合は直接納品、遠方の場合は配送で納品。納品後も、メンテナンスなどきめ細やかな対応によるアフターケアを大切にする。

踏み込み式ミニ三輪。全長が短く小回りが効く、踏み込み式のタイプ

きっかけは、息子へ贈った手作りの自転車

子どものころから機械いじりやものづくりが大好きだった堀田氏。ある日、小学生になった息子が「自転車に乗りたい」と言ったことから、自ら自転車を作り上げ、プレゼントした。それは、初めて自転車に乗る息子の安全を考慮した、踏み込み式の三輪車だった。

堀田夫妻が二人で営む小さな町工場

この三輪自転車を見た近所の女性から、「同じものを作ってほしい」との依頼が。その女性は生まれつき足が不自由で、外出に苦労していたが、「この自転車なら私にも乗れそう」と考えたという。この依頼を引き受けたことが、堀田氏の自転車製造事業のきっかけとなった。

堀田氏の自転車は、一人一人の身体に合わせて設計されている。既製品の部品では合わないことも多く、ほとんどのパーツを手作業で作っていくという。設計図作りから金属の加工、溶接、メッキ塗装まで全て一人で行う。手間も時間もかかる作業であり、経営が苦しい時期もあった。それでも、注文者が楽しそうに自転車に乗って喜んでいる姿を見て、「この道に進んでよかった」と心から思うという。

●足立ブランドのホームページ

ポガチャルが2024ジロ・デ・イタリア総合優勝…第2ステージから首位譲らず

第107回ジロ・デ・イタリアは最終日となる5月26日、イタリアの首都ローマを舞台とした125kmで第21ステージが行われ、UAEエミレーツのタデイ・ポガチャル(スロベニア)が初優勝。大会2日目に首位のリーダージャージ、マリアローザを獲得すると、20日間それを守った。

ローマのコロッセオを背景に栄冠のトロフィーを手中にしたポガチャル ©Marco Alpozzi/Lapresse

20日間マリアローザ着用でメルクスやインデュラインらと並ぶ

ポガチャルの1大会ステージ6勝は1973年のエディ・メルクス(ベルギー)以来の記録。第2ステージから20ステージ連続でマリアローザを着用したのは、1995年にトニー・ロミンゲル(スイス)が22ステージにわたって着用した時に続くもの。20ステージでマリアローザを着用したのは1973年のメルクス、1990年のジャンニ・ブーニョ、1991年のフランコ・キョッチョーリ(イタリア)、1992年のミゲール・インデュライン(スペイン)とタイ記録となるが、メルクスとブーニョは第1ステージから最後までマリアローザを独占するものだった。

最終日はチーム全員がピンク色になったUAEエミレーツ ©Lapresse

このジロ・デ・イタリアで僕も人間としてステップアップできたかも

「この3週間、チームはとりわけ沿道にいる子供たちととても素敵な瞬間を経験した。僕はいつも彼らとこのの瞬間を共有するのが大好きだ。道端でファンクラブのユニフォームを着た人や、応援に来てくれた子どもたちに会えてうれしかった。ファンのみなさんありがとう」とポガチャル。

「普段の生活に戻るのに1週間はかかるだろうけど、素晴らしい気持ちを感じるなどいい経験だった。レースはとても素晴らしく、運営もとてもよかった。もしかしたら、このジロ・デ・イタリアで僕も人間としてステップアップできたのかもしれない。ライダーとして、僕は長い間、バイクでとても強く、気持ちよく感じた。このフィーリングを持っていたい。残りのシーズンに向けていい道を歩んでいる。いつになるかは分からないけど、将来またジロ・デ・イタリアに来るよ」

2024ジロ・デ・イタリア最終日はローマに凱旋 ©Lapresse
ローマで総合優勝を決めたポガチャル ©Massimo Paolone/Lapresse
ミランがポイント賞を獲得 ©Lapresse
山岳賞のポガチャル ©Lapresse
新人賞のアントニオ・ティベーリ ©Massimo Paolone/Lapresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)ジョナサン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)
マリアアッズーラ(山岳賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアビアンカ(新人賞)アントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーンビクトリアス)

UAEエミレーツは全8選手が完走 ©Lapresse