【ジロ・デ・イタリア】ポガチャルがTT圧勝で総合2位以下に大差

第107回ジロ・デ・イタリアは5月10日、フォリーニョ〜ペルージャ間で第7ステージとして40.6km個人タイムトライアルが行われ、総合1位のタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)が優勝。第2ステージに続く大会通算2勝目。

マリアローザのポガチャル ©Marco Alpozzi/Lapresse

ボーラ・ハンスグローエのダニエル・マルティネス(コロンビア)が総合2位に浮上したが、ポガチャルとの差は2分36秒。前日まで46秒遅れの総合2位だったイネオスグレナディアーズのゲラント・トーマス(英国)は2分46秒遅れの総合3位に後退した。

ポガチャル ©Fabio Ferrari/LaPresse

トーマスとマルティネスとの差が予想よりも開いた

「昨年から新しいTTバイクを使っている。ポジションを変えて、快適に乗れるように取り組んでいる。今日のような超ロングTTでも、かなりのパワーをプッシュすることができた。努力が報われることを証明した。自分自身のポジティブに驚いたし、バイクでの自分のフィーリングにとても満足している」とポガチャル。

フィリッポ・ガンナは17秒遅れの区間2位 ©Fabio Ferrari/LaPresse

マリアローザを着用した選手がステージ優勝したのは、2021年のエガン・ベルナル以来。また5月10日は1931年に初めてマリアローザが制定された記念日で、この日にマリアローザを着用した選手が勝ったのはポガチャルが初めて。

最速ラップを刻むポガチャル ©Fabio Ferrari/LaPresse

「ゲラント・トーマスとダニエル・マルティネスとの差が予想よりも開いたが、ローマまではまだ長い道のりがある。まだちゃんとした山岳ステージが始まっていない。誰もがチャンスをうかがいながら攻めてくるので、レースをコントロールするのは本当に難しいだろう。

今回はチーム全体がとても強くて、全員がいい状態にあり、素晴らしい仕事をしてくれている。マリアローザを持っているのを楽しんでいて、それでレースをするのは素晴らしいこと。昨日はサポーターがボクとUAEチームを応援してくれているのが聞こえてきて、それがボクにさらなるモチベーションを与えてくれた」(ポガチャル)

マリアローザのポガチャルがトップタイムでフィニッシュ ©Massimo Paolone/Lapresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)ジョナサン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)
マリアアッズーラ(山岳賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアビアンカ(新人賞)ルーク・プラップ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)

マリアローザを守ったポガチャル ©Lapresse

新しくなったスペシャライズドのキッズヘルメットMio 2とShuffle 2 LED

スペシャライズドは、対象年齢おおよそ1歳から3歳のMio 2と、7歳までのShuffle 2 LEDを発表。子どものニーズに合わせた開発により、安全性と快適性はもちろん、小さなライダーたちが自ら望んで毎日かぶりたくなるヘルメットだ。

Shuffle 2(Powder Indigo Graphic)

対象年齢はMio 2がおよそ3歳まで、Shuffle 2 LEDがおよそ7歳まで

スペシャライズドのキッズヘルメット、MioとShuffleが新しくなった。大きなライダーも小さなライダーも、安全を守るヘルメットには同等に最先端の革新と技術が必要で、スペシャライズドは大人用ヘルメットを小さくするのではなく、子どものニーズに合わせたヘルメットを開発した。

Mio 2

スウェーデン王立工科大学とMipsとの独占的パートナーシップを通じて、ヘルメットのCADデザインを共有し、有限要素解析を用いてキッズライダーの発達中の頭蓋骨を研究。そこからわかったのは、子どもの柔らかくて成長中である頭部を守るには、低密度フォームをより多く採用するのが望ましいということ。

Mio 2|小さなライダーに大きな自信を

ヘルメット内側のフォームの量を増やすと、外側のサイズも大きくなる。しかしMio 2では、低密度フォームを16.5%も多く使用しながら、全体的なサイズアップを2.5%に抑えた。フォーム量が増えても軽いまま、視界が妨げられることもないので、キッズは自由に体を動かしてライドを楽しめる。

