ここまでやるんだ! ツール・ド・フランス…聖地にチームバス乗り込む

ツール・ド・フランス取材者日記第19ステージ。カトリックの聖地であるルルドってどんなイメージがありますか? ろうそくを点して練り歩くミサが幻想的とか、一度は訪れてみたいピレネー山麓の観光名所とか。ボクたちツール・ド・フランス関係者にとっては、絶対にホテルに困らない町として重宝しています。そしてボクにとってここは、自戒の町として毎年必ず訪れるようにしています。

ここは普段、敬虔なカトリック教徒がろうそくを掲げてミサの行進をするところだ

キリスト教の聖地ルルドはベルナデットという少女が不治の病を治すという奇跡の泉を発見した町です。以来、世界中から生死の境をさまよう人たちが、最後に神にすがるために訪れます。杖や車椅子なんてものではなく、ベッドで運び込まれる人もいます。家族に病人がいる人は土産店で聖母マリアをかたどったペットボトルを買い、水をくんで遠い国まで運んでいきます。そのシーンは人生観が変わるほど衝撃的。健康でいることのありがたさを実感し、自分の生活を戒めるためにボクは毎年ルルドに宿を取っているのです。

そんなカトリック教会の真正面にチームバスが問答無用で乗りつけたのには、驚きというよりも見事さを感じました。日本で言えば大相撲の土俵を自転車で乗り回すような感じです。ある意味でツール・ド・フランスってここまでするんだと、改めてそのスゴさを実感したのです。

ベルナデットが聖なる泉を見つけた場所にイタリア人選手が祈りを捧げにやってきた

大会も第3週になると、すべての関係者はちょっと感傷的になってしまいます。過酷だけど、最高に楽しくて、世界有数の観光大国をあますことなく旅する23日間。日本人のボクにとっては、快適なフランス滞在もあと少し。ピレネーの最後の山岳ステージでは乾いた風がそよぐ原っぱに寝転がってみました。本当に気持ちいいなあ。

この日はゴールからすぐ近くの小さな村に宿泊。以前滞在して気に入ったところです。教会の前に広場があって、それに面したホテルのテラス席で夕ごはんを楽しむ。でも原稿書いてます。リラックスしてごはんを食べればいいんだけど、貧乏性なんですね。この旅もいよいよ終わりへ。明日は800km離れたパリに向かいます。

ゴールの町の人たちはおそろいウエアでボクたちを歓迎してくれる

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パリの次にツール・ド・フランスが愛するポーの町とは

ツール・ド・フランス取材者日記第18ステージ。ルルドは世界中からキリスト教信者が集まるのでホテルにはこと欠きません。だからボクたち取材陣も「ルルドに行けばホテルはある」と頼り切っています。ここから40km離れたポーが105回の歴史があるツール・ド・フランスで70回も訪問しているので、必然的にルルドに宿泊する回数も多くなります。毎年2〜3泊はしているので、パリの滞在よりも多いですね。

ルルドで毎晩行われるミサ。生にすがる人たちがわずかな望みを求めて神にすがる光景に人生観が変わるほどの衝撃を受ける

いつもは駅近くのイビスホテルを利用していましたが、グロット(奇跡の泉がわき出る教会)の近くにある4つ星ホテルが2泊朝食付きで1万円弱で取れたので、イタリア系のホテルに泊まってみました。目の前のグロット通りが第19ステージのコースのようです。

これだけスタート地点に近いと困ったこともあります。クルマを駐車しているところがフェンスで取り囲まれて、出られないなんて事態になるんです。毎日ボクたち関係者はスタートの町に設定されたPPO(通過義務地点)にアクセスし、ここから役割や動き方によって駐車位置を指示されるんですが、ルルドはPPOがコースの向こう側に。ということはかなり面倒なことになるんです。

例えば皇居前からスタートするからといって、宿泊している東京駅八重洲口から入ろうとしてもダメ。首都高速の環状線に乗って新宿に向かい、新宿通りを使って四谷・半蔵門とたどっていかなければスタート地点に入れてもらえません。なんでこんな難しいことをするかといったら、フランス独特の町の作りに起因します。心臓部に教会があってマルシェがあって、かつて城郭があったところに環状線を備える。文化と歴史、伝統と宗教を理解しないと、このレースは会場までだって絶対にたどり着けません。

