【ツール・ド・フランス第5S】エヴェネプール一番時計、ポガチャルが首位に

第112回ツール・ド・フランスは7月9日、カンを発着とする距離33kmの個人タイムトライアルが第5ステージとして行なわれ、この種目の世界チャンピオン、スーダル・クイックステップのレムコ・エヴェネプール(ベルギー)がトップタイム。16秒遅れで2位に入ったUAEチームエミレーツ・XRGのタデイ・ポガチャル(スロベニア)が、アルペシン・ドゥクーニンクのマチュー・ファンデルプール(オランダ)を首位から引きずり落としてマイヨジョーヌを獲得した。

アルカンシエル、金色のヘルメットを着用したエヴェネプール ©A.S.O.

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首位と同タイムの2位ポガチャルが個人タイムトライアルで逆転 ©A.S.O.

ポガチャルが3つのリーダージャージを獲得

2025ツール・ド・フランスは大会5日目、カン周辺で行われた33kmの個人タイムトライアルでパリ五輪2冠のエヴェネプールとポガチャルがハイペースで走った。エヴェネプールは2024年のタイムトライアルでツール・ド・フランス初優勝したが、この日で2勝目。現世界チャンピオンとしてツール・ド・フランス複数大会で個人タイムトライアルを制覇した3人目の選手となった。

16秒差をつけられたポガチャルは、総合成績ではエヴェネプールに42秒差をつけ、レースの新たな総合リーダーとしてマイヨジョーヌを獲得した。同選手はポイント賞と山岳賞でも首位に。3つのジャージを手にすることになった。

2025ツール・ド・フランス第5ステージ ©A.S.O.

ノルマンディー出身のケヴィン・ヴォークラン(フランス、アルケア・B&Bホテルズ)は、地元での力強いパフォーマンスで59秒遅れの総合3位に食い込んだ。ステージ13位でフィニッシュして1分13秒差をつけられたヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、チーム ヴィスマ・リースアバイク)はトップ3から陥落。一方、ファンデルプールは、マイヨジョーヌを手にした3日間を終えて1分28秒遅れの6位に後退した。

ファンデルプールはマイヨジョーヌを失う。2025ツール・ド・フランス第5ステージ ©A.S.O.
タイムトライアルの世界チャンピオン、 エヴェネプールがトップタイムで優勝 ©A.S.O.

●ステージ成績
1位 レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)36分42秒
2位 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ・XRG)16秒遅れ
3位 エドアルド・アッフィニ(イタリア、チーム ヴィスマ・リースアバイク)33秒遅れ

●総合成績
1位 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ・XRG)17時間22分58秒
2位 レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)42秒遅れ
3位 ケヴィン・ヴォークラン(フランス、アルケア・B&Bホテルズ)59秒遅れ

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ・XRG)
マイヨベール(ポイント賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ・XRG)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ・XRG)
□マイヨブラン(新人賞)レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)

ポガチャルが2025ツール・ド・フランス第5ステージで首位に ©A.S.O.

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【ツール・ド・フランス旅日記 episode4】28年をかけてルーアンに戻ってきました

自転車専門誌のサイクルスポーツが「別冊付録 ツール・ド・フランス 」を初めて発行したのが1989年。今中大介が日本人プロとして初出場を果たす1996年まで1冊まるごと担当してきました。翌年からは個人として全日程を追いかけるようになりますが、その開幕地がルーアンでした。

1997年、ツール・ド・フランス初取材の初日 ©仲沢隆

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日本選手がいないのになんでいるんだ?

今でこそ日本選手が当たり前のように参加するようになったものの、28年前はこの世界最高峰の自転車レースに日本選手の姿があることを想像できませんでした。ツール・ド・フランスの厳しさを現場にいて肌で感じているだけに、表彰台に日本選手が乗るというイメージができなかった。それほどツール・ド・フランスは、はるかなる存在でした。

2012年のルーアン

開幕を迎えるルーアンの町に立ったときは、クルマを一人で運転しながら全日程を追いかけていけるのだろうかと不安でいっぱい。サルドプレスの一番隅に席を取ると、隣に座った記者が声をかけてきたのを覚えています。

「日本選手は出ているのか?」

「いないのになんでいるんだ?」

そう言われるのは当然だったけど、くやしさは飲み込むしかない。いつかは日本選手が表彰台に立ってくれると信じて、毎年自費でフランス一周の旅をするしかありませんでした。