Mio 2(Powder Indigo)
Mio 2(Dune White)
Mio 2(Powder Indigo)
Mio 2(Black・Smoke Graphic)

商品名:Mio 2
価格:¥5,500 (税込)
カラー:4色(Dune White、Powder Indigo、Sapphire/Electric Green、Black/Smoke Graphic)
サイズ:頭囲46~51cmの幼児向けワンサイズ

●スペシャライズドの詳細ページ

Shuffle 2 LED|輝け、小さなライダー

Shuffle 2 LED ヘルメットは、LEDテールライトをデザインの一部として組み込み、暗い環境での視認性を向上。さらにクリップオン式バイザーが付属。太陽が出ている昼間であれ薄暗い夕暮れであれ、キッズは目一杯ライドを楽しめる。LEDライトは周囲からの視認性を向上させ、保護者は安心して大切な小さいライダーを見守れる。低密度フォームが18%増加したが、全体のサイズは5%しか大きくなっていない。

Shuffle 2(Smoke)
Shuffle 2(Powder Indigo Graphic)
Shuffle 2(Limestone)
Shuffle 2
Shuffle 2 LED ヘルメットは、LEDテールライトをデザインの一部として組み込んだ
Shuffle 2(Sapphire)

商品名:Shuffle 2 LED
価格:¥6,600 (税込)
カラー:4色(Powder Indigo Graphic、Sapphire、Limestone、Smoke)
サイズ:頭囲49~55cmのキッズ向けワンサイズ

●スペシャライズドの詳細ページ

【ジロ・デ・イタリア】サンチェスがアラフィリップを撃破

第107回ジロ・デ・イタリアは5月9日、ヴィアレッジョからラポラーノ・テルメまでの180kmで第6ステージが行われ、モビスターのペラヨ・サンチェス(スペイン)がスーダル・クイックステップのジュリアン・アラフィリップ(フランス)、ジェイコ・アルウラーのルーク・プラップ(オーストラリア)を制して優勝。

ペラヨ・サンチェスがジロ・デ・イタリア第6ステージ優勝 ©Marco Alpozzi/Lapresse

総合成績ではタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)が首位を守った。

これぞ白い道、ストラーデ・ビアンケ ©Fabio Ferrari/LaPresse
マリアローザのポガチャルがジロ・デ・イタリアの未舗装区間に突入 ©Fabio Ferrari/LaPresse
先行するアラフィリップとペラヨ・サンチェス。追いすがるプラップ。ジロ・デ・イタリア第6ステージ ©LaPresse
ペラヨ・サンチェスがアラフィリップを制してジロ・デ・イタリア第6ステージ優勝 ©LaPresse
マリアローザを守ったポガチャル ©LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)ジョナサン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)
マリアアッズーラ(山岳賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアビアンカ(新人賞)キアン・アイデブルックス(ベルギー、ビスマ・リースアバイク)

【ジロ・デ・イタリア】トラックレーサーのトマがロードでメジャー初勝利

第107回ジロ・デ・イタリアは5月8日、ジェノバ〜ルッカ間の178kmで第5ステージが行われ、コフィディスのバンジャマン・トマ(フランス)が初優勝した。4選手で抜け出したトマはゴール勝負で先着した。

バンジャマン・トマがジロ・デ・イタリア第5ステージ優勝 ©Gian Mattia D’Alberto/Lapresse

トラック競技では複数回の世界タイトルを持つ選手で、ロードレースではこれまでで最も価値のある勝利となった。パリ五輪ではトラック種目にエントリーしてメダル獲得を目指す。

