【ジロ・デ・イタリア】シュタインハウザーが逃げ切りプロ初勝利

第107回ジロ・デ・イタリアは5月22日、セルバディバルガルデーナ〜フォルケンスタイン・イングレーデン間の159kmで第17ステージが行われ、EFエデュケーション・イージーポストのゲオルグ・シュタインハウザー(ドイツ)が逃げ切ってプロ初勝利。

2024ジロ・デ・イタリア第17ステージ ©Fabio Ferrari/Lapresse

UAEチームエミレーツのタデイ・ポガチャル(スロベニア)は1分24秒遅れの区間2位。総合2位ダニエル・マルティネス(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ)との差を7分18秒から7分42秒に広げた。

2024ジロ・デ・イタリア第17ステージ ©Fabio Ferrari/Lapresse
シュタインハウザーが独走 ©Lapresse
ドロミテ山塊 ©Fabio Ferrari/Lapresse
ポガチャルがアタックするとマルティネスもトーマスもついていけず ©Fabio Ferrari/Lapresse
シュタインハウザーが2024ジロ・デ・イタリア第17ステージ優勝 ©Lapresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)ジョナサン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)
マリアアッズーラ(山岳賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアビアンカ(新人賞)アントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーンビクトリアス)

パリ五輪自転車競技トラック代表に男子7選手、女子6選手

第33回オリンピック競技大会(2024/パリ)の自転車競技トラック種目日本代表選手が5月22日に日本自転車競技連盟から発表された。

パリ五輪トラック競技が行われるサンカンタン・アン・イブリーヌのベロドロームナシオナル ©Paris 2024
男子女子
今村 駿介池田 瑞紀
太田 海也内野 艶和
小原 佑太太田 りゆ
窪木 一茂垣田 真穂
長迫 吉拓梶原 悠未
中野 慎詞佐藤 水菜
橋本 英也
リザーブ(フランス同行)
松田 祥位梅川 風子
リザーブ(フランス同行なし)
山﨑 賢人

トラック中距離女子

内野艶和 ©公益財団法人日本自転車競技連盟/Shutaro MOCHIZUKI
垣田真穂 ©公益財団法人日本自転車競技連盟/Shutaro MOCHIZUKI
池田瑞紀 ©公益財団法人日本自転車競技連盟/Shutaro MOCHIZUKI
梶原悠未 ©公益財団法人日本自転車競技連盟/Shutaro MOCHIZUKI

トラック短距離女子

佐藤水菜 ©公益財団法人日本自転車競技連盟/Shutaro MOCHIZUKI
太田りゆ ©公益財団法人日本自転車競技連盟/Shutaro MOCHIZUKI

トラック中距離男子

橋本英也 ©公益財団法人日本自転車競技連盟/Shutaro MOCHIZUKI
窪木一茂 ©公益財団法人日本自転車競技連盟/Shutaro MOCHIZUKI
今村駿介 ©公益財団法人日本自転車競技連盟/Shutaro MOCHIZUKI

トラック短距離男子

小原佑太 ©公益財団法人日本自転車競技連盟/Shutaro MOCHIZUKI
中野慎詞 ©公益財団法人日本自転車競技連盟/Shutaro MOCHIZUKI
太田海也 ©公益財団法人日本自転車競技連盟/Shutaro MOCHIZUKI
長迫吉拓 ©公益財団法人日本自転車競技連盟/Shutaro MOCHIZUKI

リザーブ(フランス同行)

梅川風子 ©公益財団法人日本自転車競技連盟/Shutaro MOCHIZUKI
松田祥位 ©公益財団法人日本自転車競技連盟/Shutaro MOCHIZUKI

リザーブ(フランス同行なし)

山崎賢人 ©公益財団法人日本自転車競技連盟/Shutaro MOCHIZUKI

【ジロ・デ・イタリア】ポガチャルが悪天候でコース変更の16Sで5勝目

第107回ジロ・デ・イタリアは5月21日、悪天候によるコース変更でラサからサンタ・クリスティーナ・ヴァルガルデナまでの118.7kmに短縮された第16ステージが行われ、UAEエミレーツのタデイ・ポガチャル(スロベニア)が優勝。ステージ5勝目を飾るとともに、総合成績のトップを守った。

悪天候による混乱もポガチャルは止められない ©LaPresse

「総合3位だったダニエル・マルティネスのほうが最終週は手ごわいと思っていたので、最後は差を広げようとした。それにしても今日はジュリオ・ペリッツァーリが素晴らしい走りをして才能を見せつけたので、今週にステージ優勝できることを願っている」とポガチャル。

混乱の第16ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse

「私は計画するのが好きで、ガールフレンドはいつもすべてをきちんと整理したがる。以前はそうではなかったのですが、年齢を重ねてきた今は計画を完璧に実行したいと思っている。そうは言ってもサイクリングでそれはほとんど不可能で、今日は物事が計画通りに進まなかった。それでも勝利を手にした。モビスターが集団を牽引したので、チームでそれほど多くの作業をする必要がなかったことをうれしく思う。私たちにとって素晴らしいサプライズだった」

ポガチャルが今大会5勝目 ©LaPresse
ゴール後にポガチャルは大健闘のジュリオ・ペリッツァーリにマリアローザとアイウエアをプレゼント ©LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)ジョナサン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)
マリアアッズーラ(山岳賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアビアンカ(新人賞)アントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーンビクトリアス)

厚手のチームウエアで第16ステージ優勝の表彰台に立つポガチャル ©LaPresse

BMXレーシング男子はパリ五輪出場ならず…女子は大陸枠で獲得

2024UCI BMXレーシング世界選手権が5月12日から18日まで米国サウスカロライナ州で開催され、パリ五輪の国別出場枠(大陸枠)を逃した日本男子は中井飛馬と島田遼が国内選考を勝ち抜いて出場したが、ラシとチャンスとなった五輪枠は獲得できなかった。

世界選手権で中井飛馬は男子エリート準々決勝で夢破れる ©Japan Cycling Federation

女子はフィリピンで行われた2023年のアジア選手権で畠山紗英が優勝し、パリ五輪出場枠を日本として1つ獲得している。

男子は新たなメンバーで挑んだ3年間の五輪挑戦。2023年7月に開催されたアジア選手権で切符を逃した日本男子はこの大会がラストチャンス。カナダ、ブラジル、チリ、デンマークなど複数の国が今大会で残された1枠を争った。

中井と島田が国内選考を勝ち抜き、それぞれ初日の予選を通過し1/8 決勝へ進出した。1/8決勝では中井が2位に入り、全体の11位で通過し最終日に望みをつないだ。好調だった島田は、第1コーナーで転倒し敗退。

最終日の準々決勝、各国が勝ち上がる中、中井は第1コーナーでのポジション争いで詰まってしまい失速。追い上げたが通過圏内の4位に届かず準々決勝敗退となった。同じ組からはカナダとチリが通過し、最終的にはチリが最後の1枠を掴み取った。最終国別枠配分は6月11日発表。今大会がラストチャンスであった日本男子はパリ五輪の出場枠を逃した。20代前半の現代表選手は、次のロス五輪へ向けて再始動することとなった。

男子13歳で高崎成琉が優勝、女子14歳で澤田茉奈が世界2位

日本チームは3月から1カ月間、大会会場で合宿を実施し、ジュニア/U23/エリート含め男女計9選手が大会に挑んだ。結果は、男子エリートで中井が自己最高となる準々決勝まで進出し26位に入った。

表彰台を狙っていたU23女子では、今シーズンのワールドカップで表彰台を獲得していた籔田寿衣が準決勝で敗退し、同カテゴリーに出場した野村凪沙の10位が日本人最高位となった。また、今大会の前半に開催された年齢別世界選手権にあたる「UCI BMXレーシングワールドチャレンジ」では、男子13歳で高崎成琉が優勝、女子14歳では澤田茉奈が2位に入った。

【ジロ・デ・イタリア】ポガチャルが天王山独走で総合Vに現実味

第107回ジロ・デ・イタリアは5月19日、マネルバデルガルダ〜リビーニョ間の222km山岳コースで第15ステージが行われ、総合1位のタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)が独走勝利。今大会4勝目を挙げた。

スロベニアにも近い北部イタリアの山岳でポガチャルが独走 ©Luca Bettini/Pool/LaPresse

ポガチャルは所属するUAEエミレーツの完璧なレース運びの後押しを受け、残り15kmでアタック。最後まで逃げていたモビスターのナイロ・キンタナ(コロンビア)を逆転してトップフィニッシュ。総合2位ゲラント・トーマス(英国、イネオスグレナディアーズ)との差を3分41秒から一気に6分41秒に広げた。

2024ジロ・デ・イタリア第15ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse

ポガチャルのグランツールでのステージ優勝はこれで18に。プリモシュ・ログリッチの19勝に続く記録で、最多記録はマーク・カベンディッシュの54勝。

ポガチャルが独走 ©Luca Bettini/Pool/LaPresse

「今日はキャリアの中で最高の日の一つだ。ルートもよく、上りもとてもよかったので、素敵なステージとなった。12月からこのステージを念頭に置いていた。それをコントロールできて本当によかった」というポガチャル。

伏兵たちが抜け出したが、非常に強力なアタックだったという。追い風が吹いていたので、ポガチャルとチームは慎重に動きを見極める必要があった。アシスト役のラファウ・マイカの牽引が終わると、ポガチャルが前を追って単独で飛び出した。

2024ジロ・デ・イタリア第15ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse

「キンタナとフルームをテレビで見ていた頃は、ゴールまで遠い地点からアタックしないといつも怒っていたけど、今日はアタックしてくれた。しかし、今日はキンタナは素晴らしい走りをしてくれたし、区間2位に入ったゲオルク・シュタインハウザーも素晴らしい仕事をしてくれた。今日は言及に値するライダーが何人かいる」(ポガチャル)

2024ジロ・デ・イタリア第15ステージ ©GETTY

つきあっているウルスカとの初めてのデートもここだった

「リビーニョには何度も来ている。ジュニア1年目にサンモリッツで代表チームと一緒にトレーニングキャンプをしたんだけど、ガソリンを安く満タンにするために、壊れかけたバンでここまで来たこともある。ほぼ毎年リビーニョに戻ってきた。これまでの生活の中で一番いい思い出がある場所だ。正直に言うと、婚約者のウルスカとの初めてのデートもここだからね」とポガチャル。

「今日は総合リストのトップに掲載されたが、ナンバーワンにはまだ遠く離れている。このクイーンステージを制覇できてとてもうれしい。すべてのジロ・デ・イタリアには独自のストーリーがあるから、来週どうなるか見てみたい。今のタイムギャップとチームには満足している。明日、最後の週の計画を立てる」

ポガチャルがナイロ・キンタナを振り落とす ©Gian Mattia D’Alberto/LaPresse
マリアローザのポガチャルが第15ステージで独走勝利 ©Marco Alpozzi/Lapresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)ジョナサン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)
マリアアッズーラ(山岳賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアビアンカ(新人賞)アントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーンビクトリアス)

マリアローザのポガチャル。2024ジロ・デ・イタリア第15ステージ ©Gian Mattia D’Alberto/Lapresse

【ジロ・デ・イタリア】ガンナ6回目のTT優勝、総合はポガチャル独走状態

第107回ジロ・デ・イタリアは5月18日、カスティリオーネデッレスティビエーレ〜デセンザナデルガルダ・チューダー間の31.2kmで第14ステージとして個人タイムトライアルが行われ、イネオスグレナディアーズのフィリッポ・ガンナ(イタリア)がトップタイムで優勝した。

ガンナがトップタイムで優勝 ©Fabio Ferrari/LaPresse

ガンナはジロ・デ・イタリア通算7勝目で、このうち個人タイムトライアルは6勝。2021年最終日の第21ステージ以来の勝利となる。

ロンバルディア平原で行われた個人タイムトライアル ©Lapresse

総合1位のタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)は29秒遅れの2位。総合2位に浮上したゲラント・トーマス(英国、イネオスグレナディアーズ)との差は3分41秒となり、13区間連続で首位を守った。

タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ) ©Fabio Ferrari/LaPresse

五輪のタイムトライアルを考える前にジロ・デ・イタリアを完走したい

「タイムトライアルがあるときは、ガンナが勝つといいのにとみんなってくれる。気分がよくなってよく眠れる助けにはなるけど、簡単そうに見えて難しい」とガンナ。

「今日は沿道でたくさんの人が応援してくれた。距離は32kmしかなかったけど、ミラノ〜サンレモと同じくらいの長さに感じた。パリ五輪のタイムトライアルのことを考える前にこのジロ・デ・イタリアを完走したい」

ガンナがトップタイムで優勝 ©LaPresse

勝負を決めるのは最終日前日のモンテグラッパだ

「フィリッポ・ガンナのタイムチェックを見ると、彼は終盤にペースアップたが、僕は逆の作戦。最初の部分の方が自分には合っていた。最初はとても楽しかったのですが、後半は自分の力を維持して自爆しないようにした」とポガチャル。

「勝負を決めるのは最終日前日、最後の残酷な登りであるモンテグラッパだ。今日みたいにタイムを出せるなら攻撃的に走る。後悔するよりも安全に順位を守れるほうがいい。山岳ステージに突入する前に総合でのタイム差が確保できると、さらにいい走りができそうで、自信にもなる」

マリアローザを守ったポガチャル ©LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)ジョナサン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)
マリアアッズーラ(山岳賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)
マリアビアンカ(新人賞)アントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーンビクトリアス)

コルナゴの創業者エルネスト・コルナゴ(左)とポガチャル ©Marco Alpozzi/Lapresse