新城幸也の敢闘賞登壇はMCの声しか聞けなかった

2012年、第4ステージのルーアンでボクたち日本人取材陣が溜飲を下げるときが到来。新城幸也が4km地点でアタックし、ゴールを目指して逃げに逃げて最終的に捕まるのですが、敢闘賞を獲得。日本選手が表彰台に上る歴史的な日となったのです。

2012年にルーアンで敢闘賞を獲得した新城幸也

で、表彰式。カメラマンは舞台の正面に陣取れますが、ボクは記者なので表彰台の裏側しか入れない。それでも受賞者はコンタクトエリアでテレビ局、地元ラジオ、そして活字メディアの順にインタビューを受けるという流れ。ボクは大会のアテンド係に「アラシロの話が聞きたい」と伝え、活字メディアの場所で彼を待っていたものの、テレビやラジオの取材が終わったとたんに、「敢闘賞の表彰の時間だ」と連れていかれました。つまり話もなにもできかった。

かくして日本勢初の表彰台。カメラマンや日本の視聴者のみなさんはしっかりと晴れの舞台を見たはずですが、ボクは舞台裏で司会者ダニエル・マンジャスのコールと大観衆の声援しか聞こえませんでした。

東京中日スポーツの表面に自転車記事が掲載された

2日後に日本のスポーツ新聞で初めてのトップ記事

もちろん新城はわれわれ取材陣が待ち構えているところに来てくれたのでしっかりと話を聞くこともできました。そのときのボクは気持ちが高揚していて、しかもすぐに新聞社に原稿を送らなければならなかったので仕事に集中。すでに日本の朝刊の締め切りは過ぎていたので、翌々日になってしまいましたが日本のスポーツ新聞として初めて一面トップで自転車記事を掲載。

ルーアンのプレスセンターはよくありがちな総合スポーツセンターに仮設された

夜遅くルーアン郊外のホテルに入って奇跡的に開いていたレストランで食事をして、ようやく部屋で落ち着く。別にボクは選手じゃないので、くやしかったことやツラかったことなどないんだけれど、いろいろなことが脳裏をよぎりました。

セーヌ川が流れるルーアン
世界チャンピオンのポガチャルが2025ツール・ド・フランス第4ステージのルーアンで優勝 ©A.S.O.

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【ツール・ド・フランス第4S】ポガチャル18勝目…ファンデルプールが同タイムで首位死守

第112回ツール・ド・フランスは7月8日、アミアンメトロポール〜ルーアン間の174.2kmで第4ステージが行なわれ、UAEチームエミレーツ・XRGのタデイ・ポガチャル(スロベニア)が第2ステージで負けたアルペシン・ドゥクーニンクのマチュー・ファンデルプール(オランダ)に勝利。ボーナスタイムにより、総合時間でポガチャルとファンデルプールが並んだが、これまでの4つのステージの着順合計により、ファンデルプールがマイヨジョーヌを死守した。

ノルマンディー地方の美しい村を駆け抜けていく ©A.S.O.

マイヨジョーヌはタイム差なしでファンデルプールが死守

ステージ1位のポガチャルがボーナスタイム10秒、ファンデルプールが6秒を獲得。総合成績でファンデルプールとポガチャルがタイム差なしで並んだ。タイムが同じ場合、通常は切り捨てられるタイムトライアルの1/100秒単位の記録を加えて比較し、タイムの少ない選手が総合上位に立つというルールがあるが、今大会はまだタイムトライアルが行なわれていない。そのためここまでの全ステージの順位を合計し、累計の少ない選手が上位に立つというルールが適用された。この結果ファンデルプールが合計54、ポガチャルが92となり、ファンデルプールが総合1位を守った。

アミアン大聖堂をスタート ©A.S.O.

ポガチャルはプロ通算100勝目、ツール・ド・フランス通算18勝目。現ロード世界チャンピオンがツール・ド・フランスでステージ勝利したのは、2021年のジュリアン・アラフィリップ(フランス)以来の記録となった。

2025ツール・ド・フランス第4ステージ ©A.S.O.
レニー・マルティネスら4選手がアタック。2025ツール・ド・フランス第4ステージ ©A.S.O.
マイヨジョーヌのファンデルプール。2025ツール・ド・フランス第4ステージ ©A.S.O.
マイヨジョーヌのファンデルプール。2025ツール・ド・フランス第4ステージ ©A.S.O.