サルドプレスやチームが宿泊するホテルがある公園はフォーミュラカーの市街地サーキットでもある

で、連泊の気楽さがあってクルマ通勤なノリでルルドからポーへ。勝手知ったるサルドプレスに正午には乗り込んで、その他の原稿と最終日までに送稿する原稿の下書きをします。そんなときは選手が必死に逃げていてもテレビモニターなんか見もしません。結局ゴール手前で捕まるので。

大会もこの日が終わってあと3日。30年ほど取材していると最近はあっという間に大会終盤になってしまうことに気づく。以前は日本語を話す相手もいなく、とてもさみしくて早く日本に帰りたかったものだ。近年はSNSの普及で日本の自転車好きの人たちと交流できたりするので、単身で全日程を回っていても1人じゃないという頼もしさがある。

ツール・ド・フランスが終わると欧州の短い夏も終わりそうだ。あともう少し、頑張ればパリに着くかな。と、思って公式プログラムを見直したら、最終日にパリまでの800km陸路移動があるし。

ポーのサルドプレスは劇場。もう何十回も訪問している

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武蔵丘短⼤⼥⼦サッカー部がネイマール・ジュニア・ファイブでベスト4に

ネイマールのアイデアと哲学に基づいたアマチュアサッカープレーヤー向けU25ストリートサッカー世界杯「ネイマール・ジュニア・ファイブ」のワールドファイナルが7⽉20、21⽇にブラジルのサンパウロで開催された。⽇本代表として男⼦は⼤分の⽴命館アジア太平洋⼤サッカー部メンバーで構成する「FCあぷ」が、⼥⼦は埼⽟の武蔵丘短⼤⼥⼦サッカー部2年⽣チーム「シエンシア」が出場。シエンシアがベスト4に輝いた。

武蔵丘短⼤⼥⼦サッカー部の2年⽣チーム「シエンシア」 © Fabio Piva/Red Bull Content Pool

現地時間7⽉20⽇に開催のグループ予選で、FCあぷはアルゼンチン、ケニア、ベルギー、アゼルバイジャンと同組になり、宿敵ベルギーとアゼルバイジャンに勝利。しかし他試合に敗れてグループ3位で惜しくも決勝トーナメントに進出できなかった。ワールドファイナル開催3回⽬の今回初めて実施する⼥⼦限定の枠に、⽇本代表として出場したシエンシアはスイス、ブラジル、ベルギーら強豪国と同組に。スイスには勝利したが、ブラジルに敗れ、ベルギーと引き分けて2位でトーナメントに進出。翌⽇の決勝トーナメント1回戦でフランスに勝利したが、次のイタリアに0対1の僅差で敗退。決勝戦に⼀歩届かなかったが、ベスト4になった。

⽴命館アジア太平洋⼤サッカー部メンバーで構成するFC あぷはグループ予選でアゼルバイジャン代表チームに1対0で勝利 © Marcelo Maragni/Red Bull Content Pool

シエンシアの島⽥優依菜は⼤会について「ジャパンと呼ばれることにすごく責任感を感じました。優勝への想いはありましたが、こうしてベスト4になれてすごいと思います。海外選⼿はフィジカルが強いのですが、パスなどでは世界でも通⽤できたかなと思います。ただ、あと少しでネイマールと対戦できたかと思うと悔しいです」と語っている。

「テクニックなどの部分ではおそらく⽇本⼈選⼿の⽅が上ですが、海外選⼿は勝つことに貪欲で、勝負強いと感じました。試合前にメンバー同⼠で激しい⾔い争いをしていたにもかかわわらず、試合になると団結して守備をしたり、またボールとともに⽣活し、空港に着いた瞬間からサッカーを始めるなどサッカーに対して熱いと感じました。そんな部分が勝ち負けを分けるのかなと思います。ネイマール・ジュニア・ファイブはすごく素敵な⼤会だと感じました。⾔葉も通じないのに、ボールひとつあれば他国の⼈々とつながることができることを実感するなど、なかなかできない体験で、すごい刺激になりました。この経験をもとに、⽇本に戻ったらインカレ優勝を⽬指して練習に励みたいと思います」

⼥⼦の優勝ブラジル代表はチームネイマールと対戦も © Fabio Piva/Red Bull Content Pool

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ピレネーのスキー場までサイクリストと上ってサイクリストと下る