2024ジロ・デ・イタリア第5ステージ ©Gian Mattia D’Alberto/Lapresse

「私はいくつかのステージをブックマークしていたが、正直なところこのステージはブックマークしていなかった」とトマ。

「自分の直感に従い、誰か一緒に来ないかと周りに尋ねた。ミケル・ヴァルグレンはその気になっていた。グルパマFDJで4年間を過ごしたので、オリヴィエ・ルガックに尋ねたところ、エンゾ・パレニが適任だと答えた。4選手がうまくローテーションしたのでチームパシュートのよううだった。でも、まさかうまくいくとは思っていなかった。それは私に起こったクレイジーなこと。残り3kmで石畳の区間に入ったとき、優勝を狙えると思った」

2024ジロ・デ・イタリア第5ステージ ©Gian Mattia D’Alberto/Lapresse

「自転車競技で遊ぶのが好きで、そうでなければ今ごろ辞めていただろうから、標高差が5000mあるステージよりもトラックサイクリングの方がずっと楽しい。イタリアのZitti e Buoni(黙って善良であれ)が信条。イタリアに住んで7年になるけど、ここで初めての大きな勝利をつかむことができてうれしい」

バンジャマン・トマらが第5ステージで逃げる ©Gian Mattia D’Alberto/Lapresse

総合成績ではタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)が首位を守った。

2024ジロ・デ・イタリア第5ステージ ©Gian Mattia D’Alberto/Lapresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)ジョナサン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)
マリアアッズーラ(山岳賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアビアンカ(新人賞)キアン・アイデブルックス(ベルギー、ビスマ・リースアバイク)

【ジロ・デ・イタリア】ミランが第4S優勝でポイント賞トップに

第107回ジロ・デ・イタリアは5月7日、アックイテルメ〜アンドラ間の190kmで第4ステージが行われ、リドル・トレックのジョナサン・ミラン(イタリア)がゴール勝負を制して、2023年の第2ステージ以来の大会通算2勝目を挙げた。

リドル・トレックのミランがゴール勝負を制した ©Massimo Paolone/Lapresse

2023年は第2ステージでポイント賞のマリアチクラミーノを獲得し、ミランは最終日までその座を守り続けた。2024年もここでポイント賞のトップに躍り出た。

春の伝統レース、ミラノ〜サンレモと同じカメラポジション ©Fabio Ferrari/LaPresse

総合成績ではタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)が首位を守った。

地中海に面したアンドラにフィニッシュ ©Marco Alpozzi/Lapresse
ミランが2024大会初勝利 ©Marco Alpozzi/Lapresse
マリアローザを守ったポガチャルを妻が祝福 ©Marco Alpozzi/Lapresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)ジョナサン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)
マリアアッズーラ(山岳賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアビアンカ(新人賞)キアン・アイデブルックス(ベルギー、ビスマ・リースアバイク)

【連載開始】ヒマラヤにある未踏峰プンギに日本の学生隊が挑戦

日本山岳会学生部プンギ遠征隊が2024年9月からヒマラヤにある未踏峰「プンギ」に挑戦する。プンギはネパールのアンナプルナ山域、ペリヒマール山群に属する標高6524mの未踏峰。同山には2022年秋に、日本山岳会ヒマラヤキャンプ登山隊が南西尾根から初トライするが、6150mで敗退。未だその頂に立った者はいない。(文:井之上巧磨)

プンギ本峰。写真提供:ヒマラヤキャンプ登山隊2022プンギ

大学4年間で培った技術と経験、体力と精神力を

日本山岳会プンギ遠征隊のメンバーは5人。登攀隊長が東京大学運動会スキー山岳部の尾高涼哉(4年)、隊員が立教大学体育会山岳部より中沢将大(4年)、横道文哉(4年)、中央大学体育会山岳部より芦沢太陽(3年)。そして総隊長を青山学院大学体育会山岳部の井之上巧磨(4年)が務める。

それぞれ違った所属からなる本遠征隊ではあるが、それぞれ所属する大学山岳部は、これまでの活動でもあくまでその山を未踏に見立てて登るという行為をしてきた。合宿の立案から始まり、偵察、そのルートの必要技術要素の抽出、技術の習得、そして必要十分以上の荷物を持った実践とその後の反省。