●ステージ成績
1位 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ・XRG)3時間50分29秒
2位 マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)同タイム
3位 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、チーム ヴィスマ・リースアバイク)同タイム

●総合成績
1位 マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)16時間46分00秒
2位 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ・XRG)同タイム
3位 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、チーム ヴィスマ・リースアバイク)8秒遅れ

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)
マイヨベール(ポイント賞)ジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ・XRG)
□マイヨブラン(新人賞)ケヴィン・ヴォークラン(フランス、アルケア・B&Bホテルズ)

ポガチャルを牽引するチームメート ©A.S.O.

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世界チャンピオンのポガチャルが2025ツール・ド・フランス第4ステージ優勝 ©A.S.O.

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【ツール・ド・フランス旅日記 episode3】英仏海峡の港町には特別の思いが

英仏海峡の港町に来ると忘れられない記憶がよみがえります。1987年3月8日夜に起こったタイタニック号以来の北海海難事故。ボクが英国ドーバーに向かうために乗り込む予定だった大型フェリーが凍てつく海に沈んだのです。

早朝のカレー港

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1987年3月、タイタニック号以来の北海海難事故

で、本当に記憶が曖昧で、あれは夢だったのではと思うようになったのでAIに聞いてみました。概要はこんな感じです。ベルギーのゼーブルッヘ港からドーバーに向かうタウンゼント・トーレセン社のMSヘラルド・オブ・フリー・エンタープライズ号が出港直後に転覆。乗客の多くが低体温症などで命を落としたと。

マイヨベールを着用したフィリプセン。2025ツール・ド・フランス第3ステージ ©A.S.O.
カモメの鳴き声が聞こえてくるカレー

AIでもウィキペディアでも事故の詳細が確認できますが、ボクがなんで乗るはずだった船に乗り込まなかったかというと…、ドイツからベルギーの港に向かう電車の乗り換えを間違ったからです。

だって紀伊國屋書店で買ったトーマス・クック時刻表を片手に欧州を旅している大学5年生ですよ。ドイツがあまりにも寒くて、直接ベルギーの港まで行ったら早く到着しすぎるので、ここはいったん反対方向の電車に乗って暖を取り、5つ目の駅で下車して折り返そうと。

第3ステージのゴールはフランス最北端のダンケルクだ

ツール・ド・フランスを追い続けられたのも幸せだった

じつはトーマス・クック時刻表って停車する全駅が掲載されているわけじゃないんですよね。見事にとんでもない駅で降りてしまい、当然終電は終わっていて。トイレの個室に隠れていたら警備員に見つかってドアを思い切り蹴飛ばされて氷点下の寒空のもとに。うずくまっていたら凍えそうなのでアウトバーンの草むらをひたすらシュツットガルトまで歩き…。

カンパニールホテルでのんびりとくつろぐ

こうして数時間後に港に着いたらフェリーが沈んでいました。ボクの人生って本当に幸運の連続です。ツール・ド・フランスを30年以上も追いかけることになったのも最大のラッキーなことだと感じています。

フランスの高速道路パーキングは商業施設のあるにぎやかなところと、トイレとベンチしかない静かなところが交互にあります。写真は後者。クルマがとても快適なんですが、オートマなんだと今認識しました。オートマってこんなに楽なんだ!

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【ツール・ド・フランス第3S】フィリプセン落車棄権…メルリールV

第112回ツール・ド・フランスは7月7日、ヴァランシエンヌ〜ダンケルク間の178.3kmで第3ステージが行なわれ、ゴールスプリント勝負を制したスーダル・クイックステップのティム・メルリール(ベルギー)が2021年以来となる大会通算2勝目をあげた。

メルリールが2025ツール・ド・フランス第3ステージ優勝 ©A.S.O.

ポイント賞のマイヨヴェールを着たヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)が中間スプリントポイントで路面に叩きつけられ、その場でリタイアした。

2025ツール・ド・フランス第3ステージ ©A.S.O.