ツール・ド・フランス取材者日記第17ステージ。前夜に宿泊した、大正時代のさびれた湯治場の唯一のいいところ。それはこの日のゴールまでとてもアクセスがいいところでした。いわゆる主催者が指定するオーコース(スタートからゴールまでの迂回路)の高速を降りたところにあったのです。だから一般道をピレネーに向けて南下すればゴールにたどり着けるのです。

F1並みのスタートグリッドにサルドプレスは大盛り上がり

ゴールとなるピレネーのスキー場までのアクセスは、アルプスのラルプデュエズのように交通規制はされていなかったので、一般サイクリストが必死で上る脇をかすめるように、接触しないように細心の注意を払ってクルマを走らせます。サイクリストを1人でも踏んだらツール・ド・フランス取材はやめる覚悟なので慎重に運転しています。

サンラリースランの上りは最初がとても厳しくて、マニュアル車はほぼ1速で登坂。サイクリストが道をふさぐたびに半クラッチで坂道発進。ひごろから筋トレしていないと確実に足がつります。

帰路は大渋滞となるのは必至。キリスト教の聖地ルルドにある、24時間フロント対応のホテルにしたので時間がかかっても安心だけど、できればすんなり下山したい。ゴール後に原稿を書いていると、次々に下山している車両がいるので、ボクも荷物をまとめて帰ることに。

コースでもなくゴールでもない、ピレネー山麓で原稿執筆

最初は飛ぶように下っていたのですが、途中で憲兵隊員に止められました。あと2台でふもとまで一瞬のうちにたどり着けるところだったのに。理由を聞けば、この時間は下り方面の進行はできないという命令書があるとのこと。それって計画段階の交通規制でしょと思ったけど、絶対に折れません。

ということで関係車両はすべてボクの後ろでスタック。上まで自転車で上っていたサイクリストもクルマの脇を続々と降りてきます。地元フランスチームのフォルテュネオとグルパマはサンラリースランのふもとにチームバスを駐めて、選手はゴールしたら15km自分で降りろという指示だったようで、ウインドブレーカーだけ羽織ったプロ選手の菅田も。表彰台に関係ないチームがよくやります。で、選手は笛を渡されて、接触を避けるためにピーピー鳴らしながら下ります。結構、笑える。

一般のサイクリストと一緒に下ってくるわけですが、やはり走り方なのか体つきなのか、ツール・ド・フランス出場選手だってひと目で分かりますね。 そんな光景を、融通のきかない憲兵隊員に1時間止められていたので観察していました。

サンラリースランからサントマリードカンパンに抜ける道。アスパン峠の南側にあったルート

ようやく解除になったあとはサンラリースランまで下り、アスパン峠の南にある狭い道を使って奇跡の泉がわき出るというルルドへ。

今回はホテルを変えて泉のわく洞窟近くにあるイタリア人経営のホテルへ。宿泊客は全員イタリア人です。21時には原稿を送れたので階下のレストランへ。さすがにイタリアというだけあって、パスタはちっと固めでおいしかったです。フランスのパスタはたいていゆですぎなんです。

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ジロ・デ・イタリア総合優勝を記念したピナレロ マリアローザ キャンペーン

ピナレロジャパンでは、ジロ・デ・イタリア第19ステージで今後伝説的に語り継がれるであろうチマコッピを含む80kmもの距離を独走で逃げてマリアローザを獲得したクリストファー・フルーム(スカイ)のジロ・デ・イタリア初制覇を記念したスペシャルなキャンペーン「ジロ・デ・イタリア #101 総合優勝 ピナレロ マリアローザ キャンペーン」を実施する。

フルームが獲得したマリアローザ

発表されたばかりのピナレロ2019モデルを成約した人にフルームのジロ・デ・イタリア初制覇を記念したスペシャルなセレブレーションTシャツを先着300人にプレゼント。

チームスカイ ジロ・デ・イタリア セレブレーションTシャツ

●キャンペーン概要
期間:2018/7/25~2018/8/6(Tシャツがなくなり次第キャンペーン締め切り日前でもプレゼントは終了)
対象:期間中に対象商品を成約した人(先着300名限定)
対象商品:ピナレロ 2019年度モデル
プレゼント賞品:チームスカイ ジロ・デ・イタリア セレブレーションTシャツ(サイズ指定はできません)
応募方法:対象商品の購入時にピナレロ販売店を通じてキャンペーン申し込み

ツール・ド・フランスでマイヨジョーヌを獲得したゲラント・トーマスを祝福するフルーム

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青山学院山岳部…未踏峰ホワイトウェーブ登頂に向けて訓練と準備の日々