これらのサイクルは、便利な技術があればほとんどが省ける過程であるだろう。しかしながら、その山が未踏なのだとしたら必要なサイクルである。この4年間を通し、我々が培ってきた技術と経験。そして体力と精神力を活かしてプンギに挑戦したい。

2月の早月尾根合宿にて。左から時計回りに井之上、芦沢、尾高、横道、中沢

便利な現代だからこそ、本来の登山の形を体現したい

日本山岳会プンギ遠征隊は2つの目的を本遠征に掲げている。1つ目が「本来の登山の形の体現」である。

近年さまざまな技術が発展したことで、登山は身近なアクティビティに変容してきた。行ったことのない山/ルートでも写真付きの詳細な情報を得ることができ、GPSは自分の居場所を正確に確実に教えてくれる。それは我々の活動をより安全にし、自然という不確定な環境下での確定要素を増やしてきたと思う。

しかし登山のもつ本来の側面には、未知なる山・場所・ルートを既知なるものへと変える探検的精神を含んだ営みも存在しているのではないだろうか。探検的精神を含んだ登山には、人類社会の境界を先へと推し進め、またその行為を通して人間の可能性を広げるという意味で意義があり、いつの時代にも必要な営みだと考える。

我々遠征隊は未踏峰を登ることで、この便利な現代において、本来の登山の形を体現したいと強く思う。

剱岳に登る。写真中央部に2人が登ってるのが見える

この時代にも山に青春を捧げる若者がいることを発信したい

2つ目は「大学山岳部の存在とその活動を広めたい」ことである。

数十年前に存在した大学山岳部全盛期の時代は過去のこととなり、大学山岳部はその存在や活動を世間に知られていないという現状がある。年々部員数は減少し、廃部となる大学も存在する。今回の遠征には4つの大学山岳部からメンバーが集まっている。この遠征を通して、大学山岳部の活動や文化、この時代にも山に青春を捧げる若者がいることを世間に発信していきたい。

まず人々に知ってもらうことは、大学山岳部を盛り上げていく第一歩であると考える。またこの遠征を見た次の世代が仲間として入部したり、後輩たちを応援する人が増えたら、もう一つの大きな意義となりえるのではないかと考える。

屏風岩雲稜ルートに張られたロープを登る横道。この地点で東京タワーより高い

目標となるプンギは大まかに南尾根、北西尾根、北東尾根、東尾根の4つの尾根から構成されている。今回遠征隊が考えているルートは、2022年ヒマラヤキャンプ登山隊が挑戦した際と同じ南西尾根である。

プンギは北峰、本峰、南峰という順に峰が連なっていて、遠征隊はまず西尾根上5500mのコルにキャンプを張り、その後南峰に登頂。そこから尾根上を本峰に向けトラバース(横移動)するという計画である。 ヒマラヤキャンプ登山隊の撮った写真には、南峰直下に急斜面らしきものが確認でき、南峰〜頂上間も切り立っていることが推察される。

この挑戦の費用は、渡航費や登山料など合わせて521万円。隊員の個人負担はもちろん、それ ぞれの大学や山岳部OB会、日本山岳会、一般からの寄付を募ってまかなう予定である。

北海道の層雲峡でアイスクライミング。大学山岳部ではこれまであまりアイスクライミングに触れて来なかったが、未踏峰でさまざまなシチュエーションに対応できるようになるため練習した

隊員名簿

井之上巧磨(いのうえたくま)
役職:総隊長、食料サブ
所属:青山学院大学体育会山岳部(部内学年4年 主将)
実績:上高地-親不知(無雪)、屏風岩雲稜ルート(無雪)、錫杖岳注文/見張り棟(無雪)、マイモーズの悪場、モチコシ沢、中崎尾根末端-槍ヶ岳(12月)、阿弥陀北西稜

ヒマラヤ未踏峰に挑む特集サイト(Contents一覧)

中沢将大、横道文哉、井之上巧磨、尾高涼哉、芦沢太陽。羽田空港にて

⚫️日本山岳会
⚫️青山学院大学体育会山岳部 HP SNS
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⚫️立教大学体育会山岳部 HP SNS
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