初日の第1ステージはスプリント勝負の前に脱落したメルリールだが、3日目にダンケルクで力強く勝利し、狙っていたリベンジを果たした。ベルギーのスプリンターは、高速でタイトなスプリントでリドル・トレックのジョナタン・ミラン(イタリア)をゴール直前でかわした。中間スプリントでの高速クラッシュによりフィリプセンがリタイアを余儀なくされたが、チームメイトのマチュー・ファンデルプールはこの日を生き残り、マイヨジョーヌを防衛した。

メルリールはツール・ド・フランスで2度目の勝利だ。2021年にはファンデルプールが初のステージ優勝を果たした翌日、第3ステージで優勝していた。当時、2選手はチームメイトだった。

2025ツール・ド・フランス第3ステージ ©A.S.O.
マイヨベールを着用したフィリプセン。2025ツール・ド・フランス第3ステージ ©A.S.O.
2025ツール・ド・フランス第3ステージ ©A.S.O.

●ステージ成績
1位 ティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)4時間16分55秒
2位 ジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)同タイム
3位 フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス)同タイム

●総合成績
1位 マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)12時間55分37秒
2位 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ・XRG)4秒遅れ
3位 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、チーム ヴィスマ・リースアバイク)6秒遅れ

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)
マイヨベール(ポイント賞)ジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)ティム・ウェレンス(ベルギー、UAEチームエミレーツ・XRG)
□マイヨブラン(新人賞)ケヴィン・ヴォークラン(フランス、アルケア・B&Bホテルズ)

区間2位で勝利を逃したミラン。2025ツール・ド・フランス第3ステージ ©A.S.O.

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【ツール・ド・フランス旅日記 episode2】世界のサイクルシティで2連泊

本降りです( ; ; ) フランスは気温40度超えって聞いていたんですが、20度以下です。大会2日目はブローニュ・シュル・メールへ。パリ郊外にもブローニュがありますが、フランスでは同じ地名の場合はsur(シュル)のあとに識別する意味の県名などがつきます。陸前高田みたいな感じです。この日のゴールは海(メール)沿いなのでブローニュ・シュル・メール。フランス最北部でブドウが育たないのでオランダやベルギー同様にビール!

2025ツール・ド・フランス第2ステージ ©A.S.O.

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カレー市内の生活道路。日本で自転車通行レーンを作ると違法駐車車両で埋まるというが、自転車レーンが四輪通行レーン側にレイアウトされている

自転車フレンドリー度が世界最高レベルのカレー

大会3日目のゴールが最北端のダンケルクなので、この日から2日間はその中間にある、英仏海峡の港町カレー。ホテルはワングレード上がってカンパニールです。クルマからアクセスしやすい部屋、運がよければバスタブ付き、広い室内。初日は日曜なので併設レストランが営業していませんが、明日は予約しました。お手頃な価格で、ビュフェ形式のメニューセットがあるんですよ。

カレーの場末にあるカンパニールホテル。日本人にとってはそれなりの値段だが、フランスのブルーカラーの人たちがよく泊まっている
レストランにはなかなか行けないので、部屋飲みに慣れていく

フランスにはミシュランの格付けのような、それぞれの町の自転車フレンドリー度を表彰する制度があります。ミシュランは星の数ですが、自転車なのでその台数。最高ランクの自転車4台は首都パリ、世界のサイクルシティであるコペンハーゲン。そしてこのカレーが君臨しています。

カレーのフェリー乗り場近く

自転車レーンが立体交差していたり、生活道路では四輪駐車スペースの方が歩道側にあったり。パリは欧州の歴史が形成した特別な街なので自転車道路通行の視察としては参考にならないと思うので、日本の関係者が行くならカレーです。カモメがこよなく歓迎してくれるはずです♪

カレー市庁舎が見える鉄道沿いに素晴らしい自転車・歩行者専用橋が。眼下の運河沿いにも自転車道が!

フランス人が旅行で出せる金額は日本人の比じゃない

翌朝はようやく朝5時半まで目覚めなかったので、明るくなってから冬の格好でランへ。一度は雨で部屋に戻りましたが、走ってからシャワーを浴びていただく朝食をおいしくするため、フェリー乗り場まで。朝食はホテルがワングレード上がったのでタンパク質がつきました。料金は2000円です(泣 高速道路のサービスエリアで目撃したレッドブルの473ml缶が1150円でしたからね。

今年になって気づいたのは、この価格の違和感って円安だからではなく、フランス人の所得が日本よりはるかに高いからなのでは。フランスフランの時代は逆だった記憶がします。もはやリッチな旅はできません。

カンパニールホテルでプチ・デジュネ(朝食)

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