青山学院大体育会山岳部がヒマラヤにある標高6960mの未踏峰「ホワイトウェーブ」に挑む。時期は2018年9月中旬から10月末までの約50日間。登頂予定日は10月10日から15日までの期間を想定する。いよいよ現地入りの時期が迫ってきて、練習や準備にも熱が入る。今回は登攀隊長の田口純也山岳部主将(大学4年)がヒマラヤ遠征の訓練について報告。

黄蓮谷右俣でトレーニングする青山学院山岳部

技術習得のためのトレーニング山行

Whitewave頂上に向けて今回登ろうとしているルートを想定した日本国内のルートを探したところ、標高差1000mのアイスクライミングならば南アルプス甲斐駒ケ岳にある黄蓮谷と考え、村上正幸監督と2人でトレーニングに向かいました。黄蓮谷は夏はきれいな沢なのですが、冬には沢がすべて凍って、氷の壁が続きます。

普通に行っても訓練にならないので、アタックを想定した2日間で完遂することと、装備はある程度の重量を持つため、テントを持っていくという条件を付与しました。

山行中何度もくじけそうになりましたが、Whitewaveでは標高が7000mととても高所のためもっとツラいはずです。安全面も考慮しながら、限界ギリギリの負荷を体にかけるという訓練ですので、超えるしかありません! 氷の壁の登攀では、本番を想定したロープワークを重点的に確認しながら登っていきます。

入山した日に雪が降り、氷の上に20cmほどの雪が積もっていてとても歩きにくく、当初想定していたスピードを出すことができず、山頂についたのは19時過ぎ。山頂から6時間かけて下山してきました。

成果として、標高差1000mの登攀と24時間の連続行動をすることができ、とても充実した訓練にすることができました。

体力強化のためのトレラン参加

経ヶ岳バーティカルリミット

隊員の中で唯一7000mの経験がある村上監督以外3名の学生は富士山が最高点です。心拍数が上がって多少体に支障があっても動ける体力をつける必要があります。箱根駅伝のように大会前に試走できたらよいのですが、未踏峰ですのでそれはさすがにかなわないので想像して練習を考えました。

まず、隊員全員の体力がどれくらいなのかを定量的に把握するために、トレランの大会を利用しました。部員全員で参加したのですが、無事遠征隊員達が上位を占めてくれました。

今後のトレーニング予定としては、三つ峠での登攀訓練と遠征出発直前の富士山での高所順応。三つ峠では、徹底的にマルチピッチのロープワークを修練し、富士山はお鉢でのランニングとビバーク(富士山ではテントを設営することができませんので、ほぼ寝袋だけで1晩を過ごします)ですね。3776mの標高はすでに高山病になる標高ですのでトレーニングには最適です。高所順応はこれに加え、三浦ドルフィンという高所施設で5000mの宿泊体験で体を慣らします。

装備や食料の準備

装備の準備も着々と進む

飛行機では持っていける重さが30kgまでなので、超過する分を先に輸送をします。夏には使わない高所靴やアイゼン、アイスバイルといった装備をネパールに送っておきます。三つ峠などでアイゼン登攀の練習もしますが、本番で使うアイゼンのつま先が岩に削られて丸まってしまうので、練習には別のアイゼンを使います。

食料はキャラバンとアタックの2つの場面に分けて準備します。

キャラバン中は小さな村があるので村で食糧を調達

キャラバン中は小さな村があるので村で食糧を調達して食べます。ほぼダルバートというカレーのような料理になります。。飽きないためにも調味料は持っていきます。醤油、味噌、マヨネーズ、七味、わさび、ふりかけ、お茶漬けの素など。ほぼ白米かジャガイモでエネルギーを摂取することになるので、ふりかけとマヨネーズが重要だと考えています。

ちなみにお茶漬けはかつての飛脚や旅人の食べ物でした。江戸時代の宿場では1日分の米を朝炊いて、お昼ごろに来た方に冷めた米をお茶で戻して食べやすくしていたそうです。すぐ出せるしお米を何度も炊く燃料を考えると合理的ですね。

私たちは、現地で食べれるものに無理やり味付けをして楽しむ予定です。

アタックの食料計画は難しく、練習同様に高所でどれだけ食欲が湧くのかが全く未知の領域ですが、軽い、カロリー高、食べやすい、この3点で選んで色々な食品を実際に食べながら選定を進めています。(田口純也